ある冒険者の受難
(くそっ!最悪じゃねェか。)
操縦槽の中で声に出さず毒づいた。
場所は地下遺跡の中、目の前にはその|無人LEV《クソッタレ》が3体…1体倒したから、後2体が立ちはだかっている。
こちらは5人…だったが、今はすでに相棒と2人だけ。
なんでこんな事になったのか、イラつきながらも冷静に考える。どうやってこの場を切り抜けるかを…
場所は地下遺跡の中、目の前にはその|無人LEV《クソッタレ》が3体…1体倒したから、後2体が立ちはだかっている。
こちらは5人…だったが、今はすでに相棒と2人だけ。
なんでこんな事になったのか、イラつきながらも冷静に考える。どうやってこの場を切り抜けるかを…
*
俺は自由都市同盟で冒険者をやっている。
ここ自由都市同盟はアルカディア帝国、カーライル王朝聖王国と並ぶ三大国家の一つだ。
この国では民主共和政の下、新人類と亜人が共存し、発展して来た。
そして冒険者は様々な厄介事を解決する、良く言えば一種のスペシャリスト、悪く言えば何でも屋と呼べる存在だ。
ここ自由都市同盟はアルカディア帝国、カーライル王朝聖王国と並ぶ三大国家の一つだ。
この国では民主共和政の下、新人類と亜人が共存し、発展して来た。
そして冒険者は様々な厄介事を解決する、良く言えば一種のスペシャリスト、悪く言えば何でも屋と呼べる存在だ。
さて、俺は普段から相棒と2人で組んで仕事をしてきた。
組んで6年になるか、すっかり気心の知れた頼りになる奴だ。
組んで6年になるか、すっかり気心の知れた頼りになる奴だ。
今回組んだあのデブ・チビ・ノッポの3人組とは、3か月前に仕事の都合で冒険者組合から紹介された。
4度一緒に仕事をして、ようやく慣れ親しんできたところだった。
今回の件は、その3人組が持ち込んで来たものだ。
俺は再三、情報の正確さを確認するよう促したが、あの3人組と来たら、大丈夫、問題ない、と楽観していた。
4度一緒に仕事をして、ようやく慣れ親しんできたところだった。
今回の件は、その3人組が持ち込んで来たものだ。
俺は再三、情報の正確さを確認するよう促したが、あの3人組と来たら、大丈夫、問題ない、と楽観していた。
で、その問題の遺跡は禁忌の地と自由都市同盟の国境にほど近い、同盟側にあった。
その遺跡の内部調査の為の下調べを行うのが俺たちへの依頼だった。要は調査隊が入るのに危険かどうかを調べて、可能ならその危険を排除しておけ、という事だ。
同盟領土内にまだ手付かずの遺跡が残っていたのは、軽く驚きを覚えた。
その遺跡の内部調査の為の下調べを行うのが俺たちへの依頼だった。要は調査隊が入るのに危険かどうかを調べて、可能ならその危険を排除しておけ、という事だ。
同盟領土内にまだ手付かずの遺跡が残っていたのは、軽く驚きを覚えた。
それと同時に嫌な予感もあった。
だが、高額の報酬に釣られて、結局は引き受けた。
だが、高額の報酬に釣られて、結局は引き受けた。
*
遺跡に入ってすぐにはナニも無かった。めぼしいモノも、魔獣の姿も。
もう少し奥に入って行くと、歓迎を受けた。
『ネコグモ』が4体、こちらに近づいてくるのが丸わかりだ。俺たちはすぐに行動を起こし、1分で片付けた。
遺跡に入ってすぐにはナニも無かった。めぼしいモノも、魔獣の姿も。
もう少し奥に入って行くと、歓迎を受けた。
『ネコグモ』が4体、こちらに近づいてくるのが丸わかりだ。俺たちはすぐに行動を起こし、1分で片付けた。
さて、と思ったその時に、最後尾のデブの悲鳴と、奴の魔装兵にネコグモが取り付いているのが見えた。
(下手打ちやがって、間に合うか。)
舌打ちと同時に動こうとしたその刹那、魔装兵を巻き込んでネコグモは爆散した。
魔装兵の腕が俺の頭を飛び越えて、通路の奥へ消えていった。
仲間を1人失った。
だが、ほんとうに最悪なのはここからだ。
爆発音に反応したのか、それともハナからそこにイやがったのか、通路の奥からそいつが姿を現した。
第4期LEVヴェルクートの無人機タイプだ。
仲間を1人失った。
だが、ほんとうに最悪なのはここからだ。
爆発音に反応したのか、それともハナからそこにイやがったのか、通路の奥からそいつが姿を現した。
第4期LEVヴェルクートの無人機タイプだ。
デカイ。俺の機兵より一回り以上背が高い。
この場所は狭くはないが、決して広くもない。それを2体並んで、こちらに近づいてくる。
この場所は狭くはないが、決して広くもない。それを2体並んで、こちらに近づいてくる。
まだ距離がある。
態勢を立て直して迎撃の構えを取ろうとした時に、|無人LEV《そいつ》は長い腕をさらに伸ばして腕を飛ばしてきた。
ワイヤーで繋がったその手でチビの乗る重機兵を掴んだ瞬間、スパークして重機兵は崩れ落ちた。
機体から白い煙が上がっている。
(高圧電流か!)
態勢を立て直して迎撃の構えを取ろうとした時に、|無人LEV《そいつ》は長い腕をさらに伸ばして腕を飛ばしてきた。
ワイヤーで繋がったその手でチビの乗る重機兵を掴んだ瞬間、スパークして重機兵は崩れ落ちた。
機体から白い煙が上がっている。
(高圧電流か!)
とっさにそう思った。触られるとヤバい。
一気に距離を詰める。奴はリーチが長いが、懐に入ればこちらが有利だ。
案の定、反応が遅れた|無人LEV《そいつ》の腕を掻い潜って胴に一撃叩き込む。
可動部を狙った剣は奴を横一文字に薙いで沈黙させた。
一気に距離を詰める。奴はリーチが長いが、懐に入ればこちらが有利だ。
案の定、反応が遅れた|無人LEV《そいつ》の腕を掻い潜って胴に一撃叩き込む。
可動部を狙った剣は奴を横一文字に薙いで沈黙させた。
(背面のサブアームにパイルバンカーを積んでやがったか。)
さっきの攻撃で俺が串刺しにならずに済んだのは幸運か。いや、幸運なら、そもそもこんな状況にはなりはすまい。
残りは1体。組んだ日は浅かったが、3人の仲間を失った。
残りは1体。組んだ日は浅かったが、3人の仲間を失った。
こんな所はオサラバしよう。
相棒に合図を送って転身した先に、こちらの動きをうかがうように、もう1体、|無人LEV《そいつ》がイやがった。
相棒に合図を送って転身した先に、こちらの動きをうかがうように、もう1体、|無人LEV《そいつ》がイやがった。
くそっ!最悪じゃねェか。