魔法捜査と刑事捜査について
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[解説]
聖華世界での刑事事件の捜査においては、いわゆる科学捜査が科学技術放棄によって行い得ない事もあり、それを代替する物として魔法捜査が発達している。
この魔法捜査は、主に鑑識の分野において活用され、犯罪の容疑者特定、犯人検挙に貢献している。
この魔法捜査は、主に鑑識の分野において活用され、犯罪の容疑者特定、犯人検挙に貢献している。
刑事事件の捜査は、基本的に以下の様に進められる事が多い。
- 事件発生、当局(基本的に軍組織)が通報を受ける。
- 捜査係の軍人が現場に到着。現場の確保、現場保存を行う。
- 鑑識係の軍人が現場に到着。このとき、鑑識係は3つの班に分かれる。
- 1班:通常鑑識班:足跡や遺留品などを捜索。自由都市同盟においては、指紋採取などの一部の科学捜査あり。
- 2班:魔法鑑識班:能動的に魔法を行使して、現場調査を行う。主に知覚魔法や知覚強化魔法が用いられる。知覚魔法にはマギウスサイトなど、知覚強化魔法には、エンハンスド・アイ、エンハンスド・イヤー、エンハンスド・ノーズなどが存在する。
- 3班:魔導器班:元々は2班に含まれていた。魔素残滓検知鏡(マギアスカウター)や魔導集塵機/魔導吸引器などの魔導器を用いた手がかりの探索を行う。
- 現場での鑑識活動は、以下の手順で行われる。
- 捜査係の軍人が、並行して聞き込みなどを行う。
- 得られた情報を元に、最寄りの軍施設にある捜査本部で、捜査方針が決定される。
ちなみに過去、軍や軍警察にて鑑識活動が行われ始めた時点においては、現場保存の意義などが周知されていなかった事もあり、被害者や関係者が犯罪現場を片付けてしまってから通報するなど、言語道断な事態が多く発生していた。
しかし聖華暦830年代においては、魔素残滓検知鏡などの発明により鑑識活動が本格化してから、200年以上の時が経っている。
しかし聖華暦830年代においては、魔素残滓検知鏡などの発明により鑑識活動が本格化してから、200年以上の時が経っている。
このため、少なくとも都市部などにおいては『事件が起きたら現場には手を触れず軍人さんに通報』という常識が広まっている。
ただし田舎の地方都市などにおいては未だに、窃盗事件が起きた際に何が盗まれたかを調べるついでに現場を片付けてしまい、その後で通報するなど、捜査側からすれば頭の痛い事態がよく発生している。
ただし田舎の地方都市などにおいては未だに、窃盗事件が起きた際に何が盗まれたかを調べるついでに現場を片付けてしまい、その後で通報するなど、捜査側からすれば頭の痛い事態がよく発生している。
更に言えば、僻地の寒村などにおいては通報自体行われずに、村八分になっている者やよそ者などに罪を押し付ける形でのでたらめな捜査が、村人たちの手で行われる事も多い。
そのような場合、刑も法にのっとった形ではなく、村長などの胸先三寸による私刑が行われる。
そのような場合、刑も法にのっとった形ではなく、村長などの胸先三寸による私刑が行われる。
もっともこれは、その様な村の者たちばかりを責められない事も確かだ。
僻地の寒村などでは、基本的に下士官レベルの従機乗りレベルの軍人が、保安官として2~3村に1人の割合で常駐しているだけである。
逆に言えば、それだけしか軍も人手を割けないのだ。
僻地の寒村などでは、基本的に下士官レベルの従機乗りレベルの軍人が、保安官として2~3村に1人の割合で常駐しているだけである。
逆に言えば、それだけしか軍も人手を割けないのだ。
保安官が常駐している村ならば保安官の裁量でもって、ある程度公正な裁きが行われる場合もある。
あるいは稀に、高級軍人が巡回判事として、数名の保安官級の軍人を引き連れて来る幸運に恵まれる事もあるだろう。
しかし保安官が常駐していない村々では、隣村まで保安官を呼びに行くのを面倒がったり、あるいは軍人さんに迷惑をかけるのは申し訳ないなどとの考えで、通報せずに適当な自己流捜査で適当な私刑を下す事が、ままあるのだ。
あるいは稀に、高級軍人が巡回判事として、数名の保安官級の軍人を引き連れて来る幸運に恵まれる事もあるだろう。
しかし保安官が常駐していない村々では、隣村まで保安官を呼びに行くのを面倒がったり、あるいは軍人さんに迷惑をかけるのは申し訳ないなどとの考えで、通報せずに適当な自己流捜査で適当な私刑を下す事が、ままあるのだ。
[魔素残滓検知鏡を使った鑑識について]
聖華暦590年に自由都市同盟で開発され、600年代初頭に実用化されたこの魔導器は、当初はそのあまりの有用性から同盟の機密扱いであった。
しかしアルカディア帝国やカーライル王朝・聖王国のスパイの手によって盗み出され、両国においても用いられる様になる。
しかしアルカディア帝国やカーライル王朝・聖王国のスパイの手によって盗み出され、両国においても用いられる様になる。
魔法によるエーテル残滓には固有の特徴があり、魔法の使用者を識別する事が可能であるため、この魔導器は魔法犯罪の犯人摘発に活躍している。
なお、これの簡易型とも言えるエーテル波長計測用魔導器が、身分証登録の際に用いられている。
これにより身分証保有者は基本的に、個々人固有のエーテル波長を身分証台帳に登録される事になるのだ(参考:身分証について)。
なお、これの簡易型とも言えるエーテル波長計測用魔導器が、身分証登録の際に用いられている。
これにより身分証保有者は基本的に、個々人固有のエーテル波長を身分証台帳に登録される事になるのだ(参考:身分証について)。
近年では、この魔素残滓検知鏡による犯人特定を誤魔化す方法も、幾つか考案されている。
以下にその例を挙げる。
以下にその例を挙げる。
- 持ち運び式の小型魔導炉(スーツケース大で、背中に背負うパターンが多い)を、魔装兵の様に術者と術式との間に挟み込む形で噛ませ、エーテル波長を改ざんして犯人特定を妨げる。
- エーテル残滓をかく乱するために、魔法行使後に音叉水晶を用い、周囲のエーテルを滅茶苦茶にかき回す。
- デタライトは魔素を周囲に撒き散らす性質があるため、これを用いて現場に残されたエーテル残滓の痕跡を滅茶苦茶にする。
- 2と3の複合。音叉水晶とデタライトを併用し、現場に残されたエーテル残滓の痕跡を徹底的に破壊する。