「精霊機(従機) カルタ・オライオ」
imageプラグインエラー : 画像URLまたは画像ファイル名を指定してください。[ショートストーリー]
夢を見ていた気がする。
『自分』がまだ人間だった頃の夢を。
『自分』がまだ人間だった頃の夢を。
足りない食料をまかなうため、『自分』はあの日谷川へ釣りに出掛けた。
弟妹のためにも、ドウブツセイタンパクとやらを手に入れなくてはならなかった。
そして崖崩れに遭った。
幸い、怪我はしなかった。
けれどソレが現れた。
崖の岩壁に埋まっていた、1機の『機装兵』が。どこにも傷1つ無く、新品同様に見えた。
弟妹のためにも、ドウブツセイタンパクとやらを手に入れなくてはならなかった。
そして崖崩れに遭った。
幸い、怪我はしなかった。
けれどソレが現れた。
崖の岩壁に埋まっていた、1機の『機装兵』が。どこにも傷1つ無く、新品同様に見えた。
帰ってソレを家族に話すと、家族、特に父母は有頂天になった。
ソレを売り払えば、大金になるらしい。大金って1,000ガルダぐらいは貰えるのか?と問うと、笑われた。
ガタガタの中古でも、どんな低性能機でも、数万ガルダはするらしい。
『自分』は、なんとなく不安に思った。
ソレを売り払えば、大金になるらしい。大金って1,000ガルダぐらいは貰えるのか?と問うと、笑われた。
ガタガタの中古でも、どんな低性能機でも、数万ガルダはするらしい。
『自分』は、なんとなく不安に思った。
「なんでだよぉ!!なんで動かないんだ!おまえのせいじゃないかよ!おまえが、こんなところに在りやがるから、みんな死んだんだ!ちくしょう、くそお!」
『自分』にはその機兵、ゼートゥルー・ブロウド……『真なる剣神』を動かすための『機操士』とか言うのの素養が、まったく無かったから。
ゼートゥルー・ブロウドは、だから『自分』を『霊的高次空間』とやらから『力』を引き出すための、ただの『部品』として扱う事で、なんとかかんとか、どうにかこうにかソイツ自身の『意志』で勝手に動くことができた、らしい。
それでも動けるのは、ほんの数秒だったが。
ゼートゥルー・ブロウドは、だから『自分』を『霊的高次空間』とやらから『力』を引き出すための、ただの『部品』として扱う事で、なんとかかんとか、どうにかこうにかソイツ自身の『意志』で勝手に動くことができた、らしい。
それでも動けるのは、ほんの数秒だったが。
死んだ『自分』が、なんで知ってるかって?生き返ったからだ。
なんか、その操縦槽?の中で俺の魂は、『神霊石』とか言う、赤ん坊の握りこぶしほどの宝石に封じ込められてた。
意識を保ったままで。
そして戦闘終わったら放り出されて。
ゼートゥルー・ブロウドは、『自分』に情報を圧縮して送り込むと、まだ動ける2秒の間に、物凄いパワーを噴出させて地下深くへ消えて行った。
勝手に扱われるのは、嫌なんだそうだ。
なんか、その操縦槽?の中で俺の魂は、『神霊石』とか言う、赤ん坊の握りこぶしほどの宝石に封じ込められてた。
意識を保ったままで。
そして戦闘終わったら放り出されて。
ゼートゥルー・ブロウドは、『自分』に情報を圧縮して送り込むと、まだ動ける2秒の間に、物凄いパワーを噴出させて地下深くへ消えて行った。
勝手に扱われるのは、嫌なんだそうだ。
ゼートゥルー・ブロウドは、『自分』に使命を押し付けた。
自身と互角の力を持つ別の機兵、ゲイズ・ガロウドすなわち『睨む巨神』を討て、と言うのだ。
『自分』はいったん死んだときに精神を改造されてしまったので、断る術は無かった。
だけどパンチで幻装兵を跡形も無く潰すやつと同格のを、どうやって。
自身と互角の力を持つ別の機兵、ゲイズ・ガロウドすなわち『睨む巨神』を討て、と言うのだ。
『自分』はいったん死んだときに精神を改造されてしまったので、断る術は無かった。
だけどパンチで幻装兵を跡形も無く潰すやつと同格のを、どうやって。
その後、帰って来ない人殺しどもの仲間が、人殺しどもを探しに来た。
『自分』が転がっている場所にもやってきて、『自分』を拾っていった。
なにやら『自分』は『聖遺物』なんだそうだ。
そして『自分』は機兵……精霊機の魔導炉に組み込まれた。
やつらは『普通の』精霊機だと思っていたらしいが、どっこい。
『自分』は『人霊憑依型』とやらの走りなのだった。
『自分』が転がっている場所にもやってきて、『自分』を拾っていった。
なにやら『自分』は『聖遺物』なんだそうだ。
そして『自分』は機兵……精霊機の魔導炉に組み込まれた。
やつらは『普通の』精霊機だと思っていたらしいが、どっこい。
『自分』は『人霊憑依型』とやらの走りなのだった。
いつかとうとう負けて『自分』は魔導炉になった。
パーツとして叩き売られた。
そして次にまた機体を得て、また機兵になって、今度は洗脳せずに操手と話し合って、ゲイズ・ガロウド探しを手伝ってもらう。
相手の言い分や頼みも、よく聞く。
またいつか負ける。
また機体を得る。
そんな事してる間に、限界が来た。
パーツとして叩き売られた。
そして次にまた機体を得て、また機兵になって、今度は洗脳せずに操手と話し合って、ゲイズ・ガロウド探しを手伝ってもらう。
相手の言い分や頼みも、よく聞く。
またいつか負ける。
また機体を得る。
そんな事してる間に、限界が来た。
『自分』が宿っている魔導炉は、とうとう限界が来て、再生処置を受けた。
再生ったって、完璧に戻るわけが無い。
なんとか従機用の出力を絞り出すのが精一杯だ。
うん、従機に『自分』は、なってしまったのだ。
まあ、幸い精霊機として封印されることは、どさくさ紛れで避けられたが。
再生ったって、完璧に戻るわけが無い。
なんとか従機用の出力を絞り出すのが精一杯だ。
うん、従機に『自分』は、なってしまったのだ。
まあ、幸い精霊機として封印されることは、どさくさ紛れで避けられたが。
目が覚めた。
眼の前で、『自分』の操手をやっていた男が、窮地に陥っている。
敵はゲア・ガロウド……。
『巨神の複製』だ。あの機兵が敵にいる以上、敵の背後に『睨む巨神』……ゲイズ・ガロウドが存在することは間違いない。
ゲイズ・ガロウドが討たれなければ、『自分』は死んでも解放される事は無いのだ。
あの操手の男ならば、きっといつの日か、ゲイズ・ガロウドを討ってくれるに違いない。
眼の前で、『自分』の操手をやっていた男が、窮地に陥っている。
敵はゲア・ガロウド……。
『巨神の複製』だ。あの機兵が敵にいる以上、敵の背後に『睨む巨神』……ゲイズ・ガロウドが存在することは間違いない。
ゲイズ・ガロウドが討たれなければ、『自分』は死んでも解放される事は無いのだ。
あの操手の男ならば、きっといつの日か、ゲイズ・ガロウドを討ってくれるに違いない。
だが……それだけではない。
あの男は友人だった。
力が衰えた『自分』では、操手との会話は夢の中ぐらいでしかできないから、彼も夢だと思っているはずだ。
それでも、あの男は友人であるのだ。
一方的かも知れないが。
殺させるわけには、絶対に、絶対に、いかない。
あの男は友人だった。
力が衰えた『自分』では、操手との会話は夢の中ぐらいでしかできないから、彼も夢だと思っているはずだ。
それでも、あの男は友人であるのだ。
一方的かも知れないが。
殺させるわけには、絶対に、絶対に、いかない。
眼の前を、ゲア・ガロウドの脚が通り過ぎようとする。
『自分』は、唯一残された左手で、全力でその脚を掴んだ。
『自分』は、唯一残された左手で、全力でその脚を掴んだ。
[解説]
精霊機(従機)カルタ・オライオは、中古もいいところの再生品魔導炉を使い、ゼスキア王国のとある機兵工房で建造された試作実験機だ。
機体自体は従機としては限界レベルの性能、下手な機装兵並のものを持っている。
しかし、整備性は従機としては劣悪、機装兵並に故障しがち、強力な機装兵魔装兵には、やはり届かない等々、結局は機装兵と従機の欠点を兼ね備えた機体である。
機体自体は従機としては限界レベルの性能、下手な機装兵並のものを持っている。
しかし、整備性は従機としては劣悪、機装兵並に故障しがち、強力な機装兵魔装兵には、やはり届かない等々、結局は機装兵と従機の欠点を兼ね備えた機体である。
[武装]
添付ファイル