人と色

人にはそれぞれ色が存在している。
一般的に、それは「オーラ」と呼ばれるそうだ。

色はその人の性格、生きてきた人生そのものを示す。

私自身を色で例えるなら、それは限りなく黒に近いものだろう。
黒は全てにおいて最も強い存在。
赤も青も、緑も黄も、全てはそれにかき消されてしまう。

黒に塗りつぶされたその奥で、私は白き存在を求めている。
この汚れ、淀んた暗黒を消し去ってくれると信じて。

白は最も汚れを持たない色。それ故最も汚れやすい。

ただの白ではだめなのだ。
それではグレーにすらなれないから。
最も汚れた色である黒を白に染め上げるには
一寸の淀みも無い白、純白の深い白でなければ……。


人は誰しも少なからず黒い部分と白い部分を持っている。
人は誰しも生まれながらにして白に近い存在だ。
何も知らない、無垢で純粋なその色に。

世界はとても汚れている。
だから真っ白なんてそんなもの、存在するはずが無い。
少なくとも、私の存在するこの世界では・・・。



一般的に言われている「オーラ」はけして単色ではない。
様々な色が混ざり合って出来ているものなのだ。

その割合は人それぞれ。
ただの赤でもどれも微妙に違っている。

何故、赤に見えるのか。
それはその人の中で、赤が最も濃い色だから。
例え黒を含んでいても、それを塗り潰してしまう程に。

色は人と良くにている。

持って生まれた色も、
育った色も、周りに触れて感染った色も、
全てはその時のその人の色なのであろう。

人生はとても長い。世界は様々な色で満ちている。
それ故人は染まっていく。

昨日の自分と今日の自分。
1秒前の自分と今の自分。
それは限りなく似た色に見えるかも知れない。
しかしそれはけしてまったく同じ色ではないのだ。
時は常に流れている。
人は常に、変わっている。

それでも私は求めたい。
限りなく白に近いその存在を。
全てを包む、純白を。

憧れのその色に、私はなりたい。



天使になりたい悪魔の物語。
……とも取れるし、人そのものを指してるとも言える。
そもそも悪魔や天使は人が創りだしたものだから。
誰でも持ってる、皆持ってる。
最終更新:2011年09月27日 22:38