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用語辞典 /重要用語 /晦」を以下のとおり復元します。
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**晦-つきこもり
-登場作品:晦
-種族:ゲーム(商業)
-ジャンル:アドベンチャー(サウンドノベルタイプ)
-発売日:1996年3月1日
-関連用語:学校であった怖い話《親類》,庚申講の夜に,つごもり橋《?》
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**概要
 『晦-つきこもり』とはパンドラボックス開発、バンプレスト発売のスーパーファミコン用ゲームソフトである。前作『学怖』同様に、[[六人の語り手>用語辞典 /か#id_374f83e4]]を好きな順番で指名して話を聞いていくというスタイルやなぜか現れない[[七人目>用語辞典 /な#id_aef3e076]]と言った舞台装置を採用している。
 システムを借り、シナリオやキャラクターを新たにしただけとも取れるが、ファンの間では『学怖(S)』の姉妹作としても捉えられ、実際制作サイドもその認識である。
 前作とは比較にならない豊富なグラフィックや音響効果はもちろんのことながら、多数の分岐に裏付けされた、前作以上の文章量はやはり圧巻である。

 なお、『学怖(S)』「アパシー」全体の監督・メインシナリオライターである飯島氏はオープニングのみの担当と退き、シナリオは五人のスタッフ(当時)による分担となった。これはスタッフの育成を目論見、各人の持ち味を消さないためとのことであった。
 『応援本』の記述によると後悔はないとのことだが、本人も慨嘆している通り、評価は大きく分かれている。では、良い評価と悪い評価の内、まずは悪い方から。

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***悪い点
 唯一共通する箇所であるオープニングに登場する「死者が蘇る」のフレーズや重要なポジションにある「[[和弘>キャラ年鑑 /主要人物 /和弘]]」がほとんど登場しないことに象徴された、全体をまとめる統一性がかなり低く、散漫な印象になっている点。
 語り部達の職業・立場がバラバラなのも感情移入を阻害した。
 七話目も六人中四人が分岐なしのシナリオと言うのも感心できず、個々のシナリオにせよ謎を投げ出した中途半端な終え方が多い。
 特に、ポジションで言えば前作の「仮面の少女」に当たる位置にある七話連続シナリオ「石の話」が信じられないほど貧弱なことが挙げられる。個々の話が独自性を出していたため、意思統一が出来なかったのかもしれない。
 また、一部シナリオのバッドエンドパターンの異常までの多さがクリアを困難にしている点、唐突なバッドエンドの多さが難易度を半端なく押し上げている。

 前作にあった「聞き直し」のシステムが廃止されているのも痛い。


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***良い点
 反面、これらの評価を跳ね返す熱烈なファンの存在でも知られる作品である。学校を怪談の舞台に限定しないからこそ、林や病院、海にスタジオなど、日常の様々な在り処に霊や悪魔の恐怖を植えつけることができた。
 質より量と言っては何だが、これは「学校」と言う濃密な空間に負けはしないはずである。バッドエンドの多さは逆にバッドエンドの質の高さとも言える。実際、メインルートに比べ、遜色ない恐怖や感動を与えてくれることも多い。制限ない分、やりたい放題だからか?

 『学怖』と比べ、単にわかりにくいだけでシナリオを象徴するエンドが用意されていることも多い。また、そのエンドは半端な終わり方を解決してくれることもあり、かもシナリオ全体が繋がっているかのように思わせるパズル的な楽しみを与えてくれる。その点では、偶然だろうが『四八』のコンセプトに似ている。
 また、「[[骸骨>用語辞典 /か#id_bfb3bd9d]]」や「[[生首>用語辞典 /な#id_d63decd8]]」と言ったモチーフの数々が他のシナリオを跨ぎ、頻出しているのも作品を包むB級(褒め言葉)テイストを高めるのに功を奏した。基本的に一話一品主義(?)だった『学怖(S)』とはまた違う良い意味での胡散臭さを体現してくれた作品と言える。舶来の怪しげな物品や地域の伝統などの土着的・民俗的な話が多く語られるのも合わせ、その手の話が好きな人にはたまらないだろう。

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***舞台
 前作の「七不思議の集会」は「七回忌の怪談」に取って代わられたが、雰囲気で言えば、舞台となった前田家の「旧家」は日本人の琴線を刺激する独特の情緒に満ちている。ノスタルジー(郷愁)で言えば、その風情に惹かれるファンの数も見逃せない。

 ちなみに前田本家のロケ地となったのは新潟は長岡に現存する江戸時代の古民家「[[長谷川邸>http://www.city.nagaoka.niigata.jp/kankou/miru/siryou/hasegawa.html]]」。重要文化財にも指定されているので近隣に寄った際は見学してみるのも良いかもしれない。

 また、語り部達が全員親類同士ということもあり、前作にはほとんど見られなかった掛け合いや和気藹々としたやり取りに心動かされた人も。反面、血族同士で骨肉の争いを繰り広げる場面もあり、前作のドライさとは真逆にある人間関係の恐ろしさも描いている。

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***シナリオ
 本作にはいわゆるメインシナリオに相当するシナリオが存在しており、『学怖』の3本柱シナリオと称される名シナリオには及ばないまでも、複数の隠しシナリオと特殊な展開などが相乗的にシナリオ面での評価を下支えしている。一例としては、由香里の暴露話から端を発する前田一族に関する秘密や、泰明が隠匿したある出来事などが挙げられる。
 また、主人公の恋愛に絡む展開が随所に挿入されており、一貫して描かれる良夫の葉子に対して抱く好意や、葉子の泰明に対する憧れなどが、多くのバットEDやシナリオで様々な展開を見せている。泰明にデレデレする葉子、それに嫉妬する良夫など、わかりやすい構図に加え、共感しやすい登場人物の悲喜こもごもが一部の熱烈なファンを維持する要因の一つとも言える。

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***システム
 次にシステム面で述べる。
 前作『学怖』では「殺人クラブ」と言うAVG的シナリオが登場したが、近作では唐突にダンジョン的マップに放り出されるシナリオが存在するなど、多種多様な実験が為されている。先に述べたとおり、特殊な構成になっているシナリオも多く、旧態依然なサウンドノベルから脱皮を図ろうとする試みは、結果はどうであれ評価に値すべきものである。
 時間経過によって分岐先が変化すると言う面白い試みも用意されている。

 フォント面でも面白い進化が。傍点を付けたり巨大文字を使用したりと、それは後の『学怖S』に見られない独自のものも存在する。また、実写加工だけでなく、独特の塗りつぶしやシルエットも見られる。
 半端に綺麗になった実写グラフィックのこともあり、それが「絵」と馴染む現象もまた『晦』独特の雰囲気の一翼を担っているのかもしれない。

 やはり、作中の登場人物は制作スタッフが演じる形になっているが、一部に役者を起用すると共に舞台が学校外へと広がることによって、必ずしも学生役に配置する必要もなくなったため、『学怖』に一部見られた違和感は大きく軽減されている。
 コアなファンの間では、役者を前作と比較して楽しむと言うメタな試みも古くから行われている。また、役者と言えば、カメオ出演で登場した「風間」の存在が欠かせない。詳細は「[[風間さん>キャラ年鑑 /主要人物 /風間さん]]」の項に譲るとして、その悪ノリぶりを見れば、この作品ほどスタッフの愛に恵まれた存在も珍しい。

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 そんな晦であるが、現在の入手は困難。元の流通量が少ないため、元本を確保することが難しく、『学怖S』ほどではないが市場での高騰も著しい。
 何らかの形での移植、もしくは『学怖』同様のVC配信を望むファンは多い。また、続編として構想されている『[[庚申講の夜に>用語辞典 /こ#id_dd279834]]』制作が現状では動けない点、旧来の設定を保持できないのではという危惧から、小作品でも設定を保持した『晦VNV』なるものの提唱するファンがいるほどである。

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**外部リンク
&bold(){Wikipediaでの記事}
-[[http://ja.wikipedia.org/wiki/晦-つきこもり>>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%A6-%E3%81%A4%E3%81%8D%E3%81%93%E3%82%82%E3%82%8A]]

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**晦-つきこもり②
-登場作品:晦
⇒[[晦-つきこもり>用語辞典 /た‐つ#id_19eb5125]]

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