き
索引
義李玲人(ぎい れいと)
- 登場作品:探偵局
- 種族:人間(能力者)
- 関連人物:樺島由宇作《実験》
- 関連用語:五眼《所有》,天眼《実験》
「目を売る男」の「
都市伝説」で知られる男で、通称「ギィ」。
真の「
天眼」を手に入れるため暗躍しているようだが、その正体は謎に包まれている。
自身も「
五眼」のひとつである「慧眼」を所有しており、緑の左目を隠すために開閉式のサングラスを着用している。天眼を持つ者を宿命から逃れさせる術を知る素振りを見せ、賽臥に接触し(ようとし)たが、その真意は不明。
『探偵局』第三話「
末路」に登場。
現状での登場は顔見せとしてのその一話に留まっている。
だが、その意味ありげなポジションと流麗で胡乱な容姿から来る存在感から「探偵局」シリーズのラスボス最有力候補と思われる。
『探偵局』パッケージには賽臥達探偵局メンバーを見つめる不気味な緑色の瞳が組み込まれているのだが、これは彼の存在を暗示してのことであろう。
菊崎あきな(きくざき‐ )
- 登場作品:鳴七
- 種族:人間
- 誕生日:11月11日
- 身体:159cm/48kg ♀ A型
- 趣味:古本屋巡り
- 好きな/嫌いな食べ物:筑前煮、炊き込みご飯/辛子明太子、メンチカツ
- 関連人物:細田友晴《クラスメート》,加瀬ひなた《親友》
- 関連用語:読書部《所属》,旧校舎,夢想荘
『鳴七』「夜泣き石」ほかに登場。
姓名共に似ている人物がいたらしく姓名が「
三上ゆかり」から「菊崎あきな」へと変更されたことがアナウンスされた。
名前のみの変更という訳ではなく「
藤井三枝」などのエピソードも内包されている。なんでも「ゆかり」、「あかり」のようなひらがな三文字の名前が多かったことが原因で「
立花ゆかり」を除き、該当する人物は名前が変更されたようだ。
二年C組で細田のクラスメイトとしての登場のほか、「
加瀬ひなた」と仲が良く共に過ごす描写が複数ある。図書室に足繫く通う本の虫だが自分の世界に籠りきりという訳ではなく、クラスメイトと共に噂話に花を咲かせるなど人当たりの良さを感じさせる。
一方ではクラス内の騒ぎにも一石を投じることのできる芯の強さを持っている、鳴神学園でも有数の良心の持ち主である。
「
恋愛教」。
親友の加瀬さんと「旧校舎の悪魔」の噂話をしていたところ、「
中山真美華」に声を掛けられる。当初は悪魔の噂を冗談半分で鵜吞みにしていなかったが、中山さんの占いが的中して以来、恋愛教の信徒の一人として活動している。
(執筆者募集中)
「
夜泣き石」。
「藤井美枝」さんの要素・エピソードを踏襲している。
(執筆者募集中)
「
サトリサマ」。
陰口に腹を立てた「
吉川虎之助」が暴れ、当事者たちに怪我を負わせた際に一言言い放つ。
彼女の一言により、クラスの空気が変わり、吉川が完全にアウェーになったのだから強力である。
菊池信彦(きくち のぶひこ)
『月下美人』第一巻「
地獄屋敷」に登場。
部長を主な相違点として、健全な方向へと大きくイメチェンを果たした非公認部活動「我慢クラブ」のメンバーのひとり。
今回の「我慢クラブ」は部長を除いて常識人の集まりであり、菊池さん自身もほかの部員同様に爽やかな人柄だった。
荻島さんは活発で熱の入った口調が特徴的な人物であり、同じ三年生部員の荻島と並んで部長のストッパーを務める。
「及川由紀」の性格を知っている後輩部員の策によって「
横峰佐登司」に連れられて面通しした際に、当の及川さんは入れ食い状態で釣られたところをみると菊池さんの顔の水準は相当に良いものだと推察しうる。
続いて我慢クラブ一同は、及川由紀を加入させてしまった流れで「
地獄屋敷」での肝試しをすることになってしまう。
が、まず最初に挑んだ横峰さんが金縛りにあったあげくに謎の声を聞いたために完全に心砕けて逃げ出してしまった。
菊池さんは面目躍如とばかりに二番手として挑み及川さんと黒川さんが続くが、やはり横峰さんと同じ体験をする。
ただし、事前に横峰さんから情報を得ており心構えができていたためか、それとも菊池さんの胆力がより優れていたためか、さすがに蒼白の表情にはなったものの彼自身は立ち直れており尾を引くこともなかったようだ。
その後は黒川さんが失踪したこともあってクラブは自然と立ち消えになった。彼自身は荻島さん共々何事もなく卒業していったらしい。
如月唯(きさらぎ ゆい)
- 登場作品:特
- 種族:人間→幽霊
- 職業:鳴神学園高校 一年生
- 関連人物:倉田恵美《霊》
- 関連用語:漫画研究会《所属》,鳴神新聞《執筆》,屋上《自殺》,エクトプラズム《犠牲者》
隠しシナリオ「
七人目は私」に登場。
「
漫画研究会」創立当時、新聞部と友好関係が続いていた頃に所属していた女子部員。
天才肌揃いの漫研において唯一ほのぼのとした絵を持ち味にしていたらしい。
鳴神新聞の紙面に掲載された、日常を題材にした四コマ漫画に彼女は打ってつけということもあって起用されたようだ。
漫画は好評を博し、彼女はさらに上を目指そうと表現を模索していたが、そんなある日、如月さんは古びたGペンを拾ってしまう。なぜか惹きつけられたらしい。
湧き出す創作意欲に突き動かされるままに、新たな挑戦をする。
が、如月さんはこの時点で自分が操られていることに気付いていなかった。
「
時田安男」の映画よろしく、クラスメートの山川君(カッコマン)と倉沢さんが自分の描いた漫画通りの死を迎えてしまう。本当にギャグのつもりだったのに。
二人が死んだ時点で、元凶が謎のGペンにあることは言うまでもない。
当然の流れか、如月さんは大好きな漫画が描ける部活から追われてしまう。絶望して屋上から飛び降りてみれば、根源の「
エクトプラズム」と対面。自分がやらされていたことを今際になって悟ってしまう。
如月さんは、言うならそれが何であるかも知らされないまま、核のスイッチを持たされたようなものである。不幸この上なく、ほぼ完全な犠牲者として終わってしまったことになる。
……死体も発見されないまま、行方不明になった如月さんは霊となって件のGペンの中で眠っているらしい。
倉田さんはそのペンを拾い、似たような悲喜劇を繰り返してしまう。如月さんが吹き込んだのか、倉田さんが暴走したのどちらであるかは、さしずめGペンで塗りつぶしたように闇の中である。
岸谷(きしや)
- 登場作品:特
- 種族:人間(ヤンデレ)
- 職業:鳴神学園高校 生徒
- 関連人物:福沢玲子《噂》,山寺《恋人,憎悪》
- 関連用語:
『特別編』福沢シナリオ「
愛と友情の狭間」に登場。
ホラー映画が嫌いなのに我慢していた鬱憤を親友にぶつけてしまった「
山寺」さんの彼氏。
美人な彼女とは釣り合う容姿の持ち主で、親友と仲直りするためどうすればいいかの相談に乗ってくれるなど、よくできた男のように思われたが……。
とても嫉妬深い性格がこの時期に露見した。
山寺さんとクラスメートの男子がちょっと話をしただけで怒気も盛んに詰め寄ってくるのだから徹底している。
この際は上級生であり男であることを威に借りた粗野な言動が目立った。挙句、山寺さんがどんな行動を取ろうが、同じ理不尽な結末を押し付けてくる。身も蓋もない結論としては、山寺さんに男を見る目がなかったの一言に尽きるかもしれない。
もっとも今まで普通に恋愛をしてきた彼が、ここまで変貌したことに違和感を感じないでもないのが話をしてくれる福沢さん本人だったりする。
それと実のところ、この一連の話の裏には語る福沢さんの感情が見え隠れする。
彼女の語りをそっくりそのまま受け取っていいのか悩むプレイヤーも多いかもしれない。
『鳴七』
⇒「
長臣英俊」の項を参照のこと。
「岸谷」の要素・エピソードなどは上記の人物へと集約された。
鬼城遊香(きじょう ゆうか)
- 登場作品:新生2
- 種族:人間
- 職業:鳴神学園高校 三年A組
- 関連人物:岩下明美,瓜田茄子,大篭哀子《クラスメート》
『新生2』「
正義のゴネシエーター」に登場。
岩下さんへの逆恨みから「
大篭哀子」がクラス内に配布した謎の怪文書『岩下明美の実態を暴く真実のレポート』に釣られて集まった七名の生徒であり、自称「反岩下勢力」のひとり。
七名とは言うが、具体的に名前が出るのは中心人物である大篭哀子と「
瓜田茄子」、そしてこの項にある「鬼城遊香」さんからなる三名と限られていたりする。
そして、この鬼城さんが何をしたかと言えば「
館伊織」の死に端を発する連続怪死(首吊り自殺)事件の、「
館久之」に続く二番目の犠牲者として名前が出る機会に恵まれた、それだけである。
そんなわけで、デマを流す主犯格ではなく、乗っかった無責任なその他大勢の中から名前がたまたま出たというだけなので実はこの項でことさらに語るようなことはあまりなかったりする。
が、これでこの項目を閉じるのも若干芸がないので少し補足しておく。
彼女の立ち絵が名前とセットで出ることはないが、実は劇中では「野次馬A」という名目で二名ほど「反岩下勢力」に属する女生徒の立ち絵が用意されていたりする。
顔に若干影はかかっているものの判別には苦労しないため、もしかしたら鬼城さんはこんな顔をしているのかもしれないと想像を巡らせてみるのもよいかもしれない。
また、さすがにクラスを跨いでこの騒動が伝播することは考えにくいこと。
および文脈上、岩下さんのクラス内で彼女たちが勝手に盛り上がっていることからこちらの鬼城さんもクラスメートと捉えた方が自然である。よって、便宜上クラスメートとしておく。
ただし、こちらの鬼城さん。
もしかしたら、名前の出ない五名の側に回る(名前が出ない以上存在しない可能性もあるが)展開の方がおぞましいかもしれない。
「反岩下勢力」という仰々しいお題目で仮初の団結らしきものを見せたところで、結局は人の悪口を共有し合うという果てしなく不健康で不毛な遊びである。
結局、他に面白いものがあれば喜んでそれに飛びつく。そして飽きたらすぐに捨てる。
その展開では瓜田茄子&大篭哀子が勝手に喜劇じみて滅んでいくのだが、どうあがいても本人たちの自業自得が過半を占めるため、無責任に煽り立てた彼女たちの責任が問われることはない。
つまりは、無責任な大衆に捨てられたおもちゃに瓜田と大篭の両名を喩えると若干の悲哀が駆り立てられないこともないかもしれない。奇しくもふたりの末路はおもちゃめいていることであるし。
北崎洋子(きたざき ようこ)
- 登場作品:晦
- 種族:人間?(ヤンデレ)
- 職業:女優
- 関連人物:真田泰明《取引,恋心,敵》
- 関連用語:悪魔の子,石の話
泰明三話「
女優・北崎洋子の秘密」に登場。
結構有名な女優で、泰明さんも結構好感を持っていた。が、新人の「
出川」が彼女のスキャンダル話を持ち込んだことから思いもよらない形で二人は関わることになる。
彼女の話で焦点として挙げられるのは「
悪魔の子」「幸運を呼ぶ石」のふたつだろうが、この項では「
石の話」にも繋がる後者に比重が傾けて語りたい。
悪魔信仰やその中での「子ども」への着目は彼の他の話(泰明五話など)にも出現することもあり、イマイチ新鮮さに欠ける。
それらは「
悪魔」の項などに記述を割きたい。
やはり、石を巡る対決、もしくは石のために作り上げられた「北崎洋子」と言う存在が泰明三話の核となる展開だろう。
展開は様々だが、まずは石を巡る対決について。
こちらでは泰明さん、石は所有者に恩恵を与えるが、同じ石を持つ者同士は戦わなければいけないという前置きを親戚一同にしてから何かを悟った北崎さんとの石を使った戦いについて語っていく。
この際「はじめるのか……」、「やるしかないのはわかってたでしょ?」などと壮大な問答からはじまり、石を持つ当人同士はわかるのだろうが、正直聞き手は説明もなしで地割れなどの派手なエフェクト満載な超能力バトルを聞かされることになる。
または女優「北崎洋子」は、学生時代目立たずにひとり泰明さんのことを思っていた彼女が石の力を借りて作り上げたいわばまぼろしの存在だというカミングアウトを彼女の口からされる。
(執筆者募集中)
北島なつみ(きたじま-)
- 登場作品:学怖,学怖S,鳴七
- 種族:人間
- 職業:鳴神学園高校 一年E組(卒業生)
- 誕生日:12月7日
- 身体:157cm/47kg ♀ B型
- 趣味:交換日記
- 好きな/嫌いな食べ物:レバニラ炒め、トマトジュース/オニオンスープ、バジル
- 関連人物:岩下明美《噂》,NONAME《恋心》
- 関連用語:悪魔,吸血鬼,鳴神学園附属病院
かつて学園に在籍していた女子生徒で、主人公と同じクラスに所属していた。
(執筆者募集中)
岩下二話「
無限に続く学校の廊下」に登場。
そんな彼女は坂上修一(仮名)と言う、またしても同じクラスの男子に恋をしていたのだが、声すらかけられずにその恋を押し殺していた。
そんな夏のある日、彼にとまる蚊を見て彼女はある恐ろしい感情を抱くことになる。
自分は彼に触れることさえ出来ないのに、それと比べて何と蚊の近いこと、妬ましいこと……。願わくば、叩き潰されても蚊になってみたいものだ。
その後内気な彼女は意を決して告白を行い、二人は付き合うことになる。
だが、危険な感情を抱えていることには坂上も気付くことはなかった。
次第にいら立ちを隠せなくなっていく北島さんに囁く声あり。
それが何者であるかは結局わからずしまいだが、悪いモノであったことに間違いはないだろう。とうとう我慢できなくなった彼女は彼の喉笛にかぶりつく。
坂上は助かったものの当然問題になり北島さんは転校していったが、後に彼だけをピンポイントで狙う蚊が「一年E組」に大量発生するようになる。
呪いは今もクラスに残り、何者かが「片思い中の女の子」に「想い人の
血を吸う」か「蚊を差し向けるか」かの二択を持ちかけてくるらしい。
良くないものについて岩下さんが語ったおかげで北島さんの名誉は保たれたが、彼女が呼び水になってしまったことは確定的だろう。
冒頭で岩下さんの意に逆らったのに、彼女は当事者不在であまり救われない話をしてくれただけで主人公を責めること無く珍しく優しい印象である。
呪いを解くためには「優しい」と言える、行えるだけの強さが必要なのか。恋人のためにはあなたがいつか向きあわないといけない問題である。
[せめて冬を待っていれば、頭もついでに冷やせたかもと勝手に思う。
坂上(仮)も頻繁に止まった蚊を潰されただけで彼女が思いつめていたことに気付けというのはまず無理。以前に治療すべき奇癖と認識する事も困難である。北島さんとケースは異なるが、好血症という病気は実在している。
そのためか「最初から付き合わない」と言う結果は用意されていない。]
『鳴七』「
無限廊下」に登場。
「
佐野明子」さんの要素・エピソードを踏襲している。
(執筆者募集中)
北田裕(きただ ひろし)
- 登場作品:晦
- 種族:人間
- 関連人物:真田泰明《噂》,佐藤,大村《仕事》,鈴木優子
泰明四話「
録音されていた悲鳴」に登場。
当時テレビ局入社三年目でようやく仕事を覚えてきた音響スタッフ。
ある日、アイドルの大根役者っぷりを補うために納得のいく悲鳴のSE提出を監督に命じられるが、なかなか難航してしまう。場合によっては自分で出してみて周囲の笑いを誘うなど、相当テンパっていたようである。
だが、この話は『晦』のSEが『学怖』とは比べ物にならないほどに強化されていたことの証拠となる。なにせ悲鳴一つとっても『学怖』は一種類である。
グラフィック上ではやたらデカい眼鏡が目立ち、『学怖』で日野貞夫を演じられた方と同一人物ではないかと囁かれたりするが、裏付けは取れていない。
話を戻そう。
なんとか悲鳴の提出も終わり、ひとり残っていた彼に襲い掛かったのは謎の悲鳴! ちなみに襲い掛かるとは比喩でもなんでもなくマジである。具体的にどういう現象かは深く説明されていないが、突如聞こえる悲鳴はかまいたちのように全身に裂傷を起こしてしまうようだ。
この話は北田さんの一人称視点で展開し、二次元上に表示されたマップを移動しながらゲームブックのごとく体力の処理をしていくことになる。所々にある部屋で休憩していけばなんとか脱出も叶うだろう。
とはいえ二、三回も食らえば死んでしまう悲鳴を掻い潜りつつ全てのエンドを探るのは難しいかもしれない。
ただ……そもそも悲鳴に襲われたという文語的な表現がまかり通り、淡々と全身を引き裂かれたとかダメージリポートして、かつちょっと休んだだけで回復する北田さんがシュール過ぎるとかツッコミどころが多いのがこのシナリオの特徴かもしれない。
北見(きたみ)
- 登場作品:AMC2,追加
- 種族:人間
- 関連人物:新堂誠《友人》
『AMC2』「
弁当ババア」『追加版』「
弁当ババア(改訂)」に登場。
新堂さんの肝試し友達。性根を叩き直すと言う名目の悪戯で新堂さんと一緒に「
金本俊介」を体育倉庫に閉じ込めた。いわば新堂さんの“共犯者"である。
グラフィックもなく、とりあえず数合わせが必要だったから(失礼)と言うだけのキャラに見える。実際話の本筋にも関われず、影は薄い。付き合い柄、悪友タイプの模様。
そんな特徴の薄い彼の特徴を強いて述べるならば、地味なレア率を誇る「新堂の友人」である点だろうか。
面倒見の良い兄貴肌のイメージが先行し、実際に交流も幅広い新堂さんだが、友人と明言されている人物は(「七不思議の集会」形式を摂ったゲームでは)実は「
ダチ」と「
まつげ」、そしてこの北見ぐらいだったりするのである。
語り部全体の傾向としても意外な事にと言うべきか、周囲から浮いて(「作らない」か「作れない」かの違いはあるにせよ)友達のいなさそうな印象のある荒井・岩下・細田の友人が結構な頻度で顔を見せるのに対し、それなりに社交性を持ち人の輪の中心近くに位置していそうな新堂・風間・福沢の方が友達と呼べる存在の登場は極端に少ない。
(ただし、新堂さんに関しては語り部の日常を描く『学恋』シリーズにおいて、面倒見の良い兄貴肌という部分を補強するべくか、主に部活関連の友人が一挙に増えている。)
木戸さやか(きど-)
- 登場作品:小学怖
- 種族:人間
- 職業:鳴神学園初等部 一年生→(その間の推移は不明)→五年六組
- 関連人物:戸浦愛梨《親友》
- 関連用語:記憶喪失
『小学怖』水曜日「
わすれない」に登場。
人形を人間と並ぶ友達として扱う少女「
戸浦愛梨」の、かつてこの世界に存在したという親友の女の子。
戸浦さんとは一年生の時に絵日記の出来栄えを先生に褒められたつながりで知り合ったのだとか。
それ以来、木戸さんと戸浦さんは「交換日記」を介することでお互いの日常と苦楽を共有し、クラスは離れても、お互いの性格柄、直接の接触は乏しくとも、五年に渡って連帯と記憶を持ち続けていたのだという。
なお、先ほど“存在した”という言い回りをしたのには理由があり、木戸さんは死んだとも行方不明になったとも言い難い形でこの世から消えてしまったためとされる。
最初は木戸さんの持ち物から文房具などの些細なものが消えることからはじまり、自室のなくしようのないものまでもが消えていく。そして両親からの認識・記憶といった重大なものにまで影響は及び、木戸さんは原因不明の孤独感に苛まれる。
そして事態は留まることなく最悪の方向へと向かっていく。
両親が家から消え去り、木戸さんはいよいよ自分自身も消え失せそうなのだという絶望的な現状を、戸浦さん相手に吐露する。
今となっては「木戸さやか」のすべてと等しくなった日記帳は、その際に「戸浦愛梨」に託された。
予感していた通りに、翌日には木戸さやか自身までもが、周囲の認識込みで消えてしまうのだった。
しかも、唯一の物証とおぼしき複数巻を連ねた「日記帳」も一冊、また一冊と戸浦さんの手元から消えていき、「忘れたくない」と心から願っている戸浦さんの中からも木戸さんについての記憶は薄れていっているのだという。
世界そのものが彼女の存在を消去しようとするかのように動いたようにも思える、不可解で不条理で薄気味悪くも物悲しい話だが「木戸さやか」のことを「戸浦愛梨」のイマジナリーフレンドと捉えれば簡潔に話が解消することも確かである。
ただし、それは作中で戸浦さんが語っている通り、「みんな」がいっていることに過ぎない。
さっきまで喋っていたり遊んでいたりする人が簡単に消えたり、死んだりするのは「
鳴神学園」ではよくあることだとして。
「鳴神学園」を支える
ある世界観に基づけば、別の世界ではある人が最初からいたかと思えば、ちょっと選択を違えれば別の人がさっきいたあの人と同じポジションに収まっていたりする。
要は、彼女たちが生きている世界はひどく曖昧であやふやなものなのかもしれないということである。
もちろん、ほかにいくらでも仮説は立てられる。
「木戸さやか」のことを消すことと周囲の人間に箝口令を敷くことは現実に可能な手法であるのだろう。実現性はともかく。
いずれにせよ、残された最後の一冊の日記帳の中身も消えつつあるようだが、日記帳がすべて消えた時に「木戸さやか」は真にこの世から消えてしまうのだろうか。
けれど戸浦愛梨という少女の口を介して知らされた「
あなた」だけは忘れないこと、覚えていることはできるのかもしれない。
それがいったい何を意味するのかは、私はもちろん「あなた」にとってもわからないのかもしれないが。
衣笠聡史(きぬがさ さとし)
- 登場作品:学恋V
- 種族:人間
- 職業:鳴神学園高校 一年H組
- 関連人物:遠藤エリ,あなた《クラスメイト》,》,比田幸枝《担任》
- 関連用語:水泳部《所属》
あなたが転入してきたクラスで、遠藤エリと共にクラス委員を務める。口数が少ないが、責任感が強く真面目な性格。
あなたが女性なら、一定の条件を満たす事で攻略可能になる。親しくなるにつれ、口数は多くなっていく。
(執筆者募集中)
君沢麗巳(きみさわ れみ)
- 登場作品:ドラマCD
- 種族:人間
- 職業:鳴神学園高校 生徒
- 関連人物:不知火美鶴,金木まどか《部活》
- 関連用語:合唱部《所属》,フクさん
『ドラマCD』Disc.10 エンディング type.C「
フクさん」に登場。
「
演劇部」との合同ミュージカルでの主役の座を巡り最近まで鳴神学園「
合唱部」を二分していたソプラノ派の領袖だった女子生徒。
アルト派のトップである「金木まどか」と並んで、それぞれの所属パートでは抜きんでた実力の持ち主だったようだ。
結論から言うと、また事実として「君沢麗巳」と「金木まどか」の両名はなんらかの事件に遭って死亡している。
ただし、関係者が一様に口をつぐんだこともあって、両名の死の真相は全くの不明である。
七不思議の集会の出席者たちは、詳しく事情を知るであろう七人目としてやってきた中立派(?)のメゾソプラノ担当「不知火美鶴」の口から証言を得ることになった。
君沢さん自身は大人げない人物だったようで、身内でまとまっては露骨にアルト派に向けた悪口を叩いていた。
反面、アルト派のリーダーである金木さんは彼女のそういった態度を気にしないそぶりを見せていた。
リーダー双方に温度差があったためか、部内ではピリピリとした空気が流れたものの、膠着状態が続いていた。
が、君沢さんが濃硫酸を混入された飲料水を飲んだことで声が枯れ果てる重傷を負ってしまうと、事情は変わってくる。
大事件になったものの、合唱部内部に捜査の手が及ぶことはなく、誰が混入したのかは不明なまま、合唱部はアルト派が席巻することになってしまう。
往時の声が見る影もなくなった君沢さんは、金木さんが濃硫酸混入の犯人と考えたようで入院先の病院に中立派の不知火さんを呼び寄せる。そして「
フクさん」のもとに(ほぼ間違いなく)自身の小指を届けて願いを兼ねてくれるよう頼むのだった。
不知火さんとしては流されるままだったが、首尾よく事は運び、金木さんは自然とも不自然とも取れる形で自殺、同時期に君沢さんも首を吊って亡くなったという。フクさんと契約を結んだ代償はそれだけ重かったのかもしれない。
以上が、不知火美鶴さんの証言となる。
別項にもあるが、信憑性という意味では相当に欠けるので注意されたし。
すべてが真実なのか、部分的に真実が混じっているのかすら定かではない。
はたして君沢さんが自分で意志で「フクさん」の契約を持ち出したのか。
君沢さんが命を絶つまでに至る経緯に超自然的な怪異が関わっていたのか、そうでないのかさえ不明である。
ただ……、もし仮に「フクさん」の話が本当だったとして、無罪の金木さんに呪いをかけてしまった可能性は残る。
君沢さんが消えたことで金木さんが得をしたことは確かだが、実は得をする人物はほかにも存在するためである。
君塚(きみづか)
- 登場作品:特,鳴七
- 種族:人間
- 関連人物:日野貞夫《噂,?》
- 関連用語:蟲毒,秘密の地下室《実験》
『特別編』隠しシナリオ「
蟲毒の地下室」に登場。
恵まれた家柄に生まれ、何ひとつ不自由しない環境で育った男。
だが、禁忌の呪法「
蠱毒」の存在を知り、心惹かれるようになる。どうせやるなら究極の蠱毒を完成させようと願った彼は材料に「人間」を選び実行。
確かに、毒のある生き物で人間以上の種は有り得ないだろう。
[五行思想における動物の区分に五虫なるものがある。
内、人間は毛も羽も介(甲羅)も鱗も持たない「裸虫(らちゅう)」と呼ばれる。はじめ動物の総称を「虫」と呼んだなら、万象の根源は「
蟲」にあったのかも知れない。]
彼はこの実験を確実に成功させるため、実に二年の月日をかけて入念な準備を進めた。
蟲を閉じ込める器には「
旧校舎」の「
地下室」を選び、外界と完全に遮断。内部を観察できるよう監視カメラを仕掛けた。
旧校舎に持ち込んだ各種機材は見回りの先生が一瞥した程度ではまずバレないよう巧妙に擬態させ、素体として選んだ人間の身辺を徹底的に調べ上げて、しばらく行方不明になっても怪しまれないよう工作した。
外部に秘密が漏れないようハード・ソフト両面での隠蔽工作も怠らなかったことになる。
事前の準備は万全に、素体となる七人を閉じ込めると、彼らの果ての知れない絶望を尻目に、自分自身は何食わぬ顔で日常を過ごし、優しい母の手料理に至福のひと時を感じたりもしていた。
そのいい趣味っぷりは、素体たちの神経を逆なでするために地下室に大音量で流した「夢」や「希望」を謳うアイドルソングの歌詞に本気で感動し、涙すら流して聴き入っていたことからも容易に察せられよう。
日野さんは彼の名前を仮に「君塚」と言ったが、シナリオによっては彼の本当の名前は……。
(ネタバレにつき格納)
+
|
... |
例のごとく語っている日野貞夫こそがその正体であることが明らかになる、もしくは示唆されることが多い。
儀式を完遂した上で今も五体満足で生き残っていたり、儀式が不十分で終わった上に返り討ちに遭った無念を晴らすため亡霊と化したり、果てや出来上がった蟲毒の成果物に成り代わられたりと君塚=日野貞夫が辿る末路のバリエーションは豊富である。
しかも、いずれの結末にしても日野貞夫は邪法である蟲毒をほしいがままにできる立場に収まっている。
日野の真に迫った語り口もさることながら、噂として片づけられる余地をなくしているのが本シナリオを名作たらしめる一因であるともいえるのかもしれない。
|
『鳴七』
⇒「
朝比奈慎也#鳴七」の該当する節を参照のこと。
「君塚」のエピソードは上記の人物へと集約された。
一方で展開によっては、この話を語る日野貞夫から過去「君塚」が実在したと触れられる機会が新たに用意されていたりもする。
恭介(きょうすけ)
- 登場作品:晦
- 種族:人間
- 関連人物:藤村正美《噂》,更紗《妹》
- 関連用語:洋館
正美五話「
恭介と更紗の住む家」に登場。
正美さんの同僚であったとある看護婦は、とある人物から「
更紗」なる少女の個人介護を依頼された。
高給にある程度惹かれたのか、それとも使命感なのか、深い深い森の奥に隠された
大きな屋敷に住み込みで働くことになる。
その依頼人であり、更紗の兄に当たる人物がこの恭介である。
外見では三十手前くらいで、物静かな印象の男性だった。
「館もの」とするにはやや登場人物が足りない気がするが、一般に裏をかくと、この手のシナリオではか弱いハズの更紗の方が脅威と見られがちである。
しかし、看護婦の“彼女"にとっての危険で言えば、彼のほうにやや天秤が傾く。現実的に見ても成人男性の力は女性にとって大きな脅威である。
妹に対する有り余る愛が祟り、人間としての道を踏み外すというのもある種のお約束ではある。それを実証するように、三種類ほど更紗本人の意思で"彼女"を手にかける結末は存在するが、その内ひとつもある意味で彼の黙認がなければ有り得ない展開となる。
大半の結末では……、話の発端を考えるとむべなるかな。
そもそもがなぜ彼女を呼んだのかと言う疑問は残る。確かに恭介さんは医師免許は持っていたが、やはり刺激の少ない環境は堪えるので無いかと言うのが推測であったが、果たしてその真意や……?
ところで、正美の話は彼女の職業を体現するように、多くで病院が舞台となったり、ほぼ例外なく医療関係者が登場する。よってか、恭介自身も「元医師」と言う肩書きを持っているのだが、それすらもシナリオを彩るひとつの要素となっている。
ここでは「生と死」、「科学とオカルト」が交差する正美らしさと、のみ言いましょうか?
(ネタバレにつき格納)
+
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... |
彼が“彼女"に直接脅威となるのは九種類(厳密には七種類)中、六(四)種。残りも更紗の凶行に消極的であれ関わっていると解釈すれば、残り三分の二も危ない。
さらに更紗の凶行を幇助しているのと、彼自身が手を汚す割合が半々で、どちらを取ってもさして印象が変わらないという、ある意味凄い人である。
しかも、妹のような人外設定を匂わせる描写はほぼ皆無で、生身の人間のまま、明らかに自らの意思を持って行動している。
“彼女"を呼び寄せたのはその若い肉体を求めた(変な意味でなく)ため。
吸血鬼(魔物)である妹の食事か、もしくは妹を慰めるために、この世に有り得べくもないモノを作る材料とする――噛み砕いて言えば「キメラ」を作るためである。
“彼女"の肉体から採られた皮膚を朽ちてゆく妹に移植しようと、もしくは切り取った四肢や頭部を使って「伝説の生物」を再現しようと、さらには亡くなった姉の霊を降ろす依代にしようと、などと言った、継いで接いでみせたような歪な所業である。
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これらは本来なら人の命を救うはずの医師の身にあるまじき、惨状としか言いようがないが、彼の優れた外科技術がなければ成立はし得なかった。
同時に、彼の想いが空回りする他なかったことを示している。"死者"は本当の意味で蘇ることはない、世の理は人の手では崩せないのだから。人ならぬものの手なら崩せたとしても、そこにあるものは無様な残骸でしかない。
清瀬尚道(きよせ なおみち)
- 登場作品:学怖,学怖S,AMC2,追加,極
- 種族:人間
- 職業:鳴神学園高校 三年F組
- 誕生日:2月27日
- 関連人物:日野貞夫《知人》
- 関連用語:七不思議の集会,七人目《所属》,人形《犠牲者》
荒井七話「
生けにえはお前だ!」に登場。
日野貞夫が七不思議の集会を開く上で吟味した語り部の一人だったが、集会当日になって体調を崩したため活躍の機会を逃す。しかも、主人公とプレイヤーの注目は、存在しない語り部・荒井昭二にすべて持っていかれてしまい、一応語り部の一人のはずなのにとんでもなく影が薄い存在になってしまった。
怪異に巻き込まれずに済んだと言う点では幸運かも知れないが、神秘と畏怖を持って迎えられるはずの七人目としてはあまりにお粗末と言わざるを得ない。
ただ、よく考えてみれば荒井七話での設定では日野さんは間違えて六人しか呼んでいなかったと言うことになっているため、彼の急な発熱が
荒井人形のせいと考えると元々七人目にはなれなかったのか……?
トドメを刺そう。彼のグラフィックは
中野君にも使いまわされ(逆かも知れないが)ている。挙句『学怖S』ではグラフィックさえ用意されず、追加分岐では一瞬にして殺されると言う役回りと、凄まじく徹底された冷遇っぷりである。もはやネタキャラにすらなれない。
『AMC2』「
鬼哭ノ章」に登場。
彼の名字が言及される。本人と思われるが、直後現れた日野様が一瞬にして幕を下ろすため、やっぱりいないも同然である。
この彼は日野貞夫に化けた旧校舎の魔物によって一足先に消去されたと思われる。どちらにしても、想像で補えるほど彼の人柄が描写されたことはないが。果たして、彼が日の目を見る日は来るのだろうか? いや、ない(反語)
……………………………………………………………………………………… ………………………………………………………………(坂上風)。
と、思ったら
『追加版』「旧校舎探訪-脱出-」「旧校舎探訪-探索-」に登場。
(執筆者募集中)
「
旧校舎探訪-探索-」。
このシナリオは、決まった話を決まった順番で聞いていかないと発生せず、なおかつ旧作「殺人クラブ」には劣るが、膨大な選択肢が設けられたアドベンチャーパートであるため、攻略情報なしに彼に会うのは至難の業だと思われる。
また、そのうち2つあるエンディングの片方でしかグラフィックを拝めない。
あるルートで語り部たち全員から語られる彼の人物像はかなりの好青年で、対人関係も成績も申し分がない。
『極』「
素晴らしき自己啓発の世界」に登場。
首尾よく完全犯罪を成し遂げようとしている日野貞夫の口から「清瀬」の姓が出ている。
なんでも清瀬は日野にとっては自分のなんでも上を行く目障りな存在で、人生を送る上でなにがなんでも排除しなければならない対象とみなしていたようだ。
桐瓦のぞみ(きりがわら-)
- 登場作品:探偵局,2008
- 種族:人間
- 職業:鳴神学園高校 二年J組
- 関連人物:福山梢《クラスメート,親友》,関根晃《クラスメート》,妖怪ベロリ《犠牲者》,大場雅嗣《恋人》,佐古修司《友人,いじめ?》
- 関連用語:地獄屋敷《犠牲者》
『2008』4話「
地獄屋敷」、5話「
思惑」に登場。
一年前の六月の金曜日に「地獄屋敷」での肝試しを敢行したひとり。
(執筆者募集中)
『探偵局』第十話「
時を越えて…」、第十四話「
妖怪ベロリ」に登場。
友人の「
福山梢」と共によく鳴神の都市伝説についてしゃべくっている女生徒。
内、頭を右側に傾けている方が桐瓦である。脳の比重が偏っているのかは知らないが、友人同様頭は軽そうである。
霧崎水明(きりさき すいめい)
霧島(きりしま)
- 登場作品:特
- 種族:人間
- 職業:鳴神学園高校 生徒
- 関連人物:福沢玲子《噂》,福沢姉《友人》,西尾《恋人》
- 関連用語:ヒトシ君《犠牲者,所属》
と言うか、本人が興味本位で探し回っているのでヒトシ君と出会うのも必然とも言える。
で、当の霧島さんには、この手の「こども妖怪」と出会った際のお約束を網羅せんばかりと三種類の結末が用意されている。
まずは禁句を言ったために、「
守護霊様」を食べられ不幸まみれの人生を送る羽目になる。本当に偶然出会ったケースである。しかしなんとか生きている。
彼氏の「
西尾」と同じ運命を辿ることもあるが……。
彼女の青春、なぜか妖怪探索に捧げられることもある。
熱心に探し回った結果、何が起こったかと言えばクラスチェンジだったりするが、ヒトシ君の不興を買ったために姿を見ぬまま命を奪われることも。
[ただし、後者の場合は妖怪でなく、福沢姉の介入が疑われたりする。
一見心霊現象として上手くまとめられているが、さらりと霧島さんと福沢姉の間に男を巡る争いがあったと語られていることは大きな問題である。
目撃者ゼロ、死因不明の不審死を妖怪の仕業と片付けるのは流石に無茶が過ぎる。
真実を闇に葬るのをこのようなことの繰り返しと考えれば、薄ら寒い。状況証拠のみと言え、当の福沢が姉を糾弾していることに気付いていない風なのも怖い。気付いていたとして、顔色変えないならなお怖い。]
『鳴七』
⇒「
立花ゆかり」の項を参照のこと。
「霧島」の要素・エピソードなどは上記の人物へと集約された。
桐嶋寿里(きりしま じゅり)
- 登場作品:小学怖
- 種族:人間
- 職業:鳴神学園初等部 六年四組
- 関連人物:松之原瑠々《友人》,トゥース・フェアリー
- 関連用語:六年四組《所属》
『小学怖』月曜日「
トゥース・フェアリー」に登場。
五年生の時に「松之原瑠々」と同クラスだった女子児童。
個性の塊である松之原さんの評によると当時は大人しくて目立たないけど、成績は悪くない。
友達を作ろうとしないが、よって孤独にさいなまれている風でもない……そんな子だったようだ。
そんなある日、生え変わりの歯を弄んでいた松之原さんに桐嶋さんはその抜けた乳歯を譲ってほしいと話を持ちかけてくる。
特に接点を持っていなかった桐嶋さんの意外な言葉に、単純な売り言葉買い言葉もあったが、突拍子の無さに興味を持った松之原さんは込み入った話を聞くことにしたようだ。
そこで桐嶋さんが開帳した話とはなんと歯の妖精「
トゥース・フェアリー」と半年くらい前に出会い、彼と取引したというもの。
そんな話を聞いて最初は思わず吹き出してしまうことにはじまり、半信半疑から歯の妖精に実際に会ってみたいと思った松之原さんはその日のうちに桐嶋さんの家へのお泊りを敢行する。
強引で一方的だが一泊もすれば情は深まるというもので友情のようなものを抱かれていった。
桐嶋さん自身もこの流れには別に悪い感情は抱いていなかったようだが、実際に歯の妖精を見て危険だと思った松之原さんの間には温度差が生まれ、ふたりの友情らしきものはここでいったん断ち切られてしまう。
とはいえ、ここでこのふたりの縁が立ち消えになるかといえばそうでなく松之原さんの引き続き取材も兼ねた追加ウォッチングと桐嶋さんサイドからカミングアウトがあって、真相が明らかになる。
桐嶋さん、実は難病に侵されていたらしく「トゥース・フェアリー」はその治療を行ってくれていたらしい。
「妖精の世界」と関わった副作用か、時々体の一部が取れる(ハメ直せばすぐ治る)というトンデモ体質になると同時に、運動神経抜群で性格も溌溂として爽やかなものに生まれ変わったようだ。
まぁ……傍から聞けば人間と妖精の間の心温まる物語である一方、事の一端にグイグイと関わっていった松之原さんは、今度は桐嶋さんの颯爽オーラの前に微妙に置いてけぼりになってしまう。
ちなみに、ここまで話したことでわかるように異端児が多く所属する「六年六組」にやってきてもおかしくない逸材だが、彼女が現在属するのは「六年四組」だそうである。
いわば彼女は「
金沢弘樹」と同じく今年の「四組」の特筆性を前振りする先行登場組なのだろう。
桐谷智美(きりや ともみ)
- 登場作品:特
- 種族:人間
- 職業:鳴神学園高校 二年生
- 関連人物:倉田恵美《噂》
- 関連用語:漫画研究会《所属》
隠しシナリオ「
七人目は私」に登場。
「
漫画研究会」創立当時、新聞部と友好関係が続いていた頃に所属していた女子部員。
ある時、漫研と新聞部のコラボ企画として新聞掲載用の「日常を舞台とした四コマ漫画」を描くことになる。
なお本人は教訓話を盛り込むことで漫画というメディアの地位向上を目指そうというテーマを温めていたらしい。
そんな桐谷さんは本命の企画を通すためにも手を抜けないとして四コマ漫画に尽力した。結果、好評を期し彼女の本命である「教訓を盛り込んだ創作童話」が大々的に取り上げられることになったのである。
そういったわけで桐谷さんは家で徹夜までして作品を完成させようと奮闘する。
が、完成直前になって部室に残り作業をしていた桐谷さんは、白紙の原稿用紙を残して謎の死(警察による公式発表では心臓麻痺だが、自殺というなんとも矛盾した内容)を遂げてしまった。
それも全身に漫画のコマのような刺青に似た模様が施されているという不審極まりない状態だったという。
以後、漫研の部室では夜な夜な女の子の鳴き声が聞こえてくるとかで……。
どうやらこの噂の検証に乗り出した倉田さんは、桐谷さんが最期に遭遇した停電などの怪現象を追体験したあげくに同じ死に方をしてしまったらしい。結局、桐谷さんと倉田さんの身になにが起こったのかは全くの不明である。
桐谷さんの死の原因が漫画が完成させられなかった無念と仮定しても、取り繕う気すらなさそうな警察の発表が邪魔である。
もちろん謎の刺青は何者かの漫画への執着あってのことだと察せられるが、まったく無関係である可能性もなくはない。なぜなら漫画関係なしに桐谷さん(仮)から倉田さん、倉田さんから坂上くんといった死者が死者を誘う構図もみられるためである。
これに限らず、倉田さんも漫研も好んでフィクションを取り扱っているために真実があやふやな形で物語が締めくくられてしまうのは致し方ないのかもしれないが……。つまるところ、なにもかもがわからないままの不気味な話で終わってしまうのだった。
桐生(きりゅう)
- 登場作品:晦
- 種族:人間
- 関連人物:前田良夫《友人》
- 関連用語:幽霊,踊り場
良夫六話「
7つの不思議な話」に登場。
もっと言うなら、良夫六話は「七不思議」と称したショートストーリーの集合と言う体裁を取っているため、その内のひとつと言うことになる。
良夫の友達で、彼曰くお調子者だけどいい奴らしい。だけど同時にバカであるともいう。
もっとも葉子ちゃんに言わせれば、良夫とは似た者同士でいいお友達らしいのだが。
そんな桐生は建てられて数年なのに、なぜか絶対に「
幽霊」が出ると言う噂の立った公民館に夜中忍び込んだのだという。確かにこの時点で良夫とベクトルは違うにしても立派なバカである。
幽霊が出ると噂の場所は「
踊り場」もしくは「ダストシュート」。
前者ならともかく、ゴミ置き場がどう幽霊と絡むのか悩ましいところである。
ただ、被害の方向性は違うものの桐生が怪現象に遭遇するのは同じだったりする。
前者の場合、桐生が遭遇するのは踊り場で静かにたたずむ若い女性であり、そこまでは良かった。
なのにその二十代くらいの女性、振り向いてにっこり笑うと、白目を剥いて一瞬にして桐生の眼前まで迫ってくる。
しかも煮えたぎる熱湯のように顔がボコボコ変形して行くと言うおまけ付きである。
当然ながら桐生はそのまま卒倒し、翌朝になり職員さんに見つかるとこってりと絞られたそうである。
後になってわかったことだが、公民館の建設に伴って女性がひとり行方不明になったのだとか。
それ以上のことはわからないのだが、毎夜特定の時間帯になると無残な顔を居合わせたものに披露する女の幽霊というとどうにもきな臭いものを感じさせる。場合によってはこの話は良夫の友人間では話題になっており、不届きにも忍び込んでは目撃するのもが複数いるのだとか。ついでに言えば今回は未遂に終わるものの、良夫の方から葉子ちゃんと一緒に見に行かないかと提案してくる。
後者の場合、桐生が遭遇するのは四階のダストシュートで泣き声を上げる謎の白い影であり、影はダストシュートを指差す。
(執筆者募集中)
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- 「霧崎水明」と「桐生」が正しく五十音順に並んでいなかったため修正 -- 名無しさん (2020-09-13 23:03:04)
最終更新:2025年01月07日 10:25