う‐え


索引


上杉(うえすぎ)

  • 登場作品:晦
  • 種族:人間
  • 関連人物:藤村正美《噂》,河合《ライバル》
 正美二話「両足を失った悲しみ」に登場。
 両脚に重傷を負ってしまった不遇のバレリーナ「河合さん」が所属するバレエ団の同期で、彼女にとってはライバル関係に当たる。

 そして、見舞う中から確かに感じ取ってしまった彼女の喜びに一人悶える河合さん。
 だが、当の上杉さんはその日の帰り駅のホームから蹴り落とされ、無惨な轢死体となって発見される。目撃者こそいなかったものの、後の調査によって遺体の背中には裸足の足跡が付いていることが判明。
 背中と言う時点で生身の人間が犯人だとすれば、明らかに体勢に無理が生じることは明らかである。すわ、河合さんの怨念か!?

 と、普段の正美おばさんなら彼女の死に河合さんが介入したことを疑うはずだが、意外にもさらりと流される。本筋から離れたあっさり目に流される分岐と言うことを差し引いても、いらないことまでつつき出す彼女としてはかなり珍しいケースなのかもしれない。



上田義則(うえだ よしのり)

  • 登場作品:追加
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 一年生
  • 誕生日:8月31日
  • 関連人物:塩山啓太《クラスメート,嫉妬》,荒井昭二《クラスメート》
  • 関連用語:
 『追加版』荒井シナリオ「紙袋の中身」に登場。
 いわゆる「空気の読めない」人間であり、クラスの中でも鼻つまみ者だった彼は、エレファント・マンこと塩山啓太に嫉妬の炎を燃やす。奇怪な格好をしている塩山君が皆の人気者なのに、どうして自分には誰も構ってくれないのか……。そんな独り善がりな論理で、彼は塩山君の素顔を暴いてやろうと画策するのだった。
 最初はほんのイタズラ程度のものだったが、度重なる失敗により、彼の計画は次第にエスカレート。ピッキングに盗撮など、本格的な犯罪行為にまで至ってしまう。
 壮大な計画と多大な苦労の末に彼が見た塩山君の素顔は……。


植野裕樹(うえの ゆうき)

  • 登場作品:特
  • 種族:人間
  • 誕生日:12月26日
  • 関連人物:新堂誠,新谷健也
  • 関連用語:ボクシング部《顧問》
 『特別編』新堂シナリオ「ゴングが鳴って」に登場。
 いじめられっ子の新谷健也の担任であり、彼のいじめの現場をいつも救出していた。
 いじめっ子に対抗する手段として彼をボクシング部に入れ、いじめっ子をはねのける度胸を身につけさせる事に成功する。
 社交的な性格で他の生徒らの人気もあったが、内向的で意欲のない新谷には多少のいらだちも感じていた。
 なお、新堂がこの話を知っているわけとして、「新堂も元ボクシング部であり、植野とも親しくしていて直に話を聞いた」ということが語られている。


上原(うえはら)

  • 登場作品:学怖S
  • 種族:人間→霊
  • クラス:一年生
  • 関連人物:荒井昭二《噂》
  • 関連用語:屋上,自殺《魅了》
 荒井三話「飛び下り自殺の人体実験」に登場。
 日頃から勇気があることを自慢していた男子生徒で、ラグビー部に所属していた。
 そんな彼はある日キャプテンが言い出した「屋上から飛び降りたら一年でもレギュラーにしてやる」と言う戯言をきっかけにして「屋上」に通うようになる。そして、柵の外に出ては下を眺め、風を感じると言った危険な遊びに興じるようになった。

 そんな日々が功を奏したのか、それとも実力なのか、彼は一年にしてレギュラーの座を掴むのだが、それでも皆が知る危険な遊びを止めようとせず、遂には飛び降りてしまう。
 その後、彼の霊は屋上に一人たたずむ人の前に現れて「一緒に飛ぼうよ」と言った誘いをかけているらしい。スポーツマンらしく爽やかだけど……、健全なんだか不健全なんだかサッパリわからない。

 勇気と無謀は紙一重と言う言葉があるが、それは彼に当てはまらない。彼がスリルを求めていたことも、屋上が好きだったことも微妙に違う。
 彼は屋上から"死"を感じており、最期の瞬間にやっとそれを理解したのである。恐怖を全く感じず、死にたがった彼は「生き物」として生を受けたことすら間違っていたのかも知れない――。


宇佐見妃菜(うさみ ひな

  • 登場作品:最終
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 生徒
  • 関連人物:荒井昭二《噂》,榎本杏奈,夏目知佳《敵対》,沼田明日香《信者》,吾妻弓子《理解者》,向島渚
  • 関連用語:こっくりさん
 『最終版』追加シナリオ「生徒編」に登場。


内田(うちだ)

  • 登場作品:学怖,学怖S,極
  • 種族:人間
  • 関連人物:新堂誠《噂》,石川
 新堂五話「ギャンブルトランプ」に登場。
 その中でも出現させることが難しい石川の、そのまた分岐に登場する。
 新堂さん曰く、おとなしそうで色白、ちょっとかわいくて人目を引く女生徒。
 へそ曲がりの石川に思いを寄せられたはいいが、物で釣ろうとするやり方しかできなかった彼に対して無関心な態度を取り続けたことが悲劇を生むことになる。病弱で心臓の弱かった彼女にとって一番大切なものとは……?

 [彼女はいわばレアキャラである。彼女のようなちいさな悲劇が数多積み重なったこと、それこそが『学怖』を名作足らしめる遠因なのかもしれない。]


内山浩太(うちやま こうた)

  • 登場作品:学怖,学怖S,学恋2,学恋V
  • 種族:人間,霊
  • クラス:一年E組
  • 関連人物:岩下明美《噂,姉,幼馴染》,大滝《恋心》,坂上修一《クラスメート,BL》,仮面の少女《?》
  • 関連用語:苛め《犠牲者》,悪霊《?》,カッターナイフ《自殺》,演劇部
 岩下一話「悪霊に魅入られた少年」に登場。
 主人公のクラスメートで、優しくて大人しい性格が祟ったのか酷い苛めに遭っている。
 そして、クラスの皆に「悪霊」が憑いているのでは? と言う考えに至るなど、相当追い詰められていたらしい。岩下さんはそれら事実を細かに突きつけて答えを迫る。
 ――すぐに気付く者も多いだろうが、この話は怪談ではなく、主人公を威圧するための糾弾と言う趣向を取っている。

 いきなり心中に土足で踏み込む岩下節は一話から健在と言える。
 プレイヤーは心の準備も出来ていない内から、知りもしないクラスメートのいじめ話についてコメントを求められる羽目になるだろう。
 特に『学怖S』では語り部選択画面の左端(最初に選ぶ率が一番高いであろう位置)に岩下が配されたこともあって「カッターナイフ」片手に襲い来る結末をはじめに迎えてしまったプレイヤーも多いのではないだろうか?
 この結末は「仮面の少女」の最初のキーでであり、隠し01・02を狙おうと思えば否が応でも通過する羽目になる。これこそ正しく制作陣の確信犯的所業だろうか。

+...
 悪霊が取り憑いているという発想は追い詰められた中から生まれたもの。
 この考えを小ばかにするのは勝手だが、弱い者をあまりにコケにした態度を取るとしっぺ返しを食らうことになるのは必定か。岩下さんの反応は極端であるにせよ。
 誰も恨みたくないから架空の存在に罪を押し付けたと考えれば、彼の性格が見えてくる。

 ちなみに岩下さんがこうまで彼のことに尽力しようとする理由は、彼が「悪霊」に関わってしまったことも大きい。だが、展開によって明らかにされる「血を分けた実弟」と言う事実こそがなによりの説明だろう。

 名字が違うのは両親が離婚して片親ずつに引き取られたというのが真相。
 その設定が明らかにされない(存在しない)分岐でも先の「悪霊」繋がりのコネクションがあってか彼女は内山君に対し、終始好意的に接している。

 そして、姉が弟の仇を討とうと本編での暴挙に出たことからも分かる通り、内山君の人生は多くの場合で最悪の結末を迎える。
 が、ファンの間である種神格化された感のある岩下明美像でなく、良くも悪くも人間として行動した彼女の姿はユーザーに対して彼の存在を確かに焼き付けた。
 [それを受けてか、後のシリーズにおいても彼は岩下さんの人間的な情の側面を演出する際によく使われる。姉弟愛は勿論だが、単に家族の存在を明確にするだけでも、人ならざる神秘を人たらしめる効果は充分あるのである。]

 と、思ったら悪霊の存在を否定して立ち直ってしまったり、実は主人公(!)か唐突に登場した「大滝さん」に恋していたりとかする。
 これら千変万化の展開も『学怖(S)』の特色ではあるが、前者……自重
 ただ、後者は友達としての感情であるらしいが、この分岐になるとコミカルもしくはペーソスに溢れた展開となり、岩下さんの引き出しの多さを教えてくれる。

 他には『学怖S』では主人公こそが岩下さんが睨んだ通りに苛めの首魁なのでは? と思わせる展開まで用意されている。話を通して見ると、内山君と悪霊を巡るこの話はプレイヤー=主人公の構図を揺るがした名シナリオとも言える。
 [あと、ひょっとしなくても内山君を殺した悪霊って仮面の少女?
 状況を見れば申し分ないし、彼だって仮面の少女を死に追いやった親達の一人から生まれた子どもであることに変わりはないのだから。]

 さて、今の今まで内山君についてはあの岩下さんの「弟」と言うイメージが先行していたが、彼の人物像は上記から見えてくることも多いだろう。

 外見については『学怖S』では線が細く眼鏡をかけたいかにもいじめられっこと言う印象。やや野暮ったい感じで、人間見た目ではないとは言え、あの方の弟としてはちょっぴり残念な感触だというのが正直なところか。
 実は『学怖』にも彼のグラフィックが用意されるはずだったが、容量の都合でカットされたと言う裏事情がある。そちらは『学怖S』の役者とも全く異なっているが、発売前に雑誌掲載されただけであり関連書籍等への収録もなっていないためにファンの間での認知度もかなり低い。
 同じ事情で岩下六話の「オルガンを引く女子生徒」などが挙げられる。


 『学恋2』岩下編夜イベント「紫の菊の人」に登場。
+...
 CGの巧みか、イメージを損なうことなく美麗な岩下さんの弟に相応しい整った容姿となっている。
 姉の負担にならないようにこっそり電話をかけたり、紫のバラならぬ紫の菊を届けたりとけなげなところを見せてくれる。
 連鎖イベントであることもあって夜イベントビューアーを使わない限り自力で彼の姿を見ることは難しいが、彼の想いを見てぜひ心打たれて欲しい。


 『学恋V』では男女主人公共に攻略可能なキャラとして登場。

+...
 主人公(V)が女性の場合、条件を満たすと岩下と再会する。が、『学怖(S)』や『学恋2』での接し方が嘘だったかの様に冷たくあしらわれる。
 それもそのはず、今回の設定で二人の関係は全くの他人。
 部外者に姉呼ばわりされても迷惑なだけである。
 しかし、内山君の心の内に悪霊に名を借りて巣食った弱い心と対峙するには避けて通れない道であったのかも知れない。






宇部壬太(うべ じんた)

  • 登場作品:小学怖,新生,新生2
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園初等部 六年六組
  • 誕生日:5月12日
  • 血液型:A型
  • 趣味:編み物
  • 好きな/嫌いな食べ物:ラーメン/ナマコ
  • 関連人物:新堂大誠,富樫黎雄,松戸博士,小門宇宙《友人》,妖怪ベロリ《遭遇》
  • 関連用語:鳴神大学付属病院,クロユリ総合病院《入院》
 『小学怖』火曜日「妖怪ベロリ」に語り部として登場。

 『新生』「危険な転校生」に登場。

 『新生2』「赤い靴下」に登場。


海野菜月(うみの なつき)

  • 登場作品:小学怖
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園初等部 六年六組
  • 誕生日:6月2日
  • 血液型:B型
  • 趣味:健康オタク
  • 関連人物:御手洗吾郎《ウザい》,白木《嫌い》,荒牧大河《噂》
 年代不明、鳴神学園初等部六年六組に属する児童のひとり。
 気風のいい喋りが特徴的なサバサバ系女子。スポーツ好きで性格も活発、好き嫌いをハッキリ言うタイプでクラスのムードメーカー。負けん気が強く、ドッジボールではトロい男子に積極的にボールをぶつけに行くタイプと言い換えることもできる。

 切り返しの早い彼女の語りを表すかのように、彼女の文中では一人称の「ナツキ」をはじめとして形容詞や人称、単語にカタカナが頻繁に用いられる。
 反面、デリカシーがなく遠慮とは無縁の言動をクラスメートからウザがられている面もあるようだ。

 『小学怖』火曜日「奇跡の水」に語り部として登場。
 悪名高い体育教師、シラミこと「白木」と、そんな彼に気に入られたことで大惨事に巻き込まれてしまった「荒巻大河」について語る。

 白木に関しては彼女自身も授業を受けているだけあってその人となりは身に染みているのか、徹底的に嫌い抜いている。
 もっとも菜月が白木の言動と行動を取り上げて揶揄と冷笑を込めていることを差し引いたとしよう。
 起こったことだけを羅列しても白木が教師を通り越して人間として極めて問題のある人物ということはわかる。
 むしろ彼女の語りによって白木の不快感が緩和されている風情すらあるのだ。

 ちなみに「荒巻大河」の方は純粋な被害者ということもあって終始同情的である。


梅沢佳代(うめざわ かよ)

  • 登場作品:探偵局
  • 種族:人間
  • 関連人物:服部拓磨
 『探偵局』第四話「服部家の災難」に登場。
 服部家に仕える使用人の一人でメイド頭。



浦野(うらの)

  • 登場作品:晦
  • 種族:人間?
  • 関連人物:藤村正美《噂》,武内《仕事》
  • 関連用語:嬰児,産婦人科
 正美三話「愛する一念が起こす事件」に登場。
 正美も知る美容整形外科の女医であり、「自分で整形した」などと冗談めかしてうそぶいて見せるほどの美人。
 腕が良く顔も良いとなれば客も引く手数多で、そんな彼女を取り巻く人々の中には武内さんと言う恋する青年の姿もあった。

 しかし浦野さんには裏の顔がある(洒落ではない。念のため)。
 その裏の顔は手段を選ばず美を追求する余り歪みに歪んで「グロテスク」に行き着いた極めてホラー的なものであった。



浦部美緒(うらべ みお)

  • 登場作品:ドラマCD
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 一年G組
  • 関連人物:福沢玲子,染谷洋子《友人》
  • 関連用語:女子サッカー部《所属》
 『ドラマCD』Disc.6 福沢玲子「十三階段」に登場。
 日めくりカレンダーを用いた「十三階段」の検証に当たって福沢さんと同行した女子生徒。
 部活では一年生ながらにレギュラーに選ばれる実力者らしく、なにかあった時の荒事担当を期待されていたようだ。

 事実体格も度胸にも恵まれており、普段は男子にも食って掛かる気の強い性格だったようだが、肝心の検証中は全く役に立たない。この手の話は苦手で怖がりらしいのになぜ福沢さん達についてきたのか疑問は残るが、話中ではもっぱら怖がり役にしてリアクション担当として活躍(?)してくれる。
 大体震えているか泣きそうになっているかで役に立たず、代わりに福沢さん一人が奮起する羽目になる。

 霊感持ちの染谷さんと霊能力者の早苗ちゃんではキャラ被りも著しく、また『ドラマCD』の舞台設定では早苗ちゃんが同座している。というわけで早苗ちゃんに代わって彼女が登板する羽目になったということも舞台事情を鑑みればわかるかもしれない。
 実際、ドラマCD版「十三階段」は元の福沢四話「旧校舎の十三階段」からさらに事態が進展……もしくは悪化しており、比較すれば怖い話という意味では成功の部類と言えるだろう。


瓜田茄子(うりた なす)

  • 登場作品:新生2
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 三年A組
  • 関連人物:岩下明美,大篭哀子,鬼城遊香《クラスメート》
 『新生2』「正義のゴネシエーター」に登場。
 最近、岩下さんのクラスで起こった内輪もめ騒動に積極的に乗っかった女子生徒。
 特に容姿の描写は文中ではされていないが、陰の印象が強い大篭さんと対をなすような陽っぽい茶髪と、どことなくヒステリックじみた表情などが立ち絵として印象的かもしれない。

 クラスメートの「大篭哀子」さん筆による「岩下明美の実態を暴く真実のレポート」なる、センセーショナルな題名の怪文書に釣られて繰り広げられた狂騒劇のメインキャストのひとり。

 声は大きいものの、彼女自身の語彙力や国語力はさほどないのか、スピーディーだが説得力に欠けるスピーチを作中で数多く繰り広げてくれた。また、彼女が登場する展開では大篭さんもツートップで存在感を放つのだが、揃って「下品」の一言で片づけられるくらいに印象が低下する。

 長々と語りはしたが、要は事の真偽は関係なくデマゴギーに加担しては事を大きくしたがる、どこにでもいるタイプの人間である。
 彼女もまた冗談のような名前をしているが、大篭さんとは違い話の中ではスルーされている。

 なお、岩下さんを吊るし上げようとする集団は発起人の大篭さんと、目立った動きを見せる瓜田さんの両名を含めて七名と結構集まってしまったものの、クラス全体ではわりと少数派に留まった。

 ちなみに語る側の岩下さんはくだんのレポートについて一度も目を通すことはなかった。
 彼女たちが辿る末路から逆算して考えれば、知る意味はないというのがきっと正解だろう。
 そんなわけで岩下さんは自身に起因する冷徹な価値観に従って、この七名に対しては最小限の受けごたえに留めた。当然、彼女たちの求める面白い反応は返ってこなかったことになる。

 すると、集団内で突出する大篭さんや瓜田さんたちは夜の岩下家を訪問しはじめた。
 互いに裏切っただの、自分は岩下さんの味方だのの、支離滅裂気味な言動に切り替えつつ、それはそれと昼間の学校では吊るし上げや嫌がらせは続行するなど、はた迷惑さに翳りはなかった。

 岩下さんは孤高の人であって、孤独な人ではない。
 味方のふりした敵なんて願い下げということに気付いているのか、いないのか。
 この段階にくれば、もうこの集団が何を考えているのか分からなくなってくるのだが、冷静な第三者から見た「集団ヒステリー」なんてこんなものなのかもしれない。

 話がここで終われば『正義のゴネシエーター』と銘打たれた演劇の題材にされるくらいで留まる。現在進行形で続いている話ということをさて置けばの話ではあるが。
 が、話が集団内での不和をはみ出すと勝手は変わってくる。詳細は省くが、肥大化した自己顕示欲や自己保身に駆り立てられた瓜田さんは大篭さんといっしょに完全な迷走をはじめるのだ。

 愛憎という言葉がある通り、愛と憎しみは表裏一体。
 岩下さんに対して恨みを抱きつつも、結局のところ直接害を及ぼそうという思考に至らなかったことからもわかる通り、自分の尻に火が付くと岩下さんへ媚びる方向へとかっ飛んでいく。
 彼女たちの憎しみは岩下さん相手に崇拝に似た感情に転化してしまったようだ。

 で、崇拝者同士、似た者同士が殺意と狂気のぶつけ合いに挑むのに時間はかからなかった。
 またもや詳細については省かせていただく。
 両名は現代の寓話、もしくは悪趣味な現代劇としか言いようがない凄惨な過程を辿ったのち、輪にかけて現実感のない鮮血の同士討ちという結末を迎えることになる。

 もっとも、このふたりは展開が「館伊織」の死に伴うエトセトラに移っていくと、そろって醜い保身に走るのだが……。どちらにせよ、瓜田茄子、大篭哀子のふたりは不条理劇、風刺劇としての役柄としてはその本分を全うしたと言い換えることもできる。

 くわえて主演助演の違いこそあれ、両展開における両名の喜劇役者としての演技は間違いなく一級品であったことを申し上げておこう。
 悲しいことに、両名はこの物語は作中における現実ということに、自分たちが踊らせる側でなく不格好なダンスを踊る側になっていることに最期まで気付けなかったのかもしれない。


江藤(えとう)

  • 登場作品:晦
  • 種族:人間
  • 関連人物:前田良夫,園部茜《クラスメート》
  • 関連用語:
 良夫四話「転入生・園部茜」に登場。
 良夫のクラスメートで典型的お調子者。良夫曰く健康だけが取り柄だとか。
 園部茜の転入時も一人冷めている良夫をよそに隣で勝手に盛り上がっていた。が、そんな彼はゲーム内ではロクな目に遭わない。
 園部が用意した異物混入済みのケーキを勝手に食うか、良夫に食わされる羽目になる。

 結果、毒入りかガラス入りかのケーキのせいで血を吐く展開に巻き込まれることもある。
 ただし、その場合では良夫の視線は園部に釘付けのため江藤がその後どうなったかは不明である。

 異物の正体が「謎の種」だった場合は生物の生血を啜り、園部の笛によって操られる傀儡にされてしまう。
 哀れ、ペットの犬と同列の扱いである。が、良夫の思わぬ反撃により吹きまくられた笛が高周波を発生。体内の植物が振動を起こし、謎効果により園部諸共に爆発してしまった。

 どちらにせよ良夫が彼のことを気にした様子は見あたらず、実にドライな反応である。
 [ぶっちゃけ、良夫って友達付き合い悪くね?]


江藤昭子(えとう あきこ)

  • 登場作品:学怖S
  • 種族:人間→霊
  • 関連人物:岩下明美《噂》,秋山恵理子《呪い?》
  • 関連用語:死の掲示板《呪い》,自殺,花壇
 岩下一話「災いを呼ぶ死の掲示板」に登場。
 新校舎が建てられたばかりの頃、在籍していた女生徒。
 彼女も例のごとく地味でおとなしく、クラスで目立つ存在でなかった。
 ……定番の口上だが、実際のゲームではこんな人こそが事件を起こすもの。
 「死の掲示板」の怪談は彼女の呪いのためと言うのだから、普通の人だって死しては恐ろしいことになるだろう。それでも、普通じゃない人は生きている内から恐ろしいが。

 そんな彼女が残した呪いは、ほんの些細な悪戯から発生したものである。
 誰かにとっては悪気の無いちょっとした遊びのつもりだったのだろうが、苦手だった数学のテストの答案を掲示板に晒されてしまう。[ちなみに点数は赤点に近い25点]
 これを苦にした彼女は一週間家に閉じこもった末、校庭の花壇めがけ投身自殺。後の、死の掲示板には遺書とも取れる、彼女の末期の言葉が書き散らされていた。

 「くやしい」「何で私だけがこんな目に遭うの……」「くやしいわ」  

 以来、血とも取れる赤文字が掲示板に貼られた日は必ず死人が出ると言う。因果は不明だが、この学園で異常な数の死を振り撒くための一翼を荷っていることは確かである。


 ちなみに彼女の呪いから逃れる方法は存在する。
 無記名で数学のテストを受け百点を取り、その答案を死の掲示板に貼り出すことである。そうすれば彼女から感謝の言葉をもらい、当人だけが確実に呪いを跳ね返すことが出来る。――地味に滅茶苦茶辛い条件。[岩下さんの実体験であるので信憑性はありそうだが、数学が苦手と答えている分岐なので相当な苦行である。ていうか、岩下さん頭いいのね。]

 また、鳴神学園に伝わる怪談の数は尋常でないので、仮に知った全てを実行するとすれば、現実問題「死の掲示板」にばかりかまけてもいられないのではないだろうか? 
 まだ一話目だと言うのにこの有様。[有り得ない例えだが、誰かが高木ババアの話などしてしまったら、主人公はどうなる?]
 さらに数学が得意と岩下さんに伝えてしまうと、上記の解法は教えてもらえず、江藤さんは数学が得意な生徒を狙うと言われてしまう。[メタな視点だが、初見で普通(苦手)、次に得意と答えた方は先手を打たれた感ひしひしであろう。]

 ほんの些細なことがこの執念を生むのはげに人の恐ろしさよ。
 目立たなかった彼女が最後に見せた昏い表情は同時に艶やかにも見えた。
 彼女の話は岩下さんからすれば、凡庸とも言える。同時に、平凡な少女から恐怖を引き出す手腕と言えば岩下さんに勝る語り部は存在しないのだが。


榎本杏奈(えのもと あんな

  • 登場作品:最終
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 生徒
  • 関連人物:荒井昭二《噂》,宇佐見妃菜,沼田明日香《敵対》,夏目知佳《親友》,吾妻弓子《理解者》,向島渚
  • 関連用語:こっくりさん
 『最終版』追加シナリオ「生徒編」に登場。


遠藤(えんどう)

  • 登場作品:学怖S
  • 種族:人間
  • 関連人物:荒井昭二《噂》,沢田絵利
  • 関連用語:悪魔《取引,犠牲者》,ランダム分岐
 荒井一話「校内に巣くう地縛霊」に登場。
 沢田絵利のオカルト仲間のひとりで、悪魔の召喚に難色を示す沢田さんをよそに、無責任に計画を推し進めた女生徒。
 供物にを使うと聞き、すぐに用意する辺り……。
 「女の子って大胆ですね。集団って怖いですね」とは荒井さん談である。

 そして儀式で本当に悪魔が現れてしまうと、一転して沢田さんを吊し上げた。集団の無責任さと恐ろしさを体現したような人である。

 召喚に臨んだ集団も完全なパニックに陥ったかと言えば、そんなこともない。誰か一人を犠牲にすれば助かるという事実が判明した
 となれば団結して事態の収拾(?)に当たるのだから女の子って怖い。

 ここで生贄がモブ生徒であった場合、順当に犠牲者は決まり平穏(?)に一同は日常を取り戻すのだが、ここで遠藤さんが選ばれると最後っ屁とばかりにトンでもない願いを悪魔にして消えていく。

 じゃー、あの子達に、醜い顔と不幸な人生を与えてちょうだい

 「じゃー」が気になるが、願いはしっかり聞き届けられ沢田さんをはじめとした少女達は鏡に映る己の姿が醜く変わっていたのを知る。一同は今も入院中らしい。


遠藤エリ(えんどう-)

 『学恋V』で転校してきた主人公のクラスメイトとして登場する。衣笠聡と共にクラス委員を務める傍ら、サッカー部のマネージャーとしても奮闘している。
 ハキハキと明るい世話焼きタイプの女の子。

+...
 あなたが男性なら、一定の条件を満たす事で攻略可能になる。主人公にかけられた呪いを解く方法を一緒に探すことになる。
 あなたが女性の場合なら、特定のルート以外ではほとんど出番が無い。そしてそのルートでもロクな目に遭わない。また、ある人物のBADエンドでは、その人物との関係を匂わせる発言をするが、それ以外のルートではこれといった絡みは無い。







遠藤佳奈美(えんどう かなみ)

  • 登場作品:新生
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園初等部 六年六組
  • 関連人物:荒井規子《噂》,中井彩,吉田,熊野《苛め》,滝山《クラスメート》
  • 関連用語:呪い
 『新生』「呪いの法則」に登場。
 十年ほど前の「六年六組」に籍を置いていた女子児童で、現在は永久欠番となっている出席番号「六番」抹消の鍵を握る人物である。『新生』のパッケージ表紙を彼女が飾ることもあって本作を知るプレイヤーからは印象深い子かも知れない。

 当時は物怖じしがちで、か細く弱々しくにしか自己主張できない気弱な子だった。
 抵抗など考えられず、目線で助けを求める事しかできない弱気が災いし、本質的にはいじめる相手は誰でもよかった中井彩というクラスメートに目を付けられて強烈ないじめを受ける羽目になる。 
 この際ゲーム上は極小のフォントで彼女の声の小ささを表現しており、なかなかに芸が細かい。

 そんな彼女の運命は小学校最後の夏休みを機に大きく変わっていくことになる。
 せっかくの長期休暇、中井さんが呪縛のようにかけた言葉のせいで楽しめなかったものの、そんな娘を見かねた両親に父方のもう使われていない実家に里帰りした遠藤さんだったが……。
 優しい両親との珍しい環境での交流を介して心を癒しつつ、旧家の蔵から「呪術大全」という人生を変える書物を発掘するのだった。

 人を呪うなんて発想が生まれてこの方存在しなかっただろう遠藤さんの前に、直接接触せずに外敵を排除するための手段が転がり込んできたのである。
 比較的平易かつ軽微(と思われる)呪いを選んだものの、いざ実行に至る前に逡巡、躊躇する中井さんだったが、いよいよ夏休み中に命の危険さえ感じたことからとうとう実行に移す。

 結果的に言えば彼女の願いはかなえられたことになる。
 ただし、根本的な解決には至らなかったうえに、理解者と思われた滝山さんに秘密を打ち明けたことが裏目に出て、中井さんに格好の攻撃材料を与えてしまう。

 口下手な遠藤さんと声が大きい中井さんで勝負になるはずがなく、クラス内の民意も完全に向かい風になってしまった。
 それから、いじめの存在を知り遠藤さんが被害者であることを知っていたはずの担任教師が「大人の対応」として遠藤さんの退学を両親に求めたことから、学校を去ることになってしまう。
 憎まれ役、貧乏くじを遠藤さんに押し付けることで早急な事態の幕引きを図ったのである。

 そんな踏んだり蹴ったりな遠藤さんだったが、失意の帰り道の中でいつまでもどこまでも自分の味方だという両親の愛に支えられていることを再確認する。
 そして、父親から「呪い」の持つ二面性について教えられ、自分にも非があったことを知る。

 そして登校最後の日、クラス一同はうつむくのを止めて前を向いた遠藤さんの晴れやかですがすがしい言葉を聴き、同時に内容自体は物騒だったことから自分たちになにかが降りかかることを知る。
 その後の六年六組の顛末については、ほかの当事者の記事で語る部分も多いだろう。

 ただし、遠藤さん一家は心機一転の意味もあってインドネシアへ移住しており、右往左往の六年六組に関しては心理的にも物理的にもまるきり関知せずの立ち位置にいた。
 [余談ながら一家の父が友人の事業の手助けもあってインドネシアに渡航というエピソードはシリーズの原作者「飯島多紀哉」氏が一家で経験した経歴でもある。]

 最後に話のまとめとして彼女の話を語る荒井さんは邪推との断りも入れた上で、実は「呪い」の原理を知っている遠藤さんには悪意や打算もあったのではないかという推測も語ってくれる。 
 同時に遠藤さんは優しくて、人を呪うことなんて本質的にはできない人だろうとも言っているが。

 果たして長じた「遠藤佳奈美」という人はどういう人なのか? 
 出会いを示唆する言葉なども引き連れつつ『呪いの法則』という物語は幕を閉じる。



情報提供・文章の補足、編集方針の動議その他諸々歓迎します。
もし興味を召されたなら下のコメント欄に書き込みなどされると嬉しいです。

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最終更新:2021年03月21日 17:50