索引


ナオト

 『新生2』「赤い靴下」に登場。



中井彩(なかい あや)

  • 登場作品:新生
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園初等部 六年六組
  • 関連人物:荒井規子《噂》,遠藤佳奈美《苛め》,吉田,熊野《友人》,滝山《クラスメート》
 『新生』「呪いの法則」に登場。
 十年ほど前の「六年六組」に籍を置いていた女子児童で、絵に描いたようないじめっ子である。
 理由はなんであれ気に入らないこと、嫌なことがあるとそのうさ晴らし、うっぷん晴らしに他の児童をいじめる性根の曲がった子どもだった。
 一方でコミュニケーション能力自体は高かったのかすぐに取り巻きないし友人は作れるタイプだったようである。

 そんな彼女のいじめのターゲットになってしまったのが当時から悪いいわれのあった出席番号「六番」にいた「遠藤佳奈美」さん。
 内気でどもりがちな遠藤さんに対する彼女のいじめは強烈な罵詈雑言をはじめ、戯画的に語った方が適切に思えるほど陰湿かつ強烈なものだった。
 気弱さが祟り周囲に助けを求められない遠藤さんは次第に命の危険すら覚えることに。

 しかも、遠藤さんのことを精神的に追い詰めるため、近くでいじめることが出来ない休みの間を見込んで夏休み直前のある日に「タトゥー(入れ墨)」を全身に入れてくるという無理難題を命じる。
 遠藤さんは、家族旅行などもあってかろうじて夏休み中に最低限だが心身を立て直した。

 と思いきや、夏休み終了一週間前という嫌なタイミングで取り巻きふたりと一緒に遠藤家に押しかけて、恐喝込みで念押しを行うのだから徹底している。
 中井さんにいじめの才能がある、もしくは悪知恵が働くことに疑いをはさむ余地はないだろう。

 ただし、友人(取り巻き)である吉田熊野の両名がそれから親の都合で間を置かず転校してしまったことは彼女に取っても誤算だったようである。
 とはいえ、それで大人しくしている中井さんではなく休み明けにはさっそく(彼女視点での)報復を兼ねて遠藤さんを刃物で脅し上げる凶行に出た。

 その場はクラスメートの滝山さんの介入もあって引き下がったものの、今度は当の滝山さん遠藤さんにとって思いもよらない動きをしてしまう。中井さんは遠藤さんの評判を叩き落とす材料と本当の意味で彼女をいじめる大義名分を手に入れてしまった。

 中井さんは遠藤さんのことをクラス全体の敵に仕立て、学校サイドも看過できない騒ぎを起こしたのだ。そうやって遠藤さんを転校に追いやったことで、この話は一人の子どもの人生に巨大な傷を付けた彼女の天下、我が世の春で終わると思いきや――。

 吹っ切れた遠藤さんは去り際にある逆転の言葉を残し、クラスを騒然とさせる。
 その言葉にまたしても激昂した中井さんだったが、彼女自身はそれからさしたる間を置かず自業自得で無惨な末路を迎えた。

 なお、彼女の下に訪れた現象の原理については語る側の荒井さんが推理込みとはいえしっかりと筋道付けて説明してくれている。きっと、おおよそ当たっているのだろう。
 どの道、中井さんは浅はかで愚かな子どもである。その上、自己中心的な甘い考えを保ったまま、軽い気持ちで最悪の行動を取ったであろうことは想像に難くない。


長岡(ながおか)

  • 登場作品:晦
  • 種族:人間
  • 職業:TVディレクター
  • 関連人物:真田泰明《仕事》
 泰明五話「人間をとりまく謎の世界」に登場。
 番組を制作するため、泰明さんを中心とするスタッフ達はとある地方都市で多発する死亡事故の取材に当たった。彼はその際に同行したディレクターである。
 その死亡事故はとある小さな駅の広場、もしくは一定の道の周辺で散見された。著名人も含めて多数の死者(昨年度は三十件発生)が見られているのになぜか注目が集まらず、地元住民は平穏に暮らしている。

 結局、取材自体は何の進展も見せず、泰明さんは他のスタッフを置いて一人逃げ帰る羽目になる。長岡さんの末路も他のスタッフ共々謎の小学生のしもべとなって幸せに暮らすか、なすすべなく頭を吹っ飛ばされるかの二択である。


中沢(なかざわ)

  • 登場作品:晦
  • 種族:人間
  • 職業:小学生
  • 関連人物:前田和子《噂》,ヒナキちゃん《?》
  • 関連用語:自殺
 和子二話「謎の少女・ヒナキちゃん」に登場。
 一年前に良夫と同じクラスだった児童で和子おばさん曰く「最高に暗い子」。
 なぜかといえば、大小二人の無機物しか友達がいなかったから。
 その内訳は、大きいのが今までのお下がりじゃなくご褒美で買ってもらった「ランドセル」で、小さいのがランドセルに付いた動物型の「キーホルダー」とのこと。

 彼がそんな境遇にあった理由として、中沢君は父の仕事の都合で転校を繰り返しており、良夫の学校には馴染むことが出来なかったためとされている。嫌われるタイプでなく、いじめがなかったのが救いだが、彼は出だしを間違えた。
 大人しく地味な性格の彼に友達が出来る機会はついぞ生まれなかったことになる。

 キーホルダーをもらった前の学校の友達とも気まずくて連絡を取る気になれず、ただただ孤独な日々を送って来た。そんなある日、彼の小さなお友達がとある私有地に転がり込んでしまい、そこで変な童歌を唄っていた謎の少女「ヒナキちゃん」と出会うことになる。

 (ネタバレにつき格納)

+...
 よせばいいのに、好奇心からふらふらと死地に飛び込んでいった田崎秋山とは違い、人恋しさか彼女に惹かれて近寄った点を評価されたのか、行動はともかくとしてヒナキちゃんが彼に接する態度は意外と好意的?である。

 彼の生死は分岐によって分かれるが、前の学校の友達が死んでいるのはどちらの分岐でも同じ。童歌の内容と、彼女の悪戯かあや取りの糸で巻かれた小さなお友達の姿は彼の末路を暗示しているようで興味深い。
 要は童歌の内容を前の友達か中沢君のどちらに見立てるかによって結末が変化。

 彼女が何をしたかったかは一見不明に見えるが、彼らの破局は全く別の次元で起こったようにも見える。要は自力で中沢君を自殺に追い込んだり、キーホルダーに憑依したり出来る前の友達が問題だということ。
 むしろ彼女は危険を回避するためのアドバイスをくれたようにも受け取れる。 
 ヒナキちゃんがどこか寂しげだったのは気のせいではない――、と思ったプレイヤーもけして少なくはないかもしれない。



長沢一実(ながさわ いつみ)

  • 登場作品:男怖
  • 種族:人間
  • 関連人物:守山成樹
  • 関連用語:狭間の部屋,邪馬台,夢オチ
 『男怖』「戦勝国邪馬台」ルートに登場。
 「狭間の部屋」の向こう「パラレル・ワールド」の日本こと「邪馬台」で身寄りの無い子どもを預かる孤児院を開いている女性。怪しげな風体と敵国語の発言が咎められて追われた「狭間の部屋」探索一行を匿ってくれた。
 展開によっては「是枝」とイイ仲に発展していると察せられなくはないが……。
 やはり彼女と出会うならトンネルの暗闇の中で、ぎゅっと抱きしめられてという一幕が一番に挙げられる。
 あとでようよう胸の感触を楽しむ余裕が生まれてくると、男子高校生同士でバカな会話が盛り上がったことは言うまでもない。

 戦時期の日本と酷似した異世界という舞台背景も手伝っていささか古風な服装をしているとのことだが、彼女の立ち絵は胸の谷間が明確に見えるものになっており、守山の煩悩もなんとなくだがわかる気がしてくるプレイヤー諸兄も多いかもしれない。
 そんなわけで「守山」は、年の程も近いながらに大人びた風貌の、恥じらいも似合う美人ということで下心込みで大いに好意を抱くことになる。まったく馴染みがない世界に放り出されたうえに、軍の気配が差し迫る緊迫した状況下で女性に良いところを見せたいというのは男のサガだろう。  

 ただし、この分岐は人倫をかなぐり捨てた軍国主義国家の脅威が主題になっている。
 結局は彼女のことまで気にする余裕はなくなってしまうのだ。

 長沢さんの真価についてはむしろルートの最奥(スタッフロール付きエンド)に集約されているといってよいだろう。
 こちらだと、長沢さんと守山は時を経ての再会になるうえ、意外とおてんば(!)なところをカミングアウト、丁寧な物腰を崩さないまま意外な特技を身をもって体験させてくれる。
 ちなみにこのエンドなのだが、その後についてプレイヤーの想像にお任せされているという但し書きこそつくものの、ゲーム中で守山が童貞を捨てることが出来た数少ない結末であることは明白だったりする。
 うらやましいか、おぞましいかは、プレイヤー諸氏の判断に任されていることに変わりはないのだが。


長瀬えくぼ(ながせ-)

  • 登場作品:小学怖
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園中等部 生徒
  • 関連人物:間中愛《幼馴染》
  • 関連用語:携帯電話
 『小学怖』水曜日「バグを見つけた方、ご連絡ください」に登場。
 ラブちゃんこと「間中愛」の三つ上の幼馴染。趣味趣向も似ており、自分の一歩先を歩んでいたこと、優しくしてくれていたから姉のように慕っていた間柄だった。
 しかし、ある時ケータイにまつわるとある都市伝説を知ってしまったことから寝食を忘れてのめり込んでしまう。
 メーカーの予期しないプログラムの不具合・挙動のことを「バグ」という。彼女がハマってしまったのは、もしケータイに潜む致命的なバグを見つけ出すことができれば個人にして莫大な報酬が得られるという都市伝説である。

 ラブちゃんが一度自宅に訪れた際にはどういうわけか、引きこもりを通り越して身綺麗にすることも忘れてバグ発見に執着する異常な精神状態に陥っていた。
 しかも本人の連絡に乗ってラブちゃんが再訪した際にはさらに悪化しており、部屋の不潔さ、発せられる悪臭は度を越していた。しかも本人は部屋の片隅に陣取ったまま前回から動いていなかったという徹底っぷりである。
 本人もさながら幽鬼のような状態に成り果てていた。

 そうして念願かなって「地獄につながる電話番号」を発見した彼女だったが、前述の通り自室に呼んだラブちゃんに披露した直後に番号発見を察知してやってきた背広姿の男たちに連れ去られてしまう。
 男たちは超常的な能力を持つ一方、地に足の着いた管理行動を取っているようにも思えるが、彼らの正体は不明である。

 なお後日談で、ラブちゃんはかつての面影そのままのえくぼちゃんの姿を目撃している。
 ケータイとその内外に潜むナニカに囚われてしまった彼女の心が救われたかどうかは定かではないが、判断材料のひとつにはなることだろう。


中野(なかの)

  • 登場作品:学怖,学怖S
  • 種族:人間→霊
  • 関連人物:細田友晴《友人,呪い》
  • 関連用語:トイレ,手《犠牲者》
 細田一話「受験生中野君との別れ」、同四話「新校舎のトイレツアー」に登場。

 細田一話「受験生中野君との別れ」。
 入学試験の日に細田と出会い、互いに心細かったこともあり意気投合。そこでふたりとも尿意を催したために一緒にトイレに行くことになった男子生徒。
 そこでふたりはトイレに蠢く無数の手に襲われる羽目になる。
 ちなみに中野君が気が弱そうで、おどおどしていたのは学校に渦巻く霊気のせいではないかと細田さんは推測していた。トイレの手にも気付いていたようであるし、弱気は元の性格だけでなくて霊感がもたらした面もあったのかもしれない。

 彼と細田は手に追われたり、捕まったりする羽目になるのが、その際の彼は細田の話を聞く限り完全に足手まといである。かと言って、途中で見捨てたりすると今度は逆恨みして陰険な呪いを細田にぶつけてくるため、結構始末に負えない。
 ただ、彼の末路を考えればわからないでもない。
 かなり多くの結末で便器に吸い込まれて死亡するという嫌過ぎる死因が描かれる他、良くてフェードアウトしてしまう結末ばかりで、彼が生存していることが明記された結末はただひとつ。激しく報われない人である。

 吸い込まれる現象を異次元に引き込まれたと捉えるか、全身の骨を砕きながら物理的に連れ去ったと捉えるかによって不快感は大きく違うだろうが、『学怖S』では後者の主旨で恨み言をぶつけてくる分岐が追加された。
 青い服を着た幽霊って、あなたどこの「ヒナキちゃん」ですか?などと言う戯言はさておいて、この分岐は霊と言う存在の性質をオーソドックスでありながら、端的に指摘した話であると筆者は思う。


 細田四話「新校舎のトイレツアー
 ひとつの結末に彼、中野君が登場する。
 既にこの世のものではないらしく、ゲル状になった彼が便器の上で上下している光景を発見。入学試験の時を悔やんでいたらしい細田は土下座して謝るが、直後彼と一体化。
 細田はいつにもない晴れやかな顔をして、かく言った。
 「もう寂しくない。彼は僕の中で生きていくのだから(大意)」
 ……、彼の画像はおそらくシュールさにおいて『学怖(S)』の画像で一、二を争うだろう。結末に対してもコメントのしようがない。

 ただし、語り部でもないキャラが複数の話に登場し、しかもその話がつながっているのはかなり珍しいケースと言える。一応、細田は彼の死をトイレでの事故と言ってぼかしているが、それが細田一話とはほぼ等価で結ばれるからである。
 一回の流れの中で同じ語り部を二回指名することは出来ないため、これを知ることが出来るのは俯瞰する目を持つプレイヤーだけの特権なのだが。
 余談だが『学怖』では「清瀬尚道」とグラが同一だったりする。


中野康太(なかの こうた)

  • 登場作品:2008
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 一年H組
  • 関連人物:山本繁《友人,噂》,福山梢《》
  • 関連用語:小夜子さん《恋心》,プラモデル愛好会《所属》
 『2008』6話「小夜子さん」に登場。
 語り部のひとり「山本繁」の友人だった高校進学組の生徒。が、彼の口から言わせればどこにでもいる落ちこぼれ。運動も学業も優れずに友人や女性との縁もないいじめられっ子だったようだ。

 その上、頭が弱く意志薄弱で人の意見に流されやすいという難点を抱えていた。
 純朴で人を疑うことを知らないという言い方も出来ないことはないが……。

 また、恋人が欲しいという欲求は極めて強いため、近視眼的な欲求と視野の狭さに従って動く。
 そして相手の反応を意に介さず何度でも猛烈にアタックしては玉砕するという、ある種おめでたい頭とへこたれないバイタリティの持ち主だった。

 そのためデータ収集を趣味とする山本くんにとっては、自分の吹き込んだ言葉の通りにいいように踊ってくれる扱いやすい類の人間のように思われていた。見下しつつも便利に動かせる駒のように見なすほか、転落していく彼のありさまもまた格好のデータ源として陰から彼のことを観察していた。

 事実、接点も何もない「福山梢」が自分に好意を寄せているという山本くんの明白な嘘に全力で信じて乗っかり、悪気なく毎日言い寄ったのだから山本くんによる人物評も遠からずかもしれない。
 当然嫌がる彼女の反応に従って、のちに彼氏となる「関根晃」が出てきて揉め事が起こったとしても、上記の山本くんの言葉を疑う素振りすら見せないのだから徹底している。

 そして山本くん、集会の席では彼を端緒として起こった「携帯電話」と「小夜子さん」についての怖い話を臆面もなしに上記の本音を織り交ぜながら進めてくる。
 山本くんも表向きは善意の相談者として中野くんのメールの文面に関わり続けるが、中野くんは普通にメル友として清き文面だけでのお付き合いをしている小夜子さんに夢中になっていく。

 しかし、彼の助言という名の扇動はなぜか中野くんの行動を監視しているかのようにメールの文面を紡いでくる謎の少女「小夜子さん」の影響力に上回られていった。

 とうとう小夜子さんに言われるがまま狂気の行動に手をかけようとする中野くんだったが……、と話が転機を迎えようとするタイミングで唐突に「七人目」が乱入し波乱の「vol.1」は幕を閉じる。
 引き続き続巻での彼の行動にも期待したい。


中間正平(なかま しょうへい)

  • 登場作品:特
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 生徒
  • 誕生日:1月31日
  • 関連人物:岩下明美《噂》,塚本明《実験》,早乙女弘樹
  • 関連用語:カッターナイフ《実験》,自殺
 『特別編』岩下シナリオ「命の値段」に登場。
 去年まで学校にいた生物の先生「塚本明」の掲げる「命の尊さ」を学べと言う言葉に感銘を受け、結果「命の値段」を知ろうと考えた男子生徒。
 ただし、その方法は的外れかつ幼さと狂気を感じさせるものになっている。

 命を売ってくれる人を募集してみた。
 周囲や先生の苦言にも負けず、本当に希望者が現れた。
 自分の値段がいくらなのかを執拗かつ乱暴に聞き出そうとするの行動に恐怖を感じ、考えを改めるのだった。

 先生に訊いてみた。答えてくれなかった。
 そこで彼が導き出した方法に従って、揃えたのは大量の凶器。
 包丁、カッターナイフ、コンパス――。

 あなたの身の回りにもある日用品の値段なんてたかが知れているが、彼はこれを使った訳の分からない実証方法を見出す。余談ながら、この際に列挙される値段の末尾の端数は3円となっており、作中年代の1995年はまだ消費税が3パーセントだった時代だということを思い出させてくれる。

 そして、ツッコミどころ満載の実験の結果は出るのだが、得意気に吹聴すべくしたためた実験結果のレポートは即座に警察に没収されたという。
 彼のその後は不明だが、少なくとも入院以上の措置は受けたであろうとことが察せられる。

 [命の値段と凶器の値段が同じという結論に至った彼。その理論だと10億円のミサイルで死んだ人の命は10億円なんだろうか……?
 それ以前に合算しろよと言いたいが、狂人の思考なんぞ考えるだけムダである。] 


中村晃久(なかむら てるひさ

  • 登場作品:新生,月下美人,秘密
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 二年B組
  • 関連人物:荒井昭二《クラスメート,親友,恋敵》,真鍋ライカ《部活》
  • 関連用語:昆虫研究会《所属》
 趣味人「荒井昭二」の友人のひとり。とはいえ、「荒井の友人」枠にも関わらず特定分野に対して優れた技術や卓見を有するわけでもなく、部活などで親密な付き合いがあるような体でもない。少なくとも現状では。
 かといって善良だったり真面目というわけでもなく、中村くん本人は無神経な言動が鼻に付くふてぶてしい人物である。が、荒井さんの中では微妙に憎み切れない不思議なポジションを確保している。結果、友人であることに変わりはない、そんな人である。

 『新生』「牧場奇譚」に登場。
 青森で牧場を経営している親戚に要請されたのか、夏休みの一ヶ月間を泊まり込んでの長期アルバイトの話を荒井さん相手に持ち込んだ。本人はいたって乗り気ではなく、出発三日前に見え見えのウソをついて中村くん自身は早々に話から離脱した。
 以後の話はひと夏の冒険に似た荒井さんの体験談に終始するので、特に中村くんのことが話題に上ることはない。

 『月下美人』第一巻「蝶の道」に登場。


 「牧場奇譚」も「蝶の道」も荒井君が一年生時の話のため、中村君が二年生になっても荒井君と同じクラスなのかどうかは明言されていない。(2020年10月時点)
 25周年Twitter企画「秘密」では、坂上君が二年B組を訪ねると中村君が居るため、十中八九、クラスメートなのだと思われるが……。[これで他クラスの可能性も捨てきれないのが中村君]


中山(なかやま)

  • 登場作品:晦
  • 種族:人間?
  • 関連人物:藤村正美《仕事》,高野《犠牲者》,NONAME《恋心》,真田泰明,山崎哲夫
  • 関連用語:蝶,人面瘡,予知
 正美一話および隠しシナリオ「遠い追憶の日」に登場。
 器物、九十九(ここのそじあまりここのつ)を生きれば、人曰く「付喪神(つくもがみ)」と言うに化けると言う。まして、人をや? 長く生きた者は神性か魔性を帯びると言う。赤子や老人に霊性を見出すのは容易だろう。
 だが、彼女に宿っているのが神性と魔性のどちらかと問われれば、後者であると淀みなく答えよう。

 正美がまだ研修生(インターン)だった頃、彼女はとある大病院に勤めていた。どれほど立派かと言うと、最上階丸々を使い切る個室、通称「VIPルーム」が存在したほど。
 そして、中山さんはそこの入院患者であった。そして、正美が既に寝たきりでもう長くないだろう彼女を目にした時、とあるビジョンが浮かぶ。それは古井戸か洋館か。前者の詳細は「高野さん」に譲ります。この項では後者についてを。

 そんな幻視をした正美のことを知ってか知らずか、まるで孫のように可愛がってくれた中山さんだったが、ある日正美にとある頼み事をする。それは大別して彼女から贈り物を受けるか、彼女にあるものを届けるかの二つに分けられるが、まずは隠しシナリオにも繋がる後者から解説する。


 かつて、中山さんがまだ少女だった頃、彼女は一人の男性に恋をしていた。時は戦時下、名前が明かされない彼は優れた頭脳を持ちながら、その能力を国のために使わずに自らの望む研究に使っていた。
 丈夫でない体を押して……、寝食を忘れ、身を厭わず……。
 そして、彼は研究を完成させた。内容は昆虫について、それも恐らくは死者の乗り物とも言うについて――。子細あるにしても彼の死には美しい掌が関わっている。

 彼の死に伴い、亡骸から湧き出す蝶。彼の死を彩るように、燃え上がる蝶。その美しさを目にした中山さんは財産の全てを投じてでも、己が身から同じ光景を現出させようとした。儚い夢、さながら胡蝶……。
 しかし、肉食の蝶の群れにも現されるそれは同時におぞましくもあった。
 死出の門出には誇らしくても、それを目にする生者にはたまらない。
 全く空気を読まない哲夫おじさんの発言も何とも……。
 そして、隠しシナリオに続く。


 続いて語るは泰明さん。年長組のまとめ役である彼は哲夫と正美の二人とも古くから親交を深めてきた。大人になってそれぞれが記憶の奥底に封じたことも、まだ覚えている。
 哲夫と正美の両者は幼少のみぎり、現在からすれば意外過ぎる姿をしていた。そのことは二人の紹介に語ってもらうとして……、二十年前三人は中山さんと会ったことがある。

 そこで目にしたのは腐乱死体に群らがう幼虫。洋館に住まう上品な婦人に隠された、恐ろしい顔。そこで、正美は何かをされたか、それともまだか。
 不安を残しつつも、かつて残した謎は今となってはもはや絶無だろう。

 グロテスクは共感と嫌悪感の両方を孕んだ概念と言われる。もしや正美はこの際に感染してしまったのか? いや、残された解釈は窓枠の外の観測者にのみ委ねるとしよう。


中山太一(なかやま たいち)

  • 登場作品:学怖,学怖S
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 生徒
  • 関連人物:荒井昭二《噂,同級生》,時田安男《同士,実験》
  • 関連用語:呪いのフィルム
 荒井五話「時田君の自主制作映画」に登場。
 荒井さんの映画の仕事でどれが一番興味があるかと言う質問に「裏方」と答えると出現。ところで一般の映画では決して表舞台に登場することのない裏方だが、SF/ホラーと言うジャンルでは例外かもしれない。クリーチャーのデザインやメイキャップの腕は作品自体の出来に直結するためである。

 [人狼やフランケンシュタイン(ズモンスター)映画には特に顕著と言える物であり、特に企画物はモンスターのデザインありきで制作されることも珍しくない。この界隈では『エイリアン』シリーズや『帝都物語』のH・R・ギーガーに、『スリラー』や『狼男アメリカン』のリック・ベイカーが有名だろうか。]


 ――さてさて、閑話休題。
 この分岐の時田も一番の功労者兼発案者として、例外なく監督を務めることになるのだが、造形が得意で小道具やメイキャップもこなせたらしい。
 が、彼は芸術家としての情熱が勝ったのか、一応撮影の完了を見たのに撮り直しをしたいと言い出す。先生と同好会のメンバーも大半が反対し、とうとうメンバーはたった四人になってしまう。撮影を担当していた中山太一もその中の一人であった。

 ここまで来ればもうおわかりになられるだろうか? いや……、もう少し続けましょう。中山太一は時田君が一番信頼を寄せていたスタッフだったが、自らの意思でしばし残留するか時田君の説得に一時負けてかの違いこそあれど、撮り直しの完了を待ってから止めることになる。映画の情熱が勝る余り、我を忘れつつある時田君に理解者としての立場からも危惧の念を持っていたのかも知れない。

 そして、彼は風邪というアクシデントもあったが、撮影を完了させ、最期に二人で映画の編集に付き合うことになる。そこで口論になった二人……。
 荒井さんが時田君に見せてもらったフィルムには見事なミイラ男の姿が収められていた。それもそのはず、材料は生きた人間。
 それも中山君だったのだから。超自然的な呪いに目が行きがちな映画シナリオであるが、人間の復讐と言う趣向の違った方向から「ミイラ男の呪い」を描いているのはこのゲームの奥の深さを本当に感じさせてくれる。それよりも、荒井ファンとしては正義感からとっさに動く彼と言うとてつもなくレアな光景を見ることが驚きかも知れませんが。

 そう、[大宇宙の偉大なる法則に従って]彼はスクリーンから飛び出した中山君に復讐されてしまう。己の末路同様に硫酸をかけられてか、飲まされてかという違いこそあれど。「片山君」とは違って完全に自業自得なのが救いだろうか。
 前者の場合では時田君は片山君同様、崩れた顔のままでフィルムの中で暮らすことになるのだが、この場合の二人の心情は単なる復讐では終わらないのかもしれない。憎愛があったと思うのは穿ちすぎな見方でしょうが。


中山真美華(なかやま まみか)

  • 登場作品:学恋2,学恋V
  • 種族:人間(魔女),宇宙人
  • 職業:鳴神学園高校 二年C組
  • 関連人物:風間望《敵対》,荒井昭二
  • 関連用語:黒魔術研究会《所属》,スンバラリア星人《敵対》,サキュバロリン星人《正体》,屋上
 「2009年3月21日付けのブログ」で公開された完全新キャラ。
 ブログの文面にある通り、『学恋2』にも出演したが、夏の新作(『霊怪記』か?)においてかなり重要な役割を果たすらしい。
 見た目こそ華奢で木陰で文庫本でもめくってそうな上品なお嬢さんだが、その本性は邪悪そのもの。彼女のキーワードはズバリ「負の思念」である。

 『学恋2』風間編荒井ルートにおいて、早速とばかりに凄まじい顔芸と荒くれた口調を露わにした。インパクト十分である。

 (ネタバレにつき格納)

+...
 その正体は「サキュバロリン星人」と言う宇宙人で、深い想念の持ち主である荒井昭二を利用して、自らの食料を確保しようとした。
 負の想念と言えば、岩下さんも危なそうだが……。
 (実際、岩下編では目をつけていた)。

 荒井さんが人間不信から心を閉ざすように仕向け、引きこもりの状態にまで落とす。その上で、謎の結晶を経由して彼のエナジーを奪い、彼が用済みになったと見れば他の人間まで自分のエサとするため引き込もうとした。
 意外にも荒井さんの心根が善良であったため(失礼! でも荒井さんのイメージって……)、その目論見は外れることになるのだが。


 『学恋V』では男女主人公共に攻略可能なキャラとして登場。

 (ネタバレにつき格納)

+...
 こちらでの正体は黒魔術同好会に所属する本物の魔女で、冒頭に登場した占い師の孫娘である。
 表向きにはおしとやかな少女を装いつつも、裏では他人を利用しようと画策するというスタンスは変わらず、やっぱり腹黒……と思いきや、男編のあるイベントでは、意外な一面を見せてくれる。



永山美香(ながやま みか)

  • 登場作品:追加
  • 職業:鳴神学園高校 三年H組
  • 誕生日:8月13日
  • 関連人物:風間望,小松原ゆかり,阿部妙子
  • 関連用語:しりとり小僧
 『追加版』風間シナリオ「しりとり小僧」に登場。
 よくよく見ると、彼女の髪飾りはブッチチルちゃんである。



中山葉子(なかやま ようこ)

  • 登場作品:学怖S
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 二年生
  • 関連人物:荒井昭二《噂》,森川《復讐》,NONAME
  • 関連用語:屋上《自殺》
 荒井三話「飛び下り自殺の人体実験」に登場。
 学校にペットのハムスターをこっそり連れて来たのはいいが、それが変態男・森川に見つかってしまったため哀れにもペットを失ってしまった女生徒。

 その後は、ハムスターのことを気に病んで屋上から飛び降りて命を絶ってしまったり、森川の口癖を解釈して逆に快楽殺人鬼になってしまったりと、様々な行動に出る。
 どの道、事件前と同様に何事も無く暮らしてしまうことが多いことは意外であるが。冷淡な言い方になるが、ハムスターを殺されたくらいで人として越えてはならない境界を越えてしまうとは、思春期の人間には恐ろしいものがある。
 だが、運命を変える切っ掛けなんてどこに転がっているかはわからない。たまたま彼女にとっては彼、彼にとっては彼女であっただけなのだろうか。

 アンタも肉や魚を食べるだろ? だったら、ペットを殺されたくらいでどうこう言うなよ。
 幼稚でありきたりな言い分だが、だからこそ論破することは難しい。
 彼女がその哲学をそのまま飲み込み、自分の一部にしてしまったのもわからない話ではなかった。もっとも、その脅威は単なる方便として使っていた森川とは比べ物にならないほど大きかったのだが。

 ちなみにある分岐では、彼女は今も在学している現役の生徒であり、プライバシー保護の観点から「中山」の名字は偽名であることが荒井さんの口から明かされることがある。単なる噂ではないことを演出するブラフか、それとも……。
 [というか、自殺しない分岐では森川を襲って墜落死させたり家族を惨殺していたとしても、罪を疑われずに未だに学校に在籍している。それが少女の犯行とは思えないという警察の先入観にしろ、クラスメイトの虚偽の証言の結果にしろ、もしかしたら不可思議な力の行使にしろ、不気味な存在として、周辺地域の脅威として生き続けている事に変わりはない。]


梨竹史隆(なしたけ ふみたか

  • 登場作品:晦
  • 種族:人間
  • 関連人物:前田葉子《犠牲者》,和弘
  • 関連用語:前田一族《犠牲者》,晦-つきこもり,無限ループ
 哲夫七話、由香里七話などに登場する連続強盗殺人鬼。
 現在は警察の追及を逃れ逃亡中だが、実は前田本家裏にある山に潜伏しており、時に現実的な脅威として葉子ちゃんたちの前に立ちはだかる。
 ちなみにこの裏山、哲夫おじさんが話の中で度々口に出していたりする。

 そして、葉子ちゃんたちは乱入してきたこの男の手にかかって皆殺されてしまった……。六年後の今、開かずの間に訪れるものはひとり生き残った和弘
 刑事だった彼はひとり生き残ってしまったことに悔恨を、皆の仇を討つための決意を、持って遂にみんなの命日に奴を逮捕することが出来た。
 ○○和弘、由香里六話のある意味ムチャクチャな締めと合致した見事な終え方である。

 また、哲夫七話ではおじさんが翌日にも裏山に登る旨(!)を発言した。
 そして、ひとり眠れぬ夜を送る葉子ちゃんだったが、起き出したところを彼と遭遇。そのまま刃物の錆びとなってしまう。凶悪犯とは現実的にかくも恐ろしいものなのか。哲夫六話の平和な雰囲気の延長と思ったら。
 平和から唐突に訪れる死は割とキツいかもしれない。

 ちなみに由香里三話ではバッドエンドに「何かとてつもなく恐ろしいこと」が起こったために開かずの間の面々は皆死んでしまったと言うものがある。この際、皆は死を忘れたり、それとも身近にあり過ぎたのか、体は朽ちてもただあの日を繰り返している
 由香里七話の展開と合わせ、この恐ろしいこととは梨竹史隆のことだろう。ひとつの惨劇を色々な方向から見るという『晦』の特徴がかくもかくも惨いのか。

 それでも奴のことを、安心に完全に撃退する方法はある。詳細は語らないが、哲夫七話であなたの鬱憤を叫んでみると良い。やりすぎは良くないが。
 そうすれば皆は平和にこれからも過ごせていけるだろう。誰かが後悔することもなく、きっと葉子ちゃんはステキな女子高生になれることだろう。
 余談ですが、晦日の殺人鬼って満月の夜の殺人鬼と似ていないだろうか?


梨本一義(なしもと かずよし)

  • 登場作品:流神A
  • 種族:人間
  • 職業:漁師
  • 年齢:74歳
  • 身長/体重:?cm/?kg
  • 関連人物:梨本一《孫》,梨本寿子《娘》 
  • 関連用語:
 『流神A』「開かずの間」に登場。
 温泉地「水間」へと二泊三日の温泉旅行に赴いたオカルト同好会一行だったが、ふとしたことからとある事件の解決を依頼されることになる。
 こちらの梨本さんは捜査の過程で聞き込みを行った仲居の「三田美紀」さんから有力な証言者として紹介された。地元の漁港「水間漁港」を拠点として働いている漁師の男性である。

 無惨な水死体と化した「望月智子」の遺体の第一発見者である。人生経験の長さゆえか激しく損壊した遺体の状態も動ぜずに事細かに語ってくれる。
 星浦旅館にも採れた魚を卸している繋がりか、生前の望月さんとも面識があった。

 彼の証言からは外から見た望月さんが好意的に思われていることのほか、彼女の勤務先の「星浦旅館」および星浦家の古くからの裏事情にも触れることができる。「星浦真治」に対しては否定的だが、その母「星浦茜」や「三田美紀」には同情的である。
 総じて人情味と良識のある、忌憚のない貴重な意見が聞けるだろう。ぶっちゃけてしまえば、主人公が彼の証言なしで事件を解決に導くことはできない。

 ただし、肝心の梨本さんだが禿げ上がった頭に険しい表情からもわかる通り、気難しく強情っぱりな老人で凄味が効いており、お世辞にも人当たりがいいタイプではない。
 縁もゆかりもない主人公「賽臥隆恭」が聞き込みを行ったとしても通り一遍の話をしたところで会話を打ち切られてしまう。

 そんな梨本さんも孫の「梨本一」くんのことは可愛いのか、声を聞いただけで顔をほころばせる一幕も見せている。頑なな彼の心を解くためには、事前に多大な恩を売っておくことが一番だろう。

梨本一(なしもと はじめ)

  • 登場作品:流神A
  • 種族:人間
  • 職業:小学生
  • 年齢:8歳
  • 身長/体重:?cm/?kg
  • 関連人物:梨本一義《祖父》,梨本寿子《母》
 『流神A』「開かずの間」に登場。
 母親の「梨本寿子」に連れられ、祖父「梨本一義」のいる水間に遊びに来た小学生の男の子。
 海釣りにきていたところを海に転落し、溺れてしまう。
 展開によっては「賽臥隆恭」がその場に居合わせ、とっさに海に飛び込んだ彼に救出されたことで事なきを得た。

 人懐っこいようで、恩人の賽臥の袖を引いて元気よく話しかけてくるなど活発な性格が見て取れる。
 なお、賽臥が介入しなかったとしても大事はなかったようなので安心は安心である。

梨本寿子(なしもと ひさこ)

  • 登場作品:流神A
  • 種族:人間
  • 関連人物:梨本一義《父》,梨本一《息子》
 『流神A』「開かずの間」に登場。
 息子の「梨本一」を連れ、父「梨本一義」のいる水間に遊びに来た女性。
 夫もいるようだが、作中では未登場である。少なくとも一ヶ月前から水間には滞在していたようで、望月智子の遺体とも居合わせたようである。彼女の末期の写真は彼女の携帯にも残されており、こちらも事件の真相解明のための重要な材料となる。


夏目知佳(なつめ ちか

  • 登場作品:最終
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 生徒
  • 関連人物:荒井昭二《噂》,榎本杏奈《親友》,宇佐見妃菜,沼田明日香《敵対》,吾妻弓子《先生》,向島渚
  • 関連用語:こっくりさん
 『最終版』追加シナリオ「生徒編」に登場。



七瀬靖宏(ななせ やすひろ

  • 登場作品:学怖S
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 生徒
  • 関連人物:岩下明美《噂》
  • 関連用語:旧校舎,赤い教科書,メンド・クサガリーナ,手
 岩下二話「夜の学校を彷徨う霊」に登場。
 明るくてウケを取るのも上手かったため、男女問わず好かれるタイプだった男子生徒。
 だが、凄く忘れ物が多いと言う弱点を持っていた。WAWAWA忘れ物~♪
 ただ、そんなところも含めで岩下さんをはじめとする皆から心憎からず思われていたのだろう。この話で迷言「メンド・クサガリーナ」が飛び出したこともあり、この話における岩下さんのお茶目度はMAXである。

 で、そんな彼にも珍しく何も忘れずに登校する日がやって来た!
 が、その日もやっぱり忘れ物をしてしまった。
 それは別に忘れ物をするのを忘れたと言うとんちなオチではなくて、美術の宿題をするのに必要な道具を持って帰るのを忘れたというやっぱりベタな顛末。
 そしてここから彼に訪れる結末もある意味で彼らしく古典的な恐怖だったりする。美術室などの特別教室を収めた実習棟が完成するまで授業の大半は旧校舎に行われていたのだが、彼がいた当時はまだその時代だった。
 誰もいない暗闇の恐怖を抑え、七瀬君は忘れ物を取りに戻ることに。

 そこを何故か荷車を押して追いかけてくる旧日本軍兵士の幽霊と遭遇し、追い掛け回される羽目になる。
 この幽霊、校舎を移動しようが階段を上ろうが、諸々の法則やお約束を無視して追ってくる掟破りの存在であり、七瀬君はまさに半死半生の境地である。
 最後はかの「わらし様」もやった古典的手法によって教室内にまで追い詰められる。要は「見ぃたァなぁ!?」。

 翌日、白髪鬼よろしく真っ白な髪になった彼が発見された。生死は不明。
 ただ、破れかぶれになり、兵隊に向けて突撃した場合は血まみれになるだけで案外助かったりする。その場合は荷車の謎が明かされ、この話が福沢三話や細田七話と繋がっていることもわかったりする。
 そう、あの「戦争」は一話では語れない……。

 彼が遭遇するもう一つの怪奇現象としては「幽霊教室」が挙げられる。
 こちらは『学怖(S)』では逆に浮いた形になる本家「学校の怪談」にありそうなものであり、オチの「自分の体を忘れてきた」を含め、どこかベタでほのぼのした話になっている。ちなみに伝説のセリフを聞けるのもこのルート。
 そんな話でも語り部の岩下さんの力量のせいであんまり笑えない空間が作り出されているのは確かだろうが。冒頭とラストの「逢魔ヶ時」の下りと言い、二話しか聞いていないのに、この時点でもう家に帰れる気がしない……。


鍋島香織(なべしま かおり)

  • 登場作品:特
  • 種族:人間(ヤンデレ)
  • 職業:鳴神学園高校 三年生
  • 誕生日:11月7日
  • 関連人物:岩下明美《噂》,浅海恵子,大友,細川《友人》,萩野聡史《恋人》
  • 関連用語:こっくりさん,心中
 『特別編』岩下シナリオ「図書室の話」に登場。
 本が好きでよく図書室に来ていた女生徒。ただ、その性格は文学少女とは程遠く、人によってはかなり不快な部類に入る。
 やたら馴れ馴れしく、知ったかぶりを指摘されても屁ともしない強引な態度が目立つぶっちゃけ自己中である。押しの強さゆえに交友関係は広いのか、時にはお付き合いをはじめたりもするが案の定その顛末にはかなり問題があった。

 平気で友達を見捨てるのはまだいい方、逆に恋人に捨てられると狂態に走ったりと、彼女の最期は立ち絵からは微妙に想像しにくい。
 全般的に自己破壊行動に出て、我々にとてつもない絵を披露してくれる。

 結局、あんまりお近づきになりたくない人種であることは確かである。
 その中で彼女の独善的一面がよく出ているのはやはりアレだろう。 
 登校してこない彼女を心配した浅海さんが家を訪ねてみれば、そこにぐったりとした様子で横たわる彼女。そしてボロボロになった本、本、本――。
 彼女は少しでも浅海さんに追いつこうと、本の内容を覚えるために頁をちぎっては口に運びを繰り返し、とうとうおなかパンパンになってしまっていた。

 [アンキ○ンなのだろうか?
 それともなんらかの妖怪……、ではなく本を食べちゃうくらい愛してるただの文学○女なのだろうか?]
 そして直後に伏線回収が行われ、岩下さんは理不尽な言い分で浅海さんのことを糾弾してくる。


成田(なりた)

  • 登場作品:晦
  • 種族:人間
  • 職業:小学五年生
  • 関連人物:前田良夫《噂》
  • 関連用語:オバケ販売機《犠牲者》
 良夫五話「オバケ販売機」に登場。
 良夫が「オバケ自販機」の話をする上で登場した小学五年生男子で、リアルに「トモダチのトモダチ(表記は友達の友達)」のフレーズで紹介された。
 ちなみに展開にもよるが彼自身「旧作」でもおそらく一、二を争うほど凄惨極まる死に様を見せたと思われる。

 怪しい自販機の噂を聞きつけ硬貨を持って検証に向かったはいいが、彼の命運はこの時点で尽きている。
 大量のゴキブリの卵が胃の中で孵化するのはまだいい方、最悪の場合は体内でキノコが大繁殖した末、起死回生を期して再び訪れた販売機の中へ出てきた腕によって引きずり込まれる羽目になる。
 それも骨を砕き皮を破りながら、と嫌な描写込みで。


最終更新:2021年05月08日 17:29