ガンダムF91

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ガンダムF91 - (2020/08/02 (日) 00:42:40) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/10/10 Sat 20:23:03
更新日:2024/04/13 Sat 00:58:13
所要時間:約 7 分で読めます




セシリー、退がれっ!僕に任せりゃいいッ!


機動戦士ガンダムF91に登場するMS。


型式番号:F91(F-91)
所属:地球連邦軍
建造:サナリィ
生産形態:試作機→量産機
頭頂高:15.2m
本体重量:7.8t
全備重量:19.9t
出力:4,250kW
推力:88,400kg
装甲材質:ガンダリウム合金セラミック複合材

武装:
バルカン砲×2
メガマシンキャノン×2
ビームサーベル×2
ヴェスバー×2
ビームライフル
ビームシールド×1(予備一基内蔵)
ビームランチャー

パイロット:シーブック・アノー (本編),ベルフ・スクレット(フォーミュラー戦記)



海軍戦略研究所『サナリィ(S.N.R.I.: Strategic Naval Research Institute)』の「フォーミュラ計画」によって開発された試作MS。
正式な名称は「F91」(フォーミュラ・ナインティワン)で、「ガンダムF91」という名は連邦軍の伝説のMS『ガンダム』に肖って劇中でレアリー艦長代行によって付けられた作戦中コードネームである。*1
F90で一定の成功を収めた「MSの小型化」というアプローチを更に発展させ、『MSの性能の限界』を目指して開発された。
武装は高い攻撃力を持つF90 Vタイプと新世代テストタイプだったNタイプの物をベースにしている。

前大戦であるシャアの反乱から30年経過している事もあり、作中ではガンダムの存在も風化していて軍人ですら「昔こんな顔のモビルスーツがあった」程度にしか認識されていない。

本機は「マルチプル・コンストラクション・アーマー」(通称・MCA)と呼ばれる新技術を採用している。
これはサイコミュ以外の電装系を装甲材の中に鋳込むという技術で、もとはサイコフレームから発展させたもの。
外装と内部機器を一体化させることで、ムーバブルフレームとセミモノコックの特徴を兼ね備えながらも大幅な軽量化を実現した。
加えて、小型で高出力の新型核融合炉を使用し、さらにこれを内蔵するのではなく背部に外付けするという革新的な配置を採用、
従来機とは比較にならないほど強力な装備と機動力を実現することができた。

さらに、本機には最新型サイコミュシステムの雛形である『バイオコンピュータ』をメインコンピューターとして搭載している。
これは元々介護用として開発されていた技術を転用したもので、構造が複雑化した本機の制御に対して最も適しているとして採用された。
このコンピューターの構成は人間の脳に限りなく近似しており、パイロットの行動や記憶、感情まで深い領域まで分析し、
機体のセンサーやカメラなどから情報を判断し最適な回答をパイロットに直接フィードバックしたり、
パイロットの意志を機体に反映して機体を制御するなど多岐に渡ってパイロットをサポートを行うように調整されている。
他の作品で例えるならば非常にパイロットフレンドリーなこれと言うべきだろう。

開発者のモニカ・アノーが息子のバイオリズムを模倣して開発していたためか、
シーブックとの相性は抜群で初出撃の時にはシーブックの意識を反映して操縦をサポートしてCVのモビルスーツの撃破に貢献したり、
デナン・ゲーの高機動力とビームシールドに苦戦するビルギットのヘビーガンを見ていたシーブックにヴェスバーの使用の提案を脳に直接フィードバックしたりと、優秀な場面が描写されている。

なおコックピット周りには従来のサイコ・フレームやバイオセンサーが搭載されて、操縦席にもサイコミュが増幅器として設置されている。*2*3
バイオコンピュータとMCAと合わせて、パイロットの技量に応じて機体性能にリミッターを掛けてパイロットへの負担を減らす機能を持っている。



本機はカタログスペック上ではクロスボーン・バンガードの高スペック機と変わらないが、
リミッターを解除された「最大稼働モード」ではフェイスガードを初めとしたラジエーターが最大展開され、バイオコンピューターが強制冷却される。
劇中で見せた口ビームのようなものはこれによる単なる冷媒放出による放熱描写。
実はこの機構は当初は採用されておらずバイオコンピュータを初搭載した負荷試験時に放熱が追い付いていないことが判明し慌てて追加した機構だったりする。

この時バイオコンピュータを介して、バイオセンサー、サイコ・フレーム、サイコミュとMCAが完全に同調し、この状態は宇宙世紀120年代最高のスペックへと変貌する。


その際に『M.E.P.E.(金属剥離効果=Metal Peel-off effect)』が発生する。
文字通り、装甲表面の塗装が剥げて金属片がバラ蒔かれ敵レーダーに干渉、センサーに誤認をもたらす。
現代でも使われるレーダー妨害用のチャフと原理は同じ。
ファンの間で「メペ」と呼ばれたり、一部ゲームでは「メイプ」などと呼ばれたりと色々言われており、公式でも特別な読み方は決められていない。
「エムイーピーイー」などと呼ばれたりもするが、これらは台詞にするには長ったらし過ぎる上に呼びづらいので、設定集などでもなければ短いものが採用される。

これがいわゆる『質量を持った残像』である。簡単に言うと光るフケ

このMEPE現象自体は機体の冷却が間に合わない場合の緊急冷却手段として用意されたもので、
装甲表面の塗装やコーティング材(金属粒子が主成分)が剥がれてしまうのも想定の範囲内ではあった。
しかしその際に発生するレーダー攪乱効果や残像は想定外のものであった。
モビルスーツのコックピット内に映し出させる映像は、カメラか得られたものをパイロットに視認しやすいようにリアルなコンピューターグラフィックスで再構築された映像なので、相手のコックピット内ではF91が分身したように捉えれるように見えてしまう。
なお普通に目視する分には少し対象を補足しづらい程度の物らしいが、対峙していたカロッゾ・ロナがMAのセンサーに直接自身を接続していたため、「質量を持った残像」と表現されるレベルで誤認していたため、シーブックの勝機に繋がった。

しかしながらその代償として、冷却しきれず長時間の戦闘後はセンサーが半分以上死んでしまっていた。

高過ぎる性能とリミッター機能により、本機は「ニュータイプ」と呼ばれる様な優秀なパイロットでないと真の力を引き出せない機体となってしまった。
後の時代に登場する量産型F91にも同等のシステムが搭載されているが、
初期型より冷却機能が強化された事・フル稼働モードに移行させるほどF91の性能を引き出せるパイロットが存在しない事から、
「鋼鉄の七人」でのたった一件以外ではMEPEが発動した記録はない。

余談ではあるが、一部資料には「試作型ミノフスキードライブ」が搭載されていると書かれていたが、
マイナーな設定*4であり後年にF99レコードブレイカーが登場したこともあって完全な死に設定である。
もしこの設定をカバーするならば「試作型ミノフスキーフライト」であろうか。これなら技術史的な辻褄も合う。



◇武装

  • バルカン砲
頭部に2門内蔵。ただし小型化の影響を受け弾倉は頭部の容積を多く占める様になってしまった。

  • メガマシンキャノン
胸部に2門内蔵された大型機関砲。
接近戦であれば、当時のMSを破壊することができる。

  • ビームライフル
メインウェポン。
出力の調整で、通常モードと連射モードに切り替えられる。
ヴェスバー程ではないがこのライフルも強力で、デナン・ゲーのビームシールド発生機を撃ち抜いて撃破できた。
しかし、バグ戦では捨てられてしまいその後はデナン・ゲーのビームライフルを拾って使用した。

  • ビームサーベル
左サイドスカート内に2本収納されている。
ライフル同様小型ながらも共に最新技術で作られ、信頼性も高い。
常時ビーム刃を形成させるだけでなく、νガンダムサザビーなどのUC.0090年代のMSの様に、
斬りかかる瞬間にビーム刃を発生させる機能もある。
劇中では手首を高速回転させ、回転切りを行い無人兵器バグを多数破壊したりもした。
その他にも予告の映像や、本編初出撃での戦闘でビームサーベルでデナン・ゲーをすれ違いざまに斬り裂きすれ違いながら撃墜確認するF91が印象残っている人が多い。

  • ビームシールド
左腕部に装備。右サイドスカート内にも予備が収納されている。
本機に装備された新型装備その1。
実弾・ビーム問わず防御出来る装備で、機体の軽量化にも一役買っている。
発振したまま手裏剣の様に投げる事も可能だったり、
出力を発振器の一方向に集中させることによりビームサーベルのように伸ばす事も可能と攻防一体のマルチウェポンとして使える。

  • ビームランチャー
肩掛け式の大型ビーム砲で昔存在した「ビームバズーカ」の系譜の武装かつF90Aタイプのメガビームバズーカの後継品の一つである。
砲身後部にはEパックがある。ラフレシア戦で使用した。当初はコロニー外で拾った現地調達品のため
一部では連邦軍の規格量産品と言われるが小説版の設定や以降の作品での一般量産機が装備していない事や
設定の紹介がF91の項目でしかされてない*5事からF91の専用装備である可能性が非常に高い。
この時代は武器類がユニバーサル規格で共通している事もありそのまま腰にマウント出来る。

  • V.S.B.R「ヴェスバー」
バックパックに二基取り付けられたジェネレーター直結式次世代大型ビーム砲。
本機に装備された新型装備その2であり、本機の代名詞とも呼べる武装。
ビームシールドと共に新動力炉の搭載とF90Vでのテスト運用によって初めて実用化した
(ただ、ガンダム作品はジェネレータ直結型のビーム兵器は「メガ粒子砲」に分類される)。
背部に収納待機されているが、射撃時は機体に配置されたレールに沿って脇の下を通って射撃位置に付きグリップ他を展開し射撃体勢になる。

『ヴェスバー』(Variable・Speed・Beam・Rifle)は可変速ビームライフルの名の通り、
メガ粒子ビームの発射速度や収束率を変えることで発射するビームの特性を変更可能な半固定式ビームライフル。
高速・高収束で貫通性の高いビームや、低速・低収束だが破壊力の大きいビームなどメガ粒子ビームの性質を無段階調整し使い分けることができる。
その威力はまさしく圧倒的。一撃で相手のビームシールドを貫通し、そのまま撃破してしまう程である。

量産型でもそのまま採用されており、ビームシールド普及により従来のほとんどの兵器が決定打にならなくなった130年代においても尚その威力は健在で、
後継機のF97を追い詰めるなど高い攻撃性能を誇っていた。

本機のヴェスバーは大容量コンデンサを内蔵しているので本体から切り離して使用することも可能。
バックパックに背負ったまま発射することもできるがこれはヴェスバーの機能というよりバイオコンピューターの機能。
ただし、劇中を見る限りや外伝作である「シルエットフォーミュラ」などの解説では照準がブレやすいなどの欠点が有った模様。
なお作中で「ヴェスバー」と呼ばれたことはない。*6



◇デザイン

メカニックデザインは大河原邦男。
全体的に曲線が多く、今までにない形状のバックパックやヴェスバーを配置するなど新しい試みが多い。
特に胸部の形状は特徴的で、大河原は「バイクのエンジンとラジエーターの部分をヒントにした」と述べている。

初期稿はもっと初代ガンダムに近いデザインであり、こちらは「F91の前身」という設定を付け加え、F90となった。
従来のガンダムとは一線を画す新時代のガンダムに相応しいそのデザインは多くのファンを獲得し、∀ガンダムのデザインを担当したシド・ミードから「最も進化しているガンダム」と評されオモチャ的なデザインを嫌い余りデザインを誉める事のない富野監督からも純粋にカッコいいと好評を得ている。
が、当時のアニメーターやオモチャ会社からは線が多くて描くのが面倒、独特のデザインとサイズ感故に立体化が困難、当時はバリエーションも殆どなかったので金型流用が利きにくいとして余り好まれなかったらしい。
そういった事情故に2010年代になるまで主役MSなのに立体化には恵まれていなかった。


◇劇中での活躍

機動戦士ガンダムF91
主人公機。
スペース・アーク内で保管されていたが、正規の整備マニュアルが無く、
代わりに残されていた開発者のモニカ・アノーがバイオコンピュータの接続法を解説した録画映像で使っていた、
『八掛けの吊橋』という言葉の意味が解らず起動不能であった。

しかし、モニカの娘「リィズ・アノー」がそれが母に教えられていた『あやとり』の用語だと気付き、無事起動に成功する。
そして、「母親が作ったコンピューターだから相性がいいだろう」という滅茶苦茶な理由でリィズの兄である、
シーブック・アノーがパイロットを務める事になる。だが実際に相性が良かったから間違いはなかったのだが…。

凄まじい勢いで成長するシーブックと共に、クロスボーン軍との戦いで多大な戦果をあげた。
終盤では連邦軍の艦隊を全滅させた鉄仮面のラフレシアを、セシリーのビギナ・ギナとの連携で立ち向かい、
ビギナ・ギナを失いながらもサイコミュも含めた最大稼働モードを発動して、ラフレシアを撃破。宇宙世紀120年代の限界スペックは伊達じゃなかった…。(シーブックが初めてF91に乗ってからラフレシア撃破までの期間は何と2週間である)
クライマックスではバイオコンピュータを駆使してシーブックの知覚を広げる事で砂漠より広大な宇宙空間に投げ出されたセシリーの命を感じ取らせることにも成功している。

人殺しの為に作られた機械が家族の絆を繋げ、最後には人の命を救い出す…感慨深いものである。白冨野のお約束
また後半からは何故か特徴的な肩の『F91』というマーキングは何故か消されている。

劇中後の動向、行方は不明だが、クロスボーン・ガンダムでの描写によると映像では描かれなかったザビーネベルガ・ギロスとの戦いも何度か繰り広げたらしい。
また、地球圏の教科書ではレジスタンスの英雄の乗機として、シーブックと共に掲載されている。


機動戦士クロスボーン・ガンダム
連邦軍が使用。
コスモ・バビロニア戦争後に色々オミットして少数生産されたものが登場している。

連邦軍の一般兵が搭乗したF91が出てきたこともあったが、後継機にあたるクロスボーンガンダムX1の性能と、
何より、かつてF91に搭乗していて性能を熟知しているキンケドゥに敵わず、撤退している。
「マシンがよくてもパイロットが性能をひき出せなければ!」

唯一善戦した『連邦の青い閃光』ハリソン・マディンの青いF91も、キンケドゥの機転でヴェスバーを防がれ、敗れ去った。
とは言え、ビームシールド二基を展開したまま取り外してヴェスバーで撃ち抜かせ、
減衰したビームをビームザンバーで受け止めるという離れ業が出来る奴なんてそういないので、相手が悪かったとしか言いようがない。
また、防いだビームの余波だけでX1のカメラに異常をきたす辺り、ヴェスバーの威力はクロスボーン時代でも脅威であることが伺える。
この一騎打ちは後に『月間MS』の名勝負10選に選ばれたとか。

最終決戦では新たに用意されたハリソン機が連邦軍の部隊を率いていた。

なおハリソン機は増加試作機の改修型で、バイオコンピュータや冷却系の改良でMEPEを起こさず最大稼働モードを使用可能とされているが、
下記の量産型ガンダムF91の設定と錯綜している部分もあってどこまでが試作機が一緒なのかやや不明瞭な部分がある。

ちなみに上記の通り、回想場面中に2コマほどシーブックが乗った試作機のF91の姿も描かれている。


スカルハート
ハリソン機が再登場。
木星軍残党やNTもどきのサルが搭乗したバルブスと交戦した。


鋼鉄の7人
連邦軍所属のハリソンはクロスボーン・バンガードやそれを支援する者たちに加わることを良しとせず、しかしめいいっぱいの支援として自身の青いF91を「調子が悪い気がする」という建前で置いていった。
地球でのコルニグス戦時には、ハリソンの上官であったミノル・スズキが搭乗。
トビアのパッチワークと戦う、影のカリスト操るインプルース・コルニグスの撃墜をアシストした。
その後『鋼鉄の7人』作戦の為に改修され、省略された機能を復元。
オリジナルにかなり近い性能になり、今度はミッチェル・ドレック・ナーが搭乗し作戦に参加。
フル稼働モードでディキトゥスと相討ちとなった。

この一連のシーンは非常に燃える。

これにより試作型ガンダムF91の最大稼働モードのスペックは120年代の限界性能どころか130年代の高性能機にも通用することが証明されたことになる。



□バリエーション機

F91 バックキャノン装着型
ヴェスバーの開発が間に合わなかったり失敗した際に備えた代替装備モデル。
4連ビームガトリングと2連対艦ミサイルランチャーをセットにした「バックキャノン・ユニット」をヴェスバーの代わりに装備し
肩アーマー部をF90Vタイプと同様に常時ラジエータフィンが展開された、アポジやサブスラスターが追加された物に変更。
ヴェスバーより一発の攻撃力と汎用性他大半の部分が劣るが、一斉射による弾幕火力などではこちらが優れていた模様。
また肩アーマー部も理論的には強化タイプな物の実際は常時展開したフィンが一部のアポジやスラスターの噴射を阻害してしまい放熱効率も却って落ちるなどの弱点が有った模様。
旧称は「パワードウェポンタイプ」。
その名称が「後からパワーアップ用途で追加した」と誤解させる印象からか、現在の「バックキャノン装着型」に名称を変更した模様。

F91 ツイン・ヴェスバー装着型
ヴェスバー開発に関わったミヤ・サミエック技官がコンピュータ・シミュレーション上で考案した装備プラン。
「ツイン・ヴェスバー・ユニット」と呼ばれる新型バックパックを搭載していて、改良型のヴェスバーを二対四基装備する。
このヴェスバーにはサブスラスターも備わっており、推力も強化されている。
ノーマルF91用のヴェスバー開発中に提出されたが、上層部はヴェスバーが両腕の可動域を奪う事を問題視して却下。
これに対し、ミヤ技官は「オート・ノッチングバック機構(銃身を腕の動きに連動させ、干渉を防ぐ機構)を採用すれば解決する」と反論するも、
整備の手間も増える上、そもそも出力が足りなくて4基同時に発射できないとツッコまれたらしく、結局廃案になったという。
…事になっていた筈なのだがSD作品などでは「ジェネレーターをチューンナップして出力不足を解決した実機が存在し、その余剰出力で右腕にもビームシールドを追加し防御力アップ」という
設定になっているらしい。

量産型F91
最大稼働モードが省略された(肩の放熱フィンがオミットされている)他はほぼ据え置き。
操縦補助用にバイオコンピューターも搭載しているが、この時代のパイロットは平和が長く続き質が低下していたのでフルスペックで稼働させられるパイロットはほぼいない。
ハリソンが乗っていたのはこれにあたる。

ガンダムF91RR
ガンダムトライエイジ ビルドMS第8弾に登場した、ゲーム限定のオリジナルMS。
デザインはF91を担当した大河原邦夫が同様に担当した。

小型MSであるF91に新開発されたグローアップ・ユニットを組み込んだ総合重装仕様。
両手両足にヴェスバーと大型ビームシールドを搭載し、肩関節部には白兵戦を想定したヴェスバー・サーベルを追加している。
所謂一般的な増加装甲的な物ではなく、MS自体に根本的な機能を追加したという設計思想になっている。

…ここまで読んでもらえば分かるが、このF91は根本的なMSの設計思想が第四世代の恐竜型MSまで退化している。
つまり、この機体の思想がそもそもUC110年以降におけるMSの小型化という進化を否定し、従来のMS大型規格へ引き戻す本末転倒な仕様となっている。
このような本末転倒な機体になったのには政治的思想が絡んでいて、機体小型化に否定的な一部の連邦高官の意向が働いた結果らしい。



□ゲームでの活躍

フォーミュラー戦記0122
映画本編の昨年を舞台にした本ゲームでは、9面から使用可能となる。
1~8面でのF90の戦闘データが反映されているため、それまでプレイヤーがF90でどう戦ったかによって性能が変わってくる。
まだ調整ができておらず、バイオコンピュータが稼働していない(従来の学習型コンピュータを搭載していたとされる)
未完成品であったが、それでも十分な高性能機であった。
ベルフはエンディングにて未完成だったことを初めて知り、「これで本当に完成したら一体どんなバケモノになっちまうんだ」
カロッゾ・ロナに先駆けて本機をバケモノ呼ばわりした。


Gジェネレーション
通常では空を飛べる高性能機程度の性能しか無いが、超強気になると最大稼動モードに入り、武装が強化される。
特にビームライフル4連射は超強気時の攻撃力補正+クリティカルによってムチャクチャな火力を叩き出す中距離戦の鬼。
スピリットではバグで狂気状態の強化人間を乗せるとエラい事に。
ハリソンを乗せると専用機になり、能力up+ビームランチャーがヴェスバーになるが、M.E.P.Eらなくなるので使い勝手は微妙。
ただし、OVERWORLDではハリソン機が「量産型ガンダムF91」として独立。
量産型だがスペックはオリジナルと同じという量産機縛りの救世主。
一方オリジナル機は多段武器がなくなった煽りを受けて、最大稼働モードも没収、代わりにMEPEが武器化した。


スパロボシリーズ
初代からの古参組だが、最近は参戦が少ない。
機体性能はCCA以後の主役機だけに一級品で、気力130になると分身が発動する為、相手ダメージの高い終盤でも生残性が高い。

ライフル以上の武装はENを消費する物のみで、調子に乗ってヴェスバーを撃っていると頻繁にガス欠になる。
最近では、弾数制のビームランチャーやヴェスバーより強力な武器としてNT専用「M.E.P.E.攻撃」が追加されている。
二軍NT・強化人間や序盤に専用機が無いアムロやトビア、キュベレイと小隊長能力の相性が悪いハマーン様等を載せても充分活躍出来る。
クロスボーンガンダムが参戦している作品では格闘型パイロットであるキンケドゥとは相性が悪いという悲劇。
しかし第2次αではニュータイプかつ小隊長技能でエネルギー消費を抑えられるウモン爺さんと相性が良いので、貧弱なゾンド・ゲーから乗り換えるのも手。
また、ごく一部の作品のヴェスバーは「ビームコートを貫通させることもできる」という性能を表現するため、ファンネル系同様ビーム属性がついていなかった(ビームコート、Iフィールドの対象にならない)。

第2次αではクロスボーン参戦に伴い量産型も登場。アムロ達が頑張って量産型ν共々量産までこぎつけたんだとか。
M.E.P.E.は使えないが、分身はあるため集中がない2軍パイロットでもある程度安全に戦える良機体。しかも複数機手に入る。
その気になれば、オリジナル・ハリソン機・量産型でF91だけの小隊を組む事も可能。

一方敵として出てくると、気力が上がる前に落とされていくため、そんなに強くない。マシンが良くても(ry
なお、本作に限り、一般の量産型の塗装はクリーム色になっている。
参戦作品の問題なのだが、第3次αではヘビーガン共々見当たらなくなり、代わりにどう見ても平凡な性能のストライクダガーが量産されてしまった。
やっぱマシンが良くてもパイロットが性能引き出せなきゃダメかー…

Vでは量産型が参戦。M.E.P.E.は無く、ヴェスバーも通常のビーム兵器扱い。
クロスボーン本編終了後ながらまさかの参戦を果たしたキンケドゥの初期機体だが、余り性能が高くない上に射撃タイプなので、
格闘型アムロとでもいうべき彼の高いステータス(尤も、実は『V』のキンケドゥは射撃の方が1だけ高い上にヒット&アウェイまで持参してくるのだが)や、
エースボーナスと噛み合っていないのが難点。
そのため大抵のプレイヤーのキンケドゥは他のガンダムを奪っていることが多い。

アニメーション自体には力が入っており、F91本編らしいビームサーベルアクションなどが拝める。
なお、流石に量産型とはいえ多くの主役ガンダムが並ぶ中でF91の扱いだけを悪くするわけにはいかなかったのか、
途中で説明もなく武器の攻撃力が強化され、さらにカスタムボーナスでヴェスバーの攻撃力が上がるので
火力は他の主役ガンダムに僅かに劣る程度まで追いつく。移動力だけはどうしようもない

Xでは久々にオリジナル機が登場。機体名称が「ガンダムF91」だが、正式名称が「F91」のみなのが細かい。
加入当初は不調なので、相変わらずシーブックが他のガンダムを奪っているかもしれない。
だが、中盤にリミッター解除が解禁され、Ζ・ΖΖのバイオセンサーやν・Hi-νのサイコフレーム同様、気力130以上で能力アップの恩恵を受けられる。
無論、従来通りの分身や必殺技としてのリミッター解除(従来のM.E.P.E.)も追加される。


初代スパロボのHDリメイク版では台詞*7が追加されている……のだが、キンケドゥを意識した台詞もあれば、
漫画版シーブックの迷言「ゲームオーバーだド外道ーッ!!」を言い放ったりと妙にネタ気味。


ガンダムvs.ガンダムシリーズ
「ライフルモード」と「ヴェスバーモード」を切り替えながら戦う射撃寄りの万能機。
「ライフルモード」は標準的なビームライフルとサーベル格闘を持つ、クセがなく扱いやすいモードで、
「ヴェスバーモード」もコスト2000帯ではかなり優秀なヴェスバーで射撃戦に強いモード。
どちらも素直な性能、かつ機動性も高いので初心者でも扱いやすい機体だが、「ヴェスバーモード」時にはサーベル格闘が使えないので注意。

耐久力は500と2000コストの中ではかなり低い方だが、特格でM.E.P.E.を発動でき、
発動中は動くだけで攻撃の誘導を切れるが、反面被ダメージが2倍になり、更に受けた時点で解除される。

しかし、バランス調整のためなのかCPU操作のF91はM.E.P.E.発動中の行動パターンがいい加減になり、
ロックオン外からのライフルが当たったりする。
これが敵であれば何の問題も無いのだが、問題は一人プレイで、CPUの僚機がF91であった場合、
一人で勝手に6回死んで敗北なんて光景が結構ザラにある。ついたあだ名が『詐欺僚機』。
(無印では『戦闘開始と同時にMEPE発動⇒十秒と立たずに一死』なんて光景があったが、
NEXTではゲージが溜まるまで使用できない仕様になっているので事故率は大幅に減ったが……)

人間が扱えば『基本的になんでもできる万能機』で、プレイヤーの腕次第で戦果を挙げられる事から良機体といわれている。
アシストは殆ど当たらない&当たっても低ダメージで使われる機会は少ないビルギット


機動戦士ガンダム Extreme vs.
モードが一元化。
ビームランチャーがCSに、サブ射がヴェスバー二本撃ちに変更。
呼び出す機体もビルギットのヘビーガンからセシリービギナ・ギナに変わった。
MAPEも誘導切りの効果が弱体化したが、機動力上昇効果が追加され、前作シャアザクの「通常の三倍」に近いものになった。
抜刀・納刀の区別がされ、ほぼ全ての格闘が違うものに変更された。
変更点は多いが相変わらずバランスがよく、良機体である。


クライマックスUC
高次元のパラメータ、優秀なチャージ攻撃に専用スキルによる無敵化まで合わせ持つ。
ただし専用スキルのSP消費が激しく、NTや強化人間以外は使いづらい。



□立体化

劇場公開当時に発売された1/100と1/60キットがある。
1/60は一部組立済み。

1/100は当時の最先端技術であるシステムインジェクションによって、肩のF91の文字まで色分けされている(ただし塗装派にはすこぶる不評だったりする)
後にMGでもリメイクされたがそのスタイルは賛否両論。かなり劇中とかけ離れた体型な上ABSを全身のフレームに採用したため異常に組みにくく、
更にパーツがポロポロ落ちたりポッキリ折れたりするという問題児キット。小型MSシリーズ化の試金石とされたという意見まで出るほど。
一応このMG、ラフレシアを模した触手付きの専用アクションベースが付属しており、「質量を持った残像だと言うのか!?」を再現可能だったりする。
そして2018年5月、ファン待望のMGver.2.0が発売されることとなった。
1.0の反省からか昨今のアレンジの利いたMGとは違ってかなり劇中及び当時の設定画に近いものとなっており、更にスラスター等がLEDで発光する。

HGオールガンダムプロジェクトでは待望の1/144スケール化。
体型はMG1.0を小型化したような感じだが可動範囲は良好、差し替えでMEPE発動も再現でき、武装も一通り揃っている。

ROBOT魂でも発売され、そのプロポーションは立体物の中でも劇中のイメージに最も近いと高評価を得ている。
またMETAL BUILDでは大河原邦男監修の元かなりアレンジが加えられた体型で立体化されたが、
仕様自体は充実し別売りパーツでツインヴェスバー装備にできる事もあって「これはこれで」と一定の評価を得ている。

近年ではカラバリとしてハリソン機が発売されるのがお約束。
またプレミアムバンダイ限定でツイン・ヴェスバーとバックキャノンのセットが発売された。
イベント「富野由悠季の世界」ではオリジナルプランVer.として初期案の真っ白なF91が限定販売されている。



◇余談

  • 映画終盤のモニカの台詞からバイオセンサーも搭載していると思われるが、これがΖガンダムなどに搭載されたバイオセンサーなのか、生体センサーと言う意味なのかははっきりしない。

  • F91は実はSD界隈でも非常に優遇されている。
    BB戦士No.100記念にはこの機体をベースにした千生大将軍が発売される。
    地上最強編・伝説の大将軍編では衛府弓銃壱(烈光頑駄無)が主役を張り、後に新生大将軍にまで出世し、彼の血族(飛駆鳥、號斗丸etc)が後のシリーズの主役になっていく。

  • SDガンダム外伝においては円卓の騎士灼騎士F91として登場後、灼熱騎士F91にパワーアップ。次のシリーズである聖機兵物語の第1章の主役を務めた。
    しかも他国であるダバード王国における名声も相当のもので、彼の後任主人公であるGP01よりも完全に各上の扱いを受けていた。
    ちなみに負傷後は幻影騎士RXF91として戦線に復帰した。サナリィ製じゃない?気にするな

  • コンパチヒーローシリーズでも主役級のプレイアブルキャラとして参戦することも多く、初代ガンダムよりも顔が広い。
    そのシリーズでガンダムを知ったという子供も多く、屈指のイケメンガンダムであるため人気もあった。
    ガンダムシリーズの知名度と人気の上昇に大幅に貢献した機体でもある。



wiki篭り、あなた以外誰がこの項目を追記・修正出来るの?
でも……でもッ! 何もネタが浮かばないんだっ……!
だったら本編や資料集を読みふけりなさい!それが出来るのも暇人の力なのよ……。


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