次元戦団バイラム

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次元戦団バイラム - (2021/07/20 (火) 16:39:43) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2020/09/24 Thu 23:22:00
更新日:2024/02/27 Tue 10:04:16
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愚かなる人類に通告する!

今、この瞬間より地球は……
我々、次元戦団バイラムの支配下に入る!


『鳥人戦隊ジェットマン』新番組予告より


次元戦団バイラムとは、『鳥人戦隊ジェットマン』に登場する悪の組織の名称である。


概要


我々バイラムは……裏次元を征服し、この第3次元に辿り着いた!

お前達の俗悪なる文明を破壊し!我がバイラムは新しい理想郷を築くだろう!!


「あらゆるものの始まりと終わりを支配する者」「を名乗り、裏次元を征服して地球を侵略しにきた侵略者集団。
征服といっても実態は「暴れ回って滅ぼしてきた」というだけで、特に明確な勢力地図や責任を持った支配体制を布いているわけではない。
要するに俺TUEEEがしたいだけの迷惑集団。

支配者の女帝ジューザが行方不明になって以来、幹部間の権力争いが加速。
地球に襲来したことを契機として「頂点の座」を明確にするべく、トランの発案で「ジェットマンを倒した者がバイラムの新しい首領になる」という方針を定め、ゲーム感覚で地球侵略を目論む。


組織構造

明確な首領ポジションが存在しないスーパー戦隊シリーズ初の悪の組織。
明確なボスのが存在しない悪の組織はその後、『特捜戦隊デカレンジャー』のアリエナイザーまで登場しないのでかなりレアな組織体系である。
その為、基本的に幹部4人が事実上の首領格を務め、同時にメンバー全員が対等な立ち位置にある。

だが、バイラム最大の特徴として挙げられるのが戦隊シリーズ屈指の幹部間の仲の悪さ。
そもそも前述の通り、彼らは仲間というより次期首領の座を争うライバルといった関係で、内ゲバや揚げ足取り、足の引っ張り合いに蹴落とし合いは日常茶飯事であり、信頼意識は皆無。
仲間の失態は嬉々として馬鹿にし嘲笑するのがデフォルトなので、一致団結するような機会がほとんどない。

その一方で組織のチームワークの悪さを補うかの如く、定期的にとんでもない強敵が出現する点も特徴。
裏を返せば、仲が悪いだけで次元獣を含めた個々の実力自体は非常に高いので、一致団結して協力する必要性が薄いとも言える。
総じてチームワークを捨てて個の強さだけで1年間ジェットマンを苦しめ続けた異色の侵略集団である。

拠点は次元間の狭間に浮かぶ移動要塞「魔城バイロック」


メンバー

基本的にイメージカラーは「白と黒のモノトーン」で構成されているが、リーダー格のラディゲのみ「青」の要素が入っている。

首領


見ていなさい、私はこの世界を地獄の底へ叩き落とす。今の私には、人間どもの苦しみや悲しみが必要なの!

演:高都幸子
かつて「万物の創造と破壊を司る者」として恐れられ、ラディゲ、グレイ、トランを従え、多くの次元世界を侵略したバイラムの首領。
当初は不在だったが、番組中盤で帰還した。
ジェットマンを圧倒し、クセモノ揃いの幹部陣を従わせる実力者であったが、人望は皆無であり、当の幹部達には死ぬほど疎まれている。
というか、仮にも組織の首領が行方不明になったのに、部下全員が首領の身を案じるどころか雁首揃えて次の首領を決めにかかる時点でお察し。
帰還後はジェットマンとラディゲの共闘に敗れ、早々に物語から退場してしまった不遇の首領。

ただし、小説版では人智はおろか、作品内のあらゆる力を超越した神の如き絶対者であり、バイラムという組織そのものすら「ジューザの見ている夢」で、ジューザが現世に覚醒したら最期儚く消えてしまう事が語られている。
彼女のもたらす滅びは宇宙の(ダルマ)に従った結果であり、野心や欲望を持った侵略者というよりも宇宙意志の具現化というべき存在。

当該項目参照。


幹部


おめでとう諸君!我らバイラム4幹部、心よりお祝い申し上げる!
我々は君達の戦いぶりを非常に評価している!実に健気で愛らしい…。

演:舘大介(現・舘正貴)
レッドホーク/天堂竜のライバルであり、本作のラスボス
バイラム4幹部の(一応)リーダー格で、魔剣ブラディゲートを操る剣士。
ネタ性もある一方で性格は傲慢で冷酷な悪意に染まりきっており、自身の目的達成のためには本当に手段を選ばない。
その強烈なキャラクターから『戦隊シリーズ最悪の敵』との誉れも高い名悪役。

小説版では美しい青年の姿をしているが、ジューザ覚醒に近付くにつれ顔が徐々に醜い老人に変わっていくという歪みを抱えている。
滅ぼした世界の動物を戦利品代わりにひとつ持ち帰る習慣があり、地球侵略に際して彼が選んだサンプルこそが…
TV版同様、自身の都合でジェットマンと手を組む場面もあり、実際それが勝機に繋がった。
だが、内面では下等生物と見下していたジェットマンと並んで戦わざるを得なかった事に凄まじい屈辱感を覚えており、
それを雪ぐために彼らを全員惨殺する事を心に誓うなど、桁違いの悪意がどっぷりと地の文で述べられている。

当該項目参照。


  • マリア

中々やるわね…人間にしては。

演:丸山真穂
バイラムの紅一点である女幹部。
冷酷で攻撃的なサディストであり、「ネクロッド」というスティックを武器として用いる。
バイラムメンバーの例に漏れず地球人を見下す一方で、ピアノを嗜むなど地球文化に精通しているかのような一面を持つ。



マリア、お前のピアノは素晴らしかった……。

CV:日下秀昭
マリアに想いを寄せるハードボイルドなロボット幹部。
バイラムの中では最も協調性が高いクールな人物で、ブラックコンドル/結城凱のライバル。

小説版ではかなり巨大な体躯の持ち主という事になっており、凄まじく堅牢な防御力と圧倒的な火力を兼ね備えた強敵となっている。
精神攻撃やらぐちょぐちょとした融合吸収能力やらなにかにつけてエグくて気持ち悪い小説版バイラムの戦力の中では正攻法に特化した一周廻って珍しい敵。
凱とのライバル関係はオミットされているためにTV版より影は薄いが、それでも最期に漢を見せる。

当該項目参照。


  • トラン

面白そうだねえ…これからきっと楽しくなるよ!フフフ!

演:久我未来
僅か9歳というバイラム最年少の子供幹部。
優れた頭脳を持つが物事をゲーム感覚でしか見ておらず、遊び感覚で地球侵略を推し進めては他者を見下して小馬鹿にするという、悪い意味で子供っぽい生意気で残酷な性格の悪ガキ。
バイラムの地球侵攻の際、バイラムの侵略の活動方針を定めたある意味元凶。

腕に装着したキーパッド「メタルトランサー」によって発動するサイコキネシスで敵を翻弄する。

小説版では火の玉に包まれた中性的な美少年といったルックスで、トランザへの成長要素はオミットされている。
性格はTV版同様に邪悪だが、時代を先取りした未成年シリアルキラーのような不気味な嫌悪感が先立つ恐ろしいキャラ。

ちなみに演者はこの後『3年B組金八先生』に出演し、キバレンジャーと同級生になった。


次元獣/バイオ次元獣


ハハハハハ!次元虫は物体と同化し、次元獣に変身する事が出来るのだ!!

バイラムの尖兵である怪物。今週の怪人枠。
次元虫(じげんむし)」という生物を特定の非生物に寄生させて作り出す。
劇中ではゴミジゲンドライヤージゲン等の善良な次元獣も登場していた。
物語後半ではマリアが開発したバイオ次元虫を使い、動植物の要素を付加して強化された「バイオ次元獣」が登場した。


その他戦力

  • 次元虫(母虫)
次元獣を産み落とす母体となる怪物。
外見は巨大な人間サイズの次元虫で、人間を長い舌で捕食し、子供となる次元虫の詰まった卵嚢を産む。
地球侵略のトップバッターであり、無差別に長い舌で人間を貪り食らったが、5人揃ったジェットマンのバードボンバーを受け爆散した。


  • グリナム兵
「グリナムの種」という種状の物体から生まれるバイラムの戦闘員
が武器で体を蔦状に変化させて相手を捕縛出来る。
知能はさほど高くないが、人語を話す場面も見られた。


  • 魔獣セミマル

遂に…遂にこの手に全てを握る時が来た!
立てセミマル!愚かなる人類にお前の力を見せつけてやるのだ!!

ラディゲが「究極の魔獣」「破壊の神」と呼ぶジューザの子供。
ジューザが身に宿し、忘れ形見として残していた卵から誕生し、ラディゲに育成され完全体へと変貌を遂げた。
幼体はイモムシのような姿で、成体は赤い昆虫の様な甲殻に覆われた背中に翼が生えた悪魔ようなのような外見。
人間の苦しみや悲しみを吸って成長する生態を持つ。
なお、セミマルの支配権を握っていたラディゲは完全体に至ったセミマルを見てテンションが急上昇。
自分の勝利と栄光を確信して他の3幹部相手にマウントを取りまくった。

「その力は一瞬にして大地を割り、天を焦がす」と恐れられる恐るべき戦闘力の持ち主で、武器はあらゆるものを破壊する手から出す念動波。
初陣であるジェットイカロス戦では評判通りの並外れた戦闘能力を発揮し、バードニックセイバーを叩き折った上に、ジェットイカロスの両腕を斬り、戦闘不能にまで追い込む実力を披露。
ジェットガルーダとの戦闘でも圧倒するが、ガルーダバーストでダメージを負ったために撤退。
合体ロボ・グレートイカロスとの戦いでも初陣のグレートイカロスを相手に互角の勝負を展開する初登場補正をガン無視した強さを見せつけるが、最期はバードメーザーに敗れる。


  • 魔神ロボ ベロニカ

貴様たちの悲鳴ほど、心地よい物はない…。最後だジェットマン!

全高:92m
重量:500t
飛行速度:マッハ4

トランザが「史上最強の魔神ロボ」と豪語する、対グレートイカロス用に開発した巨大人型生体ロボ。
「テストロボット・G2」を経て完成し、巨大なモノリス状の物体から出現する。
全体的に昆虫と悪魔の融合生物のような風貌だが、ロボットには珍しく相撲のような褌がついていたりどことなく和風っぽい。つまりいつもの雨宮クリーチャー。
操縦席は複座式で4幹部全員が搭乗するが主操縦は当然の如くトランザが担当。
内部に拘束した人間から吸収した生体エネルギーで動くため、戦いが長引けば長引くほど捕らえた人間が苦しむ鬼畜設計。

武器はの付いた形状の剣とシールドに加え、腹部から放つアンカーや光の翼も搭載した圧倒的な戦闘力でジェットマンを苦しめた。
……のだが、トランザが他の3幹部のマウントを取るためだけにわざと4人乗りに設計したせいで折角の勝機を仲間割れで逃す事もあった。

デザインは雨宮慶太氏が担当。


余談

足の引っ張り合いから全滅したのは『仮面ライダーストロンガー』のデルザー軍団と似ており、脚本もメインライターの井上敏樹の父親である伊上勝と、奇妙な縁を感じさせる。
余りに仲が悪すぎた反動と言わんばかりに、次回作『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の敵組織「バンドーラ一味」は和気藹々としたアットホームな組織になった。



おめでとう諸君!我らバイラム4幹部、心よりお祝い申し上げる!
我々は君達の追記・修正ぶりを非常に評価している!実に健気で愛らしい…。


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