GUNSLINGER GIRL

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GUNSLINGER GIRL - (2018/03/09 (金) 07:47:18) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/05/22(土) 23:21:02
更新日:2024/01/22 Mon 16:04:06
所要時間:約 7 分で読めます




―少女に与えられたのは、__________
__________大きな銃と小さな幸せ。―


GUNSLINGER GIRL(ガンスリンガー・ガール)


月刊コミック電撃大王にて連載していた漫画。
作者は相田裕。
元は作者自身の同人活動だったが、商業誌に移籍という形で連載がスタート。

萌え・エンタメ特化の雑誌である電撃大王での連載だが、その内容は幼女が銃を振り回すだけの萌え漫画とは程遠く、人によっては胸糞悪くなる内容も含まれる。
某新聞の書評欄に載った際には、「問題作である。(中略)この物語は私たちを試す。」とかなりドぎついことを書かれた。

イタリアの社会問題、少女の苦悩などシリアスな展開がストーリーをより深いものにした。


◆ストーリー

現代イタリアを中心としたヨーロッパが舞台。
イタリアは国内で地域対立、思想対立を抱えていて、テロ、暗殺などの暴力活動が絶えずおこなわれていた。
政府が運営する公益法人『社会福祉公社』は障害者への様々な支援が目的…
しかしその実態は、身体に重度の障害を持つ少女を集め義体(サイボーグ)化し、反社会勢力の暗殺など非合法活動をしていた。
少女は自由に動く身体を得る引き換えに、自らの危険を顧みることなく、銃を持って戦わさせられる運命を背負う。

~用語解説~

◆五共和国派
イタリア北部独立運動の極右テログループ。通称パダーニャ。
イタリアを五つの共和国に分離独立させるのが目的。
イタリア南北問題、伝統的な地域主義と、欧州に広まる反グローバル主義を背景に持つ。
現実世界のイタリアでも北部同盟という政党が「三分割、自治権拡大、北部の独立」という主張をしている。イタリア北部独立運動=五共和国派ではない。


◆社会福祉公社
物語の中心メンバーが所属している国家機関。
表向きは義体から得られた技術、データで障害者の福祉を行う公社。実体は国内で頻発する五共和国派によるテロに対抗するための秘密諜報機関。
子供を暗殺者に仕立て上げ、五共和国派のメンバー、それに協力する議員、軍人を暗殺する。
公安部、作戦一課、作戦二課があり、義体の運用は二課が行う。物語の中心も二課である。


~主な登場人物~

◆義体

ヘンリエッタ
主な装備 FN P90
本作のヒロイン…
なのだが、物語が進行するにつれて若干空気気味。
連続殺人犯の一家殺害事件の被害者で、一晩中暴行や強姦を受けて瀕死の状態を義体化される。
右目を抉られ、左手の肘から下を欠損し、右足の膝から下も欠損していた
優秀な義体だが『条件付け』と呼ばれる短命の危険がある洗脳を軽めに設定されているため、情緒不安定で暴走しやすい。
義体になる前は髪の毛が長かった
全義体中最も耳がいい。


リコ
主な装備 ドラグノフ CZ75
生まれつき慢性疲労症候群による全身麻痺患者で、11歳の誕生日に義体化され自由を得る。
義体の中で、最も強く『条件付け』を受けているが、それが逆に現状に疑問を持たなくて済み、ストレスを感じずに精神的矛盾を抱えて寿命を短くする事を防いでいる。
明るく好奇心旺盛だが、感情の起伏が少ない。
狙撃の名手。


トリエラ
主な装備 M1897 P230
金髪ツインテールでややツンデレ気味。
精神年齢が高く聡明で、知識、教養に優れ、義体のまとめ役。
高身長で成人女性に変装して任務にあたる事もある
イタリア語、ドイツ語、フランス語とマルチリンガル。
近接戦闘に長け、散弾銃やサブマシンガン、ナイフや銃剣などを扱う。
スナッフ・ムービーの撮影現場に潜入したヒルシャーらによって救出、義体化された。


クラエス
主な装備 VP70
メガネをかけている。
読書や家庭菜園等の多彩な趣味を持ちトリエラ以上の知識と教養がある。
トリエラとは相部屋で女房役のようなものかもしれない。
とある事件が原因で銃が撃てなくなったため、義体のデータ取りのための実験役になっている。


アンジェリカ
主な装備 AUG
穏やかな性格。両親に保険金目当てに殺され掛かるが、一命を取り留め義体となる。本名アンジェリーナ。
最初に作られた義体で条件付けも手探りだったため、副作用が強く出て入退院を繰り返している。


エルザ・デ・シーカ
(CV能登麻美子)
漫画では既に死亡してから登場した。
映像での描写を見る限り
戦闘力ではトリエラやヘンリエッタに匹敵する程だが、担当官との相性が悪過ぎた。
他の義体達との交流は無いに等しく、作戦の前日に話をしに来たヘンリエッタも追い払われた。
担当官を溺愛するあまり、悲劇を起こす。


ベアトリーチェ
主な装備 マイクロウージー
担当官はおしゃべりだが反対にほとんど話さない
かなりの無口。
しかし、全義体中最も鼻が利く。


ペトルーシュカ
主な装備 スペクトラ M4
アニメに殆ど出なかったかわりにヘンリエッタからヒロインの座を奪いつつある。
ロシアのバレエ学校の生徒だったが、チェルノブイリ原発の被曝で骨肉腫になる。
治療のためにイタリアに渡ったが、すでに手遅れで、転移を防ぐために両足切断を余儀無くされ、絶望から投身自殺を図るものの失敗。
社会福祉公社が引き取り義体化。
変装をはじめとした様々な任務をソツなくこなす。
またバレリーナだった事もあり非常に身体能力も高い。



◆担当官

ジョゼッフォ・クローチェ
ヘンリエッタの担当官。通称ジョゼ。
主な装備FN Five-seveN
ヘンリエッタに死んだ妹を重ね溺愛しているが、あくまで義体とそれを利用する担当官であり、兄妹もどきでしかないという微妙な関係に苦悩することも多い。


ジャン・クローチェ
リコの担当官。ジョゼの兄。
ジョゼ以外の家族と婚約者をテロで失っており、復讐のためジョゼを伴い公社に入った。義体との関係に悩む担当官が多い中で、完全に道具としてリコを扱う。


◇ヴィクトル・ヒルシャー
トリエラの担当官。
殉職した同僚の遺志を継ぎ、トリエラを見守るために公社に入った。微妙なお年頃のトリエラとの距離の取り方に苦心している。


◇クラウディオ・ラバロ
クラエスの担当官。ジャンの元上官で、やむなく退役した軍警察に戻るためにジャンに勧誘され公社に入った。
趣味は釣りと読書で、これがクラエスにも影響を与えた。
公社のやり方に疑問を抱き事実をリークしようとしたが、“偶然にも”事故死した。


◇マルコー・トーニ
アンジェリカの担当官。
元警察の特殊部隊員だったが目を負傷し退職。その技術をアンジェに叩き込むが、条件付けの副作用で教えた内容や思い出を忘れていくことを受け入れられず辛くあたったことも。
しかしアンジェが寿命を迎えた時は彼女のために奔走した。


◇アレッサンドロ・リッチ
ペトルーシュカの担当官。
元公安の諜報員で、人間観察とナンパの達人。その独特な考え方や技能に2期生のコンセプトが噛み合い、ペトラとは1期生のフラテッロとはまた違った関係を築いている。



◆五共和国派
ピノッキオ
天才的な殺し屋。生身で唯一義体に土をつけた青年。商品としてある家にとらわれていたが五共和国派のクリスティアーノによって助けられる。彼からは実子のように育てられ忠誠を誓うようになり公社と戦うようになる。
初仕事で少女を殺めたことがトラウマとして残っており、気絶させたトリエラに銃を突きつけるも止めを刺せずに、逃走。後にトリエラと再戦することとなる。


◇クリスティアーノ
五共和国派の一勢力、ミラノ派の中堅幹部。ピノッキオの育て親。ピノッキオを使い派閥の幹部に上り詰める。自身のミスにより派閥の内ゲバに巻き込まれ公社へ自首を決心するが損得勘定以上の愛情を注いだピノッキオを想い国外脱出を図る。


フランカとフランコ
主に五共和国派に協力しているフリーの活動家。

複雑な内容の割に読みやすく、引き込まれやすい設定なので、ぜひご一読してみては。

ちなみにアニメは
GUNSLINGER GIRL(第一期)
GUNSLINGER GIRL-IL TEATRINO-(第二期)

一期は作画が少し微妙だが、音楽が深く、心に染みる。
伏線の回収などもすばらしく、監督たちのこだわりが随所に見られる良作。

二期は作画が少ないが、OP曲ED曲の両方が良曲。
しかし資金不足だったのか、銃声などの効果音の類がチープになってしまったのが残念。また、絵が萌え絵っぽくなっておりファンの間では黒歴史
またスタッフや声優が一新された。
これらの変化は一期が好みに合わなかった作者の介入によるものらしい。

―追記・修正をしてくれるのが、私の願いです。―

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