世界(ザ・ワールド)

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&font(#6495ED){登録日}:2009/08/26 Wed 09:43:44 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:&font(#888,#FD0,b){約 23 分の閲覧はなじむ!実になじむぞ!} ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &font(#FD0,18,b,i){マヌケが…知るがいい……} &font(#FD0,22,b,i){&font(#888,#FD0){『&ruby(ザ・ワールド){世界}』}の真の能力は…まさに!} &font(#FD0,26,b,i){「世界を支配する」能力だということを!} } &font(#888,#FD0,b){「&ruby(ザ・ワールド){世界}」}とは、「[[ジョジョの奇妙な冒険]]」の登場人物である[[DIO>ディオ・ブランドー]]の[[スタンド能力>スタンド能力(ジョジョの奇妙な冒険)]]。 以下ネタバレ注意。 ---- #openclose(show=▶ 目次){#contents} ---- *&font(#888,#FD0){【&ruby(ザ・ワールド){世界}】} **◆ステータス -破壊力 -A -スピード - A -持続力 - A -射程距離 - C(10m程度) -精密動作性 - B -成長性 - B (『JOJO A-GO!GO!』による) *【概要】 『物事の完成』を意味する[[タロット>タロットカード]]大アルカナ21枚目のカード&color(gold){『世界』}の暗示を持つスタンド。 屈強な体躯を持つ[[近接パワー型>近距離パワー型(ジョジョの奇妙な冒険)]]の人型スタンドで、顔の上半分を逆三角形のマスクで覆い、背中には2連のタンクのようなものを背負っている。((『[[星の白金(スタープラチナ)]]』同様、鉄人28号の影響かもしれない。)) 身体各部には当時の[[荒木飛呂彦]]のデザインの象徴ともいえる『[[♥>ハート]]』や、自身の能力の象徴である[[時計]]の意匠が見られる。 また、つま先はDIOの履いている靴と同じく反った形をしている。 ベタの多い『星の白金』とは対照的に、紙面では白一色に見える彩色であり、事実OVA版では&font(#9C3,#FED){象牙色に緑の差し色}、TVアニメ版の基本カラーは&font(#888,#FD0){金色に灰色の差し色}だった。 カラーリングのバリエーションは他にもTVアニメ・ゲーム・フィギュアなどで多々あり&font(#DA2){金色}・&font(#90C){紫色}・&font(#E87){薄紅色}、 変わったところでは&font(#93C,#000){黒地に紫と}&font(#F00,#000){赤のアクセント}などというのもある。ちょっと[[バットマン>バットマン(人物)]]っぽい。 **◆性能 [[空条承太郎]]の『星の白金』同様の「近距離パワー型」に分類されるスタンド。 だが承太郎との初戦闘時は、それまで無敵の強さを誇った『星の白金』をパワー・スピード共に上回っていたのに加え、 射程距離も、2~3m程度である事が多い「近距離パワー型」としては珍しく&font(b){10m}と異常に長く、同タイプのスタンドとしては破格の基礎スペックを誇る。 攻撃手段は近距離パワー型らしく、殴る蹴るといったシンプルな物理攻撃であり、弾丸のような[[飛び道具]]は持っていないため、 スタンドで対象を攻撃する際には本体がスタンドの射程距離圏内まで近付く必要がある。 ただし、スタンドそのもののスペックが高いため、『星の白金』と同様に「ただ殴るだけだが強い」スタンドであり、 特に『星の白金』に勝るとも劣らない拳の弾幕ともいえる怒涛の&font(#FD0,b){「無駄無駄」}ラッシュは非常に強力。 また、周囲の環境をことごとく凶器として利用するDIOの極悪なセンスによる変則的な奇襲と後述する特殊能力によって、 近距離パワー型特有の「射程距離圏内まで近付かないといけない」という欠点もある程度カバーされている。 その射程距離の(近距離パワー型としては)破格の長さもあって、多種多様なスタンドを持つ承太郎たち一行を向こうに回して有利にすら立ち回っていた。 なお、[[ジョセフ>ジョセフ・ジョースター]]の波紋によるガードを警戒してスタンドによる直接攻撃を中断している辺り、スタンド越しにも波紋法による攻撃は通用するようである。 地力の時点でジョジョシリーズでも屈指の威力を誇るが、『世界』の真価はその特殊能力にこそある。 **◆能力 #center(){ &font(#FD0,22,b,i){『&ruby(ザ・ワールド){世界}』ッ!} &font(#FD0,28,b,i){時よ止まれ!} } その能力とは、&font(b){「[[一定時間、自分以外の時間を停止させる>時間停止]]」}という極めてシンプルにして凶悪無比なもの。 能力を発現して間もない頃、スタンドの力試しをしようと[[部下(アニメ版ではヌケサク)>ヌケサク(ジョジョの奇妙な冒険)]]に自分めがけて[[散弾銃]]を撃たせた際、 その弾丸が空中で静止したように見え、さらに『世界』がその静止した空間で自由に動き、弾丸を摘まんだ事をきっかけに、 ・&font(b){自分のスタンドが時間を停止させられること} ・&font(b){その時が止まった世界で自分とスタンドだけが自由に動く能力} を持っている事に気付いた。 DIOがこの真の能力に気付いたばかりの段階ではほんの一瞬しか時間を止められることが出来ず、 自分が認識した「時が止まった世界」も、時が止まったように見えただけの錯覚だと勘違いしていた。 しかし自身が奪い乗っ取った[[ジョナサン>ジョナサン・ジョースター(ジョジョの奇妙な冒険)]]の体が自らに馴染んでいくのと比例して徐々にその停止可能時間が延長。 承太郎たちとの最終決戦の時点では最長で5秒間程度((DIO曰く「時が止まっているのに5秒とは奇妙な話だがとにかくそのくらいだ」))の時間停止が可能になっていた。 更に最終盤、DIOがジョナサンの孫であるジョセフの血を吸った事で身体がより馴染み、&font(#FD0,b){「最高にハイ!」}になった時には&font(b){約9秒}にまで延長している。 DIOはこの時間停止能力と自身の[[吸血鬼]]としての人間離れした身体能力、そして『世界』自体の高いスペックを以て、 普通に考えればさほど長くない5~9秒間で多彩な攻撃を繰り出し、「ジョースター・エジプト・ツアー御一行様」と一般人を苦しめた。詳しくは後述。 共通しているのが、&font(#F00,b){大抵は人を恐怖させるか殺傷するのに能力を用いているという点}。 これは後にDIOと同じく身に付けた時間停止能力を、基本的には自分や仲間の危機回避や、誰かを庇うために用いている承太郎とは対照的である。 ちなみに、スタンドの成長性は最後までBだった為、DIOがこの決戦を生き延びてさえいれば更なる長さに及ぶ時間停止が可能だったと思われる。((時間停止能力を身に付けた後の承太郎の『スタープラチナ・ザ・ワールド』は、成長性がE(完成)になった段階で停止時間は最大5秒となっている。一方で、第4部に入って初めて時間停止能力を使用した際には、長く能力を使っていなかった影響で僅かな時間しか止められていなかったことから、逆説的にもしも能力を頻繁に使っていた場合、停止時間が延びていた可能性もある。)) #center(){ &font(#FD0,b,i){いずれは一分…10分…一時間と、思いのまま止められるようになってやろう…} &font(#FD0,b,i){楽しみだ…だんだん長く時間を止めるのはな…} } ただし、本編登場時点でDIOが止められる時間には限度があり、加えて時間を止めるまでにも若干のタイムラグが生じるため、 連続して時間を止めることは出来ず、実質「間合い」というものが存在する。 時間を止めたところで相手が遠すぎれば有効打は狙えないし、近すぎては今度は出際を潰されてしまう。 また、『世界』と同じタイプのスタンドである『星の白金』を持っていた承太郎は、ジョセフから&font(b){「DIOのスタンドは時間を止められる」}と知らされた事もあり、 (具体的にどの時点からかは不明だが)『世界』によって時間が停止した世界、言うなれば&font(#FD0,b){「DIOの世界」}を認識できるようになった。 その上一瞬だけだが『世界』によって時間が停止している状態でも動けるようになっている。((このことを知ったDIOは承太郎を「我が世界に入門した」と評している。)) 本編中では承太郎の迫真の死んだふりに騙され、念入りに斬首しようと近付いたところで、DIOからすれば予想外の逆襲を喰らった際、 DIOは迫りくる『星の白金』の拳を止めようと時間停止を行うが拳は止まらず、そのまま頭部に痛烈な一撃を受けてしまっている。   **◆ザ・ワールドの披露した技及び行動 -&font(b){階段を登ろうとするポルナレフを一段ずつ降ろし、永久にその場で足踏みさせる}(通称「ポルポル現象」) 時を止めてる間にせっせと[[ポルポルくん>ジャン=ピエール・ポルナレフ]]を運んでいるDIO様を想像して萌えるのは誰もが通る道。 しかし『世界』の射程が10mあるので、恐らくはスタンドを利用して逐一運んだと思われる(それはそれで面白いが)。 殺そうと思えばこの時点でいつでもチェックメイトだったのだが、DIOはポルナレフの心をへし折って再び下僕にしたがっていたので脅し止まり。 相手の行動を階段を上るか降りるかの二者択一に誘導するのも上手い。 果たして目論見通り、不可解な現象に見舞われたポルナレフは精神的に追い詰められる。 しかし承太郎たちが館の壁を壊して乱入したことで、DIOは日光を避けるために撤退し、ポルナレフは窮地を脱した。 ただし、この時点ではポルナレフ(と読者)はDIOの『世界』が持つ時間停止能力を知らなかったため、 ポルナレフはDIOのスタンド攻撃を[[「催眠術や超スピードなんてものじゃないもっと恐ろしいものの片鱗を味わった」>あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!]]としか表現できなかった。 -&font(b){&ruby(ハイエロファント){法皇}の『結界』を時間停止の中で全て破壊した上で花京院を殺害} #center(){ &font(#FD0,b,i){これが…『&ruby(ザ・ワールド){世界}』だ……花京院} &font(#FD0,b,i){おまえは自分が死んだことにさえ気づいていない} &font(#FD0,b,i){何が起こったのかもわかるはずがない……} } &font(#0F9){『&ruby(ハイエロファントグリーン){法皇の緑}』}の触脚で半径20mを覆い尽くしたトラップゾーン&font(#0F9,b){『結界』}。 DIOが例え高速で接近してきても、触れれば即座に&font(#0F9){エメラルド・スプラッシュ}を発射するこの技で、DIOの攻略を試みる[[花京院>花京院典明]]。 その思惑に嵌って結界内に誘い込まれ、身動きが取れなくなったDIOに花京院は全方位からのエメラルド・スプラッシュでトドメを刺そうとするが、 DIOは四方八方から迫るエメラルド・スプラッシュを尻目に慌てることなく『世界』の時間停止能力を発動。 そして、時間停止によって静止したエメラルド・スプラッシュの間を抜けると、結界を破壊しながら最短距離で花京院に接近し、その胴体を『世界』の拳でぶち抜き致命傷を与えた。 &font(b){絶対的な安全地帯から自分を認識できない相手を一方的に嬲り殺す}という、&font(#F00){時間停止の悪用の典型例}そのものな胸クソ悪くなるパワープレイである。 当時シリアスなバトル漫画でこのような所業をやってのけるというのは、余りにも衝撃的な展開であった。 DIOの能力を知らない花京院は、いつの間にか『結界』が破壊された上に致命傷を負わされているという状況に混乱するも、 「自身が展開していた無数の『結界』が&font(#0F9){完全に同時に}破壊された」という点から「DIOは時間を止められる」事を見抜く。 花京院は最後の力を振り絞りジョセフにダイイングメッセージを残し、そしてそれを正しくジョセフが受け取ったことで、&font(b){DIOは承太郎一行に能力の正体を悟られてしまった}。 これがなければ、素質があると言っても承太郎が短期間で「DIOの世界」に入門できたか(時間停止中の世界を認識できたか)は怪しかったため、 DIO自身も後の承太郎との決戦中に、このダイイングメッセージの一件に触れて「花京院は大したお手柄だった」と言及している。 ちなみにTVアニメ版では、このシーンは花京院(とジョセフ)視点とDIO視点の2パターンで描写されている。 まず「トドメを刺そうとした次の瞬間に花京院がDIOに吹っ飛ばされている」という展開に困惑する花京院・ジョセフを描いた後、 その種明かしのように「『世界』の時間停止能力で結界を悠々と脱出し、花京院の腹部を『世界』の拳でブチ抜くDIO」を描くという展開になっている。 -&font(b){レストランから盗ってきた無数のナイフを時が止まった状態で大量に投げつけ、回避不能の状態を作り出す} #center(){ &font(#FD0,b,i){フン!逃れることはできんッ!} &font(#FD0,b,i){きさまはチェスや将棋でいう『&ruby(チェック・メイト){詰み}』にはまったのだッ!} } DIOの代名詞とも言える必殺の戦法。 隙あらば小細工を仕掛けてくる抜け目のなさと『世界』に勝るとも劣らないパワーとスピードを誇るスタンドを持ち、 更には「時間が停止した世界」を認識する能力まで身に付けた承太郎を、その間合いの外から安全かつ確実に殺すために考案した&font(#F00,b){極悪な処刑法}。 +時間を止めた上で、飛び道具を投げつけて相手の眼前で静止 +これを繰り返し、相手のほんの手前で全方位から攻撃が飛んでくるという環境をセッティング +&font(b){時が動き出した瞬間、静止していた全ての飛び道具が一斉に相手に襲いかかる} というインパクト抜群の演出は、後に多くの作品で[[オマージュ]]&パロディ化されている。 有名な辺りで[[某弾幕シューティング>東方Project]]。DIO関連ではパンの枚数の件もオマージュされている(ここでは無駄に少ない枚数で答えている)。 その効果は覿面で、承太郎に深いダメージを与えた上に&font(#F00,b){「今度同じ攻撃を仕掛けられたら死ぬ」}とさえ思わせた。 また、演出からもわかるように、時が止まった状態下では&font(b){あくまでDIOに接触した物だけが動き、DIOから離れると止まってしまう}。 -&font(b){時間を止めた状態でロードローラー(OVAではタンクローリー)を承太郎に叩き付け無駄無駄ラッシュ} #center(){&font(#FD0,b,i){ロードローラーだッ!}} 承太郎を完全に抹殺すべく、正真正銘・最後の時間停止を行ったDIOが敢行した驚愕のフィニッシュブロー。 重量感もなくフワーッとどこからともなく馬鹿でかい車両を持って降ってくる様は&font(b){恐怖を通り越してシュールですらある}。 直接殴らないのはナイフ攻撃の時と同様、内心では承太郎にあまり近づきたくない用心深さの表れであろう。 [[ゴキブリ]]を殺す時に新聞紙をのっけて上から踏み潰すようなものである。 ちなみにOVA版で落とされるのがタンクローリーに変更されたのは、その方が爆発→炎上で画面が派手になるから。 さらに、承太郎の背後に炎が燃え盛ることで、承太郎の闘志と、時間が停止したことを明確に表現できるという意図もある。 ゲーム&font(b){『アイズオブヘブン』}でもオープニングで入る第3部最終決戦イベントのシチュエーションがこのOVA版に酷似したものとなっている。 暗に&font(b){「このゲームの中で起こってることは原作とは繋がらないパラレル展開だよン♪」}という主張が込められているのかもしれない。 ただし、このタンクローリーはもともと横転していたもので爆発もしないため、OVAとも違う展開である。 *【本編での活躍】 その高い基本性能と無敵の能力で次々とジョースター一行を倒していくDIOと『&ruby(ザ・ワールド){世界}』。 DIOとの戦いの中で同じく時間停止能力に目覚めた承太郎の『&ruby(スタープラチナ){星の白金}』に壮絶な一騎打ちの末敗北した。 共に追い詰められては逆転するというシーソーゲームの末、「時間停止能力を身に付ける」という承太郎の急成長によって追い詰められたDIO。 が、承太郎は「後味の悪さ」を失くすべく、立てなくなったDIOに追い打ちをかけずに立ち上がれるくらいの回復をするまで待つと宣言。 その後で互いに同時にスタンド攻撃を放ち、「どちらのスタンドの拳が速いか」を競うという、西部劇のガンマン風の決闘を持ち掛ける。 DIOは「コケにしやがって」と内心憤りつつ、同時に承太郎の「人間らしい」価値観を侮蔑。 宣言通り追撃してこない承太郎に、血の[[目潰し]]と共に『世界』の蹴りを放つ不意打ちを仕掛ける。 承太郎は目潰しを喰らいつつも、『世界』の&font(b){「左足」}に『星の白金』の渾身の拳を合わせて食い止めるが、 蹴りの衝撃によって拳にひびが入る『星の白金』に対し、『世界』は蹴りは止められたもののびくともせず、 その様子と目潰しのアドバンテージもあって勝利を確信したのか、不敵な笑みを浮かべるDIO。 しかし次の瞬間、『星の白金』の拳が命中した『世界』の左足にひびが入り、それはみるみるうちに&bold(){左半身}全体へ広がっていき、 そしてついにひびが頭部へ到達すると『世界』は縦にほぼ真っ二つに割れ、直後に本体のDIOの肉体も、驚愕する当人を余所にスタンドと同じく木端微塵に砕け散った。 DIOの驚異的な再生能力を持つ吸血鬼の肉体をもってしても、脳まで破壊されてしまえば復活はできない。 かくしてDIOと『世界』は承太郎と『星の白金』…ジョースターの血統の前に完全敗北――死亡することになった。 DIOは自身の肉体についてこう語っていた。 &font(b){「体の左半分が弱い。まだ&font(#FD0){時間}が必要だ」} 不死身の肉体を完成させるためにジョースターの血以上に必要だったもの、それは&font(#FD0){時間}。 血を得はしたが&font(#FD0){時間}を得ることができなかったDIOの肉体は、スタンドごと粉砕されてしまった。 『世界』の時間停止能力は、DIOが内心で抱いていた&font(#FD0,b){「時間の束縛から自由になりたい」}という願望の発露であるという。 彼は完全な肉体とスタンドを手にし、&font(b){&font(#FD0){時間}の支配者}となったかに思われた。 だが彼も結局は、&font(b){&font(#FD0){時間}の支配からは逃れえなかったのである。} 「時間を止める」というのはSF作品ではお馴染みの描写だが、 それに「ごく短時間しか止められない」「発動までとその後に『隙』ができる」という制限を付け、 その上で、時を止められているが故にその相手側は能力の詳細に最初は気付けない『謎の能力』として描写することで、 単なる無敵の能力ではないまでも極めて強力な恐るべき能力として表現したのは、やはり荒木飛呂彦の天才的な技量によるものとしか言いようがない。 なお、『星の白金』の時間停止は「『星の白金』の速度が光速に達した時に時間が止まる」と第6部で説明されており、『世界』の時間停止能力とは毛色が異なっている様子。 第3部時点では最終決戦中にこの能力に開花したことで慣らす時間がなかったこと、第4部時点ではDIOとの戦いの後に時間を止めることがなかったこと、 そして第6部では本体の承太郎の加齢による衰えが原因で、停止できる時間は最長2秒程度であったが、第6部終盤では娘の徐倫のために覚醒して最長5秒止められるようになった。 親の子に対する愛は偉大である。惜しむべきはその愛が原因となってプッチ神父に倒されてしまったことか。 #center(){ &font(#000,#FA0,19,u){/!\}&font(#F80,21){ WARNING }&font(#000,#FA0,19,u){/!\} &font(#F00,b){以下、重大なネタバレ注意} } *【THE WORLD】 #center(){ &font(#9A3,b,i){『&ruby(ザ・ワールド){THE WORLD}』} &font(#9A3,b,i){オレだけの時間だぜ} } [[第7部『スティール・ボール・ラン』>ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン]]終盤で、[[大統領>ファニー・ヴァレンタイン(SBR)]]の能力で呼び出された別の次元の[[Dio>ディエゴ・ブランドー]]が、&font(#9A3,b){『THE WORLD』}という『世界』にそっくりな時を止めるスタンドを使う。 一巡後の並行世界であろうと、精神のパターンが近いから似たような能力になるということなのだろうか…? 微妙にデザインが変わっており、肘と膝部分のパッドがハート型から&font(#9A3,b){「D」}のイニシャルになっている。 岩のようなマッチョなガタイに冷酷・傲岸な無表情をしていた『世界』と見比べると、 かなりスマートな体格である上に何やら気の抜けた優しげな目つきをしているため、&font(#9A3){「きれいな『&ruby(ザ・ワールド){世界}』」}などと呼ばれたりする。 もっとも、これは意図的なデザイン変更というよりも作者の画風の変遷の影響によるものという線が濃厚で、 &font(b){『JOJO-A-GO!GO!』}でDIOの『世界』が新規に描き下ろされた時点で既にこの『THE WORLD』とほぼ同じデザインになっていたりする。 スタンド能力も『世界』と同じように近接パワー型(第7部では割と珍しいタイプ)で、上記の通り特殊能力として時間停止能力を有する。 一方、DIOの『世界』は、彼がジョナサンの肉体や時間停止そのものに慣れていくごとに時間停止できる限界時間が徐々に伸びていったのに対し、 Dioの『THE WORLD』は、「自分以外の時間を&font(b){5秒間}停止させる」と明確に時間停止の限界時間が定められている点が異なる。 劇中では馬を駆りながらのレースの最中という状況もあり、直接スタンドで殴り掛かるといった攻撃はせず、 走りながら時間停止を絡めたブービートラップを仕掛け、[[ジョニィ>ジョニィ・ジョースター(ジョジョの奇妙な冒険)]]にダメージを蓄積させていくというやり方で攻撃していた。 ただし、これは事前に大統領からジョニィのスタンド『[[牙>牙(タスク)]]』(特にACT4)の危険性を聞かされて戦う前から警戒していたのに加え、 戦闘中に『牙(ACT3)』の能力で追撃してきたジョニィの腕を時を止めて斬り落とそうとした際、『停止した時間の中で腕が動いた』と感じてさらに警戒を深めた結果、 徹底的にジョニィ及び『牙』の射程外から間接的に攻撃することで、なるべくジョニィからの攻撃を避けようとしたためと思われる。 #center(){ &font(#000,#FA0,19,u){/!\}&font(#F80,21){ WARNING }&font(#000,#FA0,19,u){/!\} &font(#F00,b){以下、ゲーム『アイズオブヘブン』の重大なネタバレ注意} } *【&font(#F90,#DBD,b){ザ・ワールド・オーバーヘブン}】 #center(){&font(#DBD,b,i){我が『真実』の前に、ひれ伏すがいいッ!!}} ゲーム&bold(){『ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン』}に登場する作者監修の同ゲームオリジナルスタンド。 #bold(){ -『もしも3部で承太郎達が返り討ちにされていたら?』 -『もしもプッチ神父ではなく、DIO自身が天国への行き方を実行し、天国へ到達していたら?』 } という&font(b){[[並行世界>パラレルワールド]]のDIO}の持つスタンドである。 姿形は元の『世界』と同じだが、&font(#FD0){金色}と&font(#DBD){白}が反転したカラーリングになっている。 よく見ると眼も[[どこぞの>ポルポ(ジョジョの奇妙な冒険)]][[ギャング達>リゾット・ネエロ(ジョジョの奇妙な冒険) ]]よろしく白目と黒目が反転しており、不気味な印象を与える。 名前の由来は、[[西尾維新]]氏の著作である小説『[[JOJO'S BIZARRE ADVENTURE &font(b){OVER HEAVEN}>JOJO'S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN]]』からだろうか。 **◇能力 #center(){ &font(#DBD,b){これが…&font(#F90,#DBD){『ザ・ワールド・オーバーヘブン』}だ} &font(#DBD,b){このDIOが望む真実に、必ず到達するのだ……} } その能力は&font(#DBD,b){『真実』の上書き}。 この世のあらゆる事象を&font(#DBD){DIOの望み通りの現実=『真実』}に上書きし、書き換える……言うなれば&font(#F00,b){現実改変能力}。 その効果たるや、DIO自身が&font(b){『自分には通用しない』}という真実を「上書き」すれば、[[ジョニィ>ジョニィ・ジョースター(ジョジョの奇妙な冒険)]]の[[タスクACT4>牙(タスク)]]の爪弾や[[息子>ジョルノ・ジョバァーナ]]の[[GER>ゴールド・エクスペリエンス(ジョジョの奇妙な冒険)]]をも無効化((前者は真実の上書きによる無限ループからの脱出、後者は真実に到達しないvs思い通りの真実への到達で相殺と思われる。))し、 例え『星の白金』に頭を砕かれようと&font(b){『既にダメージを回復した』}という真実を「上書き」すれば即座に全回復。 挙句の果てにあの[[D4C>Dirty Deeds Done Dirt Cheap(ジョジョの奇妙な冒険)]]を持つ[[大統領>ファニー・ヴァレンタイン(SBR)]]ですら何十という並行世界を逃げ続けても逃げ切る事は出来ず((大統領はDIOの持つ圧倒的なスタンドパワーによるものと解釈している。))、 &font(b){『大統領はどこにも存在しない』}という真実で上書きして完全に消滅させるという、[[&font(#F00,b,u){正真正銘のチート}>チートキャラ]]。 スピードワゴン曰く&font(b){『むちゃくちゃだぜ』『勝てるわけがねえ』。} また、&font(b){『甦り、自分に忠誠を誓う』}という真実にでも書き換えたのか、作中で死亡した人達を蘇らせ、およそDIOに従うような性格ではない連中と一緒に洗脳した。 この時&font(b){吉良吉影が顔を変える前後で2人になっており}、同一世界の時間軸にいる人間ならばいくらでも増殖させることができるようである。…お金持ちになれそうだ。 [[メイド・イン・ヘブン]]の加速能力と同じ経緯で発現したと思われる。 ただ、メモによると自分は死ぬと想定しており、手順がいくらか異なる可能性が高い。 &font(#DBD,b){「必ず自分の望む真実に到達する」}という能力は、奇しくも息子ジョルノの&font(#FD0,b){「決して真実に到達させない」}能力とは真逆の性質であり、 それ故に、オーバーヘブンの能力を一早く見抜いたのもそのジョルノだった。 また後述するように「魂」が関わるスタンドのため、[[ダニエル・J・ダービー]]にも「自分のスタンドである『オシリス神』と共通点がある」と言われていた。 能力を抜きにした純粋なパワー自体も圧倒的に上昇しており、ゲーム中では&font(#DBD,b){謎の落雷}でこちらにダメージを与えてくるなど、 自力で戦う際には直接攻撃しか出来なかった元の『世界』と異なり、遠距離攻撃まで可能となっている。 余談だが、プッチ神父の発現したメイド・イン・ヘブンは『運命』を確定させ、覚悟をさせる世界こそが天国としていたが、 DIOのオーバーヘブンは、その定まった『運命』を都合のよい『真実』に上書きができる『世界』こそが天国とすれば、彼らは確かに親友の間柄であっただろう。 なお、これでもまだ終着点では無いようである。 少なくともDIOはこの能力を&font(#F00,b){自身がさらに高みを目指すために拠って立つ踏み台}程度にしか考えておらず、まだまだパワーアップする気満々でいた。 この際限の無い欲深さこそ、DIOの最大の武器かもしれない。 以上のようにまさに神の御業の如き万能感を醸し出しているザ・ワールド・オーバーヘブンだが、&font(#F00,b){完全無欠の最強のスタンドッ!}……なわけでもなく、欠点や弱点も多い。 &font(12,l){ムシのいいご都合主義を決して許さない荒木の美学からは逃げられなかったか……} **◇弱点 まず最大の弱点として挙げられるのが、強大過ぎる能力の代償からか&font(b){燃費が非常に悪い}点。 発動には&font(b){膨大な魂のエネルギーを必要とする}上に、一度能力を使うと&font(b){インターバル(次に能力を使えるまでの時間)も極めて長い}ため迂闊に連発する事ができない。 &font(12,l){まあ、こんなチート能力をホイホイ気軽に使われたら無理ゲーなんてレベルじゃないから当然なのだが} 燃費が悪いと言ってもGERとタスクACT4とスタープラチナからのダメージの回復の3連発は可能。 それ以外にも何十も並行世界を移動出来る大統領が逃げ切る事が出来ず根負けする程真実の上書きを連発可能な為通常のスタンドよりも燃費は良い方だと思われる。 魂のエネルギーを補充することで再度使用可能となるが、DIOが自身のノートに記していた&font(b){『極罪を犯した36名以上の魂』}というのはこれを指す。 どうも劇中のDIOの言葉から察するに、これは単に&font(b){「空になった器をまた補充する」}というだけの意味ではなく、 &font(b){36人分の魂を吸収すれば「燃費の悪さ」という弱点そのものが解消されるようである。}&font(#F00,b){なんてこった!} DIOからすれば「ジョースター8人+彼らに仲間入りした『自身の敵』28人」が罪人なので、 最終決戦時は各地で相討ちとなった彼らの魂と聖なる遺体のエネルギーを吸収し、残りは承太郎と徐倫の2人のみとなっていた。 また、元の『世界』の能力である時間停止の方が安全に事が片付く状況でもオーバーヘブンを使用しているため、 [[プッチ神父>プッチ神父(ジョジョの奇妙な冒険)]]のメイド・イン・ヘブンのように、新能力を獲得した代わりに元々持っていた時間停止能力を喪失してしまった可能性がある。 ただし、先述の謎の落雷の他に瞬間移動と思しき能力も披露している。 時間停止であたかも瞬間移動したかのように見せたのか、それに代わる新たな能力をオーバーヘブンによって発揮出来るのかは不明。 自分に対して「真実の上書き」を使うことで「今現在自分が存在している位置」を書き換えたのかもしれない。 そして、第5部で[[ブチャラティ>ブローノ・ブチャラティ]]が語った&font(#DBD,b){『スタンドか本体のDIO自身が拳で殴る(手で触れる)事』}が能力の発動条件であるという点。 &font(b){何らかの方法で拳を封じられた場合、能力を使う事が出来ず、完全に無力化されてしまう}((蹴っ飛ばすとかはできると思うが)。 しかし、洗脳や消滅の真実をのせた黒いもやを別の時代、別の場所に送る事が可能。 それ以外にも異次元に他者を(DIO自身も可能)触れずに送る事が可能。既に肉体が消滅した存在を蘇生させ洗脳など好き放題している。 この他にも&font(#DBD,b){『発動時は到達すべき真実をDIOが想定していなければならない』}ので、知識として存在していない事態には即座に対処できず、 頭部を破壊されたあと能力発動で傷を消していることからもわかるように、(吸血鬼並みの身体能力が据え置きとはいえ)天国に到達したDIO本体には普通にダメージが通る。 それこそ頭部を木端微塵にするなどして『能力を使う』と脳で判断することすら不可能なダメージを一瞬で与えれば、そのまま殺し切ることも充分可能といえる。 何より最大の弱点は、&font(b){これ程までに強力なスタンドであっても、&font(#F00){『同じ世界に並行世界の人物や物が存在すると消滅する』という並行世界の法則}は無視できない}…という点であろう。 &font(b){ちなみに、上書きされた真実はDIOが死んでも解除されない。} そのため、本作のエンディングはファンにとって(賛否はあるだろうが)非常に印象深いものに仕上がっている。 *【余談】 『[[ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド(劇場版)]]』では、ストーリー自体は第1部を扱っているものの、 主題歌&font(b){『VOODOO KINGDOM』}は復活後のDIOを含めて『ディオのテーマ』をコンセプトにした曲となっている。 随所に部を超えたDIOを思わせる歌詞が使われており、Aパートにも&color(BLACK){「調和した真実の}&color(RED){世界}&color(BLACK){」}というフレーズが。 JCコミックス27巻に収録された&font(#F00){『DIOが結界を突破するために時を止めるシーン』}。 件の&font(#EE0,#000){『コーラン事件』}の影響から、事件後に発行された版では背景の&font(#00F){モスクの尖塔}が&font(#F00){送電鉄塔}に修正されている。 しかも&font(b){執筆時期の違いからそこだけ第6~7部っぽいタッチになってしまっていて、&font(#F00){違和感が大爆発している。}} 作中でDIOは「精密動作性でもスタープラチナより上」だと言っている。が、実際にラッシュ比べで精密動作性まで判断できるかは不明。 ただ、自信過剰なDIOのこと、ラッシュ比べを制したことに気分を良くして「自分の方が全てにおいて上」と宣言するために適当に言った可能性も捨てきれない。 ちなみに、スタンドステータスにおいては、精密動作性については『星の白金』がA、『世界』がBと、&bold(){『星の白金』の方が高評価}となっている。 初期に『[[隠者の紫>隠者の紫(ハーミット・パープル)]]』らしき茨のスタンドで念写をするシーンがあるので、 「初期設定で世界は『全てのスタンドの能力を使える』能力だったが、さすがにチートすぎるので『時を止める能力』に変更された」 とも噂されていたが、これについて確実にそういう設定だったというソースは無いので注意。 今はこの茨のスタンドについては、『JOJO A-GO!GO!』のスタンド辞典に記載されているように「ジョナサンの肉体のスタンド能力」が公式設定である。 実際、茨のスタンドを使用していた物語序盤では、DIOは「未だジョナサンの身体は自分に馴染んでいない」と発言している上、 中盤→終盤にかけて人間の血を吸血することでジョナサンの肉体を徐々に馴染ませ、最終決戦直前には「あと一人」で完全に馴染むところまで来ており、 そして、ジョセフの血を吸血して「完全に馴染んだ」時にはその身体からジョースター家の証でもある「星型のアザ」が消えていたことから、 ジョナサンの肉体がDIOに馴染んでいく、言い換えればジョナサンの肉体がDIOの肉体に変化していくにつれ、 ジョナサンの(肉体の)茨のスタンドが使えなくなっていったとしてもおかしくはない。 ちなみに、小説『[[OVER HEAVEN>JOJO'S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN]]』では明確に『隠者の紫』であると説明されている。 DIOが目覚めた事によってDIOが持つ2つの能力のうち『隠者』がジョセフに、『世界』(『星の白金』)が承太郎に発現した、という噂もあるが、公式でそのような説明がされたことは無い。 第3部では、主人公たち(+[[某議員>ウィルソン・フィリップス上院議員]])が『世界』の時間停止能力を何度も喰らってもその事実に気付けず、最終的に花京院の犠牲でようやく見破ったのに対し、 第7部ではジョニィがDioの『THE WORLD』と数度相対しただけで「まるで時間が止められたみたいだ」と時間停止能力をズバリ言い当てていることから、 ジョニィが割合すぐに、それも単独で時間停止能力(と概ねの停止可能時間)を見破ったことに違和感を持つ声も見られる。 ただ、これについては「ジョニィは以前に[[似たような能力>リンゴォ・ロードアゲイン]]と戦った経験があるから」という反論があり、実際にジョニィは能力を喰らった際にリンゴォを思い出している。 また、SBR中ということもあって、互いに馬に乗り、競争しながらの戦いであったため、ジョニィは互いの距離や速度に注意を払っていたはずなので、 「5秒くらい」という大まかな停止可能時間まで特定出来たのも不自然ではないという考察もされている。 &font(#00F,u){&font(#EEF,#EEF){メタ的に見ると、読者にはバレバレの能力を作中の人物が考察して謎を解く展開をやってもつまらないのは目に見えているので、この点は仕方なかったのかもしれない。}} アニオタの追記・修正はなじむ 実に! なじむぞ! #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,92) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }
&font(#6495ED){登録日}:2009/08/26 Wed 09:43:44 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:&font(#888,#FD0,b){約 23 分の閲覧はなじむ!実になじむぞ!} ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &font(#FD0,18,b,i){マヌケが…知るがいい……} &font(#FD0,22,b,i){&font(#888,#FD0){『&ruby(ザ・ワールド){世界}』}の真の能力は…まさに!} &font(#FD0,26,b,i){「世界を支配する」能力だということを!} } &font(#888,#FD0,b){「&ruby(ザ・ワールド){世界}」}とは、「[[ジョジョの奇妙な冒険]]」の登場人物である[[DIO>ディオ・ブランドー]]の[[スタンド能力>スタンド能力(ジョジョの奇妙な冒険)]]。 以下ネタバレ注意。 ---- #openclose(show=▶ 目次){#contents} ---- *&font(#888,#FD0){【&ruby(ザ・ワールド){世界}】} **◆ステータス -破壊力 -A -スピード - A -持続力 - A -射程距離 - C(10m程度) -精密動作性 - B -成長性 - B (『JOJO A-GO!GO!』による) *【概要】 『物事の完成』を意味する[[タロット>タロットカード]]大アルカナ21枚目のカード&color(gold){『世界』}の暗示を持つスタンド。 屈強な体躯を持つ[[近接パワー型>近距離パワー型(ジョジョの奇妙な冒険)]]の人型スタンドで、顔の上半分を逆三角形のマスクで覆い、背中には2連のタンクのようなものを背負っている。((『[[星の白金(スタープラチナ)]]』同様、鉄人28号の影響かもしれない。)) 身体各部には当時の[[荒木飛呂彦]]のデザインの象徴ともいえる『[[♥>ハート]]』や、自身の能力の象徴である[[時計]]の意匠が見られる。 また、つま先はDIOの履いている靴と同じく反った形をしている。 ベタの多い『星の白金』とは対照的に、紙面では白一色に見える彩色であり、事実OVA版では&font(#9C3,#FED){象牙色に緑の差し色}、TVアニメ版の基本カラーは&font(#888,#FD0){金色に灰色の差し色}だった。 カラーリングのバリエーションは他にもTVアニメ・ゲーム・フィギュアなどで多々あり&font(#DA2){金色}・&font(#90C){紫色}・&font(#E87){薄紅色}、 変わったところでは&font(#93C,#000){黒地に紫と}&font(#F00,#000){赤のアクセント}などというのもある。ちょっと[[バットマン>バットマン(人物)]]っぽい。 **◆性能 [[空条承太郎]]の『星の白金』同様の「近距離パワー型」に分類されるスタンド。 だが承太郎との初戦闘時は、それまで無敵の強さを誇った『星の白金』をパワー・スピード共に上回っていたのに加え、 射程距離も、2~3m程度である事が多い「近距離パワー型」としては珍しく&font(b){10m}と異常に長く、同タイプのスタンドとしては破格の基礎スペックを誇る。 攻撃手段は近距離パワー型らしく、殴る蹴るといったシンプルな物理攻撃であり、弾丸のような[[飛び道具]]は持っていないため、 スタンドで対象を攻撃する際には本体がスタンドの射程距離圏内まで近付く必要がある。 ただし、スタンドそのもののスペックが高いため、『星の白金』と同様に「ただ殴るだけだが強い」スタンドであり、 特に『星の白金』に勝るとも劣らない拳の弾幕ともいえる怒涛の&font(#FD0,b){「無駄無駄」}ラッシュは非常に強力。 また、周囲の環境をことごとく凶器として利用するDIOの極悪なセンスによる変則的な奇襲と後述する特殊能力によって、 近距離パワー型特有の「射程距離圏内まで近付かないといけない」という欠点もある程度カバーされている。 その射程距離の(近距離パワー型としては)破格の長さもあって、多種多様なスタンドを持つ承太郎たち一行を向こうに回して有利にすら立ち回っていた。 なお、[[ジョセフ>ジョセフ・ジョースター]]の波紋によるガードを警戒してスタンドによる直接攻撃を中断している辺り、スタンド越しにも波紋法による攻撃は通用するようである。 地力の時点でジョジョシリーズでも屈指の威力を誇るが、『世界』の真価はその特殊能力にこそある。 **◆能力 #center(){ &font(#FD0,22,b,i){『&ruby(ザ・ワールド){世界}』ッ!} &font(#FD0,28,b,i){時よ止まれ!} } その能力とは、&font(b){「[[一定時間、自分以外の時間を停止させる>時間停止]]」}という極めてシンプルにして凶悪無比なもの。 能力を発現して間もない頃、スタンドの力試しをしようと[[部下(アニメ版ではヌケサク)>ヌケサク(ジョジョの奇妙な冒険)]]に自分めがけて[[散弾銃]]を撃たせた際、 その弾丸が空中で静止したように見え、さらに『世界』がその静止した空間で自由に動き、弾丸を摘まんだ事をきっかけに、 ・&font(b){自分のスタンドが時間を停止させられること} ・&font(b){その時が止まった世界で自分とスタンドだけが自由に動く能力} を持っている事に気付いた。 DIOがこの真の能力に気付いたばかりの段階ではほんの一瞬しか時間を止められることが出来ず、 自分が認識した「時が止まった世界」も、時が止まったように見えただけの錯覚だと勘違いしていた。 しかし自身が奪い乗っ取った[[ジョナサン>ジョナサン・ジョースター(ジョジョの奇妙な冒険)]]の体が自らに馴染んでいくのと比例して徐々にその停止可能時間が延長。 承太郎たちとの最終決戦の時点では最長で5秒間程度((DIO曰く「時が止まっているのに5秒とは奇妙な話だがとにかくそのくらいだ」))の時間停止が可能になっていた。 更に最終盤、DIOがジョナサンの孫であるジョセフの血を吸った事で身体がより馴染み、&font(#FD0,b){「最高にハイ!」}になった時には&font(b){約9秒}にまで延長している。 DIOはこの時間停止能力と自身の[[吸血鬼]]としての人間離れした身体能力、そして『世界』自体の高いスペックを以て、 普通に考えればさほど長くない5~9秒間で多彩な攻撃を繰り出し、「ジョースター・エジプト・ツアー御一行様」と一般人を苦しめた。詳しくは後述。 共通しているのが、&font(#F00,b){大抵は人を恐怖させるか殺傷するのに能力を用いているという点}。 これは後にDIOと同じく身に付けた時間停止能力を、基本的には自分や仲間の危機回避や、誰かを庇うために用いている承太郎とは対照的である。 ちなみに、スタンドの成長性は最後までBだった為、DIOがこの決戦を生き延びてさえいれば更なる長さに及ぶ時間停止が可能だったと思われる。((時間停止能力を身に付けた後の承太郎の『スタープラチナ・ザ・ワールド』は、成長性がE(完成)になった段階で停止時間は最大5秒となっている。一方で、第4部に入って初めて時間停止能力を使用した際には、長く能力を使っていなかった影響で僅かな時間しか止められていなかったことから、逆説的にもしも能力を頻繁に使っていた場合、停止時間が延びていた可能性もある。)) #center(){ &font(#FD0,b,i){いずれは一分…10分…一時間と、思いのまま止められるようになってやろう…} &font(#FD0,b,i){楽しみだ…だんだん長く時間を止めるのはな…} } ただし、本編登場時点でDIOが止められる時間には限度があり、加えて時間を止めるまでにも若干のタイムラグが生じるため、 連続して時間を止めることは出来ず、実質「間合い」というものが存在する。 時間を止めたところで相手が遠すぎれば有効打は狙えないし、近すぎては今度は出際を潰されてしまう。 また、『世界』と同じタイプのスタンドである『星の白金』を持っていた承太郎は、ジョセフから&font(b){「DIOのスタンドは時間を止められる」}と知らされた事もあり、 (具体的にどの時点からかは不明だが)『世界』によって時間が停止した世界、言うなれば&font(#FD0,b){「DIOの世界」}を認識できるようになった。 その上一瞬だけだが『世界』によって時間が停止している状態でも動けるようになっている。((このことを知ったDIOは承太郎を「我が世界に入門した」と評している。)) 本編中では承太郎の迫真の死んだふりに騙され、念入りに斬首しようと近付いたところで、DIOからすれば予想外の逆襲を喰らった際、 DIOは迫りくる『星の白金』の拳を止めようと時間停止を行うが拳は止まらず、そのまま頭部に痛烈な一撃を受けてしまっている。   **◆ザ・ワールドの披露した技及び行動 -&font(b){階段を登ろうとするポルナレフを一段ずつ降ろし、永久にその場で足踏みさせる}(通称「ポルポル現象」) 時を止めてる間にせっせと[[ポルポルくん>ジャン=ピエール・ポルナレフ]]を運んでいるDIO様を想像して萌えるのは誰もが通る道。 しかし『世界』の射程が10mあるので、恐らくはスタンドを利用して逐一運んだと思われる(それはそれで面白いが)。 殺そうと思えばこの時点でいつでもチェックメイトだったのだが、DIOはポルナレフの心をへし折って再び下僕にしたがっていたので脅し止まり。 相手の行動を階段を上るか降りるかの二者択一に誘導するのも上手い。 果たして目論見通り、不可解な現象に見舞われたポルナレフは精神的に追い詰められる。 しかし承太郎たちが館の壁を壊して乱入したことで、DIOは日光を避けるために撤退し、ポルナレフは窮地を脱した。 ただし、この時点ではポルナレフ(と読者)はDIOの『世界』が持つ時間停止能力を知らなかったため、 ポルナレフはDIOのスタンド攻撃を[[「催眠術や超スピードなんてものじゃないもっと恐ろしいものの片鱗を味わった」>あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!]]としか表現できなかった。 -&font(b){&ruby(ハイエロファント){法皇}の『結界』を時間停止の中で全て破壊した上で花京院を殺害} #center(){ &font(#FD0,b,i){これが…『&ruby(ザ・ワールド){世界}』だ……花京院} &font(#FD0,b,i){おまえは自分が死んだことにさえ気づいていない} &font(#FD0,b,i){何が起こったのかもわかるはずがない……} } &font(#0F9){『&ruby(ハイエロファントグリーン){法皇の緑}』}の触脚で半径20mを覆い尽くしたトラップゾーン&font(#0F9,b){『結界』}。 DIOが例え高速で接近してきても、触れれば即座に&font(#0F9){エメラルド・スプラッシュ}を発射するこの技で、DIOの攻略を試みる[[花京院>花京院典明]]。 その思惑に嵌って結界内に誘い込まれ、身動きが取れなくなったDIOに花京院は全方位からのエメラルド・スプラッシュでトドメを刺そうとするが、 DIOは四方八方から迫るエメラルド・スプラッシュを尻目に慌てることなく『世界』の時間停止能力を発動。 そして、時間停止によって静止した、自身に迫っていたエメラルド・スプラッシュを悠々と躱してその包囲を抜けると、 張り巡らされた『法皇の緑』の結界を破壊しながら最短距離で花京院に接近し、その胴体を『世界』の拳でぶち抜き致命傷を与えた。 &font(b){絶対的な安全地帯から自分を認識できない相手を一方的に攻撃する}という、&font(#F00){時間停止の悪用の典型例}そのものな胸クソ悪くなるパワープレイである。 当時シリアスなバトル漫画でこのような所業をやってのけるというのは、余りにも衝撃的な展開であった。 DIOの能力を知らない花京院は、いつの間にか『結界』が破壊された上に致命傷を負わされているという状況に混乱するも、 「自身が展開していた無数の『結界』が&font(#0F9){完全に同時に}破壊された」という点から「DIOは時間を止められる」事を見抜く。 花京院は最後の力を振り絞りジョセフにダイイングメッセージを残し、そしてそれを正しくジョセフが受け取ったことで、&font(b){DIOは承太郎一行に能力の正体を悟られてしまった}。 これがなければ、素質があると言っても承太郎が短期間で「DIOの世界」に入門できたか(時間停止中の世界を認識できたか)は怪しかったため、 DIO自身も後の承太郎との決戦中に、このダイイングメッセージの一件に触れて「花京院は大したお手柄だった」と言及している。 ちなみにTVアニメ版では、このシーンは花京院(とジョセフ)視点とDIO視点の2パターンで描写されている。 まず「トドメを刺そうとした次の瞬間に花京院がDIOに吹っ飛ばされている」という展開に困惑する花京院・ジョセフを描いた後、 その種明かしのように「『世界』の時間停止能力で結界を悠々と脱出し、花京院の腹部を『世界』の拳でブチ抜くDIO」を描くという展開になっている。 -&font(b){レストランから盗ってきた無数のナイフを時が止まった状態で大量に投げつけ、回避不能の状態を作り出す} #center(){ &font(#FD0,b,i){フン!逃れることはできんッ!} &font(#FD0,b,i){きさまはチェスや将棋でいう『&ruby(チェック・メイト){詰み}』にはまったのだッ!} } DIOの代名詞とも言える必殺の戦法。 隙あらば小細工を仕掛けてくる抜け目のなさと『世界』に勝るとも劣らないパワーとスピードを誇るスタンドを持ち、 更には「時間が停止した世界」を認識する能力まで身に付けた承太郎を、その間合いの外から安全かつ確実に殺すために考案した&font(#F00,b){極悪な処刑法}。 +時間を止めた上で、飛び道具を投げつけて相手の眼前で静止 +これを繰り返し、相手のほんの手前で全方位から攻撃が飛んでくるという環境をセッティング +&font(b){時が動き出した瞬間、静止していた全ての飛び道具が一斉に相手に襲いかかる} というインパクト抜群の演出は、後に多くの作品で[[オマージュ]]&パロディ化されている。 有名な辺りで[[某弾幕シューティング>東方Project]]。DIO関連ではパンの枚数の件もオマージュされている(ここでは無駄に少ない枚数で答えている)。 その効果は覿面で、承太郎に深いダメージを与えた上に&font(#F00,b){「今度同じ攻撃を仕掛けられたら死ぬ」}とさえ思わせた。 また、演出からもわかるように、時が止まった状態下では&font(b){あくまでDIOに接触した物だけが動き、DIOから離れると止まってしまう}。 -&font(b){時間を止めた状態でロードローラー(OVAではタンクローリー)を承太郎に叩き付け無駄無駄ラッシュ} #center(){&font(#FD0,b,i){ロードローラーだッ!}} 承太郎を完全に抹殺すべく、正真正銘・最後の時間停止を行ったDIOが敢行した驚愕のフィニッシュブロー。 重量感もなくフワーッとどこからともなく馬鹿でかい車両を持って降ってくる様は&font(b){恐怖を通り越してシュールですらある}。 直接殴らないのはナイフ攻撃の時と同様、内心では承太郎にあまり近づきたくない用心深さの表れであろう。 [[ゴキブリ]]を殺す時に新聞紙をのっけて上から踏み潰すようなものである。 ちなみにOVA版で落とされるのがタンクローリーに変更されたのは、その方が爆発→炎上で画面が派手になるから。 さらに、承太郎の背後に炎が燃え盛ることで、承太郎の闘志と、時間が停止したことを明確に表現できるという意図もある。 ゲーム&font(b){『アイズオブヘブン』}でもオープニングで入る第3部最終決戦イベントのシチュエーションがこのOVA版に酷似したものとなっている。 暗に&font(b){「このゲームの中で起こってることは原作とは繋がらないパラレル展開だよン♪」}という主張が込められているのかもしれない。 ただし、このタンクローリーはもともと横転していたもので爆発もしないため、OVAとも違う展開である。 *【本編での活躍】 その高い基本性能と無敵の能力で次々とジョースター一行を倒していくDIOと『&ruby(ザ・ワールド){世界}』。 DIOとの戦いの中で同じく時間停止能力に目覚めた承太郎の『&ruby(スタープラチナ){星の白金}』に壮絶な一騎打ちの末敗北した。 共に追い詰められては逆転するというシーソーゲームの末、「時間停止能力を身に付ける」という承太郎の急成長によって追い詰められたDIO。 が、承太郎は「後味の悪さ」を失くすべく、立てなくなったDIOに追い打ちをかけずに立ち上がれるくらいの回復をするまで待つと宣言。 その後で互いに同時にスタンド攻撃を放ち、「どちらのスタンドの拳が速いか」を競うという、西部劇のガンマン風の決闘を持ち掛ける。 DIOは「コケにしやがって」と内心憤りつつ、同時に承太郎の「人間らしい」価値観を侮蔑。 宣言通り追撃してこない承太郎に、血の[[目潰し]]と共に『世界』の蹴りを放つ不意打ちを仕掛ける。 承太郎は目潰しを喰らいつつも、『世界』の&font(b){「左足」}に『星の白金』の渾身の拳を合わせて食い止めるが、 蹴りの衝撃によって拳にひびが入る『星の白金』に対し、『世界』は蹴りは止められたもののびくともせず、 その様子と目潰しのアドバンテージもあって勝利を確信したのか、不敵な笑みを浮かべるDIO。 しかし次の瞬間、『星の白金』の拳が命中した『世界』の左足にひびが入り、それはみるみるうちに&bold(){左半身}全体へ広がっていき、 そしてついにひびが頭部へ到達すると『世界』は縦にほぼ真っ二つに割れ、直後に本体のDIOの肉体も、驚愕する当人を余所にスタンドと同じく木端微塵に砕け散った。 DIOの驚異的な再生能力を持つ吸血鬼の肉体をもってしても、脳まで破壊されてしまえば復活はできない。 かくしてDIOと『世界』は承太郎と『星の白金』…ジョースターの血統の前に完全敗北――死亡することになった。 DIOは自身の肉体についてこう語っていた。 &font(b){「体の左半分が弱い。まだ&font(#FD0){時間}が必要だ」} 不死身の肉体を完成させるためにジョースターの血以上に必要だったもの、それは&font(#FD0){時間}。 血を得はしたが&font(#FD0){時間}を得ることができなかったDIOの肉体は、スタンドごと粉砕されてしまった。 『世界』の時間停止能力は、DIOが内心で抱いていた&font(#FD0,b){「時間の束縛から自由になりたい」}という願望の発露であるという。 彼は完全な肉体とスタンドを手にし、&font(b){&font(#FD0){時間}の支配者}となったかに思われた。 だが彼も結局は、&font(b){&font(#FD0){時間}の支配からは逃れえなかったのである。} 「時間を止める」というのはSF作品ではお馴染みの描写だが、 それに「ごく短時間しか止められない」「発動までとその後に『隙』ができる」という制限を付け、 その上で、時を止められているが故にその相手側は能力の詳細に最初は気付けない『謎の能力』として描写することで、 単なる無敵の能力ではないまでも極めて強力な恐るべき能力として表現したのは、やはり荒木飛呂彦の天才的な技量によるものとしか言いようがない。 なお、『星の白金』の時間停止は「『星の白金』の速度が光速に達した時に時間が止まる」と第6部で説明されており、『世界』の時間停止能力とは毛色が異なっている様子。 第3部時点では最終決戦中にこの能力に開花したことで慣らす時間がなかったこと、第4部時点ではDIOとの戦いの後に時間を止めることがなかったこと、 そして第6部では本体の承太郎の加齢による衰えが原因で、停止できる時間は最長2秒程度であったが、第6部終盤では娘の徐倫のために覚醒して最長5秒止められるようになった。 親の子に対する愛は偉大である。惜しむべきはその愛が原因となってプッチ神父に倒されてしまったことか。 #center(){ &font(#000,#FA0,19,u){/!\}&font(#F80,21){ WARNING }&font(#000,#FA0,19,u){/!\} &font(#F00,b){以下、重大なネタバレ注意} } *【THE WORLD】 #center(){ &font(#9A3,b,i){『&ruby(ザ・ワールド){THE WORLD}』} &font(#9A3,b,i){オレだけの時間だぜ} } [[第7部『スティール・ボール・ラン』>ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン]]終盤で、[[大統領>ファニー・ヴァレンタイン(SBR)]]の能力で呼び出された別の次元の[[Dio>ディエゴ・ブランドー]]が、&font(#9A3,b){『THE WORLD』}という『世界』にそっくりな時を止めるスタンドを使う。 一巡後の並行世界であろうと、精神のパターンが近いから似たような能力になるということなのだろうか…? 微妙にデザインが変わっており、肘と膝部分のパッドがハート型から&font(#9A3,b){「D」}のイニシャルになっている。 岩のようなマッチョなガタイに冷酷・傲岸な無表情をしていた『世界』と見比べると、 かなりスマートな体格である上に何やら気の抜けた優しげな目つきをしているため、&font(#9A3){「きれいな『&ruby(ザ・ワールド){世界}』」}などと呼ばれたりする。 もっとも、これは意図的なデザイン変更というよりも作者の画風の変遷の影響によるものという線が濃厚で、 &font(b){『JOJO-A-GO!GO!』}でDIOの『世界』が新規に描き下ろされた時点で既にこの『THE WORLD』とほぼ同じデザインになっていたりする。 スタンド能力も『世界』と同じように近接パワー型(第7部では割と珍しいタイプ)で、上記の通り特殊能力として時間停止能力を有する。 一方、DIOの『世界』は、彼がジョナサンの肉体や時間停止そのものに慣れていくごとに時間停止できる限界時間が徐々に伸びていったのに対し、 Dioの『THE WORLD』は、「自分以外の時間を&font(b){5秒間}停止させる」と明確に時間停止の限界時間が定められている点が異なる。 劇中では馬を駆りながらのレースの最中という状況もあり、直接スタンドで殴り掛かるといった攻撃はせず、 走りながら時間停止を絡めたブービートラップを仕掛け、[[ジョニィ>ジョニィ・ジョースター(ジョジョの奇妙な冒険)]]にダメージを蓄積させていくというやり方で攻撃していた。 ただし、これは事前に大統領からジョニィのスタンド『[[牙>牙(タスク)]]』(特にACT4)の危険性を聞かされて戦う前から警戒していたのに加え、 戦闘中に『牙(ACT3)』の能力で追撃してきたジョニィの腕を時を止めて斬り落とそうとした際、『停止した時間の中で腕が動いた』と感じてさらに警戒を深めた結果、 徹底的にジョニィ及び『牙』の射程外から間接的に攻撃することで、なるべくジョニィからの攻撃を避けようとしたためと思われる。 #center(){ &font(#000,#FA0,19,u){/!\}&font(#F80,21){ WARNING }&font(#000,#FA0,19,u){/!\} &font(#F00,b){以下、ゲーム『アイズオブヘブン』の重大なネタバレ注意} } *【&font(#F90,#DBD,b){ザ・ワールド・オーバーヘブン}】 #center(){&font(#DBD,b,i){我が『真実』の前に、ひれ伏すがいいッ!!}} ゲーム&bold(){『ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン』}に登場する作者監修の同ゲームオリジナルスタンド。 #bold(){ -『もしも3部で承太郎達が返り討ちにされていたら?』 -『もしもプッチ神父ではなく、DIO自身が天国への行き方を実行し、天国へ到達していたら?』 } という&font(b){[[並行世界>パラレルワールド]]のDIO}の持つスタンドである。 姿形は元の『世界』と同じだが、&font(#FD0){金色}と&font(#DBD){白}が反転したカラーリングになっている。 よく見ると眼も[[どこぞの>ポルポ(ジョジョの奇妙な冒険)]][[ギャング達>リゾット・ネエロ(ジョジョの奇妙な冒険) ]]よろしく白目と黒目が反転しており、不気味な印象を与える。 名前の由来は、[[西尾維新]]氏の著作である小説『[[JOJO'S BIZARRE ADVENTURE &font(b){OVER HEAVEN}>JOJO'S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN]]』からだろうか。 **◇能力 #center(){ &font(#DBD,b){これが…&font(#F90,#DBD){『ザ・ワールド・オーバーヘブン』}だ} &font(#DBD,b){このDIOが望む真実に、必ず到達するのだ……} } その能力は&font(#DBD,b){『真実』の上書き}。 この世のあらゆる事象を&font(#DBD){DIOの望み通りの現実=『真実』}に上書きし、書き換える……言うなれば&font(#F00,b){現実改変能力}。 その効果たるや、DIO自身が&font(b){『自分には通用しない』}という真実を「上書き」すれば、[[ジョニィ>ジョニィ・ジョースター(ジョジョの奇妙な冒険)]]の[[タスクACT4>牙(タスク)]]の爪弾や[[息子>ジョルノ・ジョバァーナ]]の[[GER>ゴールド・エクスペリエンス(ジョジョの奇妙な冒険)]]をも無効化((前者は真実の上書きによる無限ループからの脱出、後者は真実に到達しないvs思い通りの真実への到達で相殺と思われる。))し、 例え『星の白金』に頭を砕かれようと&font(b){『既にダメージを回復した』}という真実を「上書き」すれば即座に全回復。 挙句の果てにあの[[D4C>Dirty Deeds Done Dirt Cheap(ジョジョの奇妙な冒険)]]を持つ[[大統領>ファニー・ヴァレンタイン(SBR)]]ですら何十という並行世界を逃げ続けても逃げ切る事は出来ず((大統領はDIOの持つ圧倒的なスタンドパワーによるものと解釈している。))、 &font(b){『大統領はどこにも存在しない』}という真実で上書きして完全に消滅させるという、[[&font(#F00,b,u){正真正銘のチート}>チートキャラ]]。 スピードワゴン曰く&font(b){『むちゃくちゃだぜ』『勝てるわけがねえ』。} また、&font(b){『甦り、自分に忠誠を誓う』}という真実にでも書き換えたのか、作中で死亡した人達を蘇らせ、およそDIOに従うような性格ではない連中と一緒に洗脳した。 この時&font(b){吉良吉影が顔を変える前後で2人になっており}、同一世界の時間軸にいる人間ならばいくらでも増殖させることができるようである。…お金持ちになれそうだ。 [[メイド・イン・ヘブン]]の加速能力と同じ経緯で発現したと思われる。 ただ、メモによると自分は死ぬと想定しており、手順がいくらか異なる可能性が高い。 &font(#DBD,b){「必ず自分の望む真実に到達する」}という能力は、奇しくも息子ジョルノの&font(#FD0,b){「決して真実に到達させない」}能力とは真逆の性質であり、 それ故に、オーバーヘブンの能力を一早く見抜いたのもそのジョルノだった。 また後述するように「魂」が関わるスタンドのため、[[ダニエル・J・ダービー]]にも「自分のスタンドである『オシリス神』と共通点がある」と言われていた。 能力を抜きにした純粋なパワー自体も圧倒的に上昇しており、ゲーム中では&font(#DBD,b){謎の落雷}でこちらにダメージを与えてくるなど、 自力で戦う際には直接攻撃しか出来なかった元の『世界』と異なり、遠距離攻撃まで可能となっている。 余談だが、プッチ神父の発現したメイド・イン・ヘブンは『運命』を確定させ、覚悟をさせる世界こそが天国としていたが、 DIOのオーバーヘブンは、その定まった『運命』を都合のよい『真実』に上書きができる『世界』こそが天国とすれば、彼らは確かに親友の間柄であっただろう。 なお、これでもまだ終着点では無いようである。 少なくともDIOはこの能力を&font(#F00,b){自身がさらに高みを目指すために拠って立つ踏み台}程度にしか考えておらず、まだまだパワーアップする気満々でいた。 この際限の無い欲深さこそ、DIOの最大の武器かもしれない。 以上のようにまさに神の御業の如き万能感を醸し出しているザ・ワールド・オーバーヘブンだが、&font(#F00,b){完全無欠の最強のスタンドッ!}……なわけでもなく、欠点や弱点も多い。 &font(12,l){ムシのいいご都合主義を決して許さない荒木の美学からは逃げられなかったか……} **◇弱点 まず最大の弱点として挙げられるのが、強大過ぎる能力の代償からか&font(b){燃費が非常に悪い}点。 発動には&font(b){膨大な魂のエネルギーを必要とする}上に、一度能力を使うと&font(b){インターバル(次に能力を使えるまでの時間)も極めて長い}ため迂闊に連発する事ができない。 &font(12,l){まあ、こんなチート能力をホイホイ気軽に使われたら無理ゲーなんてレベルじゃないから当然なのだが} 燃費が悪いと言ってもGERとタスクACT4とスタープラチナからのダメージの回復の3連発は可能。 それ以外にも何十も並行世界を移動出来る大統領が逃げ切る事が出来ず根負けする程真実の上書きを連発可能な為通常のスタンドよりも燃費は良い方だと思われる。 魂のエネルギーを補充することで再度使用可能となるが、DIOが自身のノートに記していた&font(b){『極罪を犯した36名以上の魂』}というのはこれを指す。 どうも劇中のDIOの言葉から察するに、これは単に&font(b){「空になった器をまた補充する」}というだけの意味ではなく、 &font(b){36人分の魂を吸収すれば「燃費の悪さ」という弱点そのものが解消されるようである。}&font(#F00,b){なんてこった!} DIOからすれば「ジョースター8人+彼らに仲間入りした『自身の敵』28人」が罪人なので、 最終決戦時は各地で相討ちとなった彼らの魂と聖なる遺体のエネルギーを吸収し、残りは承太郎と徐倫の2人のみとなっていた。 また、元の『世界』の能力である時間停止の方が安全に事が片付く状況でもオーバーヘブンを使用しているため、 [[プッチ神父>プッチ神父(ジョジョの奇妙な冒険)]]のメイド・イン・ヘブンのように、新能力を獲得した代わりに元々持っていた時間停止能力を喪失してしまった可能性がある。 ただし、先述の謎の落雷の他に瞬間移動と思しき能力も披露している。 時間停止であたかも瞬間移動したかのように見せたのか、それに代わる新たな能力をオーバーヘブンによって発揮出来るのかは不明。 自分に対して「真実の上書き」を使うことで「今現在自分が存在している位置」を書き換えたのかもしれない。 そして、第5部で[[ブチャラティ>ブローノ・ブチャラティ]]が語った&font(#DBD,b){『スタンドか本体のDIO自身が拳で殴る(手で触れる)事』}が能力の発動条件であるという点。 &font(b){何らかの方法で拳を封じられた場合、能力を使う事が出来ず、完全に無力化されてしまう}((蹴っ飛ばすとかはできると思うが)。 しかし、洗脳や消滅の真実をのせた黒いもやを別の時代、別の場所に送る事が可能。 それ以外にも異次元に他者を(DIO自身も可能)触れずに送る事が可能。既に肉体が消滅した存在を蘇生させ洗脳など好き放題している。 この他にも&font(#DBD,b){『発動時は到達すべき真実をDIOが想定していなければならない』}ので、知識として存在していない事態には即座に対処できず、 頭部を破壊されたあと能力発動で傷を消していることからもわかるように、(吸血鬼並みの身体能力が据え置きとはいえ)天国に到達したDIO本体には普通にダメージが通る。 それこそ頭部を木端微塵にするなどして『能力を使う』と脳で判断することすら不可能なダメージを一瞬で与えれば、そのまま殺し切ることも充分可能といえる。 何より最大の弱点は、&font(b){これ程までに強力なスタンドであっても、&font(#F00){『同じ世界に並行世界の人物や物が存在すると消滅する』という並行世界の法則}は無視できない}…という点であろう。 &font(b){ちなみに、上書きされた真実はDIOが死んでも解除されない。} そのため、本作のエンディングはファンにとって(賛否はあるだろうが)非常に印象深いものに仕上がっている。 *【余談】 『[[ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド(劇場版)]]』では、ストーリー自体は第1部を扱っているものの、 主題歌&font(b){『VOODOO KINGDOM』}は復活後のDIOを含めて『ディオのテーマ』をコンセプトにした曲となっている。 随所に部を超えたDIOを思わせる歌詞が使われており、Aパートにも&color(BLACK){「調和した真実の}&color(RED){世界}&color(BLACK){」}というフレーズが。 JCコミックス27巻に収録された&font(#F00){『DIOが結界を突破するために時を止めるシーン』}。 件の&font(#EE0,#000){『コーラン事件』}の影響から、事件後に発行された版では背景の&font(#00F){モスクの尖塔}が&font(#F00){送電鉄塔}に修正されている。 しかも&font(b){執筆時期の違いからそこだけ第6~7部っぽいタッチになってしまっていて、&font(#F00){違和感が大爆発している。}} 作中でDIOは「精密動作性でもスタープラチナより上」だと言っている。が、実際にラッシュ比べで精密動作性まで判断できるかは不明。 ただ、自信過剰なDIOのこと、ラッシュ比べを制したことに気分を良くして「自分の方が全てにおいて上」と宣言するために適当に言った可能性も捨てきれない。 ちなみに、スタンドステータスにおいては、精密動作性については『星の白金』がA、『世界』がBと、&bold(){『星の白金』の方が高評価}となっている。 初期に『[[隠者の紫>隠者の紫(ハーミット・パープル)]]』らしき茨のスタンドで念写をするシーンがあるので、 「初期設定で世界は『全てのスタンドの能力を使える』能力だったが、さすがにチートすぎるので『時を止める能力』に変更された」 とも噂されていたが、これについて確実にそういう設定だったというソースは無いので注意。 今はこの茨のスタンドについては、『JOJO A-GO!GO!』のスタンド辞典に記載されているように「ジョナサンの肉体のスタンド能力」が公式設定である。 実際、茨のスタンドを使用していた物語序盤では、DIOは「未だジョナサンの身体は自分に馴染んでいない」と発言している上、 中盤→終盤にかけて人間の血を吸血することでジョナサンの肉体を徐々に馴染ませ、最終決戦直前には「あと一人」で完全に馴染むところまで来ており、 そして、ジョセフの血を吸血して「完全に馴染んだ」時にはその身体からジョースター家の証でもある「星型のアザ」が消えていたことから、 ジョナサンの肉体がDIOに馴染んでいく、言い換えればジョナサンの肉体がDIOの肉体に変化していくにつれ、 ジョナサンの(肉体の)茨のスタンドが使えなくなっていったとしてもおかしくはない。 ちなみに、小説『[[OVER HEAVEN>JOJO'S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN]]』では明確に『隠者の紫』であると説明されている。 DIOが目覚めた事によってDIOが持つ2つの能力のうち『隠者』がジョセフに、『世界』(『星の白金』)が承太郎に発現した、という噂もあるが、公式でそのような説明がされたことは無い。 第3部では、主人公たち(+[[某議員>ウィルソン・フィリップス上院議員]])が『世界』の時間停止能力を何度も喰らってもその事実に気付けず、最終的に花京院の犠牲でようやく見破ったのに対し、 第7部ではジョニィがDioの『THE WORLD』と数度相対しただけで「まるで時間が止められたみたいだ」と時間停止能力をズバリ言い当てていることから、 ジョニィが割合すぐに、それも単独で時間停止能力(と概ねの停止可能時間)を見破ったことに違和感を持つ声も見られる。 ただ、これについては「ジョニィは以前に[[似たような能力>リンゴォ・ロードアゲイン]]と戦った経験があるから」という反論があり、実際にジョニィは能力を喰らった際にリンゴォを思い出している。 また、SBR中ということもあって、互いに馬に乗り、競争しながらの戦いであったため、ジョニィは互いの距離や速度に注意を払っていたはずなので、 「5秒くらい」という大まかな停止可能時間まで特定出来たのも不自然ではないという考察もされている。 &font(#00F,u){&font(#EEF,#EEF){メタ的に見ると、読者にはバレバレの能力を作中の人物が考察して謎を解く展開をやってもつまらないのは目に見えているので、この点は仕方なかったのかもしれない。}} アニオタの追記・修正はなじむ 実に! なじむぞ! #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,92) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }

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  1. DIOは四方八方から迫るエメラルド・スプラッシュを尻目に慌てることなく『世界』の時間停止能力を発動。
  2. そして、時間停止によって静止したエメラルド・スプラッシュの間抜ける、結界を破壊ながら最短距離で花京院に接近し、その胴体『世界』の拳でぶちき致命傷を与えた。
  3. &font(b){絶対的な安全地帯か自分認識できい相手を一方的嬲り殺す}という&font(#F00){時間停止悪用典型例}そのものな胸クソ悪くなるパワープレイある
  4. 当時シリアスなバトル漫画でこのような所業をやってのけるというのは、余りにも衝撃的な展開であった。
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  1. DIOは四方八方から迫るエメラルド・スプラッシュを尻目に慌てることなく『世界』の時間停止能力を発動。
  2. そして、時間停止によって静止した、自身に迫っていたエメラルド・スプラッシュ悠々その包囲けると、
  3. 張り巡された『法皇の緑』の結界破壊しがら最短距離で花京院接近し胴体を『世界』ぶち抜き致命傷を与えた
  4. &font(b){絶対的な安全地帯から自分を認識できない相手を一方的に攻撃する}という、&font(#F00){時間停止の悪用の典型例}そのものな胸クソ悪くなるパワープレイである。
  5. 当時シリアスなバトル漫画でこのような所業をやってのけるというのは、余りにも衝撃的な展開であった。
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