サトシ(ポケモン)

登録日:2011/01/08(土) 02:47:12
更新日:2022/01/31 Mon 21:14:37
所要時間:約 19 分で読めます





ピカチュウ! 君に決めた!!



出典:ポケットモンスター、14話『でんげきたいけつ!クチバジム』、1997年4月1日~1999年1月21日まで放送。
OLM TEAM OTA、テレビ東京、SOFTX(テレビ東京メディアネット)、小学館プロダクション、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon



『サトシ』とは、テレビアニメ『ポケットモンスター』シリーズの主人公である。

●目次

■概要




CV:松本梨香、武田華(新無印幼少期)


アニメ『ポケットモンスター』シリーズの主人公。我々にとっても、永遠の主人公である。
もはや彼無しでは、アニメ『ポケットモンスター』は存在意義を失うと言っても過言ではないほどに、その存在は大きいものとなっている。
現在20歳前後の大人は、彼と共に成長したのだ……
まあ、サトシは、今でも10歳の子どもだけどね。
出身 マサラタウン
年齢 10歳
身長 140㎝(新無印の企画で140㎝くらいと明言された)
肩書 ポケモントレーナー
アローラチャンピオン
リサーチフェロー

カントー地方の「バトルフロンティア」を制覇し、フロンティア名誉トレーナー兼ブレーン候補となるほどの実力があり、
ポケモントレーナーとしてのウデは確かである。タブンネ


余談だが、『結晶塔の帝王』の同時上映短編映画である
ピチューとピカチュウ』では、サトシとピカチュウが出会って「1周年」とされているため、
冒険を始めた時には10歳だったサトシは、その時点では11歳になっているはずである。
しかし、『ベストウイッシュ』1話のナレーションでサトシは「10歳」と明言されているほか、
雑誌などの紙媒体においても「10歳」と表記されることが多く、
アニメ公式サイトにも「10才の少年」と明記されている(20代では、決してない)。


しかし、『金銀』編では「開通には一年かかる」といわれていたリニアが、
『ベストウイッシュシーズン2・デコロラアドベンチャー』では開通しているなど、一部設定の矛盾点も存在する。
少なくとも、サトシの部屋にはそれまで各地で取った賞が飾られており、また時折昔の話をするシーンが描写されることから、
サトシが各シリーズで体験したできごとは「無かったこと」にはなっていない。

つまり、サトシは1年以内に複数の地方やアニメ版オリジナルの舞台を旅したことになるのだが……
その辺の都合は長期アニメ特有の、いわゆる「サザエさん時空」ということにしておこう。
ちなみに、ファンの間では、上述の短編映画と作中のイベント「サマーキャンプ」に2回参加していることから、
『XY』の時点で13歳程度とする説もある。


■略歴


カントー地方「マサラタウン」出身の、10歳のポケモントレーナー。母ハナコとの二人暮らし。
「ポケモンマスター」になるという目標を胸に、
10歳の誕生日にオーキド博士からポケモンを貰い、旅に出る。
その「初めてのポケモン」こそが、テレビアニメ版『ポケットモンスター』の顔でもある
でんきタイプのポケモン……ピカチュウだった。


当初、サトシは、ゼニガメを貰うつもりだった(次点でフシギダネ、ヒトカゲの順)が、
当日に寝坊してしまい、幼馴染みのシゲルを含めた他のトレーナー達に
それらのポケモンはすべて連れていかれていた。
ほかに受け取れるポケモンがもういないため、サトシはオーキド博士いわく「ちょっと問題がある」ピカチュウを貰う事になる。
サトシは「可愛いじゃないですか!!」と、そのピカチュウを抱きしめるが……
事の結末は無印1話を、ぜひあなたの目でたしかめていただきたい。
20年以上経った今でも、神回として名高いエピソードの1つである。


そうしてサトシは、ピカチュウや様々なポケモン、仲間達と共に、
カントーオレンジ諸島ジョウトホウエンシンオウイッシュカロス地方アローラ地方とさまざまな地方で旅を続けている。


アローラ地方からカントー地方に帰還後はクチバシティに身を置き、サクラギ博士に行動力を称えられゴウと共にリサーチフェロー(特別研究員)に任命され、今までに旅した各地方を回ることになる。


各地方でのサトシに関する情報は以下の項目を参照のこと。

また劇場版第20作『キミにきめた!』、第21作『みんなの物語』に登場するサトシは概ね設定は共通しているものの、
『無印』から『新無印』までのテレビシリーズとは異なる旅路を歩むパラレルな存在にあたる。詳細は作品項目を参照。

■人物


・性格

明るく元気でポケモンのことが大好きな少年。
『無印』中期までは目上の相手にもタメ口で話していたり、
それ以降も調子に乗って失敗したりと年相応の子どもらしさを持つ未熟な子どもとして描かれていたが、旅を続けていくうちに大きく成長を遂げた。
現在は概ね一貫して、真面目で礼儀正しく、謙虚さと実直さを併せ持つトレーナーとして描かれている。

誰に対しても分け隔てなく接し、他者を守る為なら自らを犠牲にする事も厭わない。
その姿勢によって沢山のポケモン達や悩みを抱えた人々が彼に心を開いている。
進化して強さを得た事により言う事を聞かなくなったリザードン、
シンジから過度な特訓や努力を重ねても褒められないなどの虐待児同然な扱いを受けていたヒコザル(ゴウカザル)、
人間に対し深く心を閉ざしたヨーギラス等が、その例であろう。
誰であろうと正面から向き合うその姿は、多くのポケモン達や、出会った人々に影響を与えている。

しかしその分、危険な目にあうことも多く、
無印23話にてシャンデリアの下敷きになり、ピカチュウ共々幽体離脱したり、
ミュウツーの逆襲』ではミュウツーミュウの哀しき争いを止めようと攻撃を受けたことで石化したりと、
仮死状態になってしまったこともある。

毎回周囲の助けや悪運の強さで助かっているとはいえ、
ポケモンや人々を守る為に自らの命を投げ出そうとした回数は最早数え切れない。
その点については、実際『ルギア爆誕』でハナコに咎められた。

上述の通り、冒険を続けるにつれて性格がやや変化しており、ハルカやヒカリ、セレナといった後輩トレーナーや、
そもそもポケモントレーナーではない年少者であるマサトやユリーカといった面々が旅の同行者となったこともあってか、
初期の頃にあった未熟さ、ずうずうしさ、自信過剰な面や調子に乗りやすい部分はだんだん見られなくなった(各シリーズ毎のオーキド博士との会話シーンを比較すると、その変化は分かりやすい)。
『XY』編では完全にチーム内での最年長者のポジションとなっており、
かつてタケシ達が担当していたチームの兄貴分としての活躍も見せている。


熱くなりやすい性格で、歳が近い相手と対面している時に年相応の子どもらしさ*1や、
少々世間知らずな一面は今も見せることがあり、
『XY』27話で、セレナとユリーカが長い行列に並びやっと手に入った、ひとつしかないケーキを一人占めしようとするなど、
たまに空気の読めない所を見せることもある。


『サン&ムーン』編ではキャラクターデザインが少年らしさを前面に押し出したコミカルなものに大きく変更されており、
前シリーズである『XY&Z』編での大人びたサトシに慣れた視聴者を大きく戸惑わせた。
しかし人格面ではコミカルな描写の増加や口調が少々幼い感じになったことになったことを除けば、概ね『XY&Z』編での性格設定をそのまま引き継いでいる。

まあその時点で大分変わっていると言えばそうなのだが、サトシがリーダーとして旅の中で一行を引っ張っていた『XY&Z』編とは異なり、
『サン&ムーン』編のメンバーは全員ポケモンスクールのクラスメートという関係であり、ククイ博士という大人の保護者の存在もあってか、
「幼く見えているのはリラックスして素が出ているからだけではないか?」と推測するファンもいる。

『サン&ムーン』については監督自身、「10歳らしさを強調したかった」と語っており、作風に合わせて意図的に『XY』のサトシから幼くされている。
また特筆すべき点としては、『サン&ムーン』では家事スキルが壊滅的となっていること。
留守番中に洗濯をした際には、衣類と洗剤を洗濯機に入れすぎて周囲を泡だらけにし、
調理時にも野菜の切り方も調味料の入れ方も適当、更に「フランベ」をフラベベと勘違いした結果、
思わずピカチュウに向かって吐きだしてしまう程の不味い料理を作り上げた。
(料理に関しては『DP』でもポフィン作りに失敗して酷く落ち込む描写があった。また、昼食の準備時にはタケシに「少しは手伝え」と叱られたことがある。一方、『XY』では一人で作るまではなくても普通に料理の仕込みの準備を手伝ったりしている)

ちなみに、歴代の旅の同行者の中で最も長く旅を続けてきたのは、タケシである。
幻影の覇者 ゾロアーク』においても、タケシに対する強い信頼を示すシーンが描かれている。


・家族関係

家族は、母親のハナコ、父親と祖父がいることが判明している。父親と祖父もポケモントレーナーである。
父親はサトシが生まれた直後に旅立ち、行方不明になったらしい。そのため、サトシは母親の女手一つで育てられた。
小説版の設定では、父親は他の町の出身でサトシが生まれる前にマサラを旅立ったとのこと。
また、家事を手伝う「バリちゃん」ことバリヤードも家族同然であり、
『ポケモンだいすきクラブ』の「サトシのポケモン チェックだぜ!!」では、サトシが捕まえたポケモンの一員として扱われている。


・外見

基本的な外見はキャップ帽を被り、癖の強い横髪が左右に跳ねている、というもの。
サトシは無印~DPまでは項目冒頭の画像のような顔をしており、あとは各地方に合わせて帽子とユニフォームを変えていただけだった。

しかしBWになった際に、一気にデザインがリニューアル。
これまでは繋がっていた目が上下で別れるようになり、瞳も大きくなり色も黒から茶色になった(正確には前から茶色だったのだが作画上では細くなるため黒で塗られていた。顔がアップになると茶色である事が確認出来る)。

出典:ポケットモンスターXY、1話『カロス地方にやってきた!夢と冒険のはじまり!!』、2013年10月17日~2015年10月29日まで放送。
OLM Team Kato、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon


XYでは上記の通り全体的に大人びたイケメンに変更された。
しかしよく見ると、頬のギザギザが薄くなり、もみあげが生えたくらいで全体的なデザインはBWと変わっていなかったりもする。

SMでは大人びたデザインから一転し、子供らしさを強調するために10歳相応の頭身とデザインに変更された。
BW・XYと大きくなっていた瞳がまた小さくなり、髪も丸くなっている。

新無印ではまた瞳が歴代で一番大きくなり、SMとXYの中間のようなデザインとなった。


出典:劇場版ポケットモンスター キミにきめた!、製作:OLM Team Kato、ピカチュウプロジェク、配給元:東宝、公開:2017年7月15日

映画『キミにきめた』では上記のような無印サトシを今風にデザインし直したもの。
さらに『みんなの物語』では、歴代で一番中性的なデザインとなっている。

サトシが着ているユニフォームは、ハナコが心を込めて手作りしたもの。
新章が始まると、新しい服に着替えて旅に出るのが恒例である。
(『DP』編では間に合わなかったので、サトシがシンオウ地方に到着してから送られた。)
無印でサトシがかぶっている帽子は、テレビ番組の懸賞品であるポケモンリーグ公認キャップのレプリカで、
1000枚ものハガキを送り、ようやく手に入れたものらしい。
『AG』『DP』編での半分だけのモンスターボールのマークは、
杉森建氏によると「ポケモントレーナーとしてはまだ半人前」という意味が込められているとのこと。
『サン&ムーン』編では私服(初代のなみのりマークが描かれた緑色のTシャツやニャビーを模したTシャツ)を着用した姿も描かれている。


・恋愛関係

恋愛に関しては非常に鈍感であり、そもそも恋愛という概念を持ち合わせていないようだ。
その為、何気に多くの女性、あるいは♀ポケモンから好意を持たれているのに、全てのフラグを崩壊させてきた。
この傾向は、ストーリーが進むにつれてどんどん拍車がかかっている。


初期の頃は美人のゲストキャラクターにデレデレしたりカスミに好意を寄せていると取れるようなシーンもあった。
その為、このころは恋愛の概念について少しは理解していたのかもしれない。
しかし、『ベストウイッシュ』シーズン2以降はこれらの一面は落ち着いてきており、
『ベストウイッシュ』212話ではミジュマルがメロエッタとバトルできない気持ちや、
『デコロラアドベンチャー』4話ではミジュマルがホタチクイーンのミジュカを好きになった事を理解している為、
恋愛がどういったものかについては、ある程度理解するようになったようだ。


『XY』編のヒロインであるセレナは、
既にサトシに好意を抱いているという超強力なフラグを持っているが、いつも通りクラッシャーなのか、それとも……?
彼女のせいか、『XY』のサトシは容姿はもちろん、行動においてもそれまでのシリーズと比較して、
イケメン度が増している……ように見える。恋愛に無関心なのに、無意識にセレナの心を掴んでいる状況である。


『XY』編80話では、鈍感であることについてユリーカに指摘されている。
サトシは、セレナが自分のことを気にかけてくれているということについては気づいているようだが、
好意を抱いているということについては、まだわかっていないようだ(XY59話など)。
ただし、「お嫁さん」や「結婚」ということについては理解していたり(XY25話)、
前述のとおり『アドバンスジェネレーション』や『ダイヤモンド&パール』、
『ベストウイッシュ』初期のころと違い、恋愛概念についてはだんだん分かってきているようである。


・その他

無印のシリーズから、意外と「不幸体質」である。割と周囲に振り回されがちなところがある。
  • バリヤード役を任されアツコさんにスパルタされているのに対し、誰も助けようとはしない。(無印編64話)
  • ロケット団に誘拐されても、あまり周囲から心配されない。まあ牢屋の鉄格子曲げて出られるし…
  • 入浴時、ハピナスが背中を流してくれるつもりが悪気は無いとはいえ掃除用のブラシで背中を擦られる。(無印編129話)
  • 傷の手当てをするはずが傷口に激しく沁みる物を付けられる。
  • シェイミに遊ばれて耳をひっぱられたり水をかけられたりする。(劇場版 ギラティナと氷空の花束 シェイミ)
  • セレナのフォッコのひのこを、2回ともまともにくらう。(XY編21話)
……等々。一部のポケモンから愛情表現の一環としてわざをくらうのは、ロケット団のコジロウ共々、お約束である。


作中では、10歳の少年とは思えないほどの、人外じみた運動神経を発揮するシーンがかなり多く、
視聴者からはドラゴンボールの「超サイヤ人」をもじって「スーパーマサラ人」呼ばわりされている。
また、宇宙へ行ったことが2度もある。
(特に2度目は生身で宇宙に行った)


シリーズ毎に必ずと言っていいほど女装を披露している。
本人は当然不服だが、その女装っぷりはなぜか地味にレベルが高い。
また、カスミやタケシにすらバレなかったことや、歌劇団のスカウトを受けたこともあるあたり、
設定上は割と中性的な顔立ちの美形である様子(まだ10歳の子どもではあるが)。


『XY』編に登場した「鏡の国のサトシ」は泣き虫で、一人称も「僕」という、対照的な存在になっていた。
(オリジナルのサトシも、小説版やアニメ無印の中期まではまれに「僕」を使う事があったが。)


■バトル&育成スタイル



ポケモンバトルでは、基本的に攻撃重視でガンガン攻めるタイプで、スピードを生かして攻める戦法が得意。反対に重量級やパワーで押すようなポケモン、バトルスタイルは苦手としている。
非常に機転の効く性格からか、状況に応じて柔軟に対応し、相手が予想もつかないような事も平気でやってのけることもある。
ポケモン達にしろ、こうした指示を疑う事なくやってのける辺り、サトシへの信頼が伺える。
また、特にバトルフィールドの特性を利用した戦法が目立つ。
たとえば、リザードンならフィールドを「かえんほうしゃ」で灼熱の大地にして相手の動きを縛ったり、
ゴウカザルなら「あなをほる」から「フレアドライブ」に繋げて、フィールドの「どくびし」を焼き払ったりと、非常に豪快に戦う。


『AG』編においては、
「ピカチュウの「かみなり」を空に向けて放ち、更に巨大な雷を引き起こし、
それをピカチュウとオオスバメに受けさせる事で雷のエネルギーを吸収させる」という、
とんでもない戦術を披露した。


『DP』編では、
ヒカリポケモンコンテストのアピールわざを応用したりと、柔軟性に研きがかかっている。
このスタイルは、『AG』の「バトルフロンティア編」で、既に高く評価されていた。

育成スタイルについてはポケモン自身の意思や自主性を尊重する傾向にあり、
ポケモンに寄り添い、共に強くなっていく姿が描かれている。
また近年のシリーズではサトシゲッコウガやルガルガン(たそがれのすがた)という劇中世界においてサトシの手持ち個体のみに確認されている未知の姿を持つポケモンも登場している。


ちなみに……アニメ版では、よく多用される

「かわせっ!」

の指示に批判がくる事がある(ゲームでは「かわせ」という指示は出すことができない。わざの命中率が低くて攻撃がはずれることはあるが……)。
まあ、かわすタイミングの指示も、ポケモントレーナーの仕事と思えば……。
そもそも、現実的に考えて戦闘時にポケモンを棒立ちさせる理由がないので、こういった指示を出すことは悪いことではない。


なお、この「かわせ」はサトシだけでなく、サトシの仲間・ライバルジムリーダーを含む多数のトレーナーがよく使っている。
アニメの画作りや動き、テンポなどの問題も関わっているのだろう。
また、余りにも実力差のあるポケモンからの攻撃や、体勢が崩れて回避行動をとれない場合等、
「かわせ」と指示を出そうが普通に攻撃を喰らってしまうシーンも少なくはないので、巷で言われる程のチート染みた能力では決して無い。
(というか、かわす、受け止める、他の技で相殺する、場合によってはカウンターを放つ等々、相手が繰り出した技に対してどの様に対処するのか指示するのはいたって自然なことである)

ちなみに、後にゲームの『ポケットモンスター X・Y』で「相手の攻撃をかわせる」仕様が実装されている。
ポケパルレ」機能でポケモンとある程度仲良くなると、相手の攻撃を回避しやすくなるという仕様である(ただし、バトルハウスや、ほかのプレイヤーとの通信対戦では無効)。


ポケモン自体の知識には疎い面があり、あまつさえ過去に数度受けた事のあるわざの効果さえ忘れることがある。(例:「くろいまなざし」等)
しかし変なド忘れをするわりに、変に物覚えが良いところ(ポケモン図鑑を開かずに視界に入ったポケモンの名前をサラッと言える描写など)もあり、記憶力にはムラがある。
これは、大人の事情……というか、長期放送ゆえの脚本の都合である。


■リセッター・サトシ


大きなお友達のアニヲタにとって、サトシといえば「リセット」という印象を持つ人も少なくないだろう。
実際、新シリーズに入る度にそれまで得た知識どころか、
ポケモンのレベルさえリセットされていると言われても仕方のない描写がされている。


『AG』編でバトルフロンティア名誉トレーナー(ブレーン候補)
→『DP』編初頭でシンジにボロクソに言われる


『DP』編でシンオウリーグベスト4
→『BW』編初頭でシューティーにボロ負け


特に『DP』編でのサトシの成長が非常に華々しく、各地のジムリーダー達も全体的に異様に強かった為、
『BW』編でのトレーナーとしての異常な弱体化は、視聴者から大変不評であった。
「いやなおと」で何故か岩すら粉砕する化け物染みたヒョウタのイワークに負けたのは仕方ない*2にしても、
ヒヤップの「みずでっぽう」に翻弄されて善戦すら出来ずに叩きのめされたピカチュウ共々、
既存の視聴者の涙を誘った。
ライバルにしても、シンジは一応サトシと同程度に各地方を周った新人からベテランになりつつあるトレーナーなのに対し、
シューティーは完全に新人デビューを果たしたばかりに等しいので、その点でファンは色々と揉めたようだ。


ぶっちゃけて言えば、この現象の原因は
「シリーズが新しくなる=全てが一から始まる=サトシも一から始まる」という制作態勢によるもの。
新章からアニメを見始める人も多いので、それに配慮しているのだろう。
大友の中にも「無印しか知らない」とか「俺はAG世代」とか「DP編は見てたがBW編は見てない」などという人もいるはずである。
シリーズの移行は重要な意味があり、一つのシリーズは「一つの作品」となるのである。
そのため、その「シリーズ(=作品)」それぞれの主人公である「サトシ」も常に新しい姿勢で旅に挑み、
「初めは未熟→後半は成長」というパターンが貫かれているのだ。
……そのお陰で、彼の夢である「ポケモンマスター」への道が全く見えてこないのも、事実であるが。


更に、『DP』編で明かされた設定によれば、アニメの「ポケモンリーグ」は原作のゲームよりもはるかに道のりが長く、
地方リーグ(トーナメント式)で優勝
→いずれかの地方で、地方リーグ優勝者のみが出場出来るリーグ(チャンピオンリーグ)に挑む
→リーグを突破して、各地方の四天王を制する
→その地方のチャンピオンリーグマスター(原作でいうチャンピオン)を倒す
と推移していくようだ。


サトシの言う「ポケモンマスター」の定義は、劇中ではまだなされていないが、
仮に最強のポケモントレーナーを指すのであれば、チャンピオンリーグマスターですら「ポケモンマスター」には届いていない。
つまり、現在のサトシの在り方を続けていれば、
「『甲子園で優勝し、更にプロ野球選手、メジャーリーガーに成長する選手を輩出してみせる!』と宣言しているのに、
甲子園出場を賭けた県大会はおろか、地区予選を突破出来ず『県大会にすら出られない』万年弱小高校野球部」
といった、悲しい立場から永遠に抜け出せないことになる。


ただし、上述の通り、非公式ながらオレンジリーグ殿堂入りやカントーバトルフロンティア制覇、
次期フロンティアプレーン内定などの輝かしい経歴も保持していることや、
『DP』編以降、このチャンピオンリーグの設定がどの程度保持されているのか不明である事情から、
この例えが今もまだ適切であるかは、何とも言えない状態である。

そもそも、記念すべき劇場版第20作目では、TVシリーズとは独立した世界観ではあるが、「夢は『世界一の』ポケモンマスター」となっていて
どうやら序列の概念があるらしきことが窺えたり、「ポケモンマスター」の定義が何なのかも分かっていない。
サトシ曰く、「世界一のトレーナーよりももっと上」。

もし、ポケスペのように章ごとに主人公が変わっていれば、
今頃サトシも「ポケモンマスター」になっていた……のだろうか?
仮にそうなっていたとしたら、金銀レッドのように、
「伝説のトレーナー」扱いになっていたかもしれない。


ちなみに、初期は無印が終わった後、『ポケモン2』として新しい主人公を登場させるという計画もあったようだ。
しかしアニメ『ポケットモンスター』の「主人公」はサトシ!との声が多数の為、
サトシの「リセット」現象は今後も続いていくと思われる。


…が、現在は、
BW編でイッシュリーグベスト8
→XY編初頭でシトロンのホルビーに引き分け


ベスト4からベスト8に落ち、いよいよリセットも深刻か?とも思われたが、
ゲットして日が浅いとは言え、ジムリーダーのポケモンとそれなりに渡り合っていた点や、
バトルの内容自体、「あなをほる」を使われたら咄嗟に攪乱するよう指示するなど、リセッターとしての匂いが漂って来ない内容でもあった。
実際本人も、『BW』最終回でイッシュリーグの事を遠回しに反省しているらしき様子を見せていた。


また『XY』のジムリーダーは(ゲーム基準では)今までより強い。
ビオラは眠らせてから威力が90以上のわざの連発、
ザクロチゴラスに「りゅうせいぐん」を覚えさせている、
コルニメガルカリオを使用、
フクジは「にほんばれ」から「ようりょくそ」、
シトロンは「エレキフィールド」からの「ワイルドボルト」連発、
マーシュは「トリックルーム」戦法、
ゴジカはダブルバトルで隠れとくせいのニャオニクス♂を使用、
ウルップメガユキノオーを使用、
など、ゲーム本編で使われたらみんなゲームを投げ出すレベルの強さ(特にビオラは「がくしゅうそうち」をもらえる前なので、レベルを上げてのごり押し戦法は時間がかかる)だが、苦戦しながらもサトシは勝ちぬいた。
サトシの『XY』の手持ちは『DP』並みにガチ構成であったこともあり、
「今度こそは地方リーグくらい優勝するのでは?」などという声も上がっていた。

『サン&ムーン』編でも実力面でのリセットはあまり見られず、
1話からいきなり島の守護神であるカプ・コケコとのバトルを行なったり、Zリングを託されたりと概ね一貫して実力者として扱われている。
敗れたとはいえ、ゲットしてまだ間もないモクローの長所を的確に把握してベテラントレーナーのジェイムズが使う初見のオドリドリ相手に互角に渡り合ったり、
大試練の最中に進化直前の暴走で大きなミスをしてしまい動揺するイワンコを的確に励ますことで落ち着きを取り戻させ、そのまま勝利するなど、
ポケモンとの接し方やバトルにおける実力といった部分ではこれまでの経験や成長をしっかり引き継いでいる。
その後、急遽開催が決まったアローラリーグでも勝ち進み、遂に決勝戦でグラジオを下しオレンジリーグ以来、原作ゲームが存在する地方では初のポケモンリーグ優勝を成し遂げた。制作スタッフからも「今回こそサトシを優勝させてあげたい」と発言、中の人からも「本当に嬉しい」とコメントされている。

『新無印』でも実力は衰えておらずゲットばかりに魅力を感じていたゴウに先輩トレーナーとしてポケモンバトルの楽しさを伝える等のベテランの貫禄を見せている。ポケモンリーグではなくチャンピオンシップスに挑戦中であり、ダンテに勝つ為各地で勝ち負けを繰り返しながら戦っている。

『XY』編では、従来シリーズの「成長する主人公」要素をセレナが請け負っているため、
サトシ自身は存分に歴戦のポケモントレーナーとしての面を見せられるというのも大きいのだろう。
……というか、これだけの成績を、まだ旅立ってから作中世界では1年足らず(?)で成し遂げていることを考えると十分凄い気もする。
その弁で言うと、サトシより早いペースでより高い成績を挙げているハルカやヒカリは何なんだと言う事にもなるが(競技人口の違いもあると思われるので、これも一概にはいえないけど)。


はたして、サトシの目指す「ポケモンマスター」になれる日は来るのか。それ以前に、目指す目標が正確には一体何なのか、明らかになる日は来るのか……
定義づけがされていない目標を追い続ける姿勢はこの人にも通じる所があるかもしれない。

少なくとも『サン&ムーン』編におけるロトム図鑑の発言からすると、
「野生のポケモンが自分の側からゲットされたがる」(俗に言う「友情ゲット」)という現象はかなり常識外れなものであるらしく、
非常に多くのポケモンを「友情ゲット」してきたサトシはあの世界でもかなり特異なトレーナーではあるようだ。

■サトシのポケモン



出典:ポケットモンスター ベストウイッシュ シーズン2、58話『オレの夢、ポケモンマスター!』、
12年6月21日~14年3月27日まで放送。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon


旅の中で、様々な地方のポケモンを仲間にしており、
新たな地方に行く度にピカチュウ以外の手持ちポケモンをオーキド博士に預けているため、今では結構な数になっている。
ここでは、シリーズ別に代表的なポケモンだけ紹介する。詳細は以下の項目にて。



説明不要のサトシのベストフレンドであり、愛棒
真っ赤なほっぺに黄色のシャツとはまさに彼の事。
初めこそサトシの言う事をまともに聞かなかったものの、今では生身のサトシとバトル出来るくらい仲が良い。


その実力は言わずもがな……と言いたいところだが、実は主人と同様、前述のリセットの件などから非常に安定していない。
良い成績を挙げると、
無印:技を10個持つカイリュー撃破
AG:ねむるで体力全快のレジアイスをボルテッカーでワンパン
DP:ラティオスと引き分ける
XY&Z:メタグロスとバンギラスを二タテ
SM:カプ・コケコに圧勝。ついでに公式戦無敗
と凄まじい戦果を上げている。AGとSMはピカチュウとしてなんかおかしいレベル。

一方で、イッシュ地方のサンヨウジムに至っては、無進化ポケモン、それも相性で有利なみずタイプのヒヤップに、
掠り傷一つ付けられずに敗退している。
新章が始まる度に何らかの事件に巻き込まれているので、その時にレベルが「リセット」されているとしか考えられない。


好物はトマトケチャップ。
『XY』編のエンディング映像で、久々にその描写がされた。


ピカチュウ「ピカピー!!」←さらわれるor落ちていく
サトシ「ピカチュウー!!」←追いかけるor追って飛び降りる


サトシの手持ちで、ピカチュウと双璧を為す、皆が認めるサトシの元祖エースにして最強のポケモン。
その強さは、進化してしばらくの間サトシの言うことを聞かず、
和解後もストーリー崩壊を恐れた脚本家が退場回をわざわざ用意した程。
度々重大な決戦で再登場を果たし、その際には大いに視聴者が沸く。
サトシの歴代の手持ちで伝説のポケモンに勝利した成績を持つポケモンは、ピカチュウ、リザードン、ジュカインだけである。


オールサトシポケモンが集うシンオウリーグには出なかったが、
サトシがリザードンのボールを持ったままだったため、ジョウトから転送出来なかったのだと思われる。
その後、『BW』編の『エピソードN』にて再度手持ちに加わるも、
サシで戦える相手が殆ど現れず、宝の持ち腐れ状態になっていたのが、ある意味恐ろしい。 メタ的にはリーグ終了後だったので試合自体を用意できなかったのだろうが
その為、『XY』編ではメガシンカを引っ提げて再登場する事が期待されていた。
ただ、アランが「メガリザードンX」を使用していたため、メガシンカを使うならサトシはメガリザードンYと予想されていた。


『AG』編におけるサトシのエースで、常に口に木の枝を喰わえるクールな兄貴。物凄く素早い。
『AG』編放映当時は「タネマシンガン」の習得に結構な時間が掛かったり、結果サトシとピカチュウのあるイタズラにより覚えたり、
メガニウムに失恋したせいでわざが出せなくなり、進化したばかりなのに活躍できなかったりと、わりと変な扱いをされていた。


しかし『DP』編では、あの伝説厨戦にて、
かの有名なチート級伝説ポケモン・ダークライを(既に満身創痍だったとは言え)倒す戦果を上げ、
ここぞという時に非常に頼りになるところを見せてくれた。
このヘタレ具合と兄貴具合の絶妙なギャップこそが、彼の魅力ではないだろうか。


『XY』編では、くさタイプを入れてなかったり、
ORAS』でメガシンカするようになった為、
リザードンではなくジュカインが復活するのではという意見もあったが実現叶わず。『新無印』にてオーキド研究所を訪れた時はなぜかいなかった。


廃人スキルと主人公補正を両方備える、奇跡のハイブリッドポケモン。
元はシンジのポケモンだが、彼が見捨て……もとい逃がした後に、
サトシがほっとけないとゲット。しっかり育て上げ、ゴウカザルまで進化した。
『DP』編のキーポケモンであり、彼無くしては『DP』編は語れない*3
その存在は、サトシの初期エースのナエトルの活躍をドダイトスに至るまでずっと脅かし続けた。
サトシVSシンジの最終戦でのゴウカザル対エレキブルは、
作画・展開・演出・BGM、全てに至って鳥肌物である。


『BW』編における、マスコット(ポッチャマ)的ポジション。
シューティーに手持ちとして選ばれなかった時には真っ白になったり、
食いしん坊、惚れっぽいがフラレると、コミカルな描写が目立つ。くるりんぱ。
毎回、勝手にボールから出てきて威勢よく出陣し、相手にぶちのめされる、いわゆる「噛ませ」なのはお約束。
終盤は、それなりにがんばるシーンも増えていた。


『XY』編からの手持ち。
自分の全てをかけるに相応しいトレーナー(=)を探して、トレーナーが返却しに来たり、自らトレーナーを見限って逃げ出すことを繰り返した過去を持つ。そして、ある事件でのサトシのポケモンへの親身な行動を目の当たりにして、自らサトシにゲットされた。

『XY&Z』編ではゲッコウガに進化し、「俺たちはもっともっと強く!」の掛け声でサトシゲッコウガという形態に変身する「キズナ現象」を体得。
頭部にサトシの髪と帽子、胸部に彼の服装を彷彿とする意匠が見られ、背中には巨大な水手裏剣が付いている(水手裏剣のX・胸部のY・目元のZと、XYZの意匠もあしらわれている)。
カロスリーグ準決勝での、ショータのメガジュカインとの超作画の戦闘は必見。
最終話直前、フレア団事件の爪痕であり、彼にしか見つけられない負のエネルギーを探すためにカロスに残ることを決意し、サトシに別れを告げた。プニちゃん「サトシ、ゲッコウガを預かるぞ!」との事だったので、いつか戻ってくるかもしれない。


■モデル


モデルは『赤・緑』の主人公。*4
また、カントー編及びオレンジ諸島編から継続して同じ衣装だった無印のジョウト編と、
完全オリジナルデザインだった『AG』編を除けば、
各シリーズでの衣装は、原作のゲームの男性主人公の衣装の色違い、或いはそのアレンジ版になっている。
ただし、帽子はキャップに統一されている。
剣盾が純粋な原作ではない『新無印』でもオリジナルデザインの衣装を着用している。


名前の由来は、初代『ポケモン』の開発チームリーダーであり、ポケモンの原作者、産みの親である「田尻智」氏から。
ちなみに、初期のライバルキャラ、シゲルの名前は、『マリオ』や『ゼルダ』で知られるゲーム界の生きた伝説こと「宮本茂」氏が由来であり、
サトシにとっての偉大な目標としての意味が込められている。




何しろ20年以上も主人公をしているので、追記・修正をどんどんお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
※作品やキャラクター、ストーリーなどに対する愚痴や誹謗中傷、文句等の問題あるコメントが続く場合コメント欄の撤去やIPの規制といった処置がされますので絶対にやめましょう。
最終更新:2022年01月31日 21:14

*1 せっかち、ジムを優先したがる、無鉄砲な面など

*2 現に、サトシ自身も条件付きとはいえピカチュウの電撃でイワークを倒すと言う逆の事を過去にしている。

*3 同じ炎御三家でかつ心ないトレーナーに捨てられた境遇や、サトシにゲットされ絆を育みながらその境遇を糧に最強のエースへと成長したというバックボーンの類似性から、"DP編のリザードン枠"とも言える。

*4 ライバルは、シゲルのモデルになっている。