Axis Powers ヘタリア

登録日:2011/05/24(火) 23:19:31
更新日:2024/02/04 Sun 22:06:30
所要時間:約 6 分で読めます




Axis powers (アクシス パワーズ)ヘタリアとは、日丸屋秀和によるウェブコミック作品。
『Axis powers』としての単行本は幻冬舎から発売されており(全6巻)、5・6巻分の殆どは幻冬舎の「コミックバース」にて連載されていたもの。


◎概要
「ヘタリア」とは、2chの軍事版などで使われる「ヘタレ+イタリア」の造語で、
何かと情けない面が目立つイタリア軍に対する蔑称である。

世界史をモチーフの主軸とし、その国を代表する風土や風俗などを擬人化したキャラクター達が織りなす、国擬人化歴史コメディである、
というのが本作の最大の特徴。

特に「Axis powers」(枢軸)のタイトル通り、話の中心になるのは第二次世界大戦前後のことで、
それ以前の建国史などは「子供時代」や「先祖」の話として描かれている。

2020年現在は集英社のウェブサイト『少年ジャンプ+』で、題材の幅を広げた新作『ヘタリア World☆stars』を連載中(既刊6巻)。
2018年頃から長期休載していたが、『World☆stars』編が2021年にアニメ化されることが決定したため、2021年4月から再開した。



◎設定
作品世界では「国」(国民性・風土等)が擬人化して存在しており、一般人にも認識可能である。
その寿命は「国」に依存しており、作中では「古代ローマ帝国」・「ゲルマン」が「故人」として扱われている。また「国」がおかしくなると自身の体調もおかしくなる。
南北でそれぞれ2人いるイタリアやプロイセンを始めとしたドイツの兄など「地域」として存在している国もいる。 
逆にいうと「国」が存在する限り死なないため、接触した一般人からは「不老の人間」・「国と同じ名前の不思議な人達」と思われている。
成長速度にもばらつきがあり、誕生して3,4世紀ほどしかたっていないアメリカが短期間で幼児から成人に成長し(といっても常人よりは遅い)、
プロイセンら「基盤」があったドイツが誕生時既に少年でWW1前にはもう大人な一方、被支配時期が長かったイタリア兄弟は育つのが遅かった。
また「公式な国」の他にも「シーランド公国」の様な「自称国家」、日本における「藩」や「都道府県」、中国における「省」も擬人化して存在している。
また作者公式ブログでは「傍にいるペットも彼らの時間軸に合わせて長命化する」・「常人がペット並みに傍にいると時間感覚が滅茶苦茶になって発狂するかも」ととんでもない設定が公開されている。




◎主な登場キャラ

枢軸国と連合国については、枢軸国(APH)連合国(APH)を参照のこと。なお第二次世界大戦参戦組は軍服姿がデフォルトのイラストになっている。


◎その他キャラクター

実際の国々をモデルにしているため、登場キャラクターは非常に多い。ここではアニヲタ諸兄にあまり知られていない女性キャラクターにスポットを当ててみよう。



  • ハンガリー(CV:根谷美智子)
女性キャラでは一番露出が多い姐さん。
騎馬民族。武器はフライパン。女性キャラとしては唯一軍服姿のイラストがある。
ふんわりした茶髪の巻き毛に、お花の髪飾りがトレードマーク。
かつてはオーストリアの元に住んでおり、いまだクリスマスに二人きりで出掛けるような関係らしい。
プロイセンとは幼なじみ。今ではよくフライパンで殴っている。
幼い頃は自分を男だと勘違いしており、お●ちんち●んは大人になれば生えるものだと思っていた。
ハンガリーがゲイビデオのメッカだということで、やや腐女子のケがある。

スイスを兄のように慕う少女。
彼のために夜なべしてパジャマを縫ったり、愛らしいイラストが好きだったりと、女の子らしい性格。アニメでは声優の演技も相俟って多くの視聴者を悶えさせた。
かつて大戦の影響で瀕死となっていた際、自分の身も省みずに助けてくれたスイスに心酔しており、彼の真似をして、長かった髪を切ってしまうほど。
髪を切り、弟に間違われたのでスイスに買ってもらったリボンをつけている。貧乳。

  • ウクライナ(CV:増田ゆき)
ロシアの姉。
貧乏で、よく弟へのガス代を踏み倒している。色々あって弟の元を離れてEU側に付こうとしたが、中々友達ができずに泣いた。
作中随一の爆乳の持ち主で、彼女の登場するコマには『バイーン』『ベイーン』等の謎の擬音が現れる。ちなみに幼少期からこの謎の擬音は存在していた。ポニーン
この擬音はアニメではティンパニーを打ち鳴らすような音で表現された。
その際、ボタンの弾けたシャツの隙間に下着の類が確認できず、『つけてない』疑惑が持ち上がった。抜け目ない。

  • ベラルーシ(CV:高乃麗)
ロシアとウクライナの妹。
公式で「美人」と評される容姿の持ち主で、色素の薄い長髪と肌、リボンやメイド風のドレス姿という可愛らしいものだが、中身は非常にエキセントリック。
兄であるロシアに兄妹以上の感情を抱いており、兄に逆らう者には容赦しない。
鬼気迫る様子で兄に『結婚』や『合体』*1を迫り、泣かせている。素手でドアノブをブチ破ったり、周りを口汚く罵ったりとやりたい放題。だがそこがいい。
幼馴染的な存在にリトアニアがおり、彼から(一方的な)好意を向けられているが、本人は兄一直線であるため眼中にない様子。

  • セーシェル(CV:高本めぐみ)
インド洋に浮かぶ小さな南の島。通称『最後の楽園』。
漫画ではあまり出番はないが、作者のサイトで配布していた同人ゲーム・及びそれがモチーフのゲーム『学園ヘタリア』の主人公として活躍した。
元々はフランスの植民地、その後イギリスの植民地となったため、イギリスにはツンデレ気味。言葉も両者が混じった物になっている。
小麦色の肌に、二つの大きな赤いリボン、そしてカジキマグロがトレードマーク。身体つきは意外にむちむちしているらしい。

オランダの妹。滋賀弁が可愛い。
キャラ紹介は割と早い段階から存在していたがあまり漫画に登場せず、コミックス三巻から本格的に登場。アニメで最初に映し出されたドレス姿の女性が彼女。

  • 台湾 (CV:甲斐田ゆき)
長らくキャラ紹介と設定画のみ存在だったが、最近は活躍も多くなって喜ばしい限りである。
黒髪で長いアホ毛が特徴。ピンクを基調とした服装に赤い髪飾りがトレードマーク。周りのアレコレで気苦労が多い。

  • ベトナム
設定画が存在していたが、のちに削除されたため一時期は幻のキャラだった。
長髪の黒髪を後ろでくくり、アオザイを身につけている。
シャイな性格だが、芯は強い。全体的に自由人な東南アジアの中ではツッコミ役になりがち。

例のマグロ問題の時期に登場。
髪をゆるいみつあみで結った眼鏡っ子。典型的な委員長タイプで他国がわーわーやっているのを見てやきもきしている。
その一方でユーモア溢れるお茶目さんな一面も。フランスの妹分的存在。

  • ワイ公国(CV:小松未可子)
ロリ担当。最近はアニメに登場している。ぺたんこだが露出は多い。
しかし眉毛。

  • 古代エジプト
2014年12月1日の「ヘタリア World☆Stars」21話にて登場。
現代エジプトの母である。

  • チェコ(CV:諸星すみれ)
「ヘタリア World☆Stars」85話で登場。後頭部でお団子にし、ハーフアップ。
お嬢様口調で、真面目で忍耐強い頑張り屋さん。
長い間スロバキア(男、CV:小林裕介)と一緒にいたため、独り立ちの時「離婚」扱いされた。




  • 作風について

歴史上の事実や国家の紛争等を萌え風に展開して風刺する形で展開している。
歴史の勉強は嫌いっていう人に世界史の興味を持たせられるきっかけになるかもしれない。

ただし、漫画にするためなので当たり前と言えばそうなのだが、かなり事実を脚色してあるのでこのまま覚えるのはNG。
実際に、イタリア軍は砂漠でパスタを作ったりはしていない。

『イタリア軍はかなりヘタレでバカだったのよ~。砂漠でパスタ食べてたんだから~。』

とか人前で得意気に言って赤っ恥をかかないように。歴史の勉強はちゃんとやろう。
イタリア軍の実際は該当項目にて。

また元が「WW2」題材の作品だったせいか、はたまた不謹慎ネタになりかねない所を避けているのか、
アフリカ諸国で擬人化されているのがエジプト・セーシェル・カメルーンだけだったり、イスラム教国家の擬人化率が低過ぎたり、トルコ以外の中東諸国・旧ユーゴ・南アメリカ諸国が対象外になっていたりする。ベトナム・タイを除いたASEAN諸国も登場が2021年(再始動後)と遅かった。



  • アニメ化について

『ヘタレ』なイタリアというタイトルにも表されるように他国家の侮辱に繋がるのではないか?という疑問の声もあった。
地上波ではなくアニメイトTV等動画配信サービスにて配信。
幻冬舎単行本版をベースとして一部ウェブ版・作者ブログ掲載分を併用し『ヘタリア Axis Powers』(1・2期)・『ヘタリア World Series』(3・4期)・『ヘタリア The Beautiful World』(5期)・『ヘタリア The World Twinkle』(6期)が創られ、集英社版の『World☆stars』編も2021年に制作された。
2010年には映画化もされた。
作品ファンは圧倒的に女性が多い。
(女性の中でも、あまり一般的とは言い難い嗜好のお姉様方だが)
従って二次創作は大体『そういう』のが多いが、男性向けも少なからず存在するので興味があったら探してみよう!
なお公式二次創作な「にょたりあ」についてはにょたりあも参考。


この作品だが、(現実による)海外においての評価は千差万別であり、好評だった国もあれば、
日本人によるイメージにそぐわない理由から、不評もしくは反感を持っている国もある。(作者はかなり研究したと言っているらしいが)まあステレオタイプ(偏見)が基になっているので致し方なし。
イタリア人「イタリア以外のキャラをみんな女の子にしてくれ」

特に、韓国人の多くは韓国(APヘタリア)の設定に対して批判的。
そんな話がある所為か、アニメ版で韓国(APヘタリア)は一切登場せず(実は1期2期のEDにちらっといる。探してみよう!)、
単行本版でも1巻で少し出たくらいでそれ以降何もネタにされていない。
しかし2021年、再始動後に出版されたキャラクターブックで描き下ろし立ち絵を引っ提げ久々に表舞台に登場。ただ趣味:起源主張などかつて問題になっちゃった部分は完全に封印された。



ドイツドイツ~








追記・修正 しといてくれよ~

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • web漫画
  • 漫画
  • アニメ
  • 映画
  • 日丸屋秀和
  • 擬人化
  • ヘタリア
  • エスニックジョーク
  • 作者は腐男子
  • 公式で女体化←女体化ではなく別人
  • まるかいて地球
  • はたふってパレード
  • キタユメ
  • 幻冬舎
  • 集英社
  • Axis powers
  • World☆stars
  • Axis_Powers World_Series
  • 09年冬アニメ
  • 09年夏アニメ
  • 10年春アニメ
  • 10年秋アニメ
  • 13年冬アニメ
  • 15年夏アニメ
  • 21年春アニメ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月04日 22:06

*1 『結婚』『合体』はヘタリア内の用語で国同士の合併・同盟を表している。