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巌徒海慈

登録日:2012/02/23(木) 08:42:04
更新日:2026/03/03 Tue 20:08:00
所要時間:約 6 分で読めます





や、や。最近どう? 泳いでる?


巌徒海慈(がんとかいじ)とは、ゲーム『逆転裁判』シリーズの1作目『逆転裁判』の、DS移植版『逆転裁判 蘇る逆転』以降の追加エピソード「蘇る逆転」に登場するキャラクターである。

CV:?(パチンコ版)


地方警察局長。つまりはこのへんの警察で一番偉い人。65歳。


《概要》


《外見》

オレンジのスーツに十字型の赤いタイ、黒手袋、そしてピンクのサングラスを着用。
瞳は緑色で、肌は褐色。身長も185センチとかなり高く、胸板も分厚く筋肉質な肉体をしており、
総じて本当に日本人なのか老人なのか疑わしくなる見た目をしている。
髪色こそ年相応に白髪だが、モミアゲと繋がるたっぷりの顎ヒゲと、稲妻のような形の前髪が特徴的。
手癖なのか弾力のある前髪をよく弄って伸ばしており、他にもその大きな掌で何かと拍手する癖がある。

作中でも、局長室にある鎧の中に巌徒が隠れているかもしれないと糸鋸が推測した際に、
成歩堂から「あのガタイじゃ隠れるのは無理だし、仮に隠れたとしても一人じゃ出てこれない」と冷静に返されるほどの巨躯であり、その迫力は折り紙付き。
裁判中も成歩堂には「暑苦しいオーラが法廷中に乱反射してる」だの「現れてから法廷の温度が3度あがった」だの、内心で好き勝手言われている。


《中身》

一人称は「ボク」
上述したような外見の持ち主かつ、警察局長と言う滅茶苦茶位の高い職に就いていながらも、その口調は何かとフレンドリーでカジュアル。
最初に決まってする挨拶は何故か「泳いでる?」というもので、「ナルホドちゃん」や「御剣ちゃん」など、人をフランクにちゃん付けで呼ぶ。
裁判長のことは「チョーさん」と呼んでいたが、これが本名から来ているのか、役職から来ているのかは不明。

そうした一方で、強烈なカリスマ性と、対する相手を圧倒してしまうような威圧感も併せ持つ人物。
彼が言葉を発する前に生じる独特な “間” は初見プレイヤーに一瞬DSのフリーズかと思わせるほどで、
ニコニコとした笑顔のまま、時には凶悪な笑みを浮かべながら、核心を突くような発言を次々と放ってくる。

焼け付くような冷気、凍えるような熱気の持ち主。先述の鎧の件で成歩堂たちからツッコミを受けたときも、
糸鋸は「アンタらは局長の"意味不明の怖さ"を知らない」と呆れ気味に返していた。

テーマ曲のタイトルは口癖からそのまま取った「みんな、泳いでる?」。
だがその軽いノリの曲名に反し、曲調はパイプオルガンの旋律を主とした重厚なものになっている。
ちなみに本人の趣味もパイプオルガンらしく、局長室に豪華なものを設えている。


《来歴》

元々は主席捜査官であり、「犯罪のコンピュータ」と呼ばれるほどの凄腕だった。
『逆転裁判』から遡る事2年前、とある連続殺人事件を解決した事をきっかけに、主席捜査官から警察局長に出世。
この時の部下に宝月巴がおり、またこの事件を担当した検事に御剣怜侍がいる。
ちなみに『逆転裁判1』の狩魔豪、および『逆転検事2』の一柳万才は同世代。





「や、や。Wiki篭りちゃん。最近どう?追記・修正してる?」









や、や。ここから、なんていうかその、ネタバレ、ってのがあるみたいね。















第5話『蘇る逆転』の犯人。つまりは『逆転裁判』におけるラスボスにしてエキストラボス


警察署内の証拠保管室で、部下である多田敷道夫巡査を殺害し、その死体をに処分させた。
実は上述した出世のきっかけとなった事件――通称《SL9号事件(青影事件)》の解決の背景には証拠の捏造があり、
その不自然さに疑問を持ち続けていた多田敷が、事件の"申し送り"の直前に再捜査を巌徒に嘆願。
純粋な正義感からの行動ではあったのだが、真相に辿り着かれることを危惧した巌徒によって突発的に殺害されてしまった。
「捜査するのは得意だけど、誰でもやる方は初心者だから、色々焦っちゃった」とは自白後の本人の談。

そしてその捏造の内容とは、事件の被害者・罪門直斗検事の命を奪ってしまった人物が、
事件の容疑者・青影丈ではなく、その場に居合わせてしまった宝月茜であったことを隠蔽すること。
妹を殺人者にするわけにはいかないと考えた宝月巴に協力する形で、証拠の隠滅や操作を行った。

これには大きく二つの狙いがあり、
一つはこれまでの事件における最有力容疑者だった青影を確実に有罪にすることと、もう一つは巴に大きな貸し(弱み)を作ること。

事件解決後、警察局長となった巌徒は、妹を守るために自身の操り人形と化した巴を主席検事に任命。
これによって検事局と警察局の両方を支配し、捜査における全権を握ろうとしていた。
(この時、独自に事件を追い直そうとしていた罪門恭介を巡査に降格させ、市ノ谷響華を解雇している。)
また、当時この捏造証拠を使って裁判で戦ったことで、御剣はより黒い疑惑に包まれる事になってしまった。


以上が隠されていた事件の全貌かと思われたが‥‥?





この先に青影事件の真相だと‥‥そんな更なるネタバレでボクを追い詰めたつもり?















罪門直斗殺害事件の真犯人。
茜に突き飛ばされて気を失っていた彼を移動させ、部屋の鎧の剣に突き刺すことで殺害した。

つまり、自分が殺した死体を茜が殺したように偽装しそれを巴に目撃させ青影の犯行に偽装した
…というのが本当の事件の流れ。
己の野心の為だけに無実の人間の命までもを奪い、それを利用して長きに渡り他者を支配してきた外道である。

さらに、将来自分が窮地に立たされた時の為に、現場の捏造の中で秘密裏に二つの "保険" を確保しており、
裁判ではその "保険" を武器に揺さぶりをかけたり、警察局長の権限である《証言の拒否権》を駆使するなどして抵抗するが、
成歩堂と御剣の法廷戦術によって、最後にはその "保険" こそが《真犯人》の証拠だと暴かれるという皮肉な結末を迎えた。



‥‥‥ねえ、御剣ちゃんさ。

キミは、なんのために 法廷に立っているんだい?

キミは、ニクんでいるはずだ。

犯罪者を‥‥どうしようもなく。

ボクにはわかる。キミは‥‥‥

ボクと同じニオイがするからね。

いずれ、キミにもわかるよ。

‥‥かならず。

たったヒトリで ヤツらと戦うためには‥‥

”何が必要なのか” をね‥‥


犯行を暴かれた後は、御剣に対しアイデンティティを揺さぶるような問いかけを行うも、
同時に成歩堂と御剣の二人に法の未来を託すような潔い言葉(後述)を発し、法廷を去っていった。

しかしそれから程なくして、御剣が選んだ選択は‥‥



《余談》


審理終盤の尋問中、一撃必殺のデストラップを放ってくることが語り草となっている。
『逆転裁判』シリーズにおける暗黙のルールに慣れ切ったプレイヤーに対してこそ効く厭らしい罠になっており、
いつものノリで誤った選択肢を選ぶと本当にバッドエンドとなる。
どうにかデストラップを回避すると成歩堂が「ここまでは予想通り‥‥!」とかプレイヤーに相談もせず勝手に言い出す*1。何を企んでいる。


ダメージモーションは雷に打たれたかのようなエフェクトで叫ぶというもの。
最終局面に入るまで常に余裕な態度を崩さなかった*2彼が行うこともあってインパクトは絶大である。
決着時に見られるブレイクモーションは、タガが外れたように大きく拍手しながら高笑いし続けるという、これまた印象的な態度。
ブレイクモーションよりもダメージモーションの方が「やっつけた感」があるという、歴代犯人の中でも珍しいパターンである。


キャラのモチーフはギリシャ神話のゼウス。「狩魔豪のモチーフが吸血鬼なので更に強そうな存在を選んだ」というのがデザイナーの談。
稲妻のような前髪と顎ヒゲや、ダメージモーションの落雷など、そのままのチョイスなので結構分かりやすい部類か。


じゃあ‥‥これで。サヨナラだね。ショクン。

あ。チョーさん、さ。

来週の、あのヤクソク。なんか。ダメになっちゃったね。

いやはや。ゴメンね!


逆裁シリーズ歴代のラスボスとしては評価は高め。
清々しいまでの悪役ぶりを見せつつも、巴や裁判長は「かつては優秀な捜査官だった」と評しており、
巌徒自身も「犯罪者をどうしようもなく憎んでいる」と語っているため、
元は強い正義感を持っていたが、それが原因で歪んでいった可能性が示唆されている。

実際、外道ではあるが後の権力者たちのように卑劣な手段で成歩堂らを直接脅すようなことはせず*3
追い詰められて狼狽える姿を見せることはあっても、惨めったらしい言い訳や現実逃避をすることもなかった。
そして飄々とした態度は崩さないまま、最後まで自分のポリシーを貫きつつ潔く敗北を認めて退場したことで、
プレイヤー目線で格を落とさなかったことも評価の一因になっている。

犯人としては権力の高さだけでなく、自分を守る手段やこちらへのトラップを用意する頭脳も持ち合わせる強敵。
多田敷殺害事件の方はともかく、SL9号事件の方は現場を目撃してから巴が辿り着くまでのわずかな時間だけで、数々の暗躍を実行に移して概ね計画通りに事を進めている。
シリーズの他ラスボスの例に漏れず、本来は敵同士である弁護士と検事による共闘という異例の事態だったからこそ勝利できた相手だと言っていいだろう。


《さらなる余談》

ただ、そもそもSL9号事件は上述した通り「真犯人が茜である」という偽装工作をしたうえで、更に犯人を青影に仕立て上げたものなので、
もし再捜査されていたところで「茜による事故死だった」という結論止まりになる可能性は高く、真犯人である巌徒に辿り着くのは難しかったと思われる。*4
それでもなお彼が口封じに手を染めてしまったのは、多田敷‥‥ひいては過去にSL9号事件に関わった罪門らメンバーが再集結すれば、
その偽装工作すらも見破られると彼らを評価していたからなのかもしれない。*5

なお、青影については結局逮捕の決め手となった罪門直斗殺害に関して無実だったことから、
「それ以前の事件についても本当は無実であり、捏造の犠牲者だったのではないか?」と囁かれることがあるが、
作中で巌徒に限らず宝月巴、罪門恭介、市ノ谷響華といった優秀な捜査官たちが揃って青影が有罪だと確信していることからその可能性は低く*6
いずれにせよ逮捕まではされていた可能性が高い(そもそも本当にシロなら茜を人質にとる理由が薄い)*7


ちなみに、現実の日本の警察には「警察局長」という階級は存在しない。
また、罪門や響華が整理されたときに多田敷まで整理しなかった理由は、
罪門によれば「多田敷まで整理すると総監クラスの耳に入るからできなかった」とのことで、警察局長がどの程度の地位なのかイマイチややこしくなっている*8
まあ、逆裁世界では検事が刑事の給与に口を挟むことができたりと実際とは異なる点が多々あるため、現実の警察組織と混合すること自体野暮なのだろうが…



ムカシのコトだよ。 ありがとね。チョーさん。

なあに、大丈夫だって!

ナルホドちゃんに‥‥

‥‥御剣ちゃん。

この、ふたりがいれば。 きっと‥‥さ。

‥‥だって、今。ボクにはね。

”始まり”のメロディが聞こえているんだからさァ!




や、や。もう追記・修正は済んだでしょ?

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最終更新:2026年03月03日 20:08

*1 というか、成歩堂も直前まで証拠品の正体について動揺しており、『蘇る』は全体的にツッコミどころが多い

*2 追及BGMが流れ始める頃にようやく動揺する程度。

*3 本編で脅していたのはあくまで巴のみ。また、《証言の拒否権》は「拒否する代わりに一切の証言ができなくなる」というリスクもあり、決して万能な一手ではない。

*4 最終的に青影の有罪を立証したのは御剣なので、いざとなれば証拠品の捏造も巴と御剣に擦りつけることもできた。強いて言えば急所になり得るのは証拠品リストとツボの欠片の隠蔽だが、それがバレたとしても自分が殺人犯であることまで見破られる可能性は低い。

*5 実際に、罪門については「できそこない」と称しつつ「やっぱりアイツはカタづけておくべきだったかな」と一定の評価とも取れる発言をしている。

*6 響華自身も「犯人は当然のムクイを受けた」と有罪判決そのものについては疑問視していなかった。

*7 ただし、それまでの殺人に関して決定的な証拠が一切出なかったことは事実であるため、糸鋸の語った警察の推測が正しいかには疑問が残る

*8 多田敷の正式な階級は「巡査部長」であり、序列としては下から3番目