自作パソコン

登録日:2018/12/30 Sun 21:20:57
更新日:2025/04/23 Wed 20:31:30
所要時間:約 34 分で読めます




自作(じさく)パソコンとは、個人がパーツを買い集めて組み立てたパソコン(PC、パーソナルコンピューター)である。

各パーツを一から作ったPCも自作パソコンと言えるが、現代のPCパーツはあまりにも製造技術が高度化しているため、そんな事を行う(行える)者はいないと断言できる。1から作ったところで数世代前の安いパーツより低性能が関の山だろう。*1*2
電子回路でも手動で対応可能な部分を修理・拡張・バグ修正する人も中には存在するが、基本的には部品ごと交換のパターンが多い。




概要

1970年代のパソコンの勃興期では、基本的にPC(当時はマイクロコンピューター、通称マイコンと呼ばれる事が多かった)は自作するものであり、秋葉原で部品をかき集めたり、メーカーから発売されているキットをハンダ付けして組み立てる、電子工作スキル必須の代物であった。
さすがに21世紀の現在はパーツのほとんどが完成品として売られており、各パーツの規格も厳格に整備されているため、部品のねじ止めやパーツ・配線コネクタ等の抜き挿しのみで組み立て作業は完了する。
それでも、ユーザーが自分で必要な部品を買い集め、それを組み合わせて1つのPCを仕上げることに変わりはない。

  • メリット
    1. 自分でパーツを選べる。
      • 金に糸目をつけなければメーカーPCのラインナップにも無い超高性能マシンを手に入れられるし、メーカー製PCにありがちな余分な部品・ソフトを省いて、価格性能比(コストパフォーマンス)を良くする事もできる。
    2. 規格の対応範囲内であれば一部分だけ取り替えることができる。
      • より性能の高いパーツが発売されたら入れ替えて性能を上げられるし、一部のパーツだけが壊れたとしてもそこだけ取り替えることで末永く使うこともできる。
    3. PCそのものの全体像を把握し易い。
      • つまり、一度自分で組むことでPCのハードウェアの知識がつく。
      • 親戚や友人にPCの性能や相場をアドバイスする自作PCユーザーも多い。知人は騙されて産廃を買わされたり不要な高性能で高くついたりせずに適切なPCを買うことができ、自身は知識をひけらかせるのでwin-winである。
    4. 余計なソフトが入っていないピュアOSから環境を構築できるので、ソフト同士の相性に悩みにくい。

  • デメリット
    1. 細心の注意を払って組み立てないとパーツを壊してしまう。
    2. 組み立ての手間がかかる。
    3. 動作・相性の保証がない。
      • トラブルが起きた場合、自力で原因を特定し対処する必要がある。
    4. そもそもパーツ選びが難解である。
    5. ある程度、パーツに関する定期的な情報取集が要る。

特に「パーツ選びが難解」というのは、PC自体の組み立てと相まって初心者ならまず躓く点。
ここで挫折してしまう事もあるので、自作PCを初めて組んでみたいという人は必ず電機屋またはパーツショップの店員に相談しよう。
というより、PCのパーツは全てパーツショップや電機屋の店員に選んでもらうのがオススメ。


かつては「価格の安さ」が最大のメリットだったが、令和の現代では既製品PCの低価格化が進んでおり、全く同じ仕様のPCを作った場合は大抵自作PCのほうが高くつく。
自作向けパーツを使う「BTOパソコン」*3と大差ないことも。
特に安めのPCだと、WindowsのOSライセンスを安く仕入れられる既製品に絶対に値段で勝てない、といった構図になる構成も。
仮にパーツを安く買えても、自作PCには既製品やBTOのような保証や故障時のメーカーサポートもないため、トラブルが発生して結果として高くつく場合すらある。*4
これらの点から、総合的なコストだけを見れば、自作のメリットとは言い辛い。

……が、それはあくまで新しいPCをゼロから組み立てた場合であり、手元に古めのデスクトップPC*5があるとか、何かの理由で部品が余っている等の場合には事情が違ってくる。
「必要なパーツだけ」買って作れば、新しく一台買ってくるよりも圧倒的に安く作れてしまうこともある。

また既に述べた通り、既製品に自分の求める仕様のPCが存在しない場合にも自作を選ぶ余地はあり、必要の無い部分を削って安くする、
あるいは後々の上位パーツ換装を予期し最初は必要最低限のパーツしか付けない・変えないなどすれば、コストパフォーマンスを高めることもできる。
このように色々な意味で「融通を利かせられる」のが、自作パソコンの最大の利点と言えるかもしれない。

そうでなくても、パーツにこだわり自分オリジナルのPCを作りたいという熱意がある人は挑戦してみてもいいだろう。
BTOはカスタムしようとするとパーツ代金以上に高額になってしまうことも多いし、そもそも「何でも選べる」という程には種類を揃えていなかったりもする。
こと安価に済ませようとすると、特にマザーボードや電源などの性能に見えづらい点で具体的なメーカーや型番、スペックの詳細を明かしていない怪しいパーツ*6になる場合も珍しくなかったり。


手順

  1. まずはPCでやりたいことを考えてリストにまとめる。どちらかというと「〇〇したいからPCが必要」とするのが楽。
  2. 「やりたいこと」に合わせて必要な性能を決めていく。
  3. 必要な性能を満たすパーツを買い集める。パーツはPCショップやAmazonなどで購入できるが、初心者はリアル店舗に行って店員と相談しながらパーツを選ぶのが吉。パソコンマニアの知り合いがいるなら、その人に相談するのも良いだろう。
  4. パーツが揃ったら組み立て開始。雨が降っている日が望ましい(理由は後述)。
  5. 組み立てが完了したら動作テストを行う。それで問題がなければOSをインストール。
  6. OSのインストールが完了したら一旦お疲れ様でした。
  7. そして地獄の環境再構築が始まります。




必要なパーツと、それらの選び方




作業上の注意

パーツの接続は基本的にコネクタやスロットにパーツやケーブルを挿し込んだり、ネジで固定したりするだけの単純な作業だが、いくつか注意すべき点がある。

【静電気】

パーツは基本的に静電気に非常に弱いので、静電気対策だけはバッチリ行う必要がある。
  • 出来れば雨の日や湿度の高い梅雨の時季に行うのが望ましい。冬場は特に警戒すること。
  • 作業の直前に水道で手を洗うと、体の静電気を除去できるついでに回路類の劣化を早める垢や皮脂なども取れる。洗った後はちゃんと手を拭こう。
  • 各パーツを触る直前に金属製のドアノブなどに触って静電気を逃してやる。ケースの外したサイドパネルも有効。
  • 服装もナイロンやポリエステル製の服ではなく、静電気が帯電しづらい綿製の服がいい。
  • 静電気を防止する手袋もあるので、手の怪我や手垢の付着を防ぐ意味でも持っていて損はない。
  • 理想を言えばアースバンド(手首にアース線を接続するリストバンド)が欲しい所だが、ケーブルを引っ掛けたりするおそれがあるため、それはそれで十分注意が必要。
一部界隈では「PCは裸で組むもの」なんて人も稀に見かけるが、そこまでする必要はない。というか危ないので服は着ろ。静電気はまずいんだって、服は脱いじゃった方がいいらしいんだ
                            ↑どっちなんだ。ハッキリしてくれ。

【汗】

ポタポタと垂れるほど汗をかきながら作業する人もいないだろうが、特に汗かきの人は注意。
冷房を利かせるか、涼しい日の作業を推奨。
万が一パーツに汗が垂れても、起動していなければ十分間に合うので、落ち着いて拭き取って乾かそう。


【怪我】

ケースは基本的にギリギリのサイズな上、内側にはバリも出てたりするので何かしらの角に手を引っ掛けて切りやすい。
ケースにお金をかけると、作業性も内側の仕上げも良くなるが、ケースの宿命として、どこかしら出っ張っていたり、狭い空間での作業は避けられない。

また、
  • CPUクーラー固定用のプッシュピンや、メモリがうまく入らずやたら硬かったりすると、手が滑ったときに突き指してしまったり
  • PCが組み終わった後も狭い場所で配線する際に頭をぶつけたり
  • PC自体も結構な重量になるので筋肉痛になったり
  • デスクの下で変な体勢をしてたら足を攣ったり
……と、作業が終わったときにはどこかしら痛んでいることが殆ど。運動不足?へ、変な体勢でいただけだから
筋肉痛くらいならまだいいが、うっかり気づかず出血してたりすると、清掃が不可能な場所に血が垂れて、最悪の場合はパーツどころかPC全体がダメになる可能性もあるので、上述の手袋くらいは欲しいところ。
また、PCパーツは鋭利なものも多いため、うっかり指などに刺さって大怪我に繋がる可能性もある。


【差しが甘い】

特にメモリを差すときなんかに起こりやすい事故なのだが、初心者は「強く差すと壊れそう」と思って差しが甘くなりがち。
実際はむしろ差しが甘いほうが壊れるリスクが高い、というか最悪起動すらしないので、怖がらずにしっかり差すべし。
ロックが「カチッ」と音を立てるまで差すのが基本である。


中古パーツの是非

ここまで自作のパーツを探していた貴方は、ふと気づくかも知れない。
「お店の片隅やネット通販の隅の方に『中古パーツ』のコーナーがあるけど、すごい安そうで良くない?」
結論を言うと、自作パソコン初心者にはおススメできない。

  • グラフィックボード
特に当たり外れの激しいパーツがこれ。
昨今マイニングにより酷使された筐体が多く出回っており、買取側のマイニングの使用歴に関しては確認しづらかったりする為、故障寸前の個体を引き当ててしまう可能性が高い。

  • メモリ
高速なモデルだと、メーカーをばらけさせて購入してしまうと起動しない可能性がある。

  • 電源ユニット
中古で消耗したものを利用すると、起動しないどころかショートを起こし最悪火災に繋がる。

……等、「安価である」事を引き換えに相当なリスクを背負い込む可能性がある事を覚えておこう。
仮に購入するならきちんとしたショップで。メルカリ等のフリマサイトは間違ってもおススメしません。そしてそういうとこから買うようになったら、ようこそジャンカーの道へ


自作ならではの要素・楽しみ方

【見た目にこだわる】

「どうせならカッコイイほうがいい」はPCにも当てはまる。
ケースの外観だけでなく、簡単な所では内部の基板やパーツの色を統一したり、電飾(LED)で各パーツを光らせたり等々…何から何まで好きにできるのは自作の最大の利点である。
電飾については自前で発光制御基板から設計するツワモノが昔からいたが、近年ではASUSの「AuraSync」等の様な規格が発表され、対応パーツを買い集めるだけで各パーツの発光パターンを簡単に制御できる様になるなど、次第にやり易くなっている。

最近では光るパーツが増えすぎて、逆に光らない無骨なPCを作る方が大変だったりする。
性能が良いのを求めると猶更で、具体的に言うとRyzen 7以上のXなしモデルに付属するCPUファンがゲーミング仕様…。

そして、ケースの中にフィギュアを入れるなんてのも…


【ベンチマークテスト】

パーツやPCの性能を測定するプログラムを走らせ、そのスコアを競う。
メジャーなものでは、「Cinebench」というレンダリングの速度によってスコアを出すソフト等がある。
後述のオーバークロックや各種設定の微妙な調整などのトライアル&エラーを繰り返し、ハイスコアを目指す…
手段と目的が逆転している?競技(スポーツ)ではよくあることです。
もちろん「世界最高スコアを叩き出したパーツ」というステータスはメーカーとしても無視できないため、パーツメーカーやチップメーカーがベンチマーク結果を公表して宣伝材料にしたりもする。

とはいえ、メーカー側のベンチマーク対策も色々闇深かったりするが。スコアを伸ばすため実際に使用するソフトよりもベンチマークソフトのほうに合わせた最適化を施されている…なんてのはむしろ良い方で、ベンチマークテストの最中だけ動作クロックを引き上げたり、テストの判定を狂わせてスコアを水増しするような細工をしたりといった不正例が実際にある。

なお、ベンチマークソフトは「意図的に高負荷をかけるソフト」なので、やり過ぎるとパーツ全体の寿命を削る点に注意。


【オーバークロック】

パーツを通常の動作クロックを超えた速度で無理やり動かす事を「オーバークロック」という。
可能なパーツは主にCPU、メモリ、GPUの3つ。
もちろん保証されている動作ではないのでパーツを壊す可能性が高く、ユーザーが行う場合は自己責任となる諸刃の剣。



Raspberry Pi

超小型デスクトップPC。
ケースの項でも軽く触れた様にPCの自作よりは電気工作の領域に踏み込んでおり、使われているCPU等もどちらかと言えばスマホの物に近い。
クレジットカードや免許証と同じサイズのマザーボードとケースに、ストレージ代わりのSDカード、マウス、キーボード、ディスプレイを繋げて制作でき、実際のデスクトップPCと同様に利用できる。
性能はもちろんデスクトップPCに劣るが、その安さと、小型故に様々な機械の中枢部品として活用できるのが強み。
詳しくは項目参照。
甘くておいしいお菓子……ではない。間違っても。


自作パソコンが登場する作品

主人公組3人が組み立てたジャンクパーツ製自作パソコン「ジャンク」が登場。
見た目こそ洗練されていないがネットワーク通信、プログラミング、CG作成、水質調査など色んな事ができる。
グリッドマンはこの自作PCがダウンしてしまうと活動できなくなる。
アニメ「SSSS.GRIDMAN」にもこの「ジャンク」が登場、主人公・響裕太とグリッドマンをつなぐ重要な要素を担っている。


TRIP6「メモリがいっぱい」は自作パソコンがテーマ。主人公のタモツがPCの自作に挑戦するシーンがある。


98巻収録の「インターネット駄菓子屋の巻」と109巻収録の「シルバーインターネットの巻」に自作パソコンが登場。
98巻では両さんがケースを木で作ったオリジナルPC「山田28号」を制作。
109巻ではあちこちのパーツショップから格安のパーツを仕入れ、お年寄り相手に格安PCを販売して一儲けして、後で「ちゃんと自分でクレジットカード使ってネット料金払うように」と説明した上で暫定的に自分のカードを貸したら、そのカードでネット使うどころかインターネットギャンブルの詐欺集団に大量に振り込まれてカードの使用停止になるという災難に遭っている。会員規約違反とか言わない。

余談だが、109巻で両津が自分用に組んだものは、HDD 4GB、メモリー512MBという、連載当時の1998年の時点ではメーカー品にも無い様な超高性能機であった。
しかし2010年代以降の現代基準で見ると恐ろしく低スペック。当時としてはHDD 2GB、メモリー64MB程度が主流だったが、2024年末時点のスタンダードモデルは、HDDではなくSSDで容量1TB、メモリー16GB。文字通り桁が違う。だけど両さんのはマザーボードにメモリーが16枚も刺さる異様なものだった
20年以上も昔の話なので当然だが、PCの進化のスピードを実感させられるエピソードである。
そのパーツをどこで手に入れたかというと、元々持っていたパーツと最新のパーツを勝手に交換したものである。メモリーも32MBずつ拝借していった。
ちなみに老人用に組んだものは、当時でもきついメモリーたったの8MB。中川いわく起動に10分、ネットを見るのに半日かかるらしい。というのも、そのPCは父親の銀次のために3万円の予算で組んだもの。一応、今でも3万円予算の自作PCというのは偶に見られる。
パーツの中にどう見てもブラウン管のモニター、フロッピードライブ、モデムボード(電話線と繋いでネットを使うもの)、CD-ROM(決してDVDでもBDでもない)があるのも時代を感じさせる。

ちなみに「メモリ」という表記は作中で見られた表現である。「いいねェ!!「思い出(メモリー)泥棒」って響き!!アイドル歌手の歌みたいで!」


乃莉のPCは叔父が組み立てたもの。
スペックは不明だが、とりあえずフリーソフトを落としまくっても難なく使える程度。
美術科在籍の彼女がお絵かきソフトを使用してしている事から結構いいものを使っていると思われる。
なお連載開始が2004年で高校生が主役かつサザエさん時空不採用のため、上記のこち亀ほどでないにせよ「自作パソコン(とガラケー)で調べものができる」という点はかなり特異なものとして扱われている。


玩具コンサルタントの南信平が、子供用の玩具として売り出すつもりで製作した「ちびっ子コンピューター」なる自作ホビーパソコン*9が登場。
子供の半身程もある大きなケースに、小さなディスプレイと簡素なボタンやツマミなどがついている他、玩具故かアニメ調にデフォルメされた虎の顔がでかでかと描かれている。
ボタンを押すとディスプレイに映像が映り、音声ガイドがスタートする仕組みとなっている。
ホビーパソコンの隆盛時期(1980年代~1990年代中盤)を考えると、1969年(アポロ11号が月面着陸を果たした頃)にこれだけ高機能なホビーパソコンを製作した南の技術力は中々のものである。


秋葉原でジャンク屋を営む天才的エンジニア、工藤元による自作パソコンが登場。
本体だけでなく内部OSも独自開発しており、工藤曰く「世界にたった一つしかない工藤ちゃんオリジナル」。
メガギラスの高周波でプログラムを破壊されたブラックホール砲「ディメンション・タイド」の復旧に活躍した。

ちなみに、OSに搭載されているチェックプログラムのアイコンにナース姿の美少女キャラクターを使用していたが、終盤に本作の主人公である辻森桐子を模した「キリコ」ちゃんに変更されている(ちゃんとG-グラスパーの制服を着ている)。


PCの改造が重要な要素としてある作品だが、明確に自作パソコンと呼べるものは少なかったりする。
アニメ版においては、1話で主人公lainの父、岩倉康雄のものが初登場となる。
大型のブラウン管モニタ6台を並べた様子は圧倒的。
複数のPC本体がそこに繋げられており、冷却にはペルチェ・クーラーを用いている。
康雄がそれを操作してワイヤード上のコミュニケーションを取ることにのめり込み、アルカイックな笑みを浮かべながら「ケヒャ!」と声を上げるシーンは有名。
以降、登場することはない。

次に登場するのはlainのもの。元は最新型の既成品だったが3話にて偶然入手したプシューケーを取り付けるため解体。スリップ1枚で口に精密ドライバーを咥えながら解体する様は官能的。
それを見て驚く姉美香に対し、「静電気はまずいんだって」というシーンはシリーズ構成の小中千昭氏も認める名シーン。氏もメモリを増設する際、下着姿で臨んだが失敗したとのこと。
以降は急速に増設され、漏れた冷却液で床を水浸しにし、部屋を埋め尽くす程巨大なスパコンと化す。
ゲーム版においては、「おとうさん」制作の際に登場。アニメ版と比べるとかなり控えめで、規模としては本体とモニタが数台ある程度。冷却も空冷で済まされている。
「おとうさん」殺害の際、共にパイプで破壊される。


隠れPCオタクの「ネット番長」藤本貴一が自作PCに挑戦する回がある。
この回の説明は少年読者を置いてけぼりにするレベルでマニアックだが、オチは割といつも通り。
また、クロ高の生徒の一人は自作PCを特技としており、オフ会で藤本とも絡んでいる。


キリトこと桐ケ谷和人の自室にあるデスクトップPCは、和人が幼少時に母親の部屋に置いてあったジャンクパーツを使って組み上げた物。
な、なんという凄まじい少年なのだろうか…。


双葉がパレスの攻略において自作のノートPCを使用。
パレスでは電子機器が機能しないはずなのだが、それでも使用できているのは彼女のペルソナのお陰なのか、はたまた彼女自身の技術の賜物か…


PCが壊れ、ファフニールがハイエンドのジャンク品の自作パソコンを作るために、滝谷と一緒にパーツを買う事になるのだが、
  • 最新モデルとほぼ同性能の1世代前のGPU
    • ファフニール曰く、大してスペック差が無いのに、新しいものがすぐに出て型落ちしたものの怨嗟が聞こえる。
  • デュアルチャネルに対抗する為にスロットを増やしまくって大きくなりすぎてしまったメモリスロット
  • 透明なケースに合わせて何故か透明にしてしまったパーツの数々
……等、呪いのパーツを組み合わせた最凶のPCが完成し、呪われているが故の怪奇現象を度々引き起こすのだった……


  • ミームいろいろ夢の旅
1983~1985年放送の科学教養テレビアニメ。2年目からの新レギュラーキャラで7人の小学生「科学探偵団」による自作パソコン「レインボー」が登場。
キーボードとモニターを中心にゴテゴテと取り付けられた電話やカメラ、ファックスなど、外見はジャンク品そのもの。
作中の制作過程では電子部品を廃家電の基板から引っぺがす、はんだ付けを行うなどの描写がされた。

本作の解説キャラ「ミーム」の呼び出し、プログラミング、様々な情報の検索・分析のほか、ロボットの遠隔操作も可能。
当時の一般家庭においてインターネットは使われておらず、ネットワーク関連ではテレビ電話、簡単なネットゲーム、今は亡きキャプテンシステムやパソコン通信の利用が主だった。これらを難なくこなせるあたり性能はかなりのものと推測できる。
子供向けアニメにもかかわらずネットワーク関連の描写が細かいのは、電電公社およびNTTの1社提供番組として宣伝を兼ねていたため。
ちなみに先代レギュラーの大谷大介・さやか兄妹は既製品のパソコンを使っていた。


  • ウマ娘プリティーダービー
ゲーム版でエアシャカールがノートPCを自作している。
先述にあったOSまで自作しているほどのガチ勢ではあり、とんでもない性能を誇るのだが、どちらかというとゴッテゴテに貼られた大量のステッカーのほうが目を引く。まあ、彼女のセンスはかなり独特なので…。詳しくは該当項目で。
なお、レース予測だけではなくDTMの趣味にも活用している模様。


自作パソコンそのものを題材にしたシミュレーションゲーム。様々なメーカーの部品が使える。


余談

パーツを買う時期について

本来は家電やスマホ等でも使われるのだが、特に自作PC界隈でよく使われる「今は時期が悪い」という言い回しがある。
掲示板やSNS等で買い換えるにあたってアドバイスを求めると、誰か一人はこの返しをしてくる。
  • 少し時間が経てば性能が向上した新製品が出るから、今は時期が悪い。
  • 新製品が出たけど今はまだ相場上の値段が高い。値段が落ち着くまで待て。だから今は時期が(ry
  • そのうち旧製品も値下がりするからそれまで待て。つまり今は時k(ry

ぶっちゃけじゃあいつ買えばいいんだよ!」までがセットであり、半分ネタみたいなもの
やりたいことが決まっているとか、新発売のゲームのために新調したいという場合であれば、その時が買い時と言える。
ただし、下記の様に本当に時期が悪い時期があったりもして、特に2022年は1年を通して時期が悪いという地獄の沙汰だった。

  • 2011年秋~2012年冬
    • 多数のPCパーツ工場があるタイが洪水によって被災し、特にHDDやメモリが大きく値上がりした。
  • 2017年春~2018年春
    • 暗号資産が流行し、その採掘作業(マイニング)にGPUが適していたがために、グラフィックボードの需要が高まり値上がりした。
  • 2020年末~2022年9月
    • 暗号資産の一種、ビットコインの相場が最高値を更新。同時期発売のGeForce RTX 30シリーズがマイニング作業に非常に高い効率を発揮した事も相まって、暗号資産の流行が再燃し、各種グラフィックボードの品薄&値段の高騰が加速。*10
  • 2021年3~4月頃
    • 更には新たなマイニング方法としてHDDマイニングなるものが台頭し始め、大容量のHDDが市場から姿を消した。
    • しかしHDDマイニングの相場が大して上がらなかったこともあり、数ヶ月で終息した。
    • 他の各種PCパーツも、コロナ禍で輸送コストの上昇に伴って値上がりし、過去イチで最悪の時期とまで評価する人もいるレベルである。
  • 2022年以降
    • 記録的な円安に見舞われ、PCパーツが軒 並 み値上がり。PCパーツはほぼ全て海外からの輸入品だからだ。

このように、「時期が悪い」の原因は色々ある上、ある程度PCの知識(一部は経済の知識も)に精通していないと分からないもの。
というか、それが読める人はもうその道の第一人者(プロ)である。
なので、初心者であればそんなもん気にせずに勢いつけて買ってしまうのが吉である。どうせ損するんだし


PCの置き場所について

あまり気にされないが意外と大事なことが、組み上げたPCを設置する場所である。
PCは基本的に床に直置きはNG。直置きはホコリが非常に溜まりやすいからというのが理由。
面倒だから、他に場所が無いから、と床に置いたまま使っていると見る見るうちにホコリが溜まる。
数cmでもいいので少しでも床から離しておけばそれだけでホコリが溜まりにくくなり、掃除の手間が減る。
床にしか置けないという場合でも専用のキャスターやラックなども売られているし、最悪スノコでも全然構わないので床から浮かせて設置することを心がけよう。


ノートPCの自作?

現在、自作PCはほとんどデスクトップPCのためのもので、小型のものでもかろうじてミニPCと言えるレベルのMini-ITXケースやMini-STXベアボーンキットが最小クラスである。
当然ノートPCの自作など望むべくもなく、ほとんどのPCで自力で組み替えできるのはストレージのみ*11…なのだが、古の、具体的には2000年代前半にはノートPCのベアボーンキットなんてものもひっそりと売られていた。
だが、ノートPCのモジュール化、すなわち自作可能なノートPCのコンセプトは現在に至るまで幾度となく再検討されていたりはする。
ハンダ付け化によりめっきり効かなくなっていたRAMのカスタマイズについても、新方式のDRAMモジュールであるLPCAMM2が登場し、組み替えが再び可能になる見込み。
また、2025年にはIntel直々にノートPCのモジュール化を提言。いずれ再びノートPCの自作が可能になる日が来るのかもしれないし、来ないかもしれない



追記・修正は自作パソコンの組み立てに必要な予算を計算しながらお願いします。

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最終更新:2025年04月23日 20:31

*1 真空管時代ならいざ知らず、半導体製品に使われる技術は極めて特殊。中には10nmサイズの部品も存在しており、その製造を可能にする装置は1工程取っても個人で買えるような金額ではない。

*2 ただし、構造が昔からあまり変わらず単純なマウスやキーボード、それにスピーカーあたりは既製品と遜色ない品質のものを自作可能ではある。

*3 BTO=Build To Orderの略。メモリ容量やグラボなど、パーツの仕様を選択発注して購入できる受注生産PCの事。

*4 ただし、サポートが貧弱なことで悪名高いBTOメーカー・ブランドもあるので、BTOが必ず自作よりもトラブルに強い訳でもないが。

*5 ノートパソコンの場合はパーツの仕様上、かなり無茶な方法を取らざるを得ない場合も多く趣味の領域に入るため、買い替えた方がよっぽど安い。

*6 ただし、型番を企業卸し専用にしてるだけで、実態は一般販売している製品と同品質な場合もある。

*7 別途通信費などは発生する可能性がある他、月額制のオンラインゲームでは費用が必要になる場合もある。

*8 実は少し性能のいいCPUと同等の価格で購入可能。

*9 娯楽用パソコンの総称。パソコンが高価なビジネス用と安価な娯楽用で差別化されていた時代の産物

*10 コレに関しては転売も絡んでおり、販売店も転売対策としてグラフィックボード単品の在庫をあまり用意しなかった。ただし、BTOやPC本体一式としてなら買える事が多かったので、どうしても必要な人にとってはそちらが狙い目だった。

*11 RAMも増設できたよね?と思われる方もおられようが、2020年代前半のPCはメモリレイテンシや消費電力の要求がキツくなっており、基板にハンダ付けされるのが主流となっている。