ワールドカップ予選

登録日:2012/03/12(月) 13:48:42
更新日:2021/01/21 Thu 22:21:57
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絶対に負けられない戦いがそこにはある



世界中のフットボールファンの4年に1度の楽しみFIFAワールドカップ。
この大会に出るには厳しい予選を勝ち抜いた国だけのみ、この項目はそんなワールドカップ予選についての内容です。


〇ルール
6大陸に分けられた大陸でそれぞれリーグ戦を行い各グループの順位が高いチームが出場権を獲得することができ、地区によってはプレーオフの勝者が出場権を獲得。

各大陸の出場枠は前大会のワールドカップの成績によって決まるためワールドカップ本選の同大陸の成績は地味に注目しなくてはいけないポイント。
また、開催国と同大陸の場合は必然的に出場枠を1つ失う。

その後FIFAランキングの高い国からシード権が与えられる仕組み(大体最終予選か1つ前の予選から参加)。
逆にランキングが低い国はリーグ戦成績上位から次のステップに行くシステム。

細かい仕様はたびたび変更されているが、当記事においては基本的に1998年フランス以降の32枠体制に則る。


●各大陸

〇ヨーロッパ
サッカーの本場ヨーロッパだけにレベルは高く、絶対数も多いため出場枠は最大。
最終予選のルールは、8~9グループに分かれて1位は予選通過。
残ったグループ2位同士でプレーオフをホーム&アウェイを行い勝者が予選通過。

国内リーグが欧州5大リーグと呼ばれるスペイン・イタリア・イングランド・ドイツ・フランス、そこにオランダを加えた6国が伝統のある強国だが、
イタリア・オランダは最近国際大会で成績が奮わず…
伝統国ほど成績が安定してないが、実績を残したことのあるクロアチア*1ベルギー*2・ポルトガル*3・ギリシャ*4・トルコ*5・チェコ*6・スウェーデン*7・デンマーク*8あたりが中堅、
近年は目立った成績を上げてないが、かつて強豪だったこともあるポーランド*9・ハンガリー*10あたりは古豪、
次にスロバキア・オーストリア・ノルウェー、クロアチア同様に旧ユーゴスラビアから分裂したセルビア・スロベニアなど、一応ワールドカップおよびEURO出場経験がある国は多数。
その下はアイスランド・ジョージア(グルジア)・ベラルーシ・北マケドニア・イスラエル*11など。
下と言ってもこのあたりでもチームに1人くらいは欧州5大リーグのクラブで主力を張る選手がいる。

組分けは成績上位から順に割り当てていくため、スペインとドイツとイタリアとイングランドが一堂に会する……というようなことにはさすがにならないが、
なにぶん数が多く、しかも自動進出が1位だけ。
強豪クラスが2国重なるような組はいくつかできるし、調子次第でワンランク下の中堅がまくってくる番狂わせも大抵1組くらいは起こる。
そのうえでプレーオフを取りこぼしてしまい強豪が予選敗退……といった展開はそこまで珍しいこととは言えない。
ロシア大会予選でイタリア・オランダが敗退したのがわかりやすい例だろう。


〇南米
ヨーロッパに次ぐ大陸。
しかし10チームしかいないため、大陸枠が4+αで固まった1998年以降は
ヨーロッパとは逆に1リーグに全員詰め込んで総当たり戦を行っている。
そのため開催期間が長く、過去には2年くらいかかったこともある。
大体4位までが自動で本大会進出。
5位は大陸間プレーオフになる。

なんといってもブラジル・アルゼンチンの2強。特にブラジルは1度たりとも出場を逃したことがない。
だが両国とも何度かギリギリで予選通過したことがあった(最近だとマラドーナ監督(2010)、サンパオリ監督(2018)のアルゼンチン)。
次いでパラグアイが長らくNo.3だったが、古豪ウルグアイが復活し入れ替わった。
最近では、元アルゼンチン代表監督のペケルマン体制以後のコロンビアが目覚ましい復活を見せている。
現状はこの4チームが飛び抜けて強い。
一方のパラグアイはその後、ブラジル大会、ロシア大会と2大会連続で本選出場を逃している。
次のランクはエクアドル・チリ・ペルー、
下のクラスにボリビア・ベネズエラ、
といった感じ。

ただでさえ強豪がひしめきあっている上に、ボリビアやエクアドルなどのホームは標高3000mを超す高地というアドバンテージがあるので、
最も過酷と言っても過言ではないだろう。

ちなみに、ガイアナ・スリナム・フランス領ギアナ*12は南米大陸北端に位置するが、カテゴリは下記の北中米カリブ扱い。

〇北中米カリブ
予備予選の上位チームとFIFAランキングの高いチームがリーグ戦で戦うシステム。
大体は3位までが自動で予選通過。
4位は大陸間プレーオフ。

実質はアメリカ・メキシコが自動進出確定の地区であり、
メキシコ>アメリカ>>>越えられない壁>その他の状態が続いていた。
……が、ロシア大会予選にてアメリカがまさかの敗退、パナマが初出場を決めるという波乱が起きた。

この次にくる国はコスタリカ・ホンジュラスあたりで次にトリニダート・トバゴといった感じである。
ちなみに、以前ワールドカップで日本に勝ったジャマイカはそれより下のレベル。



〇オセアニア
数も少ないしレベルも低いため、現行の32枠体制における出場枠は「0.5」(82年まではアジアと混合されていた)。
1位通過したうえで必ず大陸間プレーオフをしなければならないという、かなり高い壁が立ちふさがっている。

現在はニュージーランドの完全な1強。
かつてはオーストラリアとの2強だったのだが、プレーオフ地獄に嫌気が差したオーストラリアが2006年からアジアに移ることに成功したのでこうなった。
なお、この2国以外が出場を勝ち取った例は存在しない。

とはいえ、ニュージーランドも久しぶりに出た南アフリカ大会のメンバーに銀行員が本職の方がいたりするレベルである。
なおその南アフリカ大会ではグループリーグで敗退したものの、出場32カ国中唯一の無敗で、勝ち点はイタリアより上だった。



〇アフリカ
こちらも順位の低い国から予選を戦い高い国がシードのルール。
違いは5グループに分かれて1位のみ本大会進出、場合によっては大陸間プレーオフというルール。

治安の悪さやギャラ問題といった別の意味で過酷な地区であるが勢力図はコロコロ変わる。
00年代前半まではカメルーン、ナイジェリアの2強だったが、現在はコートジボワール。
そして、ニャホニャホタマクローがお偉いさんだったガーナが強い(両国ともビッグクラブの主力が多数いる)。

次に来るのがチュニジア、南アフリカ、トーゴ、セネガルなど、
他にはアンゴラ、エジプト、モロッコなど。

ワールドカップ出場国もコロコロ変わりドイツ大会ではチュニジア以外全て本大会初出場の国ということもあった。
2012年に行われたネイションズカップでは、W杯に出場した経験がないザンビアが優勝したことも。

余談だが、ネイションズカップの予選も兼ねているため、南アフリカ大会予選には開催国の南アフリカが参加していた。


〇アジア
我らが日本がいる地区。
ヨーロッパが全チーム一緒くたの一発勝負なのに対して、アジアでは複数回にわたる予選で篩い分けられる。
最終予選では2グループの2位以内…4チームが自動進出。
3位同士でプレーオフを行い勝者が大陸間プレーオフになる。

加盟国の数は50近くとヨーロッパに迫るが、もちろん平均レベルは比べ物にならないため、10チームしかいない南米と同じ4.5枠しか与えられていない。
無論、これでも日本などの成長に伴って昔よりは地位が向上している。
実際4.5でも多すぎると言われることがしばしばあり、実際に減らされそうになったこともあるが、なんだかんだで維持されてきた。

実力では90年代から力をつけた日本と韓国、そして移籍してきたオーストラリアの3強、
次いでイランやサウジアラビア、
その下はイラク、ウズベキスタン、カタール、バーレーン、北朝鮮など。

東西で最大8時間の時差があり、東アジアと中東が同グループに組まれるのもザラにあるため時差や移動との戦いともなることも多数。ジョホールバルの歓喜もイランの選手が時差や移動で弱っていたとされるなどこの手のエピソードは多い。
また異様な雰囲気のアウェイ、中東勢の審判買収などの八百長、遅延行為、ラフプレーなど実力以外の部分でアレな点も目立つ。
ラフプレーに関しては中国なんかが有名(当の中国人もサッカー熱の割に自国のレベルの低さにはうんざりしてるとか…)。
他にもフセイン体制だった時のイラク、北朝鮮は負けたら体罰というある意味狂っている国も…(北朝鮮は在日組=Jリーガーは除外)

一方で中東勢や中国は、その実力に比べて経済的には優位な国々でもあり(中国は人的資源も)、
彼らがその財力をもって国内リーグに力を入れる動きなども見られ、
それが自国チームに恩恵をもたらせるかは未知数だが、今後大きく勢力図が揺らぐ可能性を持った部分とは言えるだろう。




各大陸のことを書いたがたかがサッカー、されどサッカー。
各大陸でサポーター・選手が暴徒と化し大問題になることは多々ある。
サポーターがスタジアムに乱入する例もあれば火炎瓶を投げてしまうなど危ないことは日常茶飯事。
その結果何らかの制裁が加えられるが中にはカメルーンのユニフォームの作りが原因で制裁を加えるかどうか議論になったことがある。



機会があれば他の国の映像や情報を調べてみるのも良いだろう。

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最終更新:2021年01月21日 22:21

*1 フランスW杯3位、ロシアW杯準優勝

*2 EURO80準優勝、ロシアW杯3位

*3 EURO2004準優勝、EURO2016優勝

*4 EURO2004優勝

*5 日韓W杯3位

*6 EURO1996準優勝

*7 スウェーデンW杯準優勝、アメリカW杯3位

*8 EURO92優勝

*9 西ドイツW杯3位

*10 スイスW杯準優勝

*11 第四次中東戦争の余波で周辺国と対戦を拒否されるようになり、紆余曲折の末に移籍した。この他ファンや選手サイドの意向が通ったカザフスタンもUEFA移籍加盟国。

*12 FIFAに加盟していないためワールドカップには出場できないが、北中米カリブ海サッカー連盟会員であるため、ゴールドカップなど同連盟が主催する大会には出場が許されている。フランス代表のフローラン・マルダなどもここ出身