八九寺真宵

登録日:2009/06/13(土) 01:00:17
更新日:2024/12/07 Sat 11:20:52
所要時間:約 7 分で読めます




話しかけないでください
あなたの事が嫌いです



八九寺(はちくじ) 真宵(まよい)

物語シリーズ(西尾維新)の登場キャラクターで、「まよいマイマイ」編ではヒロインとして扱われた。


迷子になって公園で看板を見ている所を阿良々木暦にナンパされた小学五年生。
バックパッカーの如く大きなリュックサックを背負っており、ツインテールの利発そうな女の子。そのツインテールを解くと、死ぬ。

言葉遣いは丁寧だが、性格は慇懃無礼で結構凶暴。毎回会う度に抱きついてくる暦の手に噛みついて、その肉を喰いちぎるほど。
その際、「美味しかった」と言っているのでカニバリズムの素質は十分にあるかと思われる。

小学生とは思えないほどの語彙・知識・お笑いのセンスがあり、暦の突っ込みを最大限に引き出せる人物。
暦自身をして、「八九寺と話すのが一番楽しい」と言わしめるほど。

言葉のセンスが古く、一般人が覚えていない知識を使うことが多い。
しかし、暦もそのネタに関して毎回的確なボケと突っ込みを繰り返すので、ある意味阿良々木メンバーで最高のコンビ。

羽川翼と仲が良く、二人で阿良々木被害者の会を作っている様子。

何気に、作中で一番セクハラを受けているヒロインかもしれない。

しかし、同時に暦のセクハラを(ネタとして)楽しみにしている節があり、
一度普通に話しかけられた時は「阿良々木さんからセクハラを取ったらミジンコしか残らない」と本気で失望していた。

彼女の代名詞は暦と毎回会う度に、彼の名字をワザと噛む。その後「失礼、噛みました」と言い、さらに噛みなおす。

その流れは最早暦が彼女と会うときの芸と化しており、会った時、彼女が名前を噛んでくれなかった時は逆に非常に困惑した。

ちなみに名字の噛みパターンは、「ぼらら木さん」「むらら木さん」「クララ木さん」「良良々木さん」など。
その度暦は名字毎に的確な突っ込みを行っている。

その見返りに、暦は八九寺にセクハラしてもよいという紳士協定が結ばれている。


以下、名(迷)台詞集
「水臭いですっ! 近寄らないでくださいっ!」

「しまりました!」(「しまった!」の丁寧語)

「温厚な私ですが、仏の顔もサンドバッグですっ!」

「いえいえ、ノーサンクスです」

「私に触れると、低温火傷しますよ」

「ええ! 眼から鱗が剥がれますっ!」

「そんな目で見つめられると、しゃっくりします」

「分かりませんか? ではひき肉な話ですねと言い換えましょう」

「いいんです。小さな人間には大きな心で接してあげましょう。わたしのクラスでは、『ロリコンに優しく』が今月の目標ですから」

「回復能力ですか…となると、試してみたいことがありますね」

「こう、正中線に沿ってチェーンソーやらで真っ二つにしたら、阿良々木さんが二人、できあがるのでしょうか」

「阿良々木さんからセクハラ行為を抜いてしまったら、ミジンコくらいしか残りませんよ」

「貧乳はブルータスだ、お前もか!」

「はにかみました。えへっ!」

「負けを認める勇気」

「わたし…阿良々木さんのそういうとこ、結構嫌いじゃなかったですよ」

「あっららぎすわぁーーーーーーーーーんっ!」

「かみま」

「幽霊になったことは不幸せです。でも阿良々木さんに会えたことは幸せですね」




以下、ネタバレ



"蝸牛に迷った少女"


正体はこの世ならざる者、即ち幽霊
11年前に不慮の事故でこの世を去ってしまった少女が、成仏できずに現世に留まった地縛霊の一種。
そして怪異の一つ「迷い牛そのものでもある。

両親の離婚によって母親と離れて暮らすことになった八九寺は、母の日に「母に会いに行く」事を決心。
大きなリュックサックを背負って単身自宅を出て、母の住む家を目指して歩き出した。
が、そんな彼女が道中で出くわしたのは母ではなく、信号無視で飛び出してきた車。
母に会いたいという願いも叶わず、八九寺は命を落としてしまう。

だが、その未練故に現世を去る事無くとどまり続け、
さりとて願いが叶う事も無く現世をさまよい続ける。
自身と自身に連れ添う人を"永遠の迷子"とする存在と化し、実に11年もの長きにわたって公園の近くをさまよっていた。



・怪異【迷い牛】
遭遇した人間を目的地に辿り着かせない――正確には「帰らせない」性質を持つ怪異。
内心で「家に帰りたくない」と思っている人物の前に姿を現し、その帰路を阻害。
「目的地への正しい道を歩いているはずなのに、何故か通り過ぎてしまう」といった現象を引き起こし、延々と迷わせ続ける。
土地勘や知識の有無はもちろん「迷い牛を認識出来ていない」人物であっても、何らかの理由で迷い牛の傍にいる限りは「帰れない」事態に陥る。
逆に言うと「帰れない」のは「迷い牛と共に居る間」だけなので、物理的に離れてしまえば「帰る」事は可能。

また、その属性が幽霊――即ち「死んだ瞬間で時が止まった存在」であるが故に、迷わせられるのは「幽霊となった時点での知識」に基づく範囲に限定される。
要は「迷い牛となった人物」の没後に作られた道に対しては「迷わせる」効果が発動せず、通常通り移動する事が可能。

そしてこの「家に帰れない」性質は迷い牛という怪異の根幹である以上、他ならぬ怪異本人――正確には「怪異となった『家に帰る』事への未練を残した幽霊」自身にも適用される。
つまり、変じた幽霊は永遠に目的地たる「家」に帰れない状態に陥り続け、未来永劫遭遇した人々を迷わせ続ける定めを負う。




迷い牛は「家に帰れないままとなった存在」、即ち幽霊そのものが変じた怪異である。
暦は自身と八九寺が家に帰れないのは、戦場ヶ原の様に八九寺も「怪異に行き会った」ためにそうなったと考えたが、実際は逆。
八九寺真宵という幽霊少女こそが怪異であり、暦こそが「怪異に行き会った」のである。

一方で自身が幽霊であり、人を家に帰らせない存在である事も、彼女は十分自覚していた。

項目冒頭の台詞は、八九寺が暦に声を掛けられた際に即座に返し、途中で出会った羽川にも返した台詞だが、これは
「自分に声を掛ける」事がそのまま「幽霊であり『迷い牛』である自分を視認している(=『家に帰りたくない』思っている」の証明であるため、
そのまま自身と一緒に居れば、その人物が自身共々未来永劫家に帰れなくなる、と分かっていたが故の反応。
第一声であからさまに拒絶の意を示し、自分の傍に居させないようにするための、彼女なりの配慮に基づく発言だった。

その後、忍野からのアドバイスに基づいた暦や戦場ヶ原ひたぎの尽力により、八九寺は家への帰路に就く。
区画整理によって直近10年以内に造成された道だけを通り、ようやく辿り着いたそこに
彼女の母が住む家は、無かった。

如何な理由かは定かではないが、そこには空き地がポツンとあるだけ。
だが、そこは間違い無く、八九寺真宵という少女が10年間に亘って帰ろうと目指した「家」だった。

斯くして八九寺は目的地に帰りつき、ようやく成仏する事ができた。


が、


本人曰く地縛霊から「二階級特進」して“道に憑いた”浮遊霊と成り、暦の住む街を自由に歩き回る存在になった。
以後もちょくちょく阿良々木と遭遇し、丁々発止のやり取りを繰り広げる…のだが、
その行動が後にあるものを呼び出すこととなる。

ちなみに暦は八九寺を自分の家に誘拐したことがある。

























パラレルワールドとして、彼女がもし交通事故に遭わず、幽霊ひいては怪異と成らなかった場合、

キスショットによって、世界が滅びる事になる。


彼女がもし、幽霊として阿良々木暦に出会っていなかったら?
 ↓
忍野忍が廃塾から家出をした時、阿良々木が誰から忍の家出の情報を教えて貰うのか?
 ↓
つまり、忍がいつ阿良々木の影に入るのか?
 ↓
したがって、障り猫に襲われた時、誰が阿良々木を助けるのか?

となり、阿良々木は為すすべなく命を落とす事になり、その死によってめでたく忍はキスショットとして復活。
阿良々木のいない世界に絶望し、滅ぼす。

つまり、彼女は11年前の母の日に母に会えず死ななければ、代わりに世界が滅びてしまうという運命を背負っている可哀想な少女である。

ちなみにそのパラレルワールドでは、事故に遭うことなく成長し、立派な大人になった八九寺真宵さんが生存している。











上でも述べたように彼女は母の日に成仏する事ができ、現在は“道に憑いて”浮遊霊として街を歩き回っている。
これは怪異“迷い牛”としての本質に背く行動である。いわば“幽霊の幽霊”という存在であった。


そのため、400年前に忍が鬼でありながら神のまね事をした際に現れた、
怪異の道を踏み外した怪異を消失させる『くらやみ』というバランサー的存在に狙われることになる。





選択肢は二つ。

一つは迷い牛としての本質に則り人を迷わし自分も迷い続ける。

二つ目は周りの人に迷惑をかけぬよう成仏すること。





暦は八九寺と共にずっと迷子になり続けることを提案するが、八九寺は今までの自分の存在を受け止め二つ目の選択肢を選んだ。

「阿良々木さん。今日はお別れを言いに来ました。」


最後に噛みましたからの一連の流れをやりたいと暦に言い、暦にキスをして涙を流しながらも笑顔で成仏した。



「本当はもうずっと前に、私は自分の町に帰らなきゃいけなかったんです。阿良々木さんのことが心配で、こんなに時間が経っちゃいましたけど……
 でも、もう大丈夫。阿良々木さんは、もう一人でも大丈夫です」

「戦場ヶ原さんと幸せに暮らしてください。羽川さんにあんまり無理言っちゃ駄目ですよ。
 ……そして時折、わたしのことを思い出してくださいね。八九寺真宵という、阿良々木さんととても仲良しだった女の子がいたことを―忘れないでください」

「大好きでしたよ、阿良々木さん」
















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「――ただいまっ、帰りましたっ」






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最終更新:2024年12月07日 11:20