ミュージカル テニスの王子様

登録日:2009/09/20 Sun 19:24:47
更新日:2024/12/12 Thu 09:45:14
所要時間:約 15 分で読めます




『ミュージカル テニスの王子様』は、言わずと知れたテニスの王子様を原作とするミュージカル。
略称は『テニミュ』

+ 目次


【概要】


漫画・アニメ・ゲームを原作とする、“2.5次元ミュージカル”に属する作品のひとつ。
原作のストーリーを忠実に再現した本編公演と、様々なキャラクターの共演や掛け合いを軸に歌とダンスを楽しむ『Dream Live』という、2種類の公演を行っている。

舞台上で実際にボールを打ち合うことはないが、スポットライトにより打球の軌道を表現している。
また、キャストにはテニス未経験者が多いため、サーブなどの基本的なテニスのフォームについて指導が入るとのこと。
原作のキャラクターには当然利き腕の設定があるため、役者によっては自身の利き腕とは逆の腕でラケットを振る必要がある場合も多い。

最初の公演は2003年。
当時、漫画やアニメを舞台化した前例はいくつかあったものの、
  • スポーツ物の少年漫画が原作
  • キャストが基本的に男性のみ
という尖った条件のミュージカル作品は他にほとんど例がなかった。
そのため、最初に集められたスタッフ・キャスト達は全員がほぼ手探りの状態であったという。

原作漫画は元々女性人気の高い作品だったが、ターゲット層である原作ファンにとってミュージカルという媒体は馴染みがなかったこともあり、当初は会場の席が半分も埋まらないなど非常に苦戦していた。
しかし、公演を重ねる内に口コミにより人気が徐々に拡大。
後に会場を数千人のファンで埋めるほどの人気を博すようになり、現在では2.5次元舞台というジャンルそのものを牽引する人気シリーズとなっている。

2003年に始まった1stシーズンは2010年の全国大会・立海戦およびその後のDream Live 7thをもって終了。
その後もキャストや楽曲を一新しつつ、原作初期のストーリーから再開し、2ndシーズン(2011~2014年)、3rdシーズン(2015~2019年)が展開され、それぞれ完結した。

2020年には、原作のその後を描いた「新テニスの王子様」を原作とする「ミュージカル 新テニスの王子様」が開始。
さらに従来通りの「ミュージカル テニスの王子様」も2021年に4thシーズンが開始されている。

既に20年を越える歴史があり、親子2世代で楽しんでいるファンも存在する。
2.5次元ミュージカルの金字塔と称されることも。


【キャスト】


テニミュは若手俳優の登竜門としての役割を持ち、キャストの多くは10代~20代の若手である。
テニミュがデビュー作となる俳優も多く、その上ミュージカルは歌・芝居・ダンスと役者にいろいろな要素が求められるため、経験不足もあってキャストの演技力や歌唱力が微妙だったりダンスがぎこちなかったりすることも珍しくない。

とはいえ、公演を重ねる中で徐々に演技力や歌唱力が磨かれる場合もあり、「才能のある若い役者の成長を見届ける」という楽しみもある。
『経験豊富な役者による完成されたお芝居と歌唱』を期待するのではなく、『ダイヤの原石の共演と成長を楽しむミュージカル』と捉えておくとよいだろう。

技術的に拙い部分は多々あれど、歌・芝居・ダンスのいずれかにおいて確かな才能を感じさせる役者は確実に存在する。
加藤和樹や城田優、馬場徹、井上正大などは優れた歌唱力を発揮していたし、相葉弘樹、足立理、青柳塁斗、Takuya、中河内雅貴などはダンスに秀でていた。


基本的に愉快なメンバーが揃っているようで、
  • 舞台上で必死に歌っているメンバーを尻目に、舞台袖で歌に変な合いの手を添える*1
  • 私服の関係で「王子」とあだ名される
  • ラケットを顎に乗せようと頑張る
  • 楽屋で焼き肉をしようとしてスタッフに怒られる
  • 好きな食べ物を「米」と答える
  • 四字熟語を訊かれて「美少女戦士」と答える
  • 自転車で高速に乗ろうとする
等々、良い意味で残念な人たちが目立つ。
DVDでは映像特典として練習風景や舞台裏の様子などが収録されており、出演者らの愉快な一面を見ることができる。

現在のドラマや映画、アニメ、舞台などで活躍する役者の中にも、テニミュ出演経験のある人は意外と多い。
ライダー・戦隊戦士等の特撮モノの出演者も、調べてみるとけっこうな頻度でテニミュ出演経験があったりする。


青学のキャストについて

主人公の属する青春学園のテニス部レギュラー陣のキャストは、数年間演じると役を卒業し、次の役者に一斉にバトンタッチする。
そのため、キャラクターの再現性や歌唱力などの質が落ちてきていると言われることもある。
しかし5代目青学のようにファンサービス面でお姉様方から高い評価を得ている例もあり、必ずしも再現度や歌唱力・演技力だけが評価に直結するわけではない。
また、前の役者から新しい役者へ小道具などを譲り渡すケース等もあり、若い世代へと代替わりする中で彼らの成長・卒業を見届け、脈々と歴史が紡がれていく様を見るのも、テニミュの楽しみの一つである。

どういうわけか、青学黄金(ゴールデン)ペア(大石秀一郎役・菊丸英二役)の片割れが音痴であることが多い。
黄金ペアが両方とも歌が上手いと「まさに黄金ペア」と称賛されるが、両方とも下手で「ある意味黄金ペア」になってしまうケースも。

黄金ペアが不安定な一方、青学1年生トリオ(堀尾聡史役・加藤勝郎役・水野カツオ役)は試合に出場しない賑やかし役であるにもかかわらず、なぜか3人揃って妙に歌が上手いことがある。
テニミュでは、大会の進行状況や青学レギュラー陣の様子を1年トリオが歌にのせて説明する場面が多いが、無駄に綺麗にハモったりするなど少ない出番の中で高い歌唱力をアピールしており、青学レギュラー陣顔負けの実力者が揃っている。


テニミュ出演経験のある有名な役者

長いため折り畳み。
1stシーズンのキャストに偏っているため、2nd以降のキャストについても追記ください。

+ テニミュ出演経験のある有名な役者
  • 城田優
    • 2代目・手塚国光役。
    • 圧倒的な歌唱力と演技力で青学の部長・手塚を熱演。
      • 原作でも名勝負として知られる関東大会・氷帝戦での手塚vs跡部は、テニミュにおいても演者のレベルの高さから屈指の名試合として知られる。
        特に冬公演でのアカペラは圧巻。なお、この時の跡部役は後述の加藤和樹。
      • テニミュの縁で加藤和樹とは非常に仲がよく、SNS等でしばしばじゃれあっている。
    • 2代目青学メンバーでは唯一のミュージカル経験者だったため、まさに手塚のごとくチームを牽引する役割を果たした。
    • ラジプリの置鮎といい手塚はどこまでも中の人に(いい意味で)恵まれないらしく、『Dream Live 3rd』で氷帝と繰り広げた“芸達者対決”はある意味見物。
    • 現在に至るまでドラマや映画は勿論、ミュージカル、バラエティ番組まで幅広く活躍しており、その知名度は抜群。

  • 加藤和樹
    • 初代・跡部景吾役。
    • 氷帝学園の部長にして作中屈指の人気キャラクター・跡部様を好演。
      跡部本人が憑依しているかのような芝居で多くのメス猫どもファンを魅了した。
    • 前述の通り、城田演じる手塚との試合はテニミュ屈指の名勝負。
      • クライマックスとなるタイブレークにて、手塚の覚悟を受け止めた跡部のモノローグ*2が流れる場面があるが、夏公演では“あらかじめ録音した加藤の音声を流す”という演出になっており、加藤本人はこれが心残りだった。
        冬公演ではこのモノローグが録音でなく加藤自身の長台詞となり、より二人の死闘感が増すこととなった。
    • 2代目青学の卒業時には舞台上で城田を抱き締め、「お前が手塚で良かった」との言葉を送り、城田を号泣させた。
    • ミュージカルはテニミュが初挑戦だったが、ここで舞台演技の面白さに目覚めたのか、テニミュ卒業後も多数の舞台に出演している。
    • その後も家庭教師ヒットマンREBORN!に声優として出演している。朝の生放送でストッキング相撲したりビリビリイスを食らったりもする。

  • 斎藤工
    • 初代・忍足侑士役。
    • やたらセクシーな低音ボイスと持ち前のルックスの良さで氷帝の天才・忍足を見事に再現。高い人気を博す。
    • 舞台裏では変態紳士愉快なお兄さんとして振る舞い、相方の向日岳人役・青柳塁斗*3を抱き締めて「好きだぁぁぁ!!」と叫ぶなど奇行におよんで周囲を楽しませていた。その奇行っぷりと普段の言動、忍足の持ち歌の内容の空耳から誰が読んだか忍足逮捕。そう、あのネタの元凶原因がこの男である。
    • 2010年代に入ると役者としてブレイク。テニミュ経験者の役者としては1・2を争う人気俳優へと成長する。映画監督としても活動。

  • 遠藤雄弥
    • 2代目・越前リョーマ役。
      • 正確には、初代リョーマ役の柳浩太郎が交通事故により一時降板したため、遠藤が代役となった形。
        そのため、他の2代目青学キャストとはデビュー・引退のタイミングが異なる。
      • 『Dream Live 1st』(2004年)で舞台に立ち、聖ルドルフ公演や山吹公演を経て『Dream Live 2nd』(2005年)まで出演した。
    • 代役として舞台に立ったという経緯もあり、当初は越前リョーマという役に思い入れが持てなかったそうだが、大勢のファンが楽しむ姿を舞台から眺めている内に大切な役へと変わっていったと語った。
    • 柳復帰後はリョーマ役を二人で兼任していた時期もある。
      • 柳共々、Dream Liveでは魔王・不二(相葉弘樹)にやたら喧嘩を売るリョーマを演じ、不二が「越前…^^」と笑顔で詰め寄り周囲が必死に止めるなど、柳・遠藤の二人で“生意気なルーキー”を体現した場面も。
    • 歌唱力には若干の不安があったものの、卒業時(Dream Live 2nd)にテニミュの総合演出・振付を手掛ける上島雪夫が越前南次郎役として登場した際、遠藤の歌に「ちょっと上手くなってねぇ?」と称賛を送っている。

  • 相葉弘樹
    • 2代目・不二周助役。3代目青学でも引き続き不二役を務めた。
    • 青学のNo.2にして孤高の天才テニスプレイヤーという人気キャラクター・不二を見事に演じ、総合演出の上島雪夫からも「ハマリ役」と絶賛された。
    • 関東大会・立海戦における不二vs切原は、長く不二を演じた相葉の集大成とも言える内容で、テニミュ名試合によく挙げられる。
      • この試合は原作においても「作中で不二が初めて死力を尽くして戦った試合」として人気が高く、それもあって相葉自身も「不二役になった時から切原戦の不二を演じてみたいと思っていた」と語っている。
      • 同期の2代目青学メンバーが氷帝公演を経て卒業が決まる中、3代目青学への続投が決まった相葉は念願の切原戦に挑むこととなり、切原役の大河元気の熱演も相まってテニミュ屈指の名試合へと昇華させた。
    • テニミュ卒業後は俳優・声優としてマルチに活躍。
      • テニミュの縁もあり、新テニスの王子様のアニメ版にて入江奏多役を務めている。

  • 宮野真守
    • 初代・石田鉄役。不動峰の波動球の人。
    • DEATH NOTEで主人公役に抜擢されブレイクした人気声優だが、そんな彼もテニミュ出演経験がある役者のひとり。
      • 出演していたのはブレイク前の時期であるため、配役も石田鉄というやや地味な役どころ。しかし存在感は抜群である。
    • 高い歌唱力や明るい人柄はこの頃から健在で、特にDream Liveではそれらが大いに発揮されており、観客を沸かせている。

  • 豊永利行
    • 初代・加藤勝郎役。青学1年トリオの一人。
    • 上記の宮野と同じ人気声優。歌唱力にも定評がある。
    • 初代・2代目青学においてカチロー役を担当し、堀尾役の石橋裕輔・カツオ役の堀田勝と共に『青学1年トリオは歌が上手い』という伝統を築いた。
    • テニミュ出演がきっかけで「アニメにも出たい!」と思うようになり、声優として本格的に活動を開始。
      アニメ版では六角中の1年生部長・葵剣太郎役に抜擢されている。

  • KENN
    • 初代・不二裕太役。
    • 宮野や豊永と同じく人気声優。また、デビュー前から音楽活動にも熱心だった。
    • 音楽系の通信制学校でボーカルを専攻しており、バンド活動をしていた経験もあるため歌唱力は抜群。
    • 作中で“天才”と言われる兄・不二周助への複雑な感情を歌った裕太のソロ楽曲『俺は俺の名前で呼ばれたい』(通称:兄貴がなんだの歌)の無駄なカッコ良さは必聴。
    • 上述の豊永とは年が近いこともありテニミュを通じて仲良くなり、自身の芝居を作っていく上で豊永の存在から大きな影響を受けたという。*4

  • 和田正人
    • 初代・千石清純役。
    • テニミュで俳優デビュー。その後もドラマや映画で幅広く活躍。
    • 山吹中のムードメーカー的な存在で、特にDream Liveでは会場を盛り上げ、大きな存在感を発揮していた。

  • 瀬戸康史
    • 3代目・菊丸英二役。
    • 人気俳優の彼もまた、デビューから間もない時期にテニミュに出演していた。
    • ダブルスの相方・大石秀一郎役の滝口幸広と共に、高い歌唱力を披露。
      • テニミュ1stにおける青学黄金ペアは歌唱力や滑舌がとにかく不安定だが、3代目はまさに「黄金ペア」と呼ぶに相応しい輝きを放っていた。
      • やたらラケットをくるくる回したりと、自由奔放な菊丸らしい動き・キャラづくりを徹底している点も流石。
    • 上述の大石役・滝口は2019年に心不全のため34歳の若さでこの世を去った。
      訃報を知らされた瀬戸はSNSで「タッキー…大石…」と呟き、かつての相棒を追悼した。

  • 桐山漣
    • 初代・丸井ブン太役。
    • 2006年にデビューした彼の舞台初出演作品はテニミュ。
    • テニミュ卒業後は『仮面ライダーW』にて菅田将暉とW主演を務め、ドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』などを経てブレイクを果たす。
    • ちなみに作中でブン太は右利きだが、桐山自身は左利き。

  • 志尊淳
    • 3代目・向日岳人役。テニミュ2ndにて担当。
    • 戦隊シリーズ『烈車戦隊トッキュウジャー』で主演を務めブレイクした彼の俳優デビュー作は、テニミュ・向日役である。
    • 2018年にテニミュ2ndの氷帝メンバーが再会した際の飲み会の様子をSNSに投稿し、「特別な兄貴達です。」と綴っている。



2チームに分かれるキャスト

テニミュ1stにおいて、何故か四天宝寺のキャストはAとBの2チームが組まれ、それぞれ公演を行っていた。

  • 四天宝寺A
    • DQN個性派揃い。
    • 一番しっかりしているのは最年少の木戸邑弥(遠山金太郎役)。
  • 四天宝寺B
    • 地味比較的落ち着いている。
    • 佐々木喜英(白石蔵ノ介役)は生粋の白石オタクであり、アニメイトで白石グッズを買ったり乙女ゲーの白石を本名で攻略するほど。
      アニメ白石の声優・細谷佳正のライブにもゲスト出演した。


【不祥事】


キャストの多くはイケメン揃いで女性からの人気は高いが、その反面スキャンダルや黒歴史も多い

素行不良で降板したり、女性関係で芸能活動を自粛したり、事務所と揉めたり…といった不祥事がそこそこあり、それが原因でDVDの出荷が停止され絶版になってしまったこともある。*5

中には、体調不良で降板した数日後に某グループのオーディションを受けていた事が判明し、そのままボーカルになったりした例も。


【各校のテーマ曲】


青学の対戦相手となる各学校にはテーマソングが設定されている。
氷帝であればエレガントに、立海であれば王者らしく重厚に、沖縄出身の比嘉中は琉球音階を使ったり…と、いずれも各学校のイメージに合った楽曲で人気が高い。

主な楽曲は、
  • 不動峰の「真剣勝負とはそういうこと」
  • 聖ルドルフの「選ばれしエリート集団」
  • 山吹の「我らが山吹」*6
  • 氷帝の「氷のエンペラー」
  • 六角の「コートで会おう!」
  • 立海の「降臨する王者」「三連覇に死角なし」
  • 比嘉の「南の島から来た刺客」「ダークホース」
  • 四天宝寺の「勝ったモン勝ちや」
等々。2nd以降は新しいテーマソングが作られることもある。

「氷のエンペラー」は特に名曲として知られる。氷帝ファンなら一度聴いてみるとよいだろう。
この楽曲は、新テニスの王子様において跡部景吾の技名として逆輸入されたり、跡部と因縁のある高校生・入江奏多が「氷のエンペラー」の歌詞を一部引用したセリフを言ったりと、原作者も非常に気に入っていることがうかがえる。

なお、作詞の多くを三ツ矢雄二が担当しており、主に敵チーム側の歌詞に「潰す(叩き潰す)」「息の根止める」「跪く」等の物騒なワードが使われがち。テニスしろよ。
青学は特定のテーマソングを持たないが、そもそもの楽曲数が多く、全体的に前向きな歌詞が多い。

ちなみにテニミュの作曲を担当しているのは佐橋俊彦
アニヲタ的には「機動戦士ガンダムSEED」「ウルトラマンガイア」「平成ライダーシリーズ(クウガ、アギト、響鬼、電王等)」の作曲家といえば伝わるか。


【ニコニコ動画でのブームと空耳】


このミュージカルの動画がニコニコ動画に投稿された際、演者の滑舌の悪さや当時の動画サイトの音質の悪さなどが重なり、いわゆる空耳コメントでブームとなった。
連日様々な空耳の歌詞・台詞がコメントされ、人気曲は数百万再生を記録するなど、初期のニコニコを代表するコンテンツとなっていた。

+ 空耳で人気となった楽曲
※※※ 注意事項 ※※※

アニヲタwikiに歌詞を掲載すると、著作権侵害によりページが凍結される恐れがあります。
編集者の方は原則 歌詞を書かない方向で編集してください。


  • あいつこそがテニスの王子様
    • おそらくテニミュで最も有名な楽曲。
    • 越前リョーマvs日吉若の試合で流れる、氷帝公演のクライマックス。
      • 青学・氷帝はもちろん、応援に駆けつけた山吹など、非常に多くのキャラクターに台詞や歌のパートがあり、8分を越える長い楽曲ながら全編ほぼ空耳まみれという大作。
    • この楽曲のせいで日吉若の詳細なプロフィールを暗唱できてしまう人も多い。*7
    • 夏公演と冬公演の2パターンが存在し、青学・氷帝以外の他校のメンツが若干異なる。
    • テニミュ2ndでも使用され、こちらは六角公演での「マイ・ベスト・テンション」を踏まえたアレンジがなされた。
      • 全体的な役者の滑舌の良さもあって、2nd版の空耳コメントは少なめ。

  • カナダ☆レモン
    • 正式な楽曲名は「ザ・レギュラー」。Dream Live 2ndで披露。
    • サビの空耳「カナダ☆レモン」を始め、「レモン=ハーフナー」を名乗る謎の独裁者(?)も登場する。
    • ニコニコ動画では、レモンをイメージした黄色のが多数コメントされ、弾幕と化すのがお約束。
    • PS2で発売されたテニプリの名作ゲーム『テニスの王子様 最強チームを結成せよ!』にて、相手のコート一面にボールを撒き散らして行動を阻害する反則技トンデモ技『銀華散華』があるが、テニミュの空耳文化から転じて“カナダ☆レモン”と呼ばれることがある。
      • 相手のコートが黄色いで埋め尽くされる様は、遠目に見ると確かにレモンっぽい。

  • 有機vs人参 / 香川県モッコス
    • 正式な楽曲名は「勇気vs意地」および「輝け、もっと」。
      山吹公演の越前リョーマvs亜久津仁で流れる。
    • 「天才的な才能を持つが素行不良」という設定の亜久津を演じた寿里は、亜久津のヤンキー感を出すためか低めの声を心がけており、ビジュアル含め亜久津らしい迫力はあるものの、台詞や歌の聞き取りにくさを招いてしまった感がある。
      • 亜久津の「誰に言ってんだ…ドタマかち割んぞ!!」という台詞が空耳から「パリに売ってんだ…ドタバタ☆ジャンゴ!!」というフランスの謎のブランド(?)になってしまう珍事も。
    • 試合後に流れる「香川県モッコス(輝け、もっと)」では、謎の宇宙人・カノン星人が登場する。
      • これも亜久津の台詞が元ネタ。亜久津を慕う1年生・壇太一に対し、
        「俺を目指してもその先にカノン星(可能性)はないぜ」
        (越前を指しながら)「カノン星は…あそこにあるかもな」
        と亜久津が諭す場面が発端。
      • その後、山吹中の歌パートが始まるが、山吹2年・室町十次の“色黒でグラサン”という出で立ちにどことなく宇宙人感があったためか、室町=カノン星人とされてしまった。
      • 室町はカノン星の言語で話している(という設定)らしく、歌パートで彼が何を言っているのかは諸説ある。
        「こんにちは、地球の皆さん」というフレンドリーな字幕がつけられることもあれば、「地球人は皆殺しだ」という字幕がつけられ地球全土に宣戦布告がなされるときも。

  • たこやきライス / 大石の照り鶏
    • 正式な楽曲名は「ペテン師だぁ?何とでも言え」および「大石のテリトリー」。関東大会の立海公演で披露。
    • コートに入っていない外野も含め台詞の応酬が多く、非常に賑やかな楽曲。もちろん歌詞も台詞も空耳まみれ。
    • 「大石のテリトリー」が流れ出すと「※大石のソロです!」「大石ソロ曲キターーーー!!」などの前振りコメントが多数の書き込まれるが、実際には大石はほぼ歌わない楽曲である。
      • この曲は曲調が明るく前向きな歌詞で、完全に青学が勝つ雰囲気を作り出すのだが、曲の終わりに審判から無情にも「ゲームセット! Won by 立海!」と告げられてしまう。まさかの敗北に唖然とする青学黄金ペアの姿が印象的。

当初のネット文化に触れていた人にとっては「テニミュといえば空耳」という印象が根強く、空耳によるブームは結果的に本ミュージカルの認知度を高めることにもなった。
ただし、権利関係の問題でアップロードされた動画はしばしば削除されている。

とはいえ、空耳は「確かにそう聞こえる」レベルのものから、「正しい歌詞・台詞を聞き取れるが、無理やり空耳を当てはめた」という強引なものまでピンキリ。
本ミュージカルは経験不足の若い役者が多いため滑舌や歌唱力が怪しい点は多々あるものの、「テニミュは役者全員が音痴で滑舌が悪い」と思い込むのは勘違いも甚だしいので、もし当時のブームでそういう印象を持っているなら認識を改めておいたほうが良いだろう。

また、テニミュファンの中でも空耳文化を「これもテニミュの面白さ」と容認する者もいれば、「嘲笑的で不愉快」と否定的にとらえている者もいる。
テニミュ好き全員が空耳を好んでいるわけではないことは理解しておいたほうがよい。

例えば、「あいつこそがテニスの王子様」で主人公・越前リョーマを演じている柳浩太郎はニコニコ動画における音痴や空耳ネタの定番であるが、彼については交通事故の後遺症によるものというやむを得ない事情がある。
柳は元々、初代リョーマ役に抜擢されたものの、稽古の帰りに自動車と事故にあい、右半身麻痺・記憶障害・高次脳機能障害・声帯損傷などを患った。(そのため柳はリョーマ役を降板し、Kimeruや遠藤雄弥が代役を務めることとなった。)
事故後、1年のリハビリを終えて柳は再びテニミュの舞台に姿を見せるが、復帰後も高音が出せない、流暢に喋れないなどの状態にあった。
空耳で有名な「あいつこそがテニスの王子様」は、まさに復帰から間もない時期の舞台なのである。

空耳ミュージカルというコンテンツを個人で楽しむのは全く問題ないが、柳のような事情・背景や、テニミュを純粋に楽しんでいるファンの存在は是非知っておこう。

ちなみに、公式サイドは空耳ミュージカルの事を知っているようで、演者の中には自分からネタにしたり、匂わせたりする人もいる。オンドゥル語かな?

【余談】


  • 六角中3年・佐伯虎次郎がファンから「無駄に男前」「無駄様」などと呼ばれるようになったのは、テニミュが発端である。
    • 関東大会・立海公演の幕間劇にて、戯れる六角メンバーら*8が描かれた際、佐伯役・伊礼彼方があまりにも男前であったため、六角部員らは「無駄に男前」と歌い、彼のイケメンぶりを讃えた。
    • そもそも佐伯というキャラ自体、原作でも無駄にイケメンであったため、このネタは後に原作にも逆輸入され原作者公認となった。
      • 原作のギャグ回「焼肉の王子様」にて学校対抗の焼き肉大食い大会が開催された際、司会を務めた忍足侑士による出場選手紹介にて「ホンマ無駄に男前やな佐伯虎次郎!!」と彼が紹介される場面がある。

  • テニミュの役者の中には、しばしば2次元(原作)からそのまま飛び出してきたようなそっくりさんが出てくることがある。
    • 有名どころで言えば初代・比嘉中木手永四郎(演:Luke.C)や知念寛(演:林野憲志)の2名。
      • Luke.Cによる木手は完成度があまりにも高く、原作者も絶賛した。
      • 知念は「中3にして身長193cmの長身痩躯」という身体的特徴があるが、演じた林野の身長は知念と同じ193cmで、そして細身な体型だった。
      • 比嘉中の登場は全国大会編からだが、テニミュにおいては、この二人だけ関東大会・立海公演から登場している。
      • 初代比嘉中は他のメンバーの完成度も全体的に高かったため、テーマ曲「南の島から来た刺客」にちなんで、ファンから「2次元から来た刺客」と呼ばれた。


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最終更新:2024年12月12日 09:45

*1 合いの手がファンに知れ渡ると、主にDream Liveにて観客がその合いの手を入れるようになってしまうのはお約束。

*2 原作での全文は「手塚──貴様はもっと冷静で思慮深い奴だと思っていた。まさか、こんな姿の…こんな熱い貴様の姿を見ることになるとは思わなかった。こんな極限の状態でこれ程高度な試合を出来る選手が一体何人いるだろう。貴様にこんながむしゃらさがあるなんて誰が想像しただろう。手塚が青学に懸ける想いを、俺は読み切れなかった。この試合、間違いなく俺にとって無二のものとなる!だから俺も最高の力を一球一球に込めよう。たとえこのタイブレークがどれ程続いたとしても!!」

*3 青柳は斎藤より8~9歳年下で、テニミュ出演時はまだ10代半ばだった。

*4 豊永は子役としてデビューしているため、芸歴はKENNより長い。

*5 絶版になったDVDの人気は非常に高く、ネットで売りに出される際は数万円になることもある等、価格もかなり高騰している。

*6 こんな楽曲は存在しない。山吹中はテニミュ1stで何故かテーマソングが作成されなかったため、山吹公演で青学・山吹が合同で歌った楽曲「行くぜ!」を千石が「山吹中の歌」と言い張り、歌詞を改変した替え歌をDream Live 2にて山吹中メンバーが披露した。

*7 越前リョーマの対戦相手である日吉若について、青学のブレーン・乾が彼のプロフィールを淡々と説明する長台詞があり、本楽曲の合間にそれが指し挟まるため、空耳ファンは日吉の性格や誕生日、血液型などを自然と覚えてしまう。

*8 幕間は前回の公演で青学と戦った学校が担当することが多い。立海戦の前は六角戦なので、このときは六角が幕間劇を担当していた。