カイト・マディガン

登録日:2012/03/08(木) 19:26:17
更新日:2024/10/28 Mon 18:46:15
所要時間:約 5 分で読めます





カイト・マディガンとは機動戦士ガンダムSEED DESTINYの外伝にあたるDESTINY ASTRAYの主要人物。

声:大塚明夫ゲーム




◇概要

フリーのジャーナリストであるジェス・リブルの護衛として、彼のスポンサーであるサー・マティアスに雇われたプロのMS乗り。

経歴や仕事内容は似ているが、「サーペントテール」のような傭兵ではない。

人種はコーディネイター
プロを名乗るだけあってMS操縦技術はかなりのもので、ぶっつけ本番で乗ったMSでもその機体のポテンシャルを十分に発揮でき、
多数のディンなどをアウトフレームで撃墜し、借りたゴールドフレーム天ミナでテスタメントと渡り合っている。
ジェスに同行している間の食生活はSEEDシリーズの名有りキャラ屈指の悲惨さ。
一方で後述の仕事内容や趣味からか、資産自体は意外と多く、人間1人は軽く雇える程。なぜコックを雇わないのかは不明。


◇性格

何時、如何なる場所でも女性の前に出てナンパをしても良いように、一部の特殊な状況を除き、常に仕立ての良いスーツを着用している程の女好き。
寒冷地の取材に赴いた際も痩せ我慢してスーツを着込む徹底ぶりに、ジェスに呆れられる一幕も。
しかもある取材で拘束された際には直面している命の危機よりも、スーツにシワが寄る事を気にしていた。

しかし、ジェスの危機に必死になって行動する等、熱い部分も持ち合わせている為、ロンド・ミナ・サハクから「良い男」と称された。
面倒見もいいのかなんだかんだ言いつつジェスに付き合って面倒に巻き込まれる場合も多い。
老け顔だが22歳。老け顔であることを指摘されるとキレる。


◇MSコレクション

世界でも有数のMSコレクターであり、様々な勢力のMSを収集している。
ただし、劇中で明確に経路が判明している後述のソードカラミティ以外の入手経路は不明。

しかもそれらの中には、「DESTINY」時点で配備が開始したばかりのザクウォーリアはおろか、
エース機でまだ配備数が限定されていたはずのザクファントムやノクティルーカウィザードまである。

核動力機であるテスタメントを入手した後は、ジェネシスα防衛戦で劾とイライジャが使用した核エンジン付きのミーティア*1を入手しようとしていた。

これらのMSを保管する為に、わざわざ廃棄コロニーを個人で買い取って所有している。
無論、民間人がこれだけのMSを所持する事は問題があるのか、このコロニーは徹底した隠ぺい工作を施し、
作中では彼専用のジンを壊したお詫びにザクを譲渡したイライジャと、それに同行したジェス以外には誰も立ち寄らせた事がない。
MSは持ってりゃ嬉しいただのコレクションじゃあない、強力な兵器なんだ……それはそれとしてコレクションしても良いよね
しかし、とある一件で侵入してきたデスティニーインパルスとレッドフレームMJ*2の戦闘に巻き込まれてコレクションの大半が傷物にされてしまった。

「FREEDOM ASTRAY」の時点でもこのMSコレクション趣味は治まるどころか、色んな意味でとんでもない機体まで手中に収めていた事実が判明。
そのせいで本筋の事件とは別に「コンパスの監査を受ける羽目になりそう」という心配が読者の間で広まった

+ MSコレクション一覧
ジンアサルト
「DESTINY ASTRAY」で登場。
ジェネシスαを襲撃したザフト部隊に撤退を促したジェスを撃墜しようとした偵察型ジンを無力化した。
またセカンドステージ取材時にもこの機体でジェスに同行している。

スカイグラスパー
専用カラーに塗られたスカイグラスパー。南米戦線に投入しジェスの窮地を救った。

ラゴゥ
「天空の皇女」で登場。曰く「自慢のコレクションのひとつ」でありラスと風花が借りて模擬戦で使用した。

ストライクダガー
「天空の皇女」で1コマだけ登場。

ディンレイヴン
ディンの特殊部隊用派生型。「DESTINY ASTRAY」で使用したほか「天空の皇女」でも格納庫に収容されているのが確認できる。

マディガン専用ザクファントム
専用にカスタマイズしたザクファントム。両肩にブレードとガトリング砲を装備したシールドを装備している。
また依頼によってはノクティルーカウィザードを換装することも。

ソードカラミティ
南米の戦いで共に大破し戦闘不能となっていた「切り裂きエド」の2号機および「乱れ桜」ことレナ・イメリア」の初号機をちゃっかり回収・修理してコレクションに加えている。*3

テスタメント
「一族」の尖兵から鹵獲した核動力機。
マディガンのお気に入り機体でもあり、入手以降は多数の作品で使用が確認されている。

デスティニーインパルス
何号機かは不明。「天空の皇女」でコレクションの1機として登場。

レーゲンデュエル
VS ASTRAY」で秘密結社ライブラリアンに協力した際に受領した機体。
ただしカイトは最初からこの機体目当てで接触を図っており、「天空の皇女」ではコレクションの1機として保管されている。

デストロイ
「FREEDOM ASTRAY」で登場してしまった、カイトの新しいコレクション。説明するまでもない曰く付き。
登場時はカイト本人が不在であり、代わりにコートニー・ヒエロニムスが操縦していた。
つまり外装だけのハリボテ等ではなく、普通に乗って動かせる完成品である。
世界情勢に詳しく理性のあるカイトの事でもあるし、流石にコンパスや世界各国への許可は取っていると思われるが……?
入手経路も「Δ」に登場したファンフェルト機を回収したジャンク屋組合経由と思われる。




◇機体

MSコレクターという性質上、物語開始当初は特定の愛機を持たずに任務や依頼に合わせて搭乗する機体を乗り換えていたが、
ジェネシスαの攻防にてテスタメントガンダムを入手してからは、それを主な愛機として使用している。

彼のパーソナルマークは、機体を四分割するかのように塗られた胸部で交差する白い十字架。
テスタメントの場合はOSを調整し、VPS装甲展開時には赤を基調とした機体色に白い十字架が浮かび上がるように改造している。

また、使う機体を頻繁に代える一方で、ビームや実弾を切り替えが出来る上にナイフが銃剣の様に取り付けられた複合銃を必ず装備している。
現時点での例外はレーゲンデュエルのみ。


◇経歴

元々カイトは、所謂「コーディネートに失敗した」として親に捨てられた孤児の一人だった。
それも遺伝子調整の際、身体機能に問題は無くとも親が望む外見等の条件を満たせなかったという理不尽な理由*4である。
親に捨てられた彼を拾い上げたのは民間経営による軍事関連組織『サーカス』。
使い捨て前提の過酷な訓練と特攻同然の任務を強いられることから、良くも悪くも傭兵達から一目置かれる精鋭揃いの集団である。
しかしカイトは、自分と同じ境遇の子供達が戦場で傭兵として死んでいくのを見ながら、
『親に望まれずに生まれた自分でも、自分を必要とする人間の為に生きる事が出来たら、生まれた意味が見つかるのではないか?』と考えるようになった。

その後、『サーカス』からの脱退を決意して努力を重ねた末に、「実弾を使った演習で『サーカス』の精鋭5人を同時に相手取り『的』役になって生き残る」という過酷な脱退テストに臨み、『サーカス』が始まって以来初めての合格者となった。
前述の機体に付けられる十字架は、この『的』になる者の証であり、彼なりの『サーカス』脱退者としてのケジメの証である。

この「親に理不尽な理由で捨てられた、親に望まれなかった子供」という過去から、子供には優しく接する傾向がある。
ジェスは「(MS乗りでなくても)小学校の先生や保育士として食っていける」と評した。
また女性好きなのは事実だが、既に相手がいる人妻は『“自分”を必要とする人間』ではないと考えており、決して手は出さない。
その一方で、自分がコーディネートの失敗であるという生い立ち、そして文字通り死に物狂いの努力を『サーカス』で積んだ経歴から、
整った容姿や生まれ持った才能に胡坐をかく人間、特に「コーディネートに成功しただけのコーディネイター」を嫌っており、
男でありながら絶世の美貌を持つイライジャ・キールを「容姿だけの奴」と考えて食ってかかった事もある。*5

『VS ASTRAY』ではライブラリアンからMSの性能評価を依頼を受け、ライブラリアン独自のMSに惹かれて彼らに雇われている。
ちなみに、この頃にはジェスと組んでいる事がかなり有名になっており、
前述の評価依頼も自分の技術より(MSに乗るジャーナリストとして有名な)ジェスを巻き込むのが真の目的ではないかと推測。
その推測を予めジェスに忠告し、彼と相談してからライブラリアンに一時的に参加している。

ライブラリアン参加時の機体はレーゲンデュエル
この機体を駆りターンデルタの撃破などの任務をこなしている。
ちなみに、レーゲンデュエル搭乗時はいつも使用している複合銃は使用せず、パーソナルマークの白い十字架もつけていない。
これはレーゲンデュエルがライブラリアンから「貸与」された機体であったため。
ライブラリアン崩壊後は自身の所有物となったことを示すためか、しっかり十字架をマーキングしている。


◇余談

  • 小説版のあとがきにて、彼は遺伝子操作に失敗したコーディネイターの子供という本編の設定背景から作られたキャラクターであると語られている。

  • DESTINY ASTRAYで彼はジンにアサルトシュラウドを装着させたジンアサルトに搭乗したエピソードがあるのだが、このカイト機のみが現在シリーズを通じて登場した唯一のジンアサルトとなっている。
    • そのジンアサルトはデュエルガンダムに追加装備されたアサルトシュラウドの元となったもの……なのだが、両者の外見はあまり似ていない。




追記・修正は『自分を必要とする人間』を見つけてからお願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ガンダム
  • SEED_DESTINY
  • 孤児
  • 失敗作
  • 捨て子
  • DESTINY_ASTRAY
  • VS_ASTRAY
  • 傭兵←ではない ガトー←でもない
  • デザイナーベイビー
  • カズマ←カイト違い
  • サーカス
  • 金髪
  • 顎髭
  • 紳士
  • 女好き
  • MSコレクター
  • 良い男
  • 苦労人
  • ツンデレ
  • カイト
  • カイト・マディガン
  • 大塚明夫
  • テスタメントガンダム
  • レーゲンデュエル
  • コーディネイター
  • 目の色が違うわ!
最終更新:2024年10月28日 18:46

*1 バッテリー動力機でも使用可能な、機体そのものが核エンジン搭載型に改造された5番・6番機

*2 しかもこのマーズ・ジャケットの規格パーツはカイトから提供した物であり、文字通り恩を仇で返される形となってしまっている

*3 ただし、エドの愛機であるソードカラミティ2号機に関しては、エド本人が返して欲しいと言うならちゃんと返すと発言している。

*4 特に作中で明確な指摘こそないが、カイトは髪の毛が「金色」なのに対して、なぜか眉毛やまつ毛、顎髭は「黒色」となっている

*5 実際にはイライジャもまた『遺伝子操作の結果が免疫能力以外は表出しなかったコーディネートの失敗例』であり、整った容姿やナチュラルと変わらない身体能力に悩みながらも傭兵としての実戦経験でそれらを補っているなど、皮肉にもカイトとは鏡写しのような存在だった。当初こそ犬猿の仲だったが後に和解しており、カイトからイライジャ専用に改修したザクファントムを譲り受けている。