カオスガンダム

登録日:2011/05/19 (木) 23:13:17
更新日:2025/05/07 Wed 08:34:49
所要時間:約 8 分で読めます






MSの性能で強さが決まる訳じゃねぇ!!


機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するモビルスーツ(MS)。


目次





カオス
CHAOS

基礎データ


型式番号:ZGMF-X24S
所属:ザフト地球連合軍第81独立機動軍「ファントムペイン」
全高:17.43m
重量:91.61t
動力:内蔵バッテリー
装甲材質 ヴァリアブルフェイズシフト(VPS)装甲

●武装
 (MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御機関砲×2)
 (MA-81R ビーム突撃砲×1)
 (AGM141 ファイヤーフライ誘導ミサイル×12)
  • MA-XM434 ビームクロー×2

特殊装備:デュートリオンビーム送電システム

搭乗者:スティング・オークレー、コートニー・ヒエロニムス


機体解説


ユニウス条約締結後にザフトが開発した次世代型試作モビルスーツシリーズ「セカンドシリーズ」の一機。
緑系の装甲色と釣り目、のヒゲにも似たスリットの入ったガンダムフェイス、折れ曲がったV字アンテナが特徴。
名前は「混沌」の意。


異なるシチュエーションに対応・特化するためにMAへの変形機構を内蔵した「セカンドシリーズ」において、多目的のインパルス・空中戦のセイバー・陸上戦のガイア水中戦アビスと開発された中、
このカオスの与えられたシチュエーションは『無重力での空間戦』であった。

このコンセプトに則り、高出力ビーム兵器と空間制圧が可能なミサイル兵器、ドラグーンといった多数の武装を搭載。
空間機動力を持たせるためスラスターの出力も高く、無重力下の宇宙空間戦に比重を置いていながらも地球の重力下でも単独飛行が可能である。
腰部のサイドアーマーはプロペラントタンクとなっており、航続距離の延伸も図られている。

可変機構を有しており、背面のパーツを頭部に被り両脚を変形させクローを展開することでMA形態へと移行する。
ただし本機のMA形態は他の3機とは異なり手足を展開・武装も保持したままMS形態の面影を残した形で、変形に必要とされる可動部の多くがMS時の可動部と兼用になっている。
これは無重力状態での機動戦闘において高機動力を発揮させながら各武装を効率的に運用出来るよう配慮したもの。
そのためセイバーやバビなどのような「航空機」ではなく「非人型機動兵器」への変形に重きが置かれており、MA状態での近接格闘戦も可能。


装甲材としてVPS装甲を採用しているため実弾攻撃に対する防御性能も高い。
デュートリオンビームによるエネルギーの遠隔補給機能も備えているが自軍に設備が無いため劇中では飾り同然と化している。



武装


  • MMI-GAU1717 12.5mmCIWS
いわゆる頭部バルカン。
使用するシーンはごく僅かだが、リマスター版で新規に描画される優遇っぷり。

  • MMI-GAU25A 20mmCIWS
胸部に設置されたバルカン砲。頭部のものより若干口径が大きい。
劇中では唯一使用していない。

  • MA-BAR721 高エネルギービームライフル
インパルスのビームライフルをベースに高機動戦用に改修したモデル。
近縁種であるインパルスやセイバーのライフルと比べるとやや銃身が長く、連射性能に優れる。
また銃口が矩形という珍しい仕様を取っている。これは本機の他には後のレジェンドC.E.75の一部のMSに見られる独特のものである。
MA時でも使用可能。

  • MMI-RG330 巡航機動防盾
 (MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御機関砲×2)
空中戦に考慮した流線型対ビームコーティングシールド。取り回しを考慮してかサイズはやや小ぶり。
シグーゲイツなどと同じくシールドに攻撃兵装を内蔵させる方針で設計され、左右に設置された大口径機関砲によって弾幕の形成を助ける。
ライフルと同じくこちらもMA時でも使用可能。

  • MA-M941 ヴァジュラビームサーベル
アビスを除くセカンドシリーズ全機に装備された新型ビームサーベル。フリーダムなどと同じくサイドアーマー上部にマウントされている。
カオスの場合はMA時でも使用可能。これはMA時も腕部が自由に使えるため。

  • MGX-2235B カリドゥス改複相ビーム砲
アビスに搭載された「カリドゥス複相ビーム砲」を高速戦仕様にしたもの。
MA形態時に頭部を覆う背部ユニットのモノアイパーツ、その後部に内蔵されており、使用時にはモノアイパーツが収納され前方に向けて砲門が展開される。
単発での破壊力は本機の武装の中でも最も高いが、装備位置的にMA時での使用が前提となっている。
まあ、MS時でも対空防御変わりに使えないこともない、かも・・・?

  • EQFU-5X 機動兵装ポッド
 (MA-81R ビーム突撃砲×1)
 (AGM141 ファイヤーフライ誘導ミサイル×12)
背部の左右のアームに接続された本機の象徴と言うべき武装。
前大戦でプロヴィデンスなどの装備として実用化されたドラグーン・システムに連なるオールレンジ攻撃用端末であり、使用時には本体から分離・無線誘導され目標を攻撃する*1
ただし円筒形に武装と推進用のブースターが取り付けられているなど、外見はプロヴィデンスなどの物よりむしろ連合のガンバレルに似ている。
ドラグーン兵器にしてはやけにデカイが、ドラグーン・システムをある程度普遍化する事に成功したことでガンバレル以来の課題となっていた「パイロットに高い空間認識能力を要求する」という欠点の解決に一歩近づいている。
また、ビーム砲と多数のミサイルを内蔵しているため、操作性を火力によって補うことも出来る。
ただし、このシステムに必須である量子通信は大量のエネルギーを使うため、本体稼働時間が短くなってしまう。連合にデュートリオンビーム送電システムがないので、このデメリットは大きくのしかかる。
カオス本体のサブスラスターも兼ねているため使用中、または破壊されてしまった場合は装着時に比して本体の機動力が著しく低下するという割りと大きな弱点も存在する。

実機としては先発だが、設計としてはストライクフリーダムの「EQFU-3X スーパードラグーン 機動兵装ウイング」の後発となる。
結構設定が曖昧な所があり、資料によって地上(重力下)でも使用可能とするものと不可能とするものが存在し*2、使用可能とする説では「重力下では常に上向きの推力を発生させなくてはならないため、ポッド本体に大量の推進剤を収めるスペースと大出力スラスターを搭載しなければならず大型化を強いられた」と説明される。
空間認識能力を持たないパイロットのドラグーン使用はやはり魅力的だったらしく、この装備レジェンドの第二世代型ドラグーンへと発展していった。

  • MA-XM434 ビームクロー
膝と爪先が変形・展開した大型クロー。イージスと同じく先端部に備えるプレート状のクロー部分からビームを発振して目標を引き裂く。
MA時には膝下部分全体を変形させ二枚一対のクローとして常時展開しており、目標に対して高速接近しそのまま近接攻撃を仕掛けることが出来る。
主にMA時に展開されるがMS形態でも使用出来、両手が武器で塞がっている際の緊急時や不意打ちに使用される。
何気にソードインパルスの「エクスカリバー」を正面からの体当たり気味の蹴りでへし折るなど破壊力は折り紙付き。



劇中の活躍


実戦配備のため、新造艦「ミネルバ」と共にコロニー「アーモリー・ワン」に運ばれコートニーをテストパイロットに試験運用が行われていた。

その後制式配備が決まりコートニーとはまた別のパイロットが選出されるが、アーモリー・ワンでの式典直前に地球連合軍特殊部隊「ファントム・ペイン」のスティングの手により強奪
ステラのガイア・アウルのアビスと共にコロニー内で破壊活動を行った末、出撃したシンのインパルスらを振り切りコロニー外に脱出した。

ユニウス・セブン落下事件では、破砕作業をしていたジュール隊を妨害し、事情を知らないとはいえ地球へ落下する原因の一つを作ってしまった。
また、本来であれば格下であるザクを相手に苦戦し、主要武装を悉く喪失してしまうなど項目トップで語った自らの台詞を悪い意味で体現している。

地球へ降りてからも、インド洋・ダーダネルス海峡と度々、ミネルバ隊を襲撃。空中戦に優れたアスランセイバーガンダムに張り合い、互角の勝負を演じていた。
しかしクレタ沖での海戦では、突如介入して来たキラフリーダムガンダムを諸共に攻撃しようとし、逆に背部ポッドと両腕を切り落とされ戦線離脱を余儀なくされた。

ベルリンではデストロイガンダムの護衛に付き、またもや乱入して来たフリーダムに苦戦しつつもデストロイに近付かせなかった。
だが、アークエンジェルから出撃したムラサメ三機に囲まれてしまい撤退しようとしたところをビームライフルで撃墜され、
挙句の果てに追撃してきたムラサメからビームサーベルでダメ押しの一撃をもらい、更に胴体をブッタ斬られて空中で爆発・四散した。
項目トップの台詞はその直前にスティングが発した一言だが、またしても自らその持論を体現することとなってしまった。


量産機に撃墜された数少ないガンダムの一機。
同じく呆気なく散ったものの一応主人公にやられるという見せ場があったアビスや、活躍自体は皆無だったもののステラとバルトフェルドの乗機だったガイアに比べ、かなり印象が薄い。もっとも、撃墜してきた相手は大気圏内での戦闘に特化したムラサメ3機であり、空中戦よりも宇宙戦に主眼を置いていたこの機体が単騎では荷が重かったとも言えるが……。


関連機体


カオスインパルス

カオスガンダムの前身となる機体。
脚部クローが腰部に配置されるなど細かな点で異なり、変形時には下半身が分離する。

プロトカオス

名前の通りカオスガンダムの試作機にあたるのMA性能検証機。
そのためよりMAらしい構造になっており、MS部分が無い代わりに機動兵装ポッドを4つ装備。
上部にモノアイはあるがカリドゥスは装備していない。



立体化


ガンプラ

1/144コレクションシリーズ、HG GUNDAM SEED、1/100で発売。
HGと1/100はMA形態への変形を再現している。

いずれも出来は悪くないのだが、売れ行きはそれほど伸びなかった*3
連合の三機のうち1/100キット化したのはカオスのみなのは、このことが大きな原因らしい。
ちなみに「カオスガンダム」でネット検索して出てくる「50円」というワードも元々低価格のコレクションシリーズが50円で投げ売りされたことが話題になったため。

逆に言うと安く手に入ってプレイバリューが高めなためガンプラ初心者にはおすすめできる機体である。


ゲームでの活躍


◇連ザⅡ

初登場は前作家庭版。コストは450。
万能機とも、ドラグーン機とも、可変機とも付かない不思議な感覚の機体。それゆえプレイヤーを選ぶテクニカルな機体。
本機の特徴であるポッドはドラグーンとも違った独自のもので、レバーの有無で背面展開か敵機周辺に配置かを選べる。コイツの使い方次第で擬似十字砲火や火力の底上げなど様々な運用が可能。
格闘も他機と同様に使えるN・横・前の他に、発生は遅いが激強判定の特と一通り揃えている。

豊富な手数を持つ反面、逆転性が低いのが欠点。器用貧乏とも捉えらえれ、やりたい事をしっかり把握しておかないと半端な立ち回りをしてしまう。
ただし上手いプレイヤーがやると鬼畜性能で、特にラッシュ覚醒でスピード覚醒を捕まえられるほどの弾幕と追従性能を持つ。

機動戦士ガンダム Extreme vs.

EXVSFBより参戦したガイアガンダムのアシストとして登場。
機動兵装ポッド2基を飛ばしファイヤーフライ誘導ミサイルをばらまく。
都度性能が変更され、EXVS2XBに至っては本体からミサイル発射と、シールド突撃からのビーム射撃と、かなりモーションが豊富になった。

◇GENERATION of C.E.

間合いに穴が無く変形によりビーム・実弾を扱えVPSによる防御力もある中堅ユニット。
エクストラステージではスティングがデストロイに乗り換えるため、空いたカオスにネオが搭乗する。場合によっては複数機登場するので、かなり厄介。

SDガンダムGジェネレーションシリーズ

Portableより参戦。
MS形態でも大気圏内浮遊が可能でビームと実弾を併せ持つ武装、VPS装甲とシールド防御が可能とかなり優秀な性能。
更に原作ではできなかったデュートリオン・ビーム受信システムが本作では可能なので、ミネルバを出撃させていれば範囲内でEN回復ができる。
MA形態では、可変機にしては珍しくシールド防御が可能というメリットがある。両腕が使えるという設定を活かしているのだろう。
機動兵装ポッドはパイロットの素質が微妙な事からか、覚醒タイプではなく特殊射撃になっている。なのでMPの低いパイロットでも順応できる。

CROSSRAYSではMA形態のビームクロウが削除されてしまった。

シリーズを通じて、本機を手に入れる手段と派生先に恵まれない。
開発元は大体、アビス・ガイア・インパルス・セイバーの同期組かプロヴィデンスしか無く、開発先も同様の機体しかいない。
なので機体性能の高さの割に入手手段の乏しさから存在感が薄く、いざ手に入れてもインパルスやセイバーといった派生先に魅力のある機体へ取り換えられてしまいがち。

スーパーロボット大戦

Z』で敵として登場。1話だけスポット参戦する。
L』ではマップアイコンのみ登場。


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  • X-24S
  • VENTIQUATTRO
  • 50円
  • 投げ売り
最終更新:2025年05月07日 08:34

*1 ミサイルに関しては本体に接続されたままでも発射可能

*2 TVシリーズとSPエディション、その他漫画作品では地上での使用描写があったがリマスター版では修正されており、放送当時発売されたプラモデルのインストでは使用不可と記述されている等結局真相はわからなくなっている。

*3 そもそも『SEED DESTINY』の初期は販売不振だった事が川口名人のブログで明かされている。余談ではあるが、放送当時は新作の機体よりも前作発のフリーダムガンダムが最も好調で、こちらは品切れが相次いだ。