アビスガンダム

登録日:2011/12/07(水) 00:09:05
更新日:2025/03/25 Tue 12:24:49
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ごめんねぇ、強くてさぁ!!


機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するモビルスーツ(MS)。


目次



アビス
ABYSS


基礎データ


型式番号:ZGMF-X31S
所属:ザフト地球連合軍第81独立機動軍「ファントムペイン」
全高:17.84m
重量:92.39t
動力:内蔵バッテリー
装甲:ヴァリアブルフェイズシフト装甲
武装:
MMI-GAU25A 20mmCIWS×2
MMI-GAU1717 12.5mmCIWS×2
MX-RQB516 ビームランス
M107 バラエーナ改2連装ビーム砲×2
MA-X223E 3連装ビーム砲×2
MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲
MMI-TT101Mk9 高速誘導魚雷×4
M68 連装砲
肩部シールド×2

特殊装備:デュートリオンエネルギー送電システム

パイロット:
アウル・ニーダ
マーレ・ストロード


機体解説


C.E.73年にザフトが開発した最新鋭MS『セカンドステージシリーズ』の一機。
VPS装甲起動時の青い装甲色と両肩の丸みをおびた大型シールドが特徴。
アビスは「深淵」の意。水中機であることから、ここでは「深海」と訳すべきか。

全機種が変形機構を備えたセカンドシリーズの中で、本機は水中潜水艇型MAへの可変機能を備えている。
MA時ではシールドの曲面で水の抵抗を軽減しつつ、脚部と腰部に内蔵されたスラスターの推力を後方に向けることで高い機動性を発揮できる。
VPS装甲に加えコクピットハッチも二重構造化されていることで耐圧性能も高い。

変形自体も「シールドで機体を覆うだけ」という極めてシンプルな方式を採用していることで、水中戦から海上・地上戦への移行もスムーズに行えるようになっていた。
これにより極端に水中戦に特化し過ぎたゾノグーンに比べて高い汎用性を得ることに成功。
ボディの構造も完全な人型に近く、水陸両用機のネックだった陸上での運動能力の低さもほとんど解消されている。
また、大気圏内は勿論宇宙空間での運用も可能であるなど、特化性と汎用性の両立を目的としたセカンドシリーズの方向性を体現した機体になっていたともいえる。

武装に関しては基本的に後方火力支援を想定した装備を持ち、
多数のビーム砲・魚雷・連装砲を装備した攻防一体の肩シールドや胸部の高出力ビーム砲など多数の内蔵兵器を持ち、それらを複数回も同時発射可能なエネルギー量を有する。

なお、フォビドゥンブルーなどの出現を機に制海権が弱まってしまったザフトは、
このアビスを起点にして水中型MSの増強を図るつもりだったが、強奪によりその目論みは潰えている。

因みに両肩のシールドや重火力な武装をしている為、ゴツい印象を受けがちだが、
よく見ると本体は水中戦を意識してるせいか装甲はカクカクしているようで流線的で、四肢に至っては同シリーズの他機体より細い上に女性的である。


武装


  • MMI-GAU25A 20mmCIWS
  • MMI-GAU1717 12.5mmCIWS
お馴染み頭部バルカン。12.5㎜は頭部、20㎜は胸部上方に装備
なお12.5㎜の装備位置は他のガンダムの標準であるこめかみではなく、ΖΖガンダムのハイメガキャノンのようなブレードアンテナ中央である。
20mmはフリーダムも似たディティールを持つが、説明が無かったりMGの説明書ではセンサーとされていたりなど設定が安定していなかった。

  • MX-RQB516 ビームランス
近接戦闘用の武器で、実体刃とビーム刃が複合装備された。本機唯一の手持ち武器である。
柄の部分には耐ビームコーティングがなされており、標準的なサーベル程度なら受け止めることも可能だが、ザクファントムのビームアックス位の高出力兵器には耐えられない。
MA形態では股間部分にマウントされ、衝角のようになる。
名前こそランスだが形状的にはハルバード、若しくはグレイヴ。

  • M107 バラエーナ改2連装ビーム砲
背部の可動式ビーム砲。肩に回して砲撃する他、変形時に砲身部だけ水上から出しての対空砲撃にも使えるMA形態時の主砲。
フリーダムガンダムのものと同系統だが、非核エンジンのため、こちらは省電力化されている。その関係か紅白ビームだったオリジナルに対してこちらは緑ビーム。
因みに元々はレールガン(クスィフィアス2)の予定であり、ストライクフリーダムの搭載するレールガンが2を飛ばしていきなりクスィフィアス3なのはその名残。

  • MA-X223E 3連装ビーム砲
両肩部シールドの裏に内蔵された三連ビーム砲。カリドゥスやバラエーナと併せて一斉射が可能。
口径こそ小さめだが同時6門斉射という砲門数と連射性能でカバーしている。

  • MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲
胸部に内蔵された大出力ビーム砲。後のストフリの腹ビームと同型。(無論、動力源の都合で威力は向こうが上)
同じくセカンドシリーズのカオスの火砲はこれの改良版。
「カリドゥス(Callidus)」とはラテン語で「熱い」「熱烈」といった意味の形容詞。ガンプラの説明書等では「猛炎」と意訳されている。

  • MMI-TT101Mk9 高速誘導魚雷
肩部シールドに内蔵されたMA時に使用可能な魚雷。魚雷のため水中でしか使えないが、数発でMSや艦船を沈める威力。

  • M68 連装砲
肩部シールドにそれぞれ1対内蔵された二連装実体弾砲。
シールド下部に装備されているため、発射時はシールドごと前方に向ける必要があり、その配置から3連ビーム砲と同時には使えない。
HG説明書によると強力な炸薬が装填された面攻撃に有効な武器との事から榴弾砲である模様。
実弾なので水中でも使用できるが、MA形態では砲口が後方を向くため離脱時に敵機を追い払う、もしくは去り際にダメ押しの一撃を加えるように使われる。
使用場面こそ少ないがボズゴロフ級を簡単に沈めるなど威力は高い。

  • 肩部シールド
本機体の中心となる武装で、内部に3連装ビーム砲・連装砲・魚雷を内蔵した複合兵装。
外部にはVPS装甲と耐ビームコーティングを両方共に施している。
設定上PS装甲に耐ビームコーティングはできないとされているため、何かしらの工夫を凝らしたかC.E73までに技術革新があったと考えられる。
MA形態ではこれで機体をすっぽり包みアッシマーっぽくなり、水流抵抗を防ぐ役割を持つ。



劇中での活躍


実戦配備のため、新造艦「ミネルバ」と共にコロニー「アーモリー・ワン」に運ばれ試験運用されていた。
だが地球連合軍特殊部隊「ファントム・ペイン」のアウル・ニーダによりガイアガンダムカオスガンダムと共に強奪。
アスランザクウォーリアシンインパルスガンダムらと戦闘になるもこれを振り切り撤退。

ユニウスセブン破砕作業では、事情を知らないとはいえ破砕作業を妨害してしまった。
当初はインパルスと交戦していたが、遭遇したイザークとアスランのコンビネーションによって、左脚とビームランスを瞬時に叩き斬られてしまい戦線離脱している。

中盤では海上での戦闘シーンがほとんどを占め、そこでの水中戦で本領を発揮。
インド洋沖の海戦では複数のグーンを難なく撃破し、ルナマリアレイのザクを相手に優位に立ち回り損傷を与えた。
挙げ句の果てにネオに「成果が上げられてない」と苦言を言われ、カッとなって思わずザフトのボズゴロフ級潜水母艦ニーラゴンゴを撃沈。

ダーダネルス海峡でも圧倒的な地の利で奮闘するが、突如介入したキラのフリーダムのレールガンで脚部の推進部を破壊されあえなく撤退。
VPS装甲なのに破損した事を多くの視聴者に突っ込まれたが、装甲の薄い部分を続けざまに攻撃を受けると破損するという理由付けがなされた。

クレタ沖ではシンのブラストインパルスに勝負を挑み、水上というフィールドを活かしつつステラと同じ身の上のアウルに本気を出せないシンを苦戦させる。
またも乱入してきたフリーダムに気を取られたインパルスに3連ビーム砲を命中させるが、シンは咄嗟にこれを背中のシルエットで受け、誘爆前にパージして難を逃れる。
そして、シルエットの爆風の中からインパルスが投擲してきたビームジャベリンにアウルは反応しきれず、ジャベリンはアビスガンダムのコクピットを貫通。

その後、機体はそのまま水没し爆発。アウル共々機体名通り深淵(アビス)へと没した。
唖然とした表情のままヘルメット内が血で染まったアウルの死に顔が、悲壮感を漂わせる退場となった……。



関連機体


アビスインパルス

アビスガンダムの原型となったインパルスのバリエーション案の一つ。
見た目は完全にインパルスの顔をしたアビス。カラーリングは全身真っ青で、塗料缶を頭からぶちまけたかのようでもある。



立体化


ガンプラ

1/144コレクションシリーズ、HG GUNDAM SEEDで発売。
しかし発売日はアビス撃破された直後であった。

コレクションではシールドが小さめだったが、HGの完成度は高い。
当時の水準からしても、足裏肉抜き無し、クリアーパーツのビーム刃付属、変形機構が完全再現など素の出来栄えはかなり優秀。


ゲームでの活躍


スパロボシリーズ

登場作品ほぼ全てのルートでアウルが戦死するため、それに伴い扱いは極めて悪い。
特にKでは登場すらしないという有様である。
Z…水中戦特化だというのに水中戦なし。ビーム撃つだけ。
L…イベントでのアイコン表示のみ。しかも分岐でオリ敵の雑魚に討たれてあぼん。
スクコマ2…海底でゲッターロボとタイマンを張って死ぬという驚異のクロスオーバーを見せる。


Gジェネシリーズ

ポータブルから参戦。水陸両用ユニットとしては最高峰の性能をもつ。
が、そもそも水中で活躍する機会自体が少ないうえ、武装の殆どがBEAM属性のため水中で使うと威力がダウンする。
魚雷も空中の相手には使えないため対空能力は低いといえる。
格好いいと評判のBGM「妖気と微笑み」も採用されている。
『CROSSRAYS』ではMS形態なら超強気以上で一斉射撃が使えるようになり、支援機としての色が強くなっている。


◇VS.シリーズ

連合VS.ザフト初代家庭用版から参戦。
範囲が広めなメイン射撃、威力と範囲が優秀なビーム一斉発射と面攻撃が強い射撃寄り万能機。
格闘も扱いやすいものが揃っているが、機動力がややもっさりで、総合的な評価はそれなり。変形も当然あるが、どちらかと言えば移動時用。
だが水中ステージでは水中用MS特権で本領発揮である。対戦割り込みで水中を選ぶと嫌がられるかも。


◇BATTLE DESTINY

C.E73連合ルートの中盤で入手可能。
ゲーム中に水中ステージが無いため、変形後が潜航形態である本機はゲームに登場する可変MSの中で唯一MA形態がオミットされてしまっている。
武装は頭部バルカンと魚雷以外は全て実装されている。
手数が多い上にどれも高火力で、ザコなら一瞬、エース機でさえ手早く撃破できる。
更に原作では緑ビームだったバラエーナ改が紅白ビームになった事で、カリドゥスと合わせて地形貫通属性を持つ装備を二種類も有している。
またビームランスが常時手持ちなため、格闘攻撃する際に武装持ち換えのラグが無いという長所もある。

その代わり、連装砲は4発同時発射、3連ビーム砲に至っては6発同時発射という性質上急速に弾が減っていくため、継戦能力はかなり低い。
あまり調子に乗って撃ちまくるとSEED劇中のオルガの如く肝心なところで弾切れを起こしてしまう。
威力や命中より先に弾数をチューンした方がずっと扱いやすくなるだろう。

総じて、超攻撃型・短期決戦型のMSといえる。原作や他のゲームでは微妙に不遇なアビスであるが、使ってみればそのパワーに惚れこむ事間違いなし。


機動戦士ガンダム Extreme vs. FULL BOOST

プレイアブル機体としての参戦には恵まれなかったが、ガイアガンダムのアシスト機体として参戦。
連合VSザフト時代と同じビーム砲一斉射による高ダメージが期待できるが、発生の遅さが足を引っ張る。
続編では突撃してスタンさせる攻撃も追加した。
CPU機体としても登場。こちらは連装砲や格闘攻撃なども使える万能型で、やけに武装が豪華なため舐めてかかると手痛い反撃を受ける。


余談


落合博満が好きな機体の一つとして挙げている。
ゲームではよくこの機体を使うのが好きだという。

2024年3月頃、『DESTINY』放送中に放送されたガンプラのCMで、とある子役がコレクションシリーズ版のアビスガンダムを持ちながら項目冒頭のセリフを言うシーンがあったのだが、
その棒読みっぷりとセリフを言う直前の笑い声と顔がX(旧Twitter)上でバズり、「エクステンデッドのガキ」として一時期の流行を見せた。



「じゃあお前はここで追記・修正しろ!冥殿には僕が言ってやるから!」

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最終更新:2025年03月25日 12:24