三大怪獣 地球最大の決戦

登録日:2011/06/03(金) 00:24:23
更新日:2021/09/17 Fri 22:38:17
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宇宙怪獣(キングギドラ)地球を大襲撃!
ゴジラ・ラドン・モスラと世紀の怪獣戦争!


三大怪獣ㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

地球最大の決戦




『三大怪獣 地球最大の決戦』ゴジラシリーズ第5作目の作品。

1964年12月20日公開
観客動員数541万人




【概要】

本来東宝の年末映画は黒澤明監督の『赤ひげ』が予定されていたが、黒澤監督のこだわりで撮影が大幅に遅れたことにより、急遽製作された。そのため1964年はゴジラの新作が2つ作られた唯一の年である。

今作でゴジラシリーズの名悪役怪獣キングギドラが初登場。
タイトルは三大怪獣なのに四体登場してるじゃないか」という指摘は昔からよくされているツッコミではあるが、これはゴジラ、ラドン、モスラのことを指しており、東宝三大怪獣の初競演という意味合いがある。

……が、1971年の再映版ではゴジラ モスラ キングギドラ 地球最大の決戦』のタイトルになっており、ラドンがハブられてしまう
また、世界観は前作『モスラ対ゴジラ』から地続きである事が明確化されており、『空の大怪獣ラドン』の続編であることも示唆されている。

人間パートもローマの休日のオマージュやザ・ピーナッツによる歌謡ショー、刑事ドラマのような銃撃戦等盛りだくさんであり、正月映画にふさわしい娯楽作品で突貫工事で作られたとは思えない出来である。




【あらすじ】

1月なのに夏並に暑い日が続く異常気象の中、黒部ダムの近くに巨大な隕石が落ちる。
その頃、政治的な内乱の続く「セルジナ公国」のサルノ王女が日本に来る途中の飛行機の爆発に巻き込まれ行方不明となる事件が発生する。

その後、サルノ王女とよく似た金星人と名乗る女性が現れラドンやゴジラの出現を予言するが、マスコミを騒がせるだけで信じる者はいなかったが、予言通りにラドンとゴジラは出現する。

サルノ王女を護衛する予定だった刑事の進藤と、雑誌の企画で金星人を取材しようとする妹の直子はホテルで金星人=サルノ王女を保護し、セルジナからの暗殺者をゴジラ出現の予言を信じて付いてきた小美人の協力で撃退する。
そして金星人からかつて金星には文明があり「キングギドラ」という怪獣によって滅ぼされたこと、そのキングギドラが地球に襲来することを伝える。

その後、黒部に落ちた隕石からキングギドラが誕生、松本市や東京に襲来する。
この危機に対して小美人はモスラを呼び寄せ、ゴジラとラドンを説得し共に戦うことでキングギドラを撃退しようとする。そしてサルノ王女にも再び暗殺者が迫っていた。


【登場怪獣】



ゴジラはこう言っています。


「我々が人間を助ける理由は何もない」
「人間はいつも我々をいじめているではないか」

……と言っています。

ご存知地球最強の怪獣王。
前作と比べて目が大きくなり人相が良くなった他、ラドンを嘲笑う、モスラに自分の尾を噛ませて牽引する、キングギドラの光線に下半身を攻撃され飛び跳ねる等雄らしいユーモラスな動きが増えた。
前回のモスラの鱗粉の後遺症で思うように熱線が吐けず、今回は初代のような白熱光が主力武器。
劇中の行動から鯨を補食するらしい(後のゴジラジュニアも鯨を補食していた)。

さらに本作では「モンスター語」なる言語でラドンやモスラと会話可能であることが判明。
また人間に対して被害者意識があることも分かった(あながち間違っても……というか完全にその通りなのがまた……)

ラドンとはお互いの存在を感じた時から敵対し、富士山麓で激闘を繰り広げる。
当初はラドンとの戦いに夢中でキングギドラと戦う気は全く無かったが、単身立ち向かうモスラを見て義侠心に駆られたのか、怪獣トリオのリーダーとして戦いに挑む。


本作以降ゴジラは都市破壊の頻度は下がり、結果的ではあるが人類のためになる行動が増えていくヒーロー的な一面が強くなる。




ラドンも「そうだそうだ」と言っています。

ご存知空の大怪獣。初代の個体と同様に阿蘇山から出現する。
モスラに糸をかけられて慌てるゴジラを見て大笑いし、その直後に自分も糸まみれになったり、岩陰からキングギドラの様子をチラ見したりなど全体的にコメディ担当。
しかし戦いとなればゴジラとは互角、キングギドラには捨て身の体当たりを敢行、さらにはモスラを背に乗せて空を飛んだりと大活躍である。
着ぐるみは新規造形で、ゴジラをあざ笑ったりと表情豊か。

冒頭で述べたように当初は三大怪獣の一角であったが、再演時にタイトルからハブられる。




「争いをやめてみんなで力を合わせて、地球をキングギドラの暴力から守ろう」

と言っています。

ご存知心優しきインファント島の守護神。なお、今回は成虫にはならず幼虫のまま。
前作と同じ個体でその際は双子だったが、小美人曰く片方は死んでしまったため一体しか登場しない。何があったのだろうか……。*1

今作ではゴジラとラドンを説得するという重大な役割を担う。
しかし……



モスラは「今までの行きがかりはさっぱりと捨てようではないか」
と言っていますが、ゴジラもラドンもお互いに、

「お前が謝れ」

と言い合っています。


ちきしょう、分からず屋ってのは人間だけじゃないんだな。

とまあ二体は人間への恨み絶賛大喧嘩中ということもあって戦う気はなく、その為なんと単身ギドラに立ち向かい、フルボッコにされてしまう。
だがその姿を見たゴジラとラドンが奮起し、結果的にキングギドラを追い払うことに成功したのだった。
例えるなら不良二人を説得する委員長。というか親どころか兄弟までゴジラに殺されたと思われるのに「今までの行きがかりはさっぱり捨てよう」と言い切るモスラの聖人っぷりである
体格差もあってかやはり単身では勝ち目が無かったが、ラドンとの連携では本領を発揮。ゴジラを苦しめた吐く糸はキングギドラにも有効だった。


キングギドラ
後にゴジラ最大の宿敵となる、宇宙から来た金色の三つ首竜。
美しい誕生シーン、操演スタッフ大活躍の首の動きと飛行シーンは必見である。
三大地球怪獣との戦いでは多勢に無勢で追い払われる(つまりこの際は死亡していない)

実は当初体色は最初は、翼はだったが、
とある女性スタッフから「金星の怪獣だから金色だと思いました」というそんな訳ないだろと突っ込みたくなるコメントを円谷英二御代が気に入り、現場の判断で金色に塗り直されている。


【登場人物】

◆進藤(演:夏木陽介)
刑事でサルノ王女の護衛任務に当たるが、王女は日本到着前に行方不明に。その後現れた金星人が王女にそっくりなことから調査をし、金星人=王女だと確信してからは、護衛をしつつ治療のために尽力する。
拳銃を両方の手で撃てる凄腕。最後には王女とフラグを建てた。
「私は日本の警察官……そして、貴方のボディガード(キリッ」

◆直子(演:星由里子)
進藤の妹で活発な女性。記者で、企画のために金星人を追いかける内に事件に巻き込まれる。演じた星由里子氏は前作に続いて主役級の女性記者役を演じた。

◆村井(演:小泉博)
黒部山脈に落ちた隕石の調査に向かった帝都工大の科学者。その後直子の取材を受けたことやキングギドラの誕生を目撃したことから直子に同行する。
演じた小泉氏は前作に引き続き科学者役であった。

◆小美人(演:ザ・ピーナッツ)
今作では日本との関係は良好で、なんとテレビ番組にゲストで出演し歌を歌う。
その後は直子に同行し、モスラ達の会話の通訳をした。ていうか、モスラ以外の怪獣の言葉も分かるんですね。

◆塚本博士(演:志村喬)
精神科の大家で、警察の捜査にも多大な貢献をしている。
研究所で王女の治療を行う。


◆金星人=サルノ王女(演:若林映子)
本作のキーパーソンを務めるセルジナ公国の王女。フルネームは「マウス・ドゥリナ・サルノ」。
政変を逃れるように日本に向かうが飛行機が爆発し行方不明となるが、実は謎の声に導かれて飛行機から脱出しており、その後まるで人が変わったかの様に自らを「金星人」と名乗り各地でラドンやゴジラの出現を予言する。
ちなみに演じた若林映子氏は『007は二度死ぬ』のボンドガールの1人である。

◆マルメス(演:伊藤久哉)
◆部下1(演:黒部進)
◆部下2(演:鈴木和夫)
◆部下3(演:伊吹徹)
セルジナ公国のエージェント達で、リーダーのマルメスはかつてサルノの父をも暗殺している。
王女の乗った飛行機を爆破するも、王女が生存しているのが分かると、改めてサルノ王女暗殺の命を受け日本へ来日。あの手この手で王女を直接殺害しようと付け狙う。

……しかし、不幸なことに行く先々で何度もゴジラやラドンやキングギドラと鉢合わせしてしまう羽目に。
ゴジラの接近で撤退を余儀なくされるわ、渋滞に巻き込まれるわ、王女を感電死させようとしたらゴジラとラドンが鉄塔を壊して停電になるわで完全に怪獣達のペースに飲まれっぱなし。
挙げ句の果てに、キングギドラの引力光線で起こった落石に車が巻き込まれて部下が全員死亡。
マルメス自身もその後満身創痍で進藤と銃撃戦を繰り広げるも、またもやキングギドラが起こした落石に巻き込まれて死亡……と、最後の最後まで怪獣に振り回される末路を迎えた。





追記・修正はキチガイ宇宙人扱いされてからよろしくお願いします。


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最終更新:2021年09月17日 22:38

*1 一説によれば、前回のゴジラとの戦いで尻尾に噛みついて頭を何度も地面に叩き付けられた方の個体が怪我の後遺症で亡くなったとも。