登録日:2010/06/27 Sun 18:52:26
更新日:2025/05/12 Mon 23:01:39
所要時間:約 12 分で読めます
紅の豚は、1992年7月18日に劇場公開された
スタジオジブリ制作の長編アニメ作品。
キャッチコピーは
『かっこいいとはこういうことさ』本当にその通りなので困る
【概要】
第二次大戦直前のヨーロッパを舞台に、自らに
魔法をかけて豚になった
賞金稼ぎの飛行挺乗りの活躍を描く。
宮崎駿が当時「月刊モデルグラフィックス」に連載していたエッセイ漫画「雑想ノート」の一編を原作としたもので、鈴木敏夫プロデューサーが宮崎監督の息抜きとして用意した企画でもある。
そのため、飛行機描写を始めとした監督の個人的な趣味が非常に色濃く表れており、宮崎駿曰わく「疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のためのマンガ映画」と称している。
元々は日本航空の機内上映用作品として企画が進んでいたが、ハッスルしすぎて長くなってしまい劇場アニメになった経緯がある。
子供向けに作られた他のジブリ作品と違い、働き盛りのビジネスマンをターゲットにした少し大人向けの作品に仕上がっている。
冒頭の文章はオープニングで流れるもので、
日本語含めた全10か国語で書かれ、アラビア語表記ではちゃんと右から左へ記載される。
ちなみにカーソルになっているキャラは日本テレビが開局40周年を記念して制定したマスコットの「なんだろう君」で、これも宮崎駿がデザインを担当している。
【あらすじ】
時は世界恐慌真っ只中。
賞金稼ぎの飛行艇乗りポルコは、アドリア海にある、無人島のアジトでのんびり暮らしながら、時折飛行艇を駆って仕事を請け負う気ままな生活を送っていた。
しかしある日
空賊たちに雇われたカーチスと呼ばれる優秀な飛行艇乗りの襲撃によってポルコの飛行艇は大破してしまう…
【登場人物】
ポルコ・ロッソ (Porco Rosso)
声:森山周一郎/古本新之輔(青年時代)
本名:マルコ・パゴット。
1893年生まれの36歳。
口ひげをたくわえサングラスをかけた小太りの中年男性。ただし顔が豚。
しかし、世界一カッコいい豚なのは確かである。
劇中でフィオが幻視した本来の姿はスリムな体型だったので、小太りなのは豚になった際の副次効果である模様。それでも言動がいちいちかっこいい。
真紅の飛行艇サボイアS.21を駆る賞金稼ぎ。
捻り込みを得意とし、かつてはその技でイタリア空軍のエースパイロットまでのし上がったが、
目の前で幼なじみでもある戦友を失ったことと軍隊社会に嫌気がさして軍を去った。現在は反体制的と秘密警察に追われる身。
戦友のフェラーリン曰く「反国家非協力罪・密出入国・退廃思想・破廉恥で怠惰な豚でいる罪・猥褻物陳列で逮捕状が出される」との事。
ただ中盤で秘密警察をあっさり撒くあたり、逮捕の建前以上の事はすでにしでかしている様子。
離れ小島の海岸を住居としているが、所在は空賊連合に割れており劇中で待ち伏せに遭った。
ポルコ・ロッソとは赤い豚という意味であり、イタリア語では最悪の暴言なので決して言わないように。
「豚に国も法律もねぇよ!」
「飛ばねえ豚は、ただの豚だ」
「俺は俺の稼ぎでしか飛ばねぇよ」
マダム・ジーナ (Gina)
声:加藤登紀子
本作のヒロイン。ポルコの
幼なじみで、彼をマルコと呼ぶ数少ない人。
ホテル・アドリアーノのオーナー兼歌手。
その優しく母性的な性格から、「アドリア海の飛行艇乗りは、みんなジーナに恋をする」と言われるほどの美女。
彼女に嫌われたくないため、ホテル・アドリアーノの半径50km以内では空賊達ですら「仕事」を自粛する。このため、事実上の中立地帯になっている。
過去に三度、ポルコの幼なじみの友人たちである飛行艇乗りと結婚したが、
全員と死別している。
「マルコ…今にローストポークになっちゃうから…私イヤよ、そんなお葬式…」
「ここではあなたのお国より、もうちょっと人生が複雑なの」
「貴方、もう一人女の子を不幸にする気なの?」
フィオ・ピッコロ (Fio Piccolo)
声:
岡村明美
本作のもう一人のヒロイン。
ピッコロおやじの孫娘で飛行機設計技師。若いながらもピッコロおやじも認め、ポルコが愛機を任せるほどの腕前を持つ。
肝が据わった男勝りな性格でその肝っ玉母ちゃんなところから空賊たちのハートを鷲掴み。一方で内面は少女らしい一面も。
尻がデカい。
ちなみに中の人はこれがデビュー。後の
麦わらの一味の航海士や
風のサーガである。
「やっぱり!こんな過激なセッティングで、よく水から離れられるわね…」
「さっきの請求書、水増ししとけばよかった!損しちゃったぁ」
「ポルコは、アドリア海の飛行艇乗りの名誉と誇りのために、カーチスと一対一の対決をしにここへ戻ってきたのよ!意地も見栄もない男なんて最低よ、堂々と戦いなさい!」
ドナルド・カーチス (Donald Curtis)
声:
大塚明夫
空賊連合が
用心棒として雇った一流の飛行艇乗り。祖母が4分の1イタリア系アメリカ人。
自分と同じ名前を持つカーチスR3C-2の改造機に乗る。
普段の言動は目に余るものがあるが、飛行艇乗りとしての腕は本物でポルコと同格。
彼が離陸するときの様子を見ただけでポルコは「いい腕してるぜ」と認めていた。
性欲を持て余しており、ジーナにもフィオにも会うなり求婚した。
生身の格闘もできるが
CQCは使わない。
ポルコの飛行艇の残骸を拾った際は「アラバマのおふくろにいいお土産が出来たぜ」と親思いな一面を見せる。
映画俳優になった後にアメリカ大統領になるのが夢。
実際アメリカにはそうなった大統領が居る。
ポルコとは別ベクトルの漢。
勘違いしている人が多いが「レースに優勝したカーチス」とは彼ではなく、彼の乗っている元のカーチス社の飛行艇のこと。
「ぶうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅたぁぁぁァァァァァァァァァァッ!!!!!」
「逃げるな!みんなに言いふらしちゃうぞー!」
「引き分けなんかに、しねぇからなァッ!」
マンマユート・ボス (Mamma Aiuto Boss)
声:上條恒彦
空中海賊マンマユート団の親分。大柄で髭面。
金を得るために客船を襲い
人質を取ることも厭わない金銭を狙う空賊...らしくない人情に厚い人物。
ポルコの過去に詳しいが、何故詳しいのかは不明。
ちなみにマンマユート団は、直訳すると「ママ助けて団」、もしくは「ママ怖いよ団」という意味。
序盤の客船襲撃・幼女拉致のシーンでは
仲間外れを作っちゃ可哀想という理由で15人もいる幼女全員を連れて行っている。
当然ながらまともに統率できるはずもないが、勿論危害は加えず、叱るどころか飛行艇の上から中まではしゃぎ回る子供達をケガしないように必死でなだめすかしていた。
少し真面目な話をすると、第一次大戦後の不況の中多くのパイロット達は飛ぶ事を断念せざるを得なかったが、空への想いを捨て去らなかった一部の者は空中海賊に身をやつしても飛び続けようとした。その「一部の者」がマンマユート団でもある。コミカルに描かれているものの、彼らをはじめとする空賊たちは痛々しく、哀しい存在だったりする。
その事を加味すると、ポルコの過去に詳しかったり、終盤の決闘シーンで空戦の解説を事細かにできるのも、彼が従軍経験のある元空軍パイロットだったからと考えるのが自然だろう。
「来やがれ豚野郎、最後の勝負だ!」
「ローンを背負った空賊なんぞ、絵にもならねぇ!」
「みんな聞け!俺はフィオ嬢の心意気に惚れた!この決闘は我がマンマユート団が取り仕切るぞ!!」
フェラーリン (Ferrarin)
声:稲垣雅之
ポルコの元戦友のイタリア空軍少佐。ポルコのことをマルコと呼ぶ数少ない人物で存命の友人。
皮肉屋だが友誼には厚い。ファシストに従わないポルコを諫めているが、裏では軍の包囲網を抜ける手助け・軍がポルコとジーナに手出しできないように手を回している。
またポルコに「俺たちの力で何とかする」と説得していたことから、彼以外にもポルコの復帰を望んでいる者がいることが伺える。
ただ他人の豆を奪って食い尽くすのはどうかと思う。
モデルはアルトゥーロ・フェラーリン。
「冒険飛行家の時代は終わっちまったんだ!国家とか民族とかくだらないスポンサーを背負って飛ぶしかないんだよ」
「飛んだところで豚は豚だぜ」
「気を付けろ、奴等は豚を裁判にかける気はないぞ。あばよ、戦友」
ピッコロのおやじ (Master Piccolo)
声:桂三枝(現:6代目桂文枝)
ミラノの飛行艇製造会社「Piccolo S・P・A」の経営者で、ポルコの昔馴染み。
気さくで面倒見の良い性格だが金には厳しい(社会事情的にインフレが進み、金の価値が下がっているのも原因ではある)。
12歳の頃にはエンジンをバラしていたと語るほど生粋のメカニック。
裏ルートでエンジンを仕入れられるコネもあるようだ。
有名なボロ小屋でエンジンの試運転を行う場面は原作漫画にもある。コマを支配する効果音は「壮絶」の一言。
「だがコイツのせいじゃない、メカニックがヘボだったからだ!」
「そういうのをな、アジアじゃ”ブッダに教えを説く”って言うんだよ」
「いい音だ!このエンジンは当たりだぜェ!」
空賊連合のボス達
声:仁内建之、野本礼三、阪脩、島香裕、藤本譲、田中信夫など
眼帯とチビと頬キズと金髪とハゲキズとハゲサングラスと顎髭。
凶悪(?)な空賊達をまとめるボスの集団。どいつもこいつもお調子者で、皆ジーナの前ではデレデレ。そして愛すべきバカ達。
マンマユート・ボス共々大戦も無事乗り越えたようで、身なりは良くなり年老いてもアドリアーナに訪れている姿がエピローグで描かれている。
「次はお前だ!豚出てこい!」
ばあちゃん
声:関弘子
ひ孫に小遣いをやりたくて飛行艇改修に参加した、ポルコの昔からの知り合い。好奇心で秘密警察の行動を見たり言動は完全に子供。
「ポルチェリーノ!」
「アンタもいい男になっちまったねぇ」
「曾孫に小遣いやりたくてねぇ、イッヒッヒ」
ピッコロ一族の娘達
姪のモニカ、甥っ子の嫁のシルヴァーナ、従兄弟の娘のソフィア、ラウラ、コンスタンス、タンバリン、ヴァレンティーナ、
フィオの姉ジリオラ、従姉妹のサンドラ、ドラム、マリエッタ、息子の嫁のマリア、ティナ、アンナ、その妹のミレッタ
皆なかなかの美人揃いで、ポルコも鼻の下を伸ばしていた。
不況で男は全員出稼ぎに行ってしまったため、娘たちが総出で手伝いに来た。
おやじ曰く「よく働くし、粘り強い」そうで、事実ポルコの新しい飛行艇はカーチスと互角に戦えるまでになった。
ベルリーニ
ポルコの幼馴染(飛行機仲間)の一人でジーナの元夫。
ジーナと結婚するも休暇が取れず戦場へとんぼ返り、2日後オーストリア=ハンガリー軍との交戦で戦死。
この時ポルコも生死の境を彷徨って飛行機乗り達の墓場へと誘われ、天に召される彼の身代わりになろうとしたが叶わなかった。
地中海の女王号の用心棒
「1号艇、黒いエスタリオン。シニョール・バラッカ」
「2号艇、ティベレの狼。ビスコンティ中尉」
空賊連合が結成直後に襲った客船の用心棒達。
黒いエスタリオンは黒い雄馬、ティベレの狼はローマ建国神話のティベレ川の狼が由来か。
コイツ等の存在を想定していなかった連合を混乱させたが、カーチスにえらい勢いでブチ墜とされてしまった。
ラジオニュースでパイロットは脱出したと報道されため、2名とも生き延びている。
モデルはそれぞれWW1とWW2のイタリア撃墜王で
フェラーリのマークの由来となった黒馬の紋章をもつフランチェスコ・バラッカ中佐と
「クラブのエース」隊の指揮官を務めたアドリアーノ・ヴィスコンティ少佐。
機首部分にもそれぞれ蹄鉄、クラブのパーソナルマークが描かれている。
【メカ】
サボイアS.21試作戦闘飛行艇
構造:木製モノコック
乗員:1名
全長:7.92m
全幅:10m
搭載エンジン:イゾッタ・フラスキニ・アッソ
エンジン型式:水冷V型12気筒
出力:600馬力
武装:7.92mmシュパンダウ機関銃×2
ポルコの赤い単葉機。原作漫画「飛行艇時代」における愛称は「フォルゴーレ号」だが、映画では一度もその名で呼ばれなかった。
戦闘機として一機だけ作られたが、扱いが難しいことから乗り手が居らず倉庫で埃を被っていたところをポルコが買い取った。
作品冒頭でポルコは平気そうに離水していたが、実際はフィオが「よく水から離れられるわね」と感嘆するほど過激なセッティング。ポルコ曰く「難しいのは離着水の時だけで、スピードに乗れば粘りのある翼」。
ラジエーターがエンジンの左右に張り出すような形状であるため、ただでさえ悪い上方視界がさらに悪化している(原作漫画ではアゴ型ラジエーターだが)。コックピットの左側手前にある小さなプロペラは、タンクからエンジンに燃料を引き上げる風車式ポンプのもの。
作中登場時点ではエンジンは突然ストールを引き起こしたりオイルを吹いたりと絶不調で、ポルコが騙し騙し動かしている状態だった。
サボイアS.21"F"試作戦闘飛行艇
搭載エンジン:フィアット・フォルゴーレA.S.2(劇場映画版)
ロールス・ロイス ケストレル(原作漫画)
出力:720馬力(劇場映画版)
700馬力(原作漫画)
最高速度:330km/h
前述の機体がカーチスによって破壊されたことを機に改修した機体。FはフィオのF。
エンジンのパワーアップ・主翼の翼断面を刷新することで推力が向上させられた。乗員は2名となり機関銃は1つになったほか、タブも新しく付けられた。
エンジンはフィアット・フォルゴーレのレーサーカスタムをさらにチューンアップしたもの。ヘッドカバーには「GHIBLI」というロゴが入っている。
このエンジンを調達できたことをポルコは不思議がっていたが、ピッコロのおやじが「出所は聞くな」と真っ先に牽制したあたり、どうも闇ルート辺りで調達したと思われる。
原作漫画におけるロールスのエンジンは、525馬力のものをピッコロのおやじが700馬力にチューンアップしている。
なおフィオがポルコの飛行艇を弄ったことについては『ピッコロ社はフィオが人質になって無理やり作らされた』と当局に言い訳することにしたためポルコに新たな罪状が追加された
モデルは実在のサボイアS.21ではなくマッキM.33。これは、宮崎駿が昔見た飛行艇の写真を勘違いして覚えていたため。
なお
食玩ブーム期にエフトイズ社からマッキM.33が発売されているが、手書きの説明書に赤い飛行艇が描かれている他、シークレットに
赤いマッキM.33が選ばれている。
カーチスR3C-0非公然水上戦闘機(密造)
翼幅:8.10m
全長:6.29m
全高:3.15m
搭載エンジン:カーチスV-1400
エンジン型式:V型12気筒
出力:610馬力
原型機最高速力:395km/h→改造後:348km/h
武装:7.7mmブローニング機銃2丁
カーチスの乗る群青色の水上機。
モデルは実在のシュナイダー・トロフィー・レース優勝機カーチスR3C-2。
モデルとなったカーチスの改造機であり、プロペラ同調式機関銃(回転するプロペラの隙間を弾丸が通る)を2丁装備。
レーサー時の翼面冷却をやめて機頭下面に外付けラジエーターをつけられているほか、垂直尾翼上には幸運のガラガラヘビが描かれていたりと色々な改造がなされた結果最高速度は落ちてこそいるものの、それでもポルコのS.21を凌ぐ速力を誇る。
スペックを見て分かる通り、小さな機体にドデカいエンジンを積んでいるためそれはそれは速い。
ダボハゼ号
構造:金属製艇体、単発
搭載エンジン:ロールス・ロイス・イーグルⅣ
エンジン型式:水冷V型12気筒
出力:360馬力×2基
最高速度:193km/h
武装:37mm対空機関砲1門(原作漫画で言う「恐怖の37ミリ砲」)、7.7mmルイス機銃1丁、乗員の携帯小火器多数
マンマユート団の串型エンジンがついた大型飛行艇。飛行艇なのに何故か迷彩。
冒頭でポルコに中破させられたがポルコが金貨半分で妥協してくれたおかげでどうにか修理されて再登場。
しかしそれでもローンを背負う羽目になり、更に修理費が嵩んでペンキ代が足りなかったため、尾っぽの部分だけ塗装されていなかった、同業者曰く「みっともねぇなぁ」。
マッキM.39 (M.52)
フェラーリンがポルコを先導したときの機体。
モデルは実在のM.39とM.52の特徴が混在しているためある意味オリジナル機。
サヴォイア・マルケッティ S.55
ポルコ達の決闘を知り出動したイタリア空軍の双胴の飛行艇。
史実では1933年に24機の編隊で大西洋横断に成功、これを記念にした石碑を映画のロケハンで現地に訪れた監督が偶然発見し満面の笑みで撮影した写真が残っている。
マッキM.5
ポルコがまだ人間だった頃に乗っていたイタリア軍機。
オーストリア・ハンガリーの飛行艇・ローナーLをコピーしたマッキ L.1から独自発展を遂げた飛行艇。
ハンザ・ブランデンブルクCC
ポルコと戦っていたオーストリア・ハンガリー海軍の飛行艇。
地中海の女王号の戦闘艇
豪華客船地中海の女王号に搭載されていた戦闘艇。シニョール・バラッカとビスコンティ中尉が搭乗。
折りたたみ式の翼を持つ単座の小型単葉機で、機首部分には四門の機関砲が確認できる。
地中海の女王号の格納庫からカタパルトで射出される形で出撃、空賊連合を翻弄したがカーチスによって撃墜されたものと思われる。
この戦闘艇自体は架空機だが、1930年代の豪華客船には郵便飛行機用の格納庫とカタパルトを持ったものが実在している。
【銃】
Kar98k
ドイツ製の騎兵銃。
ドイツ製自動拳銃。シングルアクション。
ルイス軽機関銃
マンマユート団が使用する軽機関銃。
M24型柄付手榴弾
マンマユート団の下っ端が群衆に投げ入れた手榴弾。
エンフィールドNo.2
回転式拳銃。
カーチスが弾切れ時に使った拳銃。
ムスカ大佐や帝劇の
タチバナさんが使用している銃の同タイプ。
「ハイヨ~シィルバァ~」
【小話】
冒頭に記したように本作は『雑想ノート』が原作で、原題は『飛行艇時代』だが、この話の特徴である「赤」と「豚」をタイトルに入れたいということと、だからと言って『ポルコ・ロッソ』だと上記の通り最悪の暴言となること、
赤より紅の方が語感がいいとの宮崎の判断から『紅の豚』となった。
尚その特徴である「豚が空を飛ぶ」という言葉は
英語圏では「有り得ないこと」転じて「有り得ないほどの幸運」を象徴する慣用句。
ポルコはラスト、隣にいたカーチスが「ちょっと顔を見せてみろ」と駆け寄る描写から、人間に戻った様子であるが顔は意図的に映されておらず、
パヤオによると「人間に戻ってもまたすぐに豚に戻り、十日くらい経つと飯を食いにジーナの前に現れる」との事の他、あの夏の後ポルコとジーナは結婚したらしい。
それで第二次世界大戦も生き延びてるんだから相当な強運の持ち主である。ジーナはサゲマンじゃないんだ!
ラストのフィオの語りのシーンの背景をよく見るとジーナの家に赤い飛行艇が留まっているのが確認できる。
この時飛んでいる飛行機が明らかにジェットエンジンだった+その前後で姿を見せた空賊連合のボス連中の老け具合を見る限り、
作中時間の10数年後に当たる1945年から更に数十年は軽く経過していることがうかがえる。
実はラストシーンはカットされた箇所があり、
一説によると更にパワーアップしたサボイアS.21がジェットエンジン搭載の旅客機を追い抜くというものだったとか。
ポルコ役の森山周一郎氏は自宅電話で本作のオファーを受けたが、元々は洋画吹き替えを中心に活躍していたためアニメ業界のことをほとんど知らなかった。
そのため「監督の宮崎という名前に心当たりがないなあ」と断ることも考えていたが、
電話の様子を見ていた娘から「ダメ、お父さん断らないで。話を聞いて。」と身振りで訴えられたため受けることにしたという。
また洋画吹替は完成映像に声を付ける形のため、下書きや未完成の映像を頼りに声を当てるアニメの収録は経験したことがなかったのだが、
そんな自分のために宮崎駿監督は完成に近いフィルムを用意してくれたと森山氏はインタビューで語っている。
挿入歌「さくらんぼの実る頃」、EDテーマ「時には昔の話を」はどちらもジーナ役の加藤登紀子さん本人が歌っている。
加藤氏が実際に歌う姿を見てコンテを描き起こした場面もあるという。本作は加藤氏にとってもいい思い出になっているようで、
金曜ロードショーで放映される度にSNSで思い出話を語ってくれる。
その中でも、2010年におけるファンからの
「なぜジーナは修理で載せ替えたポルコの飛行艇のエンジン音にすぐ気がついたのでしょう?」という疑問に
「そうね。どうしてかしら?好きな男の足音は靴が変わってもわかるって事かな。」とあまりに粋な返信をしたことは有名である。
ピッコロのおやじは当初はそこまで出番がない予定だったが、三枝が別番組で共演した森山に声優として出演できないかを打診。
それを監督に相談したところ三枝の起用が決定、更に脚本も書き変えて出番も大幅に増やした。
フランス語版のポルコの吹き替えは『
レオン』などで知られるジャン・レノが担当している。
無気力演技だが
アメリカ版では『
バットマン』や後の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で知られるマイケル・キートンが担当。偶然にも彼は後に
ある映画で空を飛ぶ犯罪者を演じることになる。
「追記・修正しねぇヲタはただのヲタだ。」
「バカッ!」
- ベルリーニとか戦友の所へ飛んでいってしまったかぁ…ポルコ… -- 名無しさん (2021-02-10 07:49:13)
- 青い空と飛行機とロマンスとバトルととってもいい作品 -- 名無しさん (2022-01-09 20:21:25)
- ポルコは陽気に見えて、無常感とか無力感がちょくちょく顔を出すよね…そういうとこほんと好き -- 名無しさん (2022-01-14 22:48:45)
- 久しぶりに見たけどやっぱいい作品だわ。殴り合いながらカーチスのポルコに対する台詞が本当に好き -- 名無しさん (2022-01-15 00:07:46)
- ビデオもDVDもBDも持ってるが、金ローで見るのやめられねえ -- 名無しさん (2022-01-15 00:14:13)
- ジーナはサゲマンじゃないんだ!に草。まあ、当時の世相を見るにポルコもジーナも複雑な立場なんやろうなあ。小説でいいから後日談を見たい -- 名無しさん (2022-01-15 01:47:01)
- ファシストが嫌いなのにファシストの役が多い森山さん -- 名無しさん (2022-05-16 19:48:56)
- 作り手も登場人物たちも全員が全力でバカやった結果生まれた傑作。男の子の好きなもの全部入ってる -- 名無しさん (2023-05-24 14:37:05)
- パヤオは渋くてカッコいいキャラ描けるならルパンも同じように渋く描けよって見る度思う -- 名無しさん (2024-02-12 23:41:08)
- ログ化を提案します -- 名無しさん (2024-05-12 12:49:40)
- ログ化しました。 -- (名無しさん) 2024-05-23 15:33:53
- 微妙に余談だが、イタリアのサッカークラブインテルに所属していた長友佑都選手は名が体を表す助っ人外国人だったって事になるな。そしてインテル自体もACミランから分裂した外国人主体のクラブだったりする。 -- (名無しさん) 2024-07-02 18:35:51
- ポルコの魔法のくだり、本編見直してきたけど「おばあちゃん」なんてセリフどこにも無かったんで消しました -- (名無しさん) 2024-07-21 03:36:48
- 修理に出たポルコにカーチスが襲い掛かってきたシーンで、ポルコが撃墜された時の飛空艇の体勢や搭乗者ではなくエンジンを狙ったカーチスとかの解説があった気がするけど 気のせいかな……?Wikipediaやニコ百pixivとか探してもないし、どっかのコメ欄かTwitterのコメンドだったかな…? -- (名無しさん) 2024-09-18 18:14:12
- フェラーリンも本当はポルコとかと一緒に何を背負うこともなく空でバカやりたかったんだろうなあ -- (名無しさん) 2024-12-24 22:11:06
- 3年ぶりの金曜ロードショー -- (名無しさん) 2025-05-09 21:09:26
- ボコボコにされたポルコのサングラス、片方をよく見るとハートの形になってたりする。敵味方もいつの間にか仲良くなってる所もイイネ....。 -- (名無しさん) 2025-05-09 22:52:34
- ガキの頃は不調のポルコを倒して良い気になってたり一々キザなことを言ったりとカーチスがいけ好かなかったけど、今見てみると名声を得ようと躍起になってたり意中のジーナにまるで相手にされてなかったりと全体を通して道化なのが良い味を出してるよな。 -- (名無しさん) 2025-05-09 23:04:36
- 「新人声優のデビュー作が主役」のタグを付けているけど、森山氏はそのずっと前からジャン・ギャバンの吹き替えをやってるよ -- (名無しさん) 2025-05-10 11:25:54
- ↑岡村明美さんを指していると思われます。メイン格と対等に掛け合う重要な役どころだし、最後の印象的な締めも彼女が務めていますし。 -- (名無しさん) 2025-05-10 14:41:59
- 主役じゃなくて主役級じゃなかろうか -- (名無しさん) 2025-05-10 15:08:58
- 非力と言われた零戦の栄エンジンでさえ1000馬力なんだからこの時代の飛行機の進化速度はすさまじい -- (名無しさん) 2025-05-10 15:56:07
- ↑3ヒロインで主役級であっても「主役」ではまず無いんじゃないの?話の締めを主役以外がやるなんてのも珍しくはないし -- (名無しさん) 2025-05-10 16:13:47
- カーチスのオーディション。最終選考で明夫さんと山ちゃんこと山寺宏一さんと競っていたとのこと。当時のことはわからないけど声豚からするとトンでもない話だ。 -- (名無しさん) 2025-05-10 16:33:30
- 声優におけるタレント吹替と本業のバランスが非常にいい作品と思う。 -- (名無しさん) 2025-05-11 08:23:10
- 自分の記憶の中のポルコは斜に構えたニヒルな男だったけど、実際は皮肉屋っぽく振る舞ってる善人だった。 -- (名無しさん) 2025-05-11 13:02:36
- 岡村明美と大塚明夫といえばこの作品とONE PIECEとテイルズオブシンフォニア -- (名無しさん) 2025-05-12 10:48:26
- 森山周一郎氏は黄金伝説の濱口の島暮らしの時のブタも声優やってたな。紅の豚だ!ってスタジオでもザワついてた気が。(なお後々♀なことが分かりそれ以来女口調になった) -- (名無しさん) 2025-05-12 22:30:35
- 初めて知ったけど送り出すシーンの時に応援してるのかと思ったら人攫い!とか罵倒してたのねww(秘密警察から欺ける為なんだろうけど) -- (名無しさん) 2025-05-12 22:55:21
- フィオが同行するってなった際に「邪魔だからついて来るな!」じゃなくて「嫁入り前の堅気の人間が来るんじゃない!」って言えるのが本当に善人すぎてかっこいいわ -- (名無しさん) 2025-05-13 21:42:26
最終更新:2025年05月12日 23:01