紅生姜

登録日:2012/01/09(月) 23:58:03
更新日:2018/05/08 Tue 11:20:04
所要時間:約 4 分で読めます




紅生姜とは、日出る國日本が編み出した生姜料理の最高峰にして至高の和食。その究極の付け合わせたる一品である。


一般には薬味の定番として知られる。
脂っこい物、味の濃い物を食べながら、時折この紅生姜を頬張るのが基本。

独特の酸味が口いっぱいに広がり、鼻を通る辛さとその鮮やかな紅が食欲をさらに増進する。
紅生姜の無い食事など、さしずめキャベツのないカップ焼きそばのようなものだと心得たい。



紅生姜は何故、あんなにも食欲をそそる美しい鮮やかな紅色をしているのか。

紅生姜の紅は生姜本来のアントシアニン系色素とポリフェノールの紅。
梅干しを浸ける際に共に漬け込んだり、梅酢に漬けて作るため、紫蘇の紅が移りあの鮮やかな色が出ているのだ。

近年では食紅などを使ってより鮮やかな色を出している場合もある。
が、やはり紫蘇本来の自然な紅色の方が、優しい絶妙な色合いを醸し出してくれる事は言うまでもない。


それではここで、そんな紅生姜をたった二週間で作る製法を。

①まずはよく洗った生姜を塩漬けにする。新生姜はそのままでも大丈夫だが、古い生姜は皮を剥いた方が良い。
生姜総量の約3〜5%の塩を全体にまぶして一晩寝かせればOK。
下処理を怠ると究極の紅生姜には仕上がらない。

②さらに翌日一日かけて天日干しにする。生姜はキッチンペーパーなどで水気を十分にとる事。

③干した生姜を瓶などの密閉容器に入れ、ちゃんと全部浸かる量の紅梅酢に一週間ほど漬けておく。

④一週間漬けたら新しい梅酢を入れ直し、もう一週間余り漬ける。この工程で保存性を高める。
漬ける際に赤紫蘇を入れておくとさらに風味が増す。

⑤しっかり色が美しい紅色に染まったら完成。
千切りやみじん切り、薄切りなど好みの調理をしてその味を噛み締めるべし。



甘酢漬けの生姜も素晴らしい味わいだが、
梅酢を用いて作られる紅生姜はその風味も栄養価も甘酢生姜とは格段に違う。

そもそも『梅の実を塩漬けにした際に梅から染み出してくる液』である梅酢には、梅が持つポリフェノールやミネラルなどの豊富な栄養価がたっぷりと溶けている。

それに、生姜にも代謝を促進させ身体を温めたり消化を助けたりといった薬効がある。

そんな栄養価の高い液体にじっくりと生姜を漬け込んで作る紅生姜に、果たして栄養がないという事が有り得るだろうか?
単に、普段我々が頂く紅生姜の量が少ないだけなのだ。


以下に紅生姜を使った至高の料理をいくつか挙げる。


◆付け合わせ

紅生姜と言えば大半の人がまずこれを思い浮かべる。
焼きそばラーメンカレー牛丼、豚丼、たこ焼きお好み焼きおべんとうばこ、焼きうどん、冷し中華、散らし寿司……

特有の色や味のため、様々な料理の彩り役や口直し役として使われるが、強いて言うなればそれは紅生姜の有能さ故の事である。
ただし付け合わせなので食べられる量は基本的に少ない。



天ぷら
関西名物、紅生姜の天ぷら。
薄切りを揚げるもよし、みじん切りや千切りを集めてかき揚げにするもよし。
カリカリの衣をシャオッとかじった後にフワッと口の中いっぱいに広がる風味、スウッと鼻を突き抜ける辛さと酸味はシャキシャキッとした歯ごたえと合間って絶品。



◆紅生姜丼
吉野家でやる人も多いはず。
牛丼の上いっぱいに、肉が見えなくなるまで紅生姜をかけたら卵を落として一気に掻き込むべし。
また、熱々の白飯に紅生姜だけをたっぷりとかけて食べてみよう。もう他には何もいらない――その至福の瞬間を除いて他には何も。



◆まぜごはん
ご飯との相性が抜群なのは前述の通りだが、どうせならここまでしてしまいたい。
シラス、ごま、刻み青じそと一緒に炊きたてご飯に混ぜ込んでかっ込む。
至福である。おかずなんてなくともお釜がカラになる。





追記修正は紅生姜丼を食した方のみお願いします。










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…と、まぁ色々書いたが好き嫌いの激しい食べ物であり、苦手な人にとっては正直美味しく食べれるものではない。

苦手な人にとっては付け合わせで出されたりしようものなら迷惑だったりする。

何故ならば、味が辛かったり(生の生姜に比べれば辛くないが)、酸っぱかったり、紅生姜特有の風味が強かったり、とこれでもかと言ったぐらいに癖が強い。
口に合う人なら付け合わせとして好んだり、紅生姜自体を好むのだが、合わない人にとっては付け合わせ元の料理とそもそも合っていない様に思える。

更に生姜本来の匂いと漬け物が合わさり、非常に独特な匂いもする。
色も真っ赤なのでこれを見て食欲がそそられる人も居るが、逆にこの鮮烈な色に食欲が落ちる人も居る始末である。


……と、やや難儀な食べ物である。


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