緋道蓮/仮面ライダー剣斬

登録日:2020/11/09 Mon 16:49:07
更新日:2024/05/03 Fri 22:49:25
所要時間:約 22 分で読めます






あのさぁ…!さっきからさ、『強さ、強さ』ってさ!本を調べる事も大切な事だから!

マジないわ!

ハァ…?

強さこそ正義だ!戦いにおいてこれ以上の信頼は無い!


緋道(あかみち)(れん)とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーセイバー』の登場人物である。
名前が「蓮」だが、青い鎧のコウモリライダーは関係ない。
ここでは彼が変身する仮面ライダー剣斬についても記述する。

演:富樫慧士




【概要】

風双剣翠風を授かりし風の剣士・仮面ライダー剣斬の称号を持つ青年。
世界を創造した「大いなる本」=世界の均衡を守る組織「ソードオブロゴス」に所属しており、日夜使命の遂行のために活動している。
元々はサウザンベース所属だったが、『仮面ライダーセイバー スピンオフ ソードオブロゴスサーガ 前編』で風双剣翠風及び剣斬の称号を継承後にノーザンベース所属となった。

組織内では若輩ではあるが、その実力は高く、仮面ライダーバスターが苦戦したデザストを初戦で撃破した程(アルターライドブックが無事だったため、倒し切るまでには至らなかったが)。
同僚の富加宮賢人に強い憧れを抱くと同時に慕っているが、神山飛羽真からその事についてからかわれると思わず「そんな事ないもん!!」とムキになりながら否定している。
公式のキャラクター設定的に説得力ゼロだけど。なお、その賢人本人からは「蓮の明るさにいつも助けられた」「時々ウザイ」という評価だったが。
ちなみに実際どの程度のものかというと、第17章にて“俺の”賢人君」と言ってのけた程。
何だか誤解されそうな言い回しだが……*1

なお、第6章で交戦して以降、何かと因縁があるデザストからは「奴は間違いなくこっち側(=力を求める事が全て)だ」と評されている。


【人物】

一人称は「俺」
今時の若者らしく明朗快活な好青年だが、上記の賢人の事は「君」付けで呼び、上司であるはずのソフィアに対しても「ちゃん」付けで呼んでタメ口で接するなど、やや馴れ馴れしい所もある。
ただ、年配である尾上亮や大奏寺哲雄に対しては敬称で話していた事から、全くの礼儀知らずというわけではない模様。

本項目冒頭のやり取りからも分かる通り、『強さこそ正義』という信条の持ち主であり、戦闘中でも敵に止めを刺す際に「楽しかったよ!ありがと~!!」と喜ぶなど、若干戦闘狂じみた危うい部分が見受けられる他、上記の信条に拘るあまり、自身と異なる考えを示されても妙に張り付いたような笑顔のまま「マジないわ!」と毒舌と共に切り捨てて難色を示す一面も。
とはいえ、こぶた3兄弟ワンダーライドブックを賭けた飛羽真との勝負(笑)で決着が付けば一応はその力を認め、共闘も受け入れるなど、ある程度の柔軟さも併せ持っている。

これらの思想は過去に師匠から受けた「強さのみを求めろ。強さ無くして、正義は成し得ない!」という教えが理由となっており、
『仮面ライダーセイバー スピンオフ 剣士列伝』第2話ではデザストから「強さの果てを見たくないか?」と問われて「そんなもんがあったら、それ以上強くならないだろ?」と返した他、戦闘後には『強さの果て』という言葉を一瞬疑問に思いつつも、すぐさま「いや、そんなもんないし。俺は無限の強さを求める道を突き進む!」と気持ちを切り替えている。

他にも剣士としては飛羽真よりも先輩だが、座学の方はあまり得意ではないらしく、相対するメギドの特性を知らなかった事も多々あり、前述の気質も合わせて、どこか脳筋気味な点も。

総じて「剣士としての腕前は確かだが、若さ故に精神面ではまだまだ未熟」と言った方が相応しく、今後の成長に期待とでも評すべきか。

荒れ狂う、風の行方。

だが、上條大地仮面ライダーカリバーが賢人を消滅させて以降、その直向きさは負の方向へと向き始める。
神代玲花の扇動により、飛羽真が富加宮隼人や上條と同じように裏切ったと思い込んだ際には彼の主張に耳を貸さないどころか、戦う意志の無い彼に対して「弱過ぎる!本気で戦え!!」と言い放ち、挙句飛羽真を庇おうと割って入った須藤芽依に気付かないまま彼女ごと斬り殺そうとした。
結局ユーリ=仮面ライダー最光の介入により2人は無事だったが、不利と分かってもなお戦おうとして尾上と大秦寺に引き摺られている。

他の剣士達が飛羽真との対立に悩んだり、その真意を探ろうと動く中で、一人だけ未だに賢人の消滅から立ち直れておらず、飛羽真周辺の事情も(組織から見れば)不明瞭な中で、自身が認識出来る確固たる事実(上條は裏切り者であり、賢人を斬った張本人)にしがみ付いて思考停止した状態に陥ってしまい、「上條は裏切り者=それを信じる飛羽真も裏切り者=裏切り者の話に意味はない」という短絡的なロジックに固執し、飛羽真の言葉に全く耳を貸そうとしていない。

第20章では大秦寺によって飛羽真が裏切り者でない事が証明されるも、元々彼と賢人が幼馴染である事自体に複雑な感情を抱いていた事もあって行き場のない苛立ちを捨てられず、その結果、玲花から「雷鳴剣黄雷はまだセイバーが持っています」と聞かされた後、レジエル・王様メギドと戦う仮面ライダーセイバーの下に現れると、なんと「雷鳴剣を返せ!!あれは賢人君の剣だ!」「賢人君を斬った上條を信じるお前が持つべきじゃない!!」と叫びながらあろうことか剣士の敵であるメギドを完全に無視してセイバーのみを執拗に攻撃。
更に彼から「光の剣(光剛剣最光)なら人も救える」と聞かされてもなお「だったらそいつを回収して俺が世界を守る!!」と最光を奪おうとし、自身にも攻撃を加えるレジエルの事などお構いなしにひたすらにセイバーを狙い続けるなど完全に暴走。
その最中、デザストが乱入して四つ巴の乱戦となった際には図らずも彼と全く同じタイミングで同じ攻撃を繰り出した事で「やっぱりお前はこっち側だな!」と言われ、それを否定するかのように「マジ…ないから!!」と激昂。
怒りのままデザストに剣を振るうも、攻撃を易々とあしらわれた上に逃げ出され、セイバーの戦線離脱も許してしまった。

その後、第24章にて組織への離脱を決めた尾上から「蓮、強制するつもりはない。自分で選べ」という言葉を掛けられ、更に第26章にて賢人が新たなカリバーとして復活したと知ったことで、最終的に組織を離脱し、賢人の方に付いていく事を決意。
が、全ての聖剣の封印を目論む賢人の容赦ない攻撃に圧倒された挙句、風双剣翠風も封印されてしまう*2

それまで慕っていた相手に刃を向けられ、聖剣も封印された事で失意に暮れながらも、一方で「俺は……もっと、もっと強くなる…!!そうすれば、きっと……!」となおも強さに固執するなど、その精神面は益々悪化の一途を辿っていき、第30章ではデザストにしつこくつきまとわれる中、あてもなく一人放浪していた所を戻るよう説得に来た尾上に対し、以前掛けられた「自分で選べ」という言葉をそっくりそのまま返すと、「もう放っといてくれ!!」と言い放ちながら彼に斬りかかり、その場を後にする事態に陥ってしまった。

剣士としての本分すら見失い、暴走を続ける蓮だが、果たして彼の行く末は……。

迷いの先、掴んだもの。

その後、第33章にて玲花=仮面ライダーサーベラと遭遇して一戦交えるも、風双剣翠風の片割れを封印され、力が半減した状態では剣技が互角でも勝てるはずもなく一方的に圧倒され、「今のあなたは弱くて、惨めで、無様ですね…」「マスターはもうあなたの事を見捨ててる。“出来損ないの剣士はいらない”と」と詰られてしまう。
その後、デザストが乱入してサーベラの能力を見切り、的確なカウンターを決めた事でようやく渡り合えたものの、この一件と、加勢した倫太郎が自分の知らないうちに更に強くなった事を受けて自身の弱さを痛感せざるを得なくなり、本当の強さを手に入れるため、デザストの同行を承諾した。


おいおい、助けてやったのに礼も無しか?

助けてくれなんて言った覚えはない。助けなんていらないぐらい、強くなってやる!

どうやって強くなるつもりだ?

お望み通り、お前と一緒の道を歩いてやるよ!そして、最初にお前をぶっ倒す!

フッフッフッフッ、フッハハハハハハッ…!いいねえ!!面白くなってきたぜぇ!いいねえ!

やめろ…!

ああ?照れてんのか?

彼に付き合わされる形で剣術の修行に打ち込んでいたが、その中でマスターロゴスが『全知全能の書』を復活させる儀式を執り行う場面に遭遇。
「俺が最強だ!!お前ら全員倒して証明する!!」と感情のままに変身して殴り込み、尊敬の対象であった賢人=カリバーに猛攻を仕掛けるが、最終的には敢え無く仮面ライダーファルシオンに敗れ、風双剣翠風と猿飛忍者伝ワンダーライドブックをマスターロゴスに強奪されるという形で結果的に状況を悪化させてしまった(儀式そのものは飛羽真の奮闘で不完全に終わっている)。
この時賢人に庇われた際の怒り様から、口では「もうアンタは俺の目標じゃない!」と言いながらもまだ憧憬を捨てきれていなかったようで、これにはデザストも呆れかえっていた。

強さとは何か、強くなるとはどういうことか。
価値観を揺さぶられながらも、かつての師匠の教えについて考えながら放浪する中、いつしかデザストと行動する事を自然と受け入れ始めていた。

それでも心にもやもやしたものを覚えていた蓮は、第37章で飛羽真に決闘を挑む。
その中で「強さだけが正義じゃない!“誰かを守りたい”……そう願う気持ちも、同じなんだ!!」と語る飛羽真、「俺は一番強くなくたっていい。大事な時に大事なものを守れる力、それだけでいい」という賢人の言葉に、本当の強さとは何なのかを薄々理解し始めるが、それでも納得出来ずにその場を去った。
それはとりもなおさず、「強くなる事が正義=守るもののない仮面ライダー」である自分自身のあり方を突き付けられたも同然だったのだ。

そして第43章。


苦悩と決意に満ちた、甘くて苦々しい匂いがする……。

……お望み通り、お前と戦ってやるよ。

へぇ…。どういう風の吹き回しだ?

……まあいい。…来いよ!

第42章で一度中断していたデザストとの決戦を、今度は自ら持ち掛ける形で開始。
デザストアルターライドブックが損傷した事で再生能力を失い、死が迫るデザストとの最後の決着をつける時が来た。

今までのどっちつかずな間柄、そして本懐であるデザスト打倒を成し遂げるために。
だが、自身の成長を示そうと放った仮面ライダーブレイズの剣技が逆にデザストの逆鱗に触れ、猛反撃を受けて変身解除されてしまう。


何で俺、こんなに弱えんだよ!?

もういい。俺がお前を終わらせてやる。

自身の弱さを嘆く間もなく、デザストが止めを刺すべく斬りかかる。
だが、


強さの果てを見たくないか?

……俺は、見てみたい……。だから、このままじゃ終われない……!

ギリギリのところで持ち直した蓮は致命の一撃をかわすと、風双剣翠風を構えて再び立ち上がる。


ハハハッ!!どうした?お前らしくなって来たじゃねぇか―――

“お前”じゃない!!俺は……緋道蓮だ!!

俺は……デザストだ!

……うおぉぉぉぉぉ!!変身ッ!!

今更のように名乗りを上げ、互いの存在を示すと共に真の戦いが幕を開ける。
テンションも最高潮に受けて立つデザストだが、今度は剣斬の方が一方的にデザストを攻め立てる。


俺の全存在をかけて……お前を倒す……。

……フフフフフッ……。ハハ、ハハハハハハッ……。来いよォォォォッ!!

そうして「己の全てをぶつけるべき敵」に、仮面ライダー剣斬が真っ向斬り込んでいく。


ったく…!お前になんか、声かけるんじゃなかったぜ。

ああ…お前となんか、出会わなきゃよかった。

もう会わねえよ……!

そして放たれた一撃が、その戦いを終わらせた。
デザストは倒れ、蓮は立っている。それが全てだった。


あぁ…つまんねぇな、もう終わりか……。

……お前はそのままでいいんだよ…。

ああ、それとな―――紅生姜、ちゃんと食えよ?フフフフッ、ハッハッハッハッハッハッ……。

ハァ…。マジ…ないわ。

そのやり取りを最後に、デザストは静かに消滅した。
マフラーと破損したデザストアルターライドブックを手に、蓮は小さく呟く。

――――楽しかったよ。……ありがとう。

それは奇しくも、蓮が初めてデザストを倒した時と同じ言葉だった……。

その後、デザストの遺言通りに紅生姜入りのカップ麺を啜る蓮の後ろには、風双剣翠風に加えて形見のように無銘剣虚無が置かれていた。
まるで彼に対する哀悼の意を示すかのように……。

……しょっぺ。

その後、第44章にてストリウスとの決戦に向かう賢人から誘いをかけられ、「俺は俺の道を行く。……でも、世界を終わらせちゃいけない理由が出来たんだ」として、デザストが残した彼のアルターライドブックと無銘剣虚無を手に取り、飛羽真達と同道。
続く第45章では「滅びの塔」に突入するも、直後にロード・オブ・ワイズ スパルタンが出現し、道を阻む。

これに対し、蓮は大秦寺と共にスパルタンの迎撃を買って出、飛羽真達を先に進ませ激突。
相手はソードオブロゴスの剣技を作り上げた古強者、しかも全盛期以上の力を持つ怪物。
剣斬もスラッシュも攻め手をことごとく切り返され、どんどん追い詰められていく。

だが、スラッシュの捨て身の反撃で隙が出来たところに、こぶた三兄弟ワンダーライドブックを装填した風双剣翠風を投げつけ、音銃剣錫音の銃撃でトリガーを引いて「疾風剣舞」を発動するという掟破りの連携技を発動。
スパルタンの武器を弾き飛ばして丸腰にしたところに、剣斬が無銘剣虚無とデザストアルターライドブックを構えて走り込み、幻影のデザストと共に、召喚された大量のグラッジデントを用いて四方八方からスパルタンを斬りつけ圧倒。
止めに剣を構えて回転しながら突っ込む元祖「カラミティ・ストライク」を叩き込み、反対側から迫るデザストと挟み撃ちにする。
すれ違ったデザストの幻影は、満足げに笑って消えていき、直後にスパルタンが背後で爆発四散。

四賢神の一角を撃破したものの本命のストリウスは健在、やむなく致命傷を受けた大秦寺をその場に残して前線に向かった蓮は、その先でロード・オブ・ワイズ クオンと対峙していたエスパーダと合流。
かつての憧憬の対象、今や肩を並べる戦士となった賢人と並び立ち、最強の四賢神と対峙する事に……。


先に行け、飛羽真!!こいつは俺が倒す!

蓮!

……俺とお前で、だ。

ハッ、ハァ……足を引っ張るなよ。

……精々頑張るさ。

そして互いのワンダーライドブックを交換して放った技のゴリ押しでどうにか撃破はしたものの、この戦いのダメージで一度は落命する事態に。
その後、ユーリの自身の命を賭した行為で一命をとりとめ、復活。
それから1年後には本当の強さを得るべく、武者修行の旅に出る事となった。


【仮面ライダー剣斬】



“強さ”だ!!正義は強さ!強さが正義!だから俺は強い!


スーツアクター:藤田慧

蓮が変身する仮面ライダー。
手裏剣を模したゴーグルに首元から垂れ下がったマフラーという、如何にも忍者といったビジュアルが特徴で、他の剣士達と同様、聖剣に選ばれし者として甲冑「ソードローブ」を纏い、頭部「剣斬ヘルム」にはその証である剣状の突起「ソードクラウン」が備わっている。
戦闘においては身軽さと軽快なフットワーク、そして風双剣翠風の3種類の形態を駆使したスピーディーな戦い方を得意とする。

装備

  • 風双剣(ふうそうけん)翠風(はやて)

剣斬の変身デバイスにしてメイン武器となる

聖剣では珍しく可変機構を備えており、それぞれ「一刀流モード」の状態から分離させる事で「二刀流!」の音声と共に「二刀流モード:(ヒョウ) / ()」に、一刀流モードの状態、或いは二刀流モードから「一刀流!」の音声と共に合体した後、刃の一部をスライドさせる事で「手裏剣モード」に変形させる事が出来る。
変身やフォームチェンジを行う際には一刀流モードの状態から装填スロット「ハヤテシェルフ」に各種ワンダーライドブックをセットした後、二刀流モードに分割してページを開く形を取る。

一刀流モード:表に備わる模様が描かれた叡智を宿す刀身部「ハヤテソウル」は、「ハヤテシェルフ」や速読器「シンガンリーダー」で読み込んだ各種ワンダーライドブックの力を一時的に宿して具現化出来る他、聖なる風で幾星霜に亘って研ぎ澄まされた刃「風雲刃(フウウンジン)」は風を切るほどに切れ味と回転速度が上昇する特性を秘めており、更に一刀流モードでは気流を磨き上げて長大な太刀風を纏わせる事も可能。
そして各種ワンダーライドブックを「シンガンリーダー」に読み込ませ、「ハヤテトリガー」を引く事でそのワンダーライドブックに応じた必殺技を発動させる。

二刀流モード:裏の方には剣斬のライダーズクレストが刻まれた「風双剣翠風エンブレム」が搭載されている。
このエンブレムは「聖なる風」を生み出す源であり、邪気を払い除けると共に清らかな息吹を運ぶとされる。
また、柄となる「カウンターヒルト」は手裏剣モードの回転速度を上昇させる他、末端部にも必殺技の威力を高める要となる刃「ジンプウジン」も備えている。

一方でバスターの土豪剣激土同様に装填スロットが1つしかない都合上、どのワンダーライドブックをセットしても変身音声は共通となっている他、聖剣ソードライバーを使用するセイバーやブレイズ、エスパーダのように各種ワンダーライドブックを複数同時に使用する事は出来ないが、代わりに別のワンダーライドブックと交換し、その力を重ね掛けする形で対応する。

ちなみにプロップはDX玩具版をそのまま拡大した造形であるため、装填スロットがワンダーライドブックの3倍近く大きくなっている。

  • 猿飛忍者伝ワンダーライドブック

とある影に忍ぶは疾風!あらゆる術でいざ候……。

風遁極めし忍は、新たなる術の物語と交差する……。

極める術の先に、火炎の(つるぎ)を求む……。

刃の下に隠せし心は何思ふ……。

物語「猿飛忍者伝」の伝承を内包したワンダーライドブックで、ベースカラーは緑。
ストーリーページには風を纏いながら3枚に分裂する手裏剣、変身ページには剣斬の左腕が描かれ、
2ページ目の左側には「風の忍が聖剣と交わり身に宿る」と記載されている。

タイトルや聖剣ソードライバーと連動させた際の音声からして恐らく猿飛佐助に関する内容が記載されていると思われる他、ひょっとしたら残りの真田十勇士に関するワンダーライドブックも存在するのかもしれない。
元ネタは恐らく立川文庫の『猿飛佐助』からだと思われる。

  • ソードオブロゴスバックル
ソードオブロゴス所属の仮面ライダーが使用するバックルで、剣斬への変身と共に自動的に腰に装着される。
主だった機能についてはバスターのものと同様のため、詳細はこちらを参照。

  • 無銘剣虚無
本来は仮面ライダーファルシオンが持つ無属性の聖剣だが、バハトの消滅後にデザストが持ち去り、彼が倒れた後に蓮が所有。
そして第45章におけるロード・オブ・ワイズ スパルタン戦では、決め手の武器として使用された。
なお、覇剣ブレードライバーの方は無銘剣虚無共々『仮面ライダーセイバー ファイナルステージ』及び『仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏』にも登場したが、エターナルフェニックスワンダーライドブックの去就については不明。

猿飛忍者伝



そんなに俺の強さが見たいの?別にいいけど、一瞬で終わっちゃうよ!


猿飛忍者伝!

とある影に忍ぶは疾風!あらゆる術でいざ候……。


猿飛忍者伝!


双刀分断!

変身!


壱の手、手裏剣!弐の手、二刀流!

風双剣翠風(はーやーて)ー!!


翠風の巻!

甲賀風遁の双剣が、神速の忍術で敵を討つ!


身長:200.3m
体重:84.7kg
パンチ力:8.8t
キック力:17.6t
ジャンプ力:ひと飛び38.6m
走力:100mを3.7秒


猿飛忍者伝ワンダーライドブックを風双剣翠風にセットして変身する、剣斬の基本形態。
物語「猿飛忍者伝」の力を宿しており、風の如きスピードや忍術を駆使しつつ、風双剣翠風で絶え間無く攻め立てる戦法を得意とする。
なお、変身時のバンク映像は初登場した第6章ではなく、『剣士列伝』第2話、
及び同エピソードのシーンを流用したYouTubeのスペシャルムービー『仮面ライダーセイバー 7大ライダー変身!必殺!特別増刊号!』で初お披露目という形になった。

胸部装甲「エアリアメイル」は内部が風遁の術による超高密度の空気で充満された事で、超軽量と堅牢さの両立を実現した他、内圧操作で衝撃を吸収したり、断熱や浮力の発生などを自在に操る事で変身者を保護する役割を果たす。
首元に備えられたマフラー型の整流器「ブラストラッパー」には風遁の術によって気流を操作する力があり、風の力を加えて身体能力を補助する。

腕部「ライドブラストアーム」は突風を思わせる速さの手捌きと風遁の術を放つ力を与える他、グローブ「ライドブラストグロー」の機能で風双剣翠風の各種形態に対応出来る。
脚部「ライドブラストレッグ」も同様に突風を思わせる速さの足捌きとジャンプ力を与える他、静穏特性によって動作音を極限まで抑える事で忍者らしい隠密行動を取る事も可能。
ブーツ部「ライドブラストブーツ」は猛スピードによる連続攻撃を可能とする他、必殺技発動時には旋風を纏わせる事も出来る。

頭部「剣斬ヘルム 猿飛忍者伝」には逆風に立ち向かうゴーグル「ベーンバイザー」で風の動きを読み、高速移動する物体を認識出来る程の動体視力を備える他、変身者の呼吸を整え、運動能力の上昇と体力の温存を両立させる「サルトビマスク」により、地中や水中での活動も可能。
更に額部分の感覚器「センスリーダー」で風が運ぶ匂いや温度を敏感に察知し、周辺状況や他者の様子を探る事も出来る。


◇必殺技

  • 疾風剣舞


○○!ニンニン!

翠風速読撃!ニンニン!

風双剣翠風の「シンガンリーダー」に各種ワンダーライドブックを読み込ませて発動。

風双剣翠風の形態によって技名が変化し、それぞれ一刀流モードなら「一連」、二刀流モードなら「二連」、そして手裏剣モードなら「回転」に変化する。
また、ワンダーライドブックを読み込んだ回数によって音声も変化し、2回連続では「ニンニニン!」、3回連続では「ニンニンニニーン!」にそれぞれ変化する。

猿飛忍者伝
手裏剣モードで発動する「疾風剣舞 回転」では刀身に風を纏い、手裏剣型のエネルギーを4つ飛ばして攻撃した後、剣斬自身も手裏剣の如く高速回転しながら相手に突進して切り裂く。
ヒットするとさながら巻物に描かれるような演出となるのが特徴。
第14章ではセイバー ドラゴンアランジーナの「火炎・デストローダ」と共に発動し、渦巻く緑色の風を放つパターンを披露した。
或いは風双剣翠風に緑色のエネルギーを纏わせ、手裏剣状の斬撃として放つ。

二刀流モードで発動する「疾風剣舞 二連」では緑の風を纏いながら目にも止まらぬ速さで回転斬りを見舞った後、相手の頭上目掛けて「X」の字を描くように一閃する。
こちらも刀身部に緑色の風を纏わせ、斬撃として放つパターンも存在する。

一刀流モードで発動する「疾風剣舞 一連」では、その場で跳躍した後、緑色の輝きを放つ風雲刃から風の刃を飛ばす。
映画『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』にて仮面ライダージャンヌの「コブラスタンピングスマッシュ」から続けざまに放ち、ヒミコ・クリスパーを葬り去った。

こぶた3兄弟
一刀流モードの「疾風剣舞 一連」で発動。
召喚した3匹の子豚達が造ったレンガの壁の裏に隠れつつ、相手を攻撃する。

手裏剣モードの「疾風剣舞 回転」ではハヤテシェルフにこぶた3兄弟ワンダーライドブックを装填した状態で投げつけた後、スラッシュがハヤテトリガーを銃撃すると同時に3つに分裂し、不意打ちでロード・オブ・ワイズ スパルタンを切り刻むという奇策を披露した。

トライケルベロス
一刀流モードの「疾風剣舞 一連」で発動。
稲妻と共にトライケルベロスを模したエフェクトを放って攻撃する。

  • 疾風剣舞 (いかづち)二連


まだ、終われるか……!

……おう……!

ランプドアランジーナ!ニンニン!

翠風速読撃!ニンニン!

最終章にてエスパーダ ゴールデンアランジーナから借り受けたランプドアランジーナワンダーライドブックをシンガンリーダーに読み込ませて発動。
二刀流モードの状態で緑の雷を纏いながら目にも止まらぬ素早さで四方八方から斬撃を繰り出した後、真正面から放つ斬撃のゴリ押しで止めを刺す。

  • 翠風速読撃

風双剣翠風の「シンガンリーダー」に各種ワンダーライドブックを読み込ませて発動するライダーキック

猿飛忍者伝
その場で跳躍した後、右足で強力な飛び蹴りを叩き込む。


忍者ぶた3(さん)



お前を倒すのは俺だ!

流石、賢人君!じゃあ俺も行くぜ!


こぶた3兄弟!

とある3兄弟が繰り広げる、お家を守る戦いの物語……。


こぶた3兄弟!


双刀分断!


壱の手、手裏剣!弐の手、二刀流!

風双剣翠風ー!!


翠風の巻!

甲賀風遁の双剣が、神速の忍術で敵を討つ!


身長:200.3m
体重:91.2kg
パンチ力:10.1t
キック力:21.4t
ジャンプ力:ひと飛び40.7m
走力:100mを3.4秒


こぶた3兄弟ワンダーライドブックを風双剣翠風にセットして変身する、剣斬の派生形態。
何気に同じ属性同士(この場合は「物語」)のワンダーライドブック2冊を使用した初の形態でもある。
なお、「RKF 仮面ライダー剣斬」などの一部媒体では「猿飛ぶた3」という誤った表記で紹介されている。

左腕が物語「こぶた3兄弟」の力を宿した「ブタサンアーム」に変化し、3種の異なる性質(藁・木材・煉瓦)に変化する「ステッピッグワイズ」が新たに装備された他、更にこの力によって新たな必殺技を発動出来るようになった。

頭部「剣斬ヘルム 忍者ぶた3」は見た目こそ変わらないものの、額のセンサーが「トリプルセンスリーダー」に変化し、分身の生成能力や、それに伴う連携攻撃の調整機能が追加されている。


◇必殺技

  • 疾風剣舞

風双剣翠風の「シンガンリーダー」に各種ワンダーライドブックを読み込ませて発動。
この形態になると技名が一刀流モードで一豚(いっとん)、二刀流モードで二豚(にとん)、そして手裏剣モードで来豚(くるとん)に変化する。
また、3体の分身が上記の3つの技を一斉に発動する三豚(さんとん)という大技も存在する。

こぶた3兄弟
一刀流モードで発動する「疾風剣舞 一豚」では、跳躍と同時に3体に分裂し、相手を翻弄しながら連携攻撃を仕掛ける。

二刀流モードで発動する「疾風剣舞 二豚」では、遠距離の相手に向けて風双剣翠風を振るい、緑色に輝く風の刃を飛ばす。
第13章にてカリバー ジャオウドラゴン相手に放ったが、「ジャオウ必殺撃」で打ち消されて敗退してしまった。

3体の分身が同時に発動する「疾風剣舞 三豚」では、手裏剣モードを持った個体が緑色の旋風を纏って飛び上がり、回転しながら無数の手裏剣型エネルギー刃を周囲にばら撒いた後、続けざまに一刀流モードと二刀流モードを持った個体が突撃しつつ、緑色の風の刃を飛ばして相手を斬り裂く。
映画『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』にて、メギドとシミーの大軍を相手に使用した。


忍者ジャッ君



蓮!使え!

ジャッ君と土豆の木!

おう!


ジャッ君と土豆の木!


双刀分断!


壱の手、手裏剣!弐の手、二刀流!

風双剣翠風ー!!


翠風の巻!

甲賀風遁の双剣が、神速の忍術で敵を討つ!


身長:200.3m
体重:89.5kg
パンチ力:9.6t
キック力:19.9t
ジャンプ力:ひと飛び38.8m
走力:100mを3.6秒


ジャッ君と土豆の木ワンダーライドブックを風双剣翠風にセットして変身する、剣斬の派生形態。
エメラルドグリーンとメタリックグレーを基調とした左腕が特徴で、第14章にて仮面ライダーバスターからジャッ君と土豆の木ワンダーライドブックを借り受ける形でフォームチェンジした。

左腕がバスター 玄武ジャッ君同様、物語「ジャッ君と土豆の木」の力を宿した「ドマメノキアーム」に変化し、セイバー ドラゴンジャッ君の左肩「ドマメノキボールド」同様に土豆の木の生命力を操る不思議な力を備えている。
また、左前腕部の「インタングルガント」から1本伸びたツルをやロープのように伸縮させて自由自在に操る力や、鋼鉄以上の硬い外皮の土豆を高速射出する能力も同様。

頭部「剣斬ヘルム 忍者ジャッ君」は見た目こそ変わらないものの、額のセンサーが「ボタニカルセンスリーダー」に変化し、土豆の木の生命力を操り、木遁の術を発動出来るようになった。


◇必殺技

  • 翠風速読撃

風双剣翠風の「シンガンリーダー」に各種ワンダーライドブックを読み込ませて発動。

猿飛忍者伝
二刀流モードの状態から渦巻く緑色の風を放つが、レジエルのボルヘスドに吸収された挙句、赤く渦巻く風として撃ち返されてしまった。

ジャッ君と土豆の木
二刀流モードの状態から遠距離の相手に向けて風双剣翠風を振るい、ツタを纏った緑色の巨大な竜巻を放つ。


【余談】


  • 偶然か否か、身軽さとスピード、そして剣技を駆使した戦法や緑を基調としたカラーリング、主人公との初対面時の対応などから、
    本作と同じく高橋一浩氏がプロデューサーを務めた『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のリュウソウグリーン/トワと共通する点が多い。

  • 第36章にて蓮の師匠を演じたのは、『セイバー』本編でカリバー(上條変身時)のスーツアクターを務めた富永研司氏、
    カリバーの項目でも触れられているが、平成最初のライダー・仮面ライダークウガのスーツアクターを務めた御仁でもある。


追記・修正こそ正義だ!アニヲタWiki(仮)においてこれ以上の信頼は無い!


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最終更新:2024年05月03日 22:49

*1 ちなみに、その第17章を担当したのは『仮面ライダーOOO』第33話・第34話の所謂「キタムランド」回や、プロデューサーや脚本家が同じ『仮面ライダーゴースト』第34話の所謂「カノンがいっぱいだ!」など、何かと「濃すぎる」エピソードに縁がある毛利亘宏氏である。

*2 この時、変身が解除されなかった理由については「聖剣を封印するにはエンブレムに闇黒剣月闇の切っ先を当てる必要があるが、翠風については変身にまつわる機能が搭載されていない「二刀流モード:裏」の方だった」事が東映公式サイトの「巻末付録」にて明かされている。