双頭の雷龍(遊戯王OCG)

登録日:2012/06/10(日) 09:02:50
更新日:2024/02/21 Wed 23:03:47
所要時間:約 4 分で読めます




双頭(そうとう)雷龍(サンダー・ドラゴン)

双頭の雷龍(サンダー・ドラゴン)
融合モンスター ☆7・光属性・雷族
攻2800・守2100

「サンダー・ドラゴン」+「サンダー・ドラゴン」

Vol.シリーズ最後のパック・Vol.7にて登場した融合モンスター。
ドラゴンの名を持つが、ドラゴン族では無く雷族である。

2枚の同名カードを揃える必要があるため一見融合召喚しにくく見えるが、
サンダー・ドラゴンには自身を捨てる事で同名カードを2枚サーチする効果が備わっているため、運が良ければ実質モンスター1体分で融合召喚可能で、仮に効果が腐るとしたら手札に貯まった時なのでどちらにせよ融合素材は揃う。
その上攻撃力も2800となかなかに高い。

しかしその後は同じ2体融合・同攻撃力で2回攻撃できるサイバー・ツイン・ドラゴンが登場。
さらにシンクロ召喚以後のOCGは同攻撃力のゴヨウ・ガーディアンをはじめ手軽に強力モンスターを出せるのでかなり見劣りするようになった。
とはいえ当時の融合モンスターは融合すると却って弱くなるのが当たり前と言えてしまうほど貧弱なものばかりだった中、
十分な攻撃力を持つうえに融合素材まで優秀なこのカードは、当時の基準ではものすごく恵まれた存在であった。
その優れた性能から古の時代、不遇の極みだった融合デッキのエースとして出張することも珍しくなかった。

サンダー・ドラゴンがテーマ化(このカードもルビのサンダー・ドラゴンにより含まれる)した現在では、
本家サンダー・ドラゴンがデッキの必須カードであり専用の融合魔法カードも擁するため、【サンダー・ドラゴン】では通常のメインデッキから当たり前のようにこのカードを出すことができる。
……まあ、同じ素材で出せる「超雷龍-サンダー・ドラゴン」の足元にも及ばないカードパワーでしかなく、普通に考えたら出すわけがないのだが、
あちらが強すぎるが故に19/07/01から長らく制限指定を食らっていること、効果モンスターメタを無視できること、融合モンスター以外をあまり使わずEXデッキに余裕があることから
ガチで採用する選択肢も無いとは言えないくらいの存在に収まっている。


その性能から知る人ぞ知るカードであるが、突っ込みどころ満載なイラストの面でも知る人ぞ知るカードになっている。

例えば「二つの口を持つ闇の支配者(ツーマウス・ダークルーラー)」という
  • 支配者を自称する割に星3・攻900/守700という貧弱極まるステータス
  • 闇属性でも雷属性でもなく地属性
  • 角で蓄電して背中の口から放出するという意☆味☆不☆明な攻撃プロセス
  • 悪魔族でもドラゴン族でもないなぜか恐竜族不足を懸念する竜崎にすら「恐竜族とちゃうやろ」とツッコまれた
などなど突っ込みどころしかない色違いのバニラがいる(実際のところ登場は「二つの口~」の方が先であり、双頭の雷龍があちらの色違いモンスターとなる)。

このため、「双頭の」と銘打っておきながら、二つあるのは首ではなく口、それもなぜかオシリススタイルではなく首筋にある。どうやって頭支えてんだ?
また、双頭()に気を取られがちだが、肢体と呼べる部位は後脚2本しか見当たらず、手・前脚・翼といったものが存在しないフォルムもなかなかにキモ…もとい奇妙奇天烈といえる。
融合素材のサンダー・ドラゴンはわりと真っ当なドラゴンのビジュアルをしている方だが、(デザイン上はなんのつながりもないため)そちらとも全く似ていない。
なお、「双頭の雷龍」が赤色なのに対し、「二つの口を持つ闇の支配者」は黄緑色である。

そんなこんなで後に登場した「超雷龍-サンダー・ドラゴン」のデザインの方がよっぽど正統派なサンダー・ドラゴンの進化形態となっている。*1



――ここまでがOCGでの話である。

しかしこのカード最大の活躍の場は、やはりあの『遊戯王 真デュエルモンスターズ~封印されし記憶~』だろう。
中盤から最終局面にかけてすさまじい勢いでインフレする超高難度で有名だが、
バランスが整っている序盤は序盤で所持カードが貧弱なため、攻撃力を補える融合召喚でアタッカーを呼び出していく必要がある。

しかし相手は序盤~中盤に変化するころから2000オーバーの攻撃力を使い始める一方、
こちらは通常の融合召喚ではせいぜい攻撃力1500を超える程度、砂の魔女等で2000を超えればそれだけでもう万々歳……
そんな環境で攻撃力2800のこのカードを融合召喚できれば、大活躍するのは言うまでも無い。

そんな強力なモンスター、融合召喚が難しいのでは?と思えるが……






ドラゴン+雷族(どちらかの元々の攻撃力が1600以上)


素材は名指し指定をされていない。種族と攻撃力さえ噛み合えば簡単に生み出せる。

竜騎士ガイア(暗黒騎士ガイア+カース・オブ・ドラゴン)「なん……だと……?」
カース・オブ・ドラゴン「……ああ、今度からお前じゃ無くて雷族乗せるわ。」
暗黒騎士ガイア「(´・ω・`) 」
スケルゴン「てかお前邪魔なんだけど」
ドラゴン・ゾンビ「お前もだよ」
カース・オブ・ドラゴン「えっ」

ちなみにこの時融合素材の攻撃力が1600未満だとサンダー・ドラゴンとなってしまうが、
サンダー・ドラゴンは「攻撃力1600以上の、ドラゴンであり雷族*2」であるため、サンダー・ドラゴンになる組み合わせにもう1体ドラゴンか雷族を追加した3体融合を行えば必然的に双頭の雷龍になる。ただし最後に攻撃力2000未満のドラゴン型のアンデットを乗せると上述のような悲劇が起きる
つまり、どんな低ステータスの寄せ集めでもドラゴンと雷族で固めれば簡単に融合召喚できる上、2800という十分すぎる攻撃力を持っている強力モンスターとして君臨しているのである。
ドラゴン・雷族が足りない序盤は、攻撃力1600以上のドラゴンを呼び出せる融合素材(機械族・植物族・岩石族etc)でフォローしたい。

さらに語る上で最も重要な要素があり、初期ライフ8000の相手に、攻撃力2800で直接攻撃を叩きこむと……?

もうお分かりだろう

そう、3回の直接攻撃で勝利可能な数値なのである。

真DMで強力なカードを入手するためには、基本的に相手を瞬殺する必要がある。
2000クラスの融合モンスターでは勝利までに4ターン以上かかってしまうが、双頭の雷龍の攻撃力を持ってすれば

一例
1ターン目:双頭呼ぶ
2ターン目:双頭呼ぶ、壁を破壊し双頭で直接攻撃
3ターン目:何か呼ぶ、壁を破壊し双頭2体で直接攻撃

と、双頭を絡めた複数のパターンにより安定した3ターンキルを約束してくれるのだ。
毎ターン双頭の雷龍を融合召喚できる構築にし、1軍カードであるメテオ・ブラック・ドラゴンやスカルビショップあたりを出すまで草原神官兵をボコボコにするのがクリアの定石と言える。

またカード集めに際し、魔法・罠カードを集めるには双頭の雷龍の融合が不可欠である。
特に貴重な魔法・罠カードを集めるには柔SAランク、すなわち手数や搦め手をたくさん使わなくてはならない。
単純にデッキ切れで勝てばSなのだが、実際そんなに時間をかけてなどいられない。何よりダルい。
ということでとにかくたくさん魔法を使いつつ融合回数を増やし、デッキを消費する必要があるのだが、上述のようなお前邪魔を繰り返す先の最終目的地…それも双頭の雷龍なのだ。

さらに、自身も「雷族かつドラゴン扱い」であるため受けられる強化魔法にも恵まれており*3、組み合わせられれば簡単に3000ラインオーバーになる。
つまり中盤最大の壁である「守備力3000の壁モンスター」*4と「青眼の白龍」の突破役としても最適。
そしてこれもカード集めに必要な作業でもある。

さすがに最終局面では力不足となり2軍程度に落ち込んでしまうが、
そこまでのストーリー進行とカード集めに貢献してくれたのはまぎれも無くこの融合モンスター・双頭の雷龍である。
クリアした際には、デッキ内のカード達のみならずこのカードへの敬意も忘れないようにしたい。

もっとも、RTAではメテオ・ブラック・ドラゴンやスカルビショップを手に入れるための稼ぎプレイを行いづらい為、
必然的に2軍とはいえこのカードも頼みの綱となり、最終局面にして無理ゲーの代名詞とも言うべきファッ○ン6でも最後の最後まで大活躍する事になる。
余りにも便利なためか、近年では新たなドマゾ仕様のRTAレギュレーションとして双頭の雷龍禁止レギュなるものが制定された程である。
いかにこのカードが封印されし記憶において重要な存在かがうかがえると言えよう。
なので、CG化された姿と攻撃方法がクソ貧弱すぎることは黙っておいてあげよう


アニメにて

原作には登場していないが、アニメオリジナルの「乃亜編」において海馬が使用。
その攻撃力と「融合解除」のコンボで連続攻撃という理想的な流れを見せている。

このほか、ヘルカイザーが融合デッキに投入している。
どうもアニメスタッフがこのカードをドラゴン族だと勘違いしていたようである。
もっとも彼のデッキには墓地のモンスターの種族を1種類に統一できる「輪廻独断」が入っているので、運用自体は可能である。

ちなみにこのカード、イラストは上記のとおり「二つの口を持つ闇の支配者」の色違いで、サンダー・ドラゴンの面影はゼロ。首も一本だけ。
スタッフもこれはさすがに違うと思ったのか、アニメで召喚された際の姿は普通に首が二つのドラゴンになっている(頭部デザインは元のイラストのまんま)。
地味にこっち版のカードをOCG化してほしいという意見もわりとあったり。




総統「見たまえ吉田くん、ワシ専用のモンスターじゃよ!!」

吉田「総統(そうとう)、《双頭(そうとう)雷龍(サンダー・ドラゴン)》ですよ?」

総統「だからそう言ってるじゃないか」

吉田「頭が二つって意味の双頭(そうとう)ですよ!!」

総統「なんだってー!!ワシ専用じゃないのかー!!!」

~場所は変わって~

ハゲ「だから「総統」じゃなくて「双頭」だって言ってんだろ!」

総統閣下「ワシ専用だとぬか喜びさせよって!(バシッ)チクショーメー!」


追記・修正は毎ターン双頭の雷龍を融合召喚してからお願いします


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最終更新:2024年02月21日 23:03

*1 あちらは素材指定も含めて初期によく見られる竜騎士ガイア型の合体タイプの融合というよりは融合進化タイプのデザインとなっているので、「双頭の雷龍」のリメイクモンスターではないけど。

*2 ここまで何度も「ドラゴン」と表記しているが、これは「ドラゴン族」とイコールではなく、「ドラゴン型のモンスター」であれば種族無関係である。

*3 強化魔法がどれも一軍モンスターと共有できる代物の他、フィールド魔法「海」は相手の主力を殆ど強化しないで自軍を強化できる、さらには強化してしまう他フィールド魔法を除去するための札として使える等

*4 ただし冥王星では二段階強化しなくては倒せない。とはいえ月を選ぶとコスモクイーンに相討ちにされる