雷族(遊戯王OCG)

登録日:2017/10/26 Thu 02:26:45
更新日:2024/01/03 Wed 12:35:25
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天駆けるイカヅチよ!

漆黒の大気を貫き、その雷撃で大地を燃やせ!


雷族とは、遊戯王OCGに存在する種族の1つである。

概要

放電能力を持つ生物や雷雲、乾電池に至るまで「電気」に関連するモンスターが属する種族である。
なお、よく間違えられるが読みは「かみなりぞく」ではなく「いかずちぞく」である。かみなりじゃないわ!
電気の持つイメージからか、属するモンスターは大半が光属性。

特徴としては、召喚しやすさと効果の強力さを両立した種族。
雷族サポートのおかげで展開力もわりかし高いため、下級モンスターを大量に並べつつ、それぞれが持つ効果で相手の行動を制限することができる。
たいていの種族は「モンスターの出が遅い代わりに反撃を許さない布陣を組める」か「展開力が高く手早くモンスターを並べられるが、相手からの逆転を許しやすい」かのどちらかの傾向が強いため、それらをバランスよく両立しているのが雷族の特徴と言えるかもしれない。

中でも、
相手の行動に制限をかけるコントロール戦術に長けるモンスター(感電・スタン)
単純に高い攻撃力や攻撃力アップ効果を持つ高火力モンスター(電気の流れによって得られるエネルギー)
効率のいいサーチ・リクルート効果を持つカード(充電・リサイクル)
など「電気」から連想しやすい効果を持ったカードはよく目立つ。

カードそれぞれの質は比較的高いが、質か量かでいうと「質より量」タイプ。
種族全体の傾向として攻撃力、防御力の基礎数値が低い欠点があり、高い攻撃力と強力な耐性で攻め込んでくるモンスターとの対戦は苦手とする。
カードプールが少ない分長期戦に持ち込むスタミナにも自信がなく、一度布陣を崩された後の巻き返し能力にも難がある。
それと、レベルや攻撃力を指定するサポートカードが多い関係上全ての雷族が同じサポートを受けられる訳ではない。
デッキ構築の際は、採用するカードはよく吟味しよう。

種族としてはマイナーであるためアニメ・漫画での使用者は少なく、アニメGXの雷丸と漫画ZEXALのサンダー・スパークぐらいしかいない。
しかも雷丸は雷族を「かみなりぞく」と読んでいた
ちなみに冒頭の口上は《ライトニング・トライコーン》という 獣族 のシンクロモンスターのものである。

約四半世紀の時を経て雷族の使い手が登場したが、その時にはそもそものカードプールが変わってしまっていたと相変わらずの不遇であった。

代表的なカード

・《降雷皇ハモン》
自分フィールドの表側表示の永続魔法カード3枚を墓地へ送って特殊召喚できるという召喚条件を持つ最上級モンスター。
三幻魔と呼ばれるモンスター群の1体でもあり、雷族では元々の攻撃力・守備力共に最大の記録を持つ。
4000という高い攻撃力に加え、相手モンスターを戦闘破壊すると相手に1000ダメージを与える効果も持つ攻撃的なモンスター。
雷族サポートの永続魔法は3種類あるが、あまり使いやすいカードではないのでこのカードの為に無理に採用する程ではないか。
種族を統一するならば一族の結束などと併用したり、ロック効果を持つ永続魔法を採用してロックデッキに寄らせてみるといいかもしれない。

・《ライオウ
デッキからのサーチを行えなくする効果と相手モンスター1体の特殊召喚を無効にする効果を持つ。
サーチや特殊召喚を行わないデッキは現環境ではほぼ存在しないため、多くのデッキに刺さるモンスター。
おまけに下級アタッカーとしても水準以上の攻撃力を持ち、戦闘にも強い。
とても優秀なモンスターだが、サーチを行えなくする効果はお互いのプレイヤーに適用されるため、自分もサーチできなくなる点には注意。
また、 特殊召喚を無効にする効果は、「モンスター1体のみをチェーンブロックに乗らない方法で特殊召喚する場合」にのみ発動できる
つまり、 「死者蘇生などのチェーンブロックに乗る効果」や「ペンデュラム召喚で2体以上特殊召喚する場合」は無効化できない ので注意*1
この辺は複雑なルールなので、公式ルールブックや非公式Wiki等も参考にしてほしい。

・《創世神》
手札1枚と引き換えに、自分の墓地のモンスター1体を特殊召喚できる最上級モンスター。
効果は1ターンに1度しか使えないが特殊召喚するモンスターに制限は一切ない。
青眼の攻撃にも耐える高い守備力を持ち戦闘面でも強固だが、
墓地から特殊召喚できない誓約を持つために重く、効果耐性も持たないので効果破壊が豊富な現環境ではうまく活用するには何らかのサポートが欲しい所。
環境で活躍した事は残念ながら無いが、2006年頃の選考会に
このカードで《D-HEROディスクガイ》を何度も蘇生させて大量のハンドアドバンテージを稼ぐことを目的としたデッキが登場したことがある。

・《雷帝サボルグ》/《轟雷帝ザボルグ
帝モンスターの光属性担当。モンスターを破壊する効果を持つ。
モンスターを用いないデッキはほとんど無いため腐りにくい効果ではあるのだが、
モンスターを破壊するだけならアドバンス召喚を必要とする雷帝を使うまでも無い、という場面が多いためあまり使われない。
しかし轟雷帝の方はお互いのエクストラデッキを大量に破壊するというユニークな効果から様々なコンボに活用される。

・《サンダー・シーホース》
自身を手札から捨ててデッキから攻撃力1600以下の雷族・光属性・レベル4の同名モンスター2体を手札に加える効果を持つ下級モンスター。
サーチ先の条件指定が多いが、該当のステータスを持つ雷族は豊富なので選択肢には困らない。
効果を1ターンに1度しか使えず、そのターン内の特殊召喚も放棄しなければならないが、
1枚の消費で2枚のカードを手札に加えられる非常に優秀なカード。

・《雷魔神-サンガ》
相手に攻撃された時に攻撃モンスターの攻撃力を1度だけ0にできる効果を持つ最上級モンスター。
ゲート・ガーディアンのパーツ。原作に登場したので高い知名度を持つ。
雷族サポートとのかみ合いはあまりよくないが、光属性サポートを受けられるのでその方向でなら採用の余地もあるかもしれない。

・《ザ・カリキュレーター
自身の攻撃力を自分フィールドのレベルの合計×300アップする効果を持つ下級モンスター。
高レベルのモンスターを用意したりモンスターのレベルを上げるごとに面白いように攻撃力が上がる。
レベルの上がり幅が倍以上になる「幻獣機」との組み合わせは一興。
攻撃力が?でレベルが半端なので手元に引き込んでくることさえ難しく安定性は低いがロマンは充分。どれだけ攻撃力を上げられるかチャレンジしてみるのも面白いだろう。
後に亜種である《ザ・キャリブレーター》と《ザ・アキュムレーター》が登場したが、攻撃力の上昇が難しいので影が薄い。

《サンダー・ドラゴン》
自身を手札から捨てる事で《サンダー・ドラゴン》をデッキから2枚までサーチできる効果を持つ上級モンスター。
上級モンスターの割に貧弱なステータスであるが、このカードの真価はデッキ圧縮と手札枚数増強を同時に行えるという点。
デッキから持ってきた《サンダー・ドラゴン》は別の効果のコスト等に使うと無駄がない。
後にテーマデッキ化、多数の派生モンスターが登場した(下記参照)。

《双頭の雷龍》
融合モンスター。素材は《サンダー・ドラゴン》2体。
《サンダー・ドラゴン》の効果によって自力で素材を揃えられるので融合召喚が容易であり、攻撃力も2800と高い。
効果を持たない融合モンスターとしては非常に扱いやすい1枚。
しかし融合ギミックを投入しなければいけない都合上、雷族統一デッキでの採用はやや厳しいか。
だがゲーム作品では…

・《雷仙人》
リバース時に3000ライフを回復するが、逆にフィールドから墓地へ行ってしまうと
5000ライフを失う ハイリスク・ハイリターンの極みと言えるモンスター。
あえて相手へ送り付けて《自爆スイッチ》のトリガーに使ったり、エクシーズ素材に変えてリスクを踏み倒したりと意外に使い道は多い。
なおリメイク版に《雷仙神》が存在し、こちらは「ライフ3000払って手札から特殊召喚できるが、その特殊召喚後に相手から破壊されると5000回復する」という効果。

・《光の精霊 ディアーナ》
17年ぶりに登場した精霊シリーズの光属性担当にして、相手エンドフェイズに1000LP回復する効果を持つモンスター。
雷族・光属性・レベル4であることから光天使(遊戯王OCG)やサンダー一家などでは相性が良いが、《混沌のヴァルキリア》の方が十分足りてしまうことが多い。
イラストに羽のようなモチーフと輝く純白のドレスを身に纏った清楚的なお姫様。稲光などの演出もない故に、見た目は天使族しか見えなくもないがれっきとした雷族である。

・《ミスト・ウォーム》
レベル9のシンクロモンスター。
シンクロ召喚時に相手フィールドのカードを3枚まで手札に戻す効果を持つ。
効果自体はかなり強力なのだが、同レベルで要求素材が同じ《氷結界の龍 トリシューラ》という強力なライバルも存在する。
仮想敵やデッキの内容に応じて使い分けたい。

・《電光千鳥》
ランク4のエクシーズモンスター。
エクシーズ召喚時に相手フィールドのセットされたカード1枚をデッキの一番下に戻す効果、
1ターンに1度素材を1つ取り除き相手フィールドの表側表示カードをデッキの一番上に戻す効果を持つ。
再利用の難しいデッキボトムへのバウンスとドローを固定するデッキトップへのバウンスを行える強力なモンスター。
問題は攻撃力が1900とやや低い点と、素材が風属性限定である点。
雷族には風属性レベル4のモンスターはほとんどいないため、【雷族】に組み込むのは至難。

・《常夏のカミナリサマー》
リンク2のリンクモンスター。
相手ターンに手札1枚をコストとしてリンクモンスター以外の雷族モンスターを自身のリンク先に蘇生する効果を持つ。
発動タイミングは相手ターンに限定されているものの蘇生対象はリンクモンスターでなければなんでもOKという大盤振る舞い。

電池メン
雷族・光属性で統一されたテーマ。初めて登場した雷族テーマでもある。
カードの種類は多くないもののモンスターの個性が豊かであるため、様々なタイプのデッキに派生できる。
現時点では主に充電池メンの攻撃力を上げて一気にライフを削る「充電池メン軸」、
単三型を地獄の暴走召喚等で展開して漏電で相手の場を全滅させた上で攻撃をしかける「単三軸」、
単四型をベースにシンクロ・エクシーズ・リンク召喚を重ねる「単四軸」の3つのデッキタイプが存在する。
デッキタイプに合わせて採用するカードを変えられる柔軟性を持つため、雷族デッキを組む場合はこれを軸にするといいかもしれない。

エレキ
直接攻撃できる効果を持った雷族・光属性統一テーマ。
直接攻撃で相手にダメージを与えた時にメリットを発生させる効果を持っているので、まず直接攻撃をしなければ始まらない。
元々直接攻撃できるために攻撃力は3桁~1000ちょっとしかないが、
逆に《サンダー・シーホース》や《バッテリーリサイクル》等優秀なサポートを受けやすいメリットになっている。

・サンダー一家
雷族・光属性・レベル4のモンスターシリーズ。
モンスターを手札から展開する《OKaサンダー》と《Otoサンダー》、デッキからサーチする《ONiサンダー》、墓地から回収する《ONeサンダー》の4体。
それぞれの効果は自身とカード名が異なる雷族・光属性・レベル4というステータスの指定(《ONeサンダー》は加えて攻撃力1600以下)があるが、
サンダー一家は全てその条件を満たしているのでお互いに展開・サーチ・サルベージを行う事ができる。
もちろん他の雷族のサポートにも活用できるし、《サンダー・シーホース》にも対応しているのでかなり使い勝手がいい。
《ONeサンダー》と《OKaサンダー》はビジュアル面での人気もある。

サンダー・ドラゴン
初代サンダー・ドラゴンの登場から実に18年半もの歳月を経てテーマ化。
サンダー・ドラゴン系同士のシナジーが強いのは当然だが、雷族を指定する効果もいくらかあるので出張も不可能ではない。
手札で発動する効果と除外に関する効果を多く持つ。
高い制圧力を持ち登場直後は大会で結果を残す活躍も見せた雷族の大型新人(出世頭?)と言えるが、
サンダー・シーホースやバッテリーリサイクルといったこれまでの雷族便利カードとの相性はさほど良くないため、
既存の雷族デッキとは違う構築を要求される。

・《バッテリーリサイクル》
墓地の攻撃力1500以下の雷族モンスター2体を手札に加える魔法カード。
《サンダー・シーホース》同様1枚の消費で2枚のカードを手札に加える事ができる。
電池メンしか回収できない代わりに対象の攻撃力を問わない急速充電器もあるので、デッキによって使い分けるといい。


・《雷電娘々》
丸藤翔の乗り物。
自分フィールド上に光属性以外の表側表示モンスターが存在すると破壊されてしまうデメリットアタッカー。
雷族下級アタッカーとしてなら、同じステータスでサーチ・特殊召喚のメタ効果を持つ《ライオウ》の方が扱いやすい。
一応、【雷族】や【光属性】で下級アタッカーとして《ライオウ》を採用できない場合なら候補にあがるか。
そんな彼女だが、このカードには真の存在価値がある……。


ゲームにおける雷族

かつてのOCGとはルールが異なるゲームにおいては、非常に優秀な種族として知られた。
当時の融合システムは「モンスター2枚以上を重ねて場に出す事で、種族の組み合わせに応じた融合モンスターに変化する」というもの。
この方法で呼び出せる最強モンスター《双頭の雷龍》の素材として雷族が必須だったためである。
例えば、《プチリュウ》(攻600)+《ダーク・プラント》(攻300)→《密林の黒竜王》(攻2100)
《密林の黒竜王》+《ララ・ライウーン》(攻600)→《双頭の雷龍(攻2800)…という流れで、弱小モンスターから最強クラスのモンスターを呼び出すことができた。
当時のプレイヤーは雷族を引き当てると大喜びでデッキに投入したものである。




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最終更新:2024年01月03日 12:35

*1 なお、ペンデュラム召喚で特殊召喚されるモンスターが1体のみの場合は無効にできる。