サンダー・ドラゴン(遊戯王OCG)

登録日:2018/08/17 Fri 00:24:24
更新日:2025/04/18 Fri 21:41:11
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雷鳴のとどろきを聞けェ!


《サンダー・ドラゴン》とは遊戯王OCGに存在するモンスターカード及びテーマの一つ。
モンスターカードの初登場は第1期(Vol.シリーズ)の「Vol.7」。
テーマとして成立したのは第10期パックの「SOUL FUSION」。


◇モンスターとしての《サンダー・ドラゴン》

効果モンスター
星5/光属性/雷族/攻1600/守1500
(1):このカードを手札から捨てて発動できる。
デッキから「サンダー・ドラゴン」を2体まで手札に加える。
上記の通りVol.シリーズ最後のパック・Vol.7にて登場したカード。
ドラゴンの名を持つが、ドラゴン族では無く雷族である。

肝心の効果だが、自身をコストとして捨てることで発動する起動効果で、同名カードを2枚までサーチするという単純なもの。
上級モンスターなので引いてもすぐには召喚出できず、そもそもステータスが並の下級アタッカーよりも低いため戦闘には向かない。

戦いに使えないモンスターを引いてくるだけのカードになんの意味があるの? とでも言いたくなるが、OCGプレイヤーならこの効果が無意味ではないことに気づくはず。

このカードの真の力は、「ノーコストで手札が1枚増える」「デッキを2枚分圧縮できる」「能動的に墓地に送れる光属性モンスター」という部分。
ようするに、他のカードを出すための「コスト」を捻出してくれるというのが真価なのだ。

カオスモンスターの召喚条件を満たすのに一役買う他、手札交換カードの補助にも最適。
1枚が2枚になる性質から手札コストを多用するデッキのコスト要員としても活躍できる。
さらに、サーチするのは1枚だけでも良いため、仮にデッキにあるのが1枚だけでも効果が使え小回りが利く。
あえて1枚ずつサーチして墓地に光属性モンスターを貯めるという使い方も有効。

ここまでなら便利そうだが微妙に使い辛いモンスター、というだけだが、
《サンダー・ドラゴン》のもう一つの力はこのカードの存在にある。


双頭の雷龍

融合モンスター
星7/光属性/雷族/攻2800/守2100
「サンダー・ドラゴン」+「サンダー・ドラゴン」

専用の融合モンスターである。

名前とイラストの著しい乖離で有名なこのカードだが、
攻撃力2800のモンスターを《サンダー・ドラゴン》1枚と融合カードの合計2枚でぽんと用意できる(かつ、墓地に《サンダー・ドラゴン》が3枚落ちる)のは大きい。
耐性の類はないが、効果のないモンスターであるため、《ダイガスタ・エメラル》などのサポートを受けられる。
墓地へ行った後は、融合に使った《サンダー・ドラゴン》共々《貪欲な壺》で回収して次のリソースを確保するのも手。
OCGではそれ以上特筆すべき事はないが、ゲーム「封印されし記憶」においてはプレイヤーが使用できるカードとしては最強クラスかつお手軽に召喚できるカードであり、そうした意味では知名度が高い。


アニメにて

DMのオリジナルエピソードにて海馬が使用。
いずれも《サンダー・ドラゴン》のサーチ効果から《双頭の雷龍》の融合召喚に繋いだ。


ゲームにて

マジキチゲーと名高い真DMでの活躍が有名。
このゲームにおいて豪運かポケステのないプレイヤーにとって召喚可能な最高打点は《双頭の雷龍》になるので、誰も彼も《双頭の雷龍》をエースにプレイしていた。
詳しい扱いについては上記のゲームの項目や《双頭の雷龍》の項目を参照。

ちなみにこのゲームで《双頭の雷龍》を出す条件は《サンダー・ドラゴン》×2ではなくドラゴン族モンスター×雷族でどちらかの攻撃力が1600以上のとき。
なお、このドラゴン族とは種族のドラゴン族だけでなく、一部の恐竜族・海竜族や「ドラゴン」と名のついたものも該当する。もちろん《サンダー・ドラゴン》も
それを下回ると《サンダー・ドラゴン》が出てくるが、もう一体雷族かドラゴン族を融合させれば《双頭の雷龍》にできる。

とにかくこれが出せないと話にならないのでドラゴン族と雷族の数が滅茶苦茶大事なゲームになっている。


遊戯王デュエルリンクスでも実装が早く、初期環境でなかなかの活躍を見せた。
ドローソースもサーチカードもろくにない、戦闘を介する除去カードさえ随分遅れ気味の環境だったため、素材の能力で少しデッキ圧縮できて2800の打点を期待できるだけで有力株。
その上、戦闘ダメージ量・融合召喚・A召喚・デッキギリギリといったボーナスを複数狙いやすく、それらがミッションにも頻出するので常に追い風が吹いているようなもの。
わざわざA召喚してから《双頭の雷龍》を融合、なんて舐めプチリツモ稼ぎも可能なので、性能以上に仕様面で非常に重宝された。
初期リンクス環境の平和さを物語るモンスターの一角である。











さて。


《双頭の雷龍》の存在、そして簡単に手札が増加する効果から、
古参のカードでありながらもデュエリスト達の戦略の一角を担ってきた《サンダー・ドラゴン》。

それでも一線を張るには及ばず、真DMでの活躍を除けば日の目を見ることなく、
初期勢の中の隠れた一枚として埋もれるまでは行かないものの、地味な18年を過ごしていた。



だがヤツは……弾けた。




2018年7月――――

『SOUL FUSION』にて突如関連カードが大量に収録。
サンダー・ドラゴンの名はモンスター固有の名からカテゴリーの名へと進化を果たした



◇カテゴリーとしての「サンダー・ドラゴン」

2018年7月14日に発売された「SOUL FUSION」にてカテゴリ化されたカード群。

属するモンスターは全て雷族であり、
通常召喚可能な連中は「自身を手札コストとして発動する起動効果」「自身が場から墓地へ送られた/除外された場合に発動する誘発効果」の2つを持つ。
ただし、シャドール同様同名カードの効果は1ターンにどちらかひとつしか使えないので注意。
カオスを意識しているためか光属性しかなかった今までの《サンダー・ドラゴン》と違い闇属性の新規モンスターも出ている。

属するカードは全て「サンダー・ドラゴン」の名を含んでいる。
まだ見た目ドラゴンしている連中はともかく、《双頭の雷龍》含めて「」だの「」だの「サンダー・ドラゴン」とは一体…な見た目や名前の連中もいるが。


下級モンスター

  • 雷源龍(らいげんりゅう)-サンダー・ドラゴン
効果モンスター
星1/光属性/雷族/攻 0/守2000
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードを手札から捨て、自分フィールドの雷族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力は500アップする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードが除外された場合またはフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「雷源龍-サンダー・ドラゴン」1体を手札に加える。

カテゴリ唯一の下級モンスター。要するにタマゴ。
またレベル1のため(2)の効果は自身を《リンクリボー》などリンク1のL素材にすることで即起動できる。
効果は雷族用のコンバットトリックと、同名カードのサーチ。
強化の上げ幅は500ポイントとまあまあだが、永続変化なので戦闘の役に立ちやすい。
サーチ効果の方は《雷劫龍-サンダー・ドラゴン》《雷神龍-サンダー・ドラゴン》とのシナジーが強く、《雷神龍-サンダー・ドラゴン》の弾として除外することで相手へのけん制になる。


上級モンスター

  • サンダー・ドラゴン
上記参照。
結構格好いい元祖《サンダー・ドラゴン》。
なお、融合モンスターの素材にはこのカードが直接指定されている。
新顔たちに「『サンダー・ドラゴン』として扱う」テキストはないため、まともに使いたければ元祖のこのカードが必須。
1枚ずつサーチできることに「効果の発動回数を稼げる」という新たな利点が生まれている。


  • 雷電龍(らいでんりゅう)-サンダー・ドラゴン
効果モンスター
星5/闇属性/雷族/攻1600/守1500
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードを手札から捨てて発動できる。
デッキから「雷電龍-サンダー・ドラゴン」1体を手札に加える。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードが除外された場合またはフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「雷電龍-サンダー・ドラゴン」以外の「サンダー・ドラゴン」カード1枚を手札に加える。

リメイクされた《サンダー・ドラゴン》。
自身をコストに同名カードをサーチ、除外・墓地送りで同名カード以外をサーチ、とよりサーチに特化したモンスターに仕上がっている。
手札になくても効果が使えるのと、誘発であるため相手ターンにも使えるのは本家より上だが、サーチできる枚数自体はあちらが上。
相手ターンに使用することで《雷神龍-サンダー・ドラゴン》の効果を起動し牽制をかける事もできる。
ただ、手札効果を状況に関わらず発動できるのはこのカードと本家《サンダー・ドラゴン》のみであり、《雷獣龍-サンダー・ドラゴン》《雷鳥龍-サンダー・ドラゴン》の効果をスムーズに使うにはこいつらの力が必須。
コイツの本当の仕事は、アドバンテージを維持しながら墓地や除外を肥やすことにある。
またフィールドから墓地へ送られるか除外された場合の効果は手札効果とは逆に、同名以外のサーチとなり《雷鳥龍-サンダー・ドラゴン》をサーチすればすぐに《超雷龍-サンダー・ドラゴン》へと繋がる。
この効果により除外ギミックがあるデッキはサンダー・ドラゴンセットを出張させて《超雷龍-サンダー・ドラゴン》を扱う事が可能になっている。
闇属性なので《闇の誘惑》で除外して効果を使う事もできるため、闇属性が多いデッキとは相性が良い。


  • 雷獣龍(らいじゅうりゅう)-サンダー・ドラゴン
効果モンスター
星6/闇属性/雷族/攻2400/守 0
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードを手札から捨てて発動できる。
自分の墓地のカード及び除外されている自分のカードの中から、「雷獣龍-サンダー・ドラゴン」以外の「サンダー・ドラゴン」カード1枚を選んで手札に加える。
(2):このカードが除外された場合またはフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「サンダー・ドラゴン」モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに持ち主の手札に戻る。

獣の《サンダー・ドラゴン》。どっちやねん。打点が地味に2400ある。
前半は墓地または除外ゾーンからの、同名以外の「サンダー・ドラゴン」カードのサルベージ。
後半の効果はデッキからのリクルートを介したサーチ。
「サンダー・ドラゴン」モンスターは総じて手札で発動する効果を持つため、サーチもサルベージも無駄にならない。
ちなみに前半と後半では対応するモンスターが微妙に違い、後半のリクルート効果は同名カードを引っ張れる。
リクルート効果は守備表示限定のため追撃要員にはなれないため何らかの素材にしてしまいたい。
放っておくとリクルートしたモンスターがエンドフェイズに手札に戻って来るためそれを狙うのも手。
《雷電龍-サンダー・ドラゴン》と同じく闇属性であるため《闇の誘惑》で除外された時の効果のトリガーを引くことができる。


  • 雷鳥龍(らいちょうりゅう)-サンダー・ドラゴン
効果モンスター
星6/光属性/雷族/攻1800/守2200
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードを手札から捨てて発動できる。
自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、「雷鳥龍-サンダー・ドラゴン」以外の「サンダー・ドラゴン」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
(2):このカードが除外された場合またはフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。
自分の手札を任意の数だけデッキに戻してシャッフルする。
その後、自分はデッキに戻した数だけデッキからドローする。

鳥の《サンダー・ドラゴン》。だからどっちやねん。
「サンダー・ドラゴン」モンスターの蘇生or帰還と、手札交換の効果を持つ。
上級モンスターの多い【サンダー・ドラゴン】では加速装置としての役割を持ち攻撃表示で特殊召喚するためアタッカーを作れるが、蘇生可能でかつアタッカーとして機能するのは《双頭の雷龍》と《雷劫龍-サンダー・ドラゴン》くらい。
むしろ、《超雷龍-サンダー・ドラゴン》などのエースに繋ぐための潤滑油としての役割が強い。
【サンダー・ドラゴン】の抑制のため、19年7月改定で制限カードとなったが、2023/4/1に準制限カードに緩和、同年7/1に完全緩和となった。


最上級モンスター

  • 雷劫龍(らいごうりゅう)-サンダー・ドラゴン
特殊召喚・効果モンスター
星8/闇属性/雷族/攻2800/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地から光属性と闇属性のモンスターを1体ずつ除外した場合に特殊召喚できる。
(1):1ターンに1度、モンスターの効果が手札で発動した場合に発動する。
このカードの攻撃力はターン終了時まで300アップする。
(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、自分の墓地からカード1枚を除外して発動できる。
デッキから雷族モンスター1体を手札に加える。
(3):相手エンドフェイズに、除外されている自分のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードをデッキの一番上または一番下に戻す。

カオスになった双頭の《サンダー・ドラゴン》。《双頭の雷龍》のリメイクではない
カテゴリに属しているためサーチが容易で、かつ《雷電龍-サンダー・ドラゴン》と《雷獣龍-サンダー・ドラゴン》が闇属性であるため特殊召喚そのものも楽なのが大きい。
特殊召喚モンスターではあるが、一度正規の手順で出せば蘇生も帰還も可能。

効果はまず、誘発を含む手札のモンスター効果に反応しての自己強化。
《雷源龍-サンダー・ドラゴン》で強化すれば攻撃力3600に達し、戦闘を大きく有利にできる。

二番目の効果は、墓地のカードをコストとしての雷族のサーチ。
これと召喚条件で墓地のサンダー・ドラゴン達を除外し、その効果のトリガーを引くのが仕事となる。

効果(3)は相手のエンドフェイズに、除外されているカードを自分のデッキの一番上か下に戻す効果。
相手のターンを生き残る必要があるものの、墓地のサンダー・ドラゴンの効果を使いつつ、デッキに戻してまたドローする、という流れが想定されている。
二つ目の効果共々何のカードを除外しても、デッキに戻してもいいため擬似的な魔法のサルベージも可能。


  • 天雷震龍(てんらいしんりゅう)-サンダー・ドラゴン
特殊召喚・効果モンスター
星9/光属性/雷族/攻3000/守2000
このカードは通常召喚できない。
雷族モンスターの効果が手札で発動したターン、手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、レベル8以下の雷族モンスター1体を除外した場合に特殊召喚できる。
(1):相手ターンに1度、自分の墓地から雷族モンスターを含むカード2枚を除外し、自分フィールドの雷族モンスター1体を対象として発動できる。
このターン、そのモンスターは相手の効果の対象にならない。
(2):自分エンドフェイズに発動できる。
デッキから「サンダー・ドラゴン」カード1枚を墓地へ送る。

カテゴリ化からしばらくして登場した新たなサンダー・ドラゴン。
《サンダー・ドラゴン》の効果を発動したターンならそのまま特殊召喚可能と、やはり場に出す事自体はかなり容易い。
別の「サンダー・ドラゴン」カードをコストにすれば除外時効果を起動させる事もできる。

一つ目の効果は自軍の雷族モンスターに対象を取る効果への耐性付与。
コストは「雷族モンスターを『含む』カード2枚」であるため、発動条件は比較的簡単。
自身に付与すれば対象に取る効果が効かない3000打点となり、ましてや破壊耐性を持つ融合サンダー・ドラゴンに耐性付与すれば非常に強固な壁となる。

二つ目の効果は毎ターン発動条件する「サンダー・ドラゴン」カード専用の《おろかな埋葬》。
墓地肥やしで融合サンダー・ドラゴンのためのリソースを供給してくれるだけでも優秀だが、無差別除外カード影響下なら除外時効果も同時に発動できる。
指定しているのは『「サンダー・ドラゴン」カード』であるため魔法・罠も選択可能で、《雷龍融合》を選択して間接的なサーチも狙える。


融合モンスター

  • 双頭の雷龍(サンダー・ドラゴン)
上記参照。
頭じゃなくて口が2つある、元祖融合《サンダー・ドラゴン》。
下記の《超雷龍-サンダー・ドラゴン》と融合素材がもろ被りしてしまったのが痛いが、新規勢のサポートはある程度は受けられ、
地味に打点が勝っていたりとこちらはこちらでメリットはあるが、後述の融合モンスターたちと比べると使用には愛が必要。


  • 超雷龍(ちょうらいりゅう)-サンダー・ドラゴン
融合・効果モンスター
星8/闇属性/雷族/攻2600/守2400
「サンダー・ドラゴン」+雷族モンスター
このカードは融合召喚及び以下の方法でのみ特殊召喚できる。
●雷族モンスターの効果が手札で発動したターン、融合モンスター以外の自分フィールドの雷族の効果モンスター1体をリリースした場合にEXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手はドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加える事ができない。
(2):このカードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに自分の墓地の雷族モンスター1体を除外できる。

融合サンドラその2。
手札で雷族の効果が発動したターン、自分の雷族1体をコストに融合可能。
本家サンドラを素材にすることで普通に融合召喚することも可能だが、(普通の融合手段では)消費する枚数自体は変わらない(《サンダー・ドラゴン》1枚+融合か、手札発動の雷族+リリースする雷族)。
ライオウ》の効果の一部を持っているが、サーチが封じられるのは相手のみ。
さらに、戦闘を含む破壊に対しては墓地の雷族を除外することで身代わりにできるため、場持ちは極めて良好。
除外コストに「サンダー・ドラゴン」モンスターを使えば効果の発動トリガーを引くことが可能でアドを取れる。
そのためまず相手は破壊してくれないが、自分のカードで破壊しても身代わり効果は使え生き残るため《激流葬》などで巻き込むのも手。

ギミックさえ仕込めば簡単に出せ、また現在の遊戯王において横行するサーチを一方的に止めるという環境に対するメタ要素を持ち、
それなりの打点と破壊耐性から無理やり処理するのも難しく、純正【サンダー・ドラゴン】及びそれを出張させた【恐竜サンドラ】などの混合デッキが環境を席巻。
サーチが命のデッキではこいつ1体に詰まされるなどあまりに制圧力が高すぎたため19年7月に制限カードになった。ちなみに《雷鳥龍-サンダー・ドラゴン》共々雷族モンスター初の制限カードである。
ある意味こいつの再来である。

しかし2024年7月1日施行の制限改訂にて、まさかの完全緩和。
これにより全カードが規制解除、フルパワーとなった。複数枚採用出来るようになった事で、EXデッキからの引っこ抜きに強くなり、【サンダー・ドラゴン】使いにとってかなり嬉しい改訂だろう。
環境のインフレにより、破壊を伴わない除去やそもそもサーチせずに動くテーマが増加した事によりある意味許された形か。


  • 雷神龍(らいじんりゅう)-サンダー・ドラゴン
融合・効果モンスター
星10/光属性/雷族/攻3200/守3200
「サンダー・ドラゴン」モンスター×3
このカードは融合召喚及び以下の方法でのみ特殊召喚できる。
●手札の雷族モンスター1体と、「雷神龍-サンダー・ドラゴン」以外の自分フィールドの雷族の融合モンスター1体を除外した場合にEXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。
(1):雷族モンスターの効果が手札で発動した時に発動できる(ダメージステップでも発動可能)。
フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
(2):このカードが効果で破壊される場合、代わりに自分の墓地のカード2枚を除外できる。

融合サンドラその3。
カード名ではなくカテゴリとしてのサンダー・ドラゴン3体を素材に要求するが、《超雷龍-サンダー・ドラゴン》と異なる条件で特殊召喚も可能。
自分フィールドの雷族融合モンスターと、手札の雷族1体を除外することで擬似融合が可能となる。
この場合、融合モンスター側は《簡易融合》に対応する《雷神の怒り》が最適。
また、コイツ自身も「サンダー・ドラゴン」なので、ミラーマッチの場合は《超融合》が除去カードになる。

効果は2つで、まずは雷族の効果が手札で発動したことをトリガーとする、対象を取らない単体破壊。
おまけに、この手の効果にはお決まりのカード名指定ターン1の制限が無い
1ターンに2回、3回と効果を使用するのも夢ではない。《レベル・スティーラー》の悪夢再びである。
これだけでもだいぶ強力で、後半の身代わり効果により場持ちも悪くない。
ただし、《超雷龍-サンダー・ドラゴン》と異なり除外するのは2枚なので、墓地リソースの枯渇に注意。《雷獣龍-サンダー・ドラゴン》《雷鳥龍-サンダー・ドラゴン》でリソースの回復をはかるのも良いが、その代わり除外するカードの種類に指定が無くなっているので、適当な魔法や手札誘発などを使う事もできるので案外コストには困らない。

高い打点と相手ターンに除去効果を持つが《超雷龍-サンダー・ドラゴン》と違い戦闘では破壊されてしまう点には注意が必要。

牽制と妨害のために相手ターンで効果を発動するためには手札に《雷源龍-サンダー・ドラゴン》や《雷電龍-サンダー・ドラゴン》を手札に残しておく必要がある。
手札から発動する雷族モンスターの効果に直接チェーンして破壊効果を発動するため、《増殖するG》など適当にフリーチェーンのカードを挟まれると発動タイミングを逃してしまう。
相手にする場合はこの事を覚えておけば、効果を無効にするカードが無くても除去効果を回避することもできる。



リンクモンスター

  • 轟雷機龍(ごうらいきりゅう)-サンダー・ドラゴン
リンク・効果モンスター
◤ ▲ ◥
◀   ▶
▼ ◢
リンク4/光属性/雷族/攻2800
雷族モンスター2体以上
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚されている場合、自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、「サンダー・ドラゴン」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターに記された、自身を手札から捨てて発動する効果を適用する。
その後、そのモンスターをデッキの一番上または一番下に戻す。
(2):自分フィールドの雷族モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに自分の墓地のカード3枚を除外できる。

カテゴリ化から少し遅れてLINK VRAINS PACK 2で登場したLモンスター。
墓地か除外の「サンダー・ドラゴン」モンスターの手札から捨てて発動する効果をコピーする効果と、雷族全体に破壊耐性を持たせる効果を持つ。
ほとんどがターン中の同名発動制限を持つ「サンダー・ドラゴン」モンスターの効果を同一ターン中に再利用することができるが、リンク4とかなり重い。
指定が雷族のみなのでこれを出す素材をフィールドに揃えられるなら、フィールドに融合モンスターを並べて制圧も可能でわざわざこれを出す意味が薄い。
破壊耐性効果も《超雷龍-サンダー・ドラゴン》と《雷神龍-サンダー・ドラゴン》は自前でこれより軽いコストで耐性効果を持っているためわざわざこれを出してまで使う意味があまりない。
《雷鳥龍-サンダー・ドラゴン》で蘇生できるがそれではコピー効果が使えず、使いどころが難しいカードとなっている。


魔法・罠カード

  • 雷龍融合(サンダー・ドラゴン・フュージョン)
通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分のフィールド・墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、雷族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを持ち主のデッキに戻し、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから雷族モンスター1体を手札に加える。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

デッキに戻して融合する専用融合カード。
除外ゾーンまで回収できるので、一切のディスアドなしに強力な融合体を出せる。
雷族の融合モンスター全般に対応しているが数が少なく、融合サンドラ3体と《雷神の怒り》、《ジェムナイト・パーズ》と《ジェムナイト・プリズムオーラ》《プランキッズ ・ハウスバトラー》となる。*1
後半の効果は雷族全般のサーチ効果。《雷撃壊獣サンダー・ザ・キング》が対象に含まれているため、万一の時の除去札にもなる。
また後半のサーチ効果で《雷獣龍-サンダー・ドラゴン》を手札に加え、効果でこれを手札に回収して、これの融合効果で融合素材に《雷獣龍-サンダー・ドラゴン》と融合モンスターをデッキに戻すことで半永久的にループができる。


  • 百雷(ひゃくらい)のサンダー・ドラゴン
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の墓地の雷族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
その後、その同名モンスターを自分の墓地から可能な限り特殊召喚できる。
この効果で特殊召喚したモンスターは、フィールドから離れた場合に除外される。
この効果で特殊召喚したモンスターがモンスターゾーンに存在する限り、自分は雷族モンスターしか特殊召喚できない。

墓地の雷族とその同名カードを蘇生する罠カード。
フィールドを離れた場合除外されるデメリットがつくが、本家《サンダー・ドラゴン》以外は全て除外をトリガーとした効果が使える。
ただし、同名ターン1の発動制限と、蘇生したモンスターがいる限り雷族しか特殊召喚できなくなる縛りがつく。

効果の発動や素材利用には何の制限もないため、除外されても問題のない【サンダー・ドラゴン】は勿論、他の雷族中心のデッキにも採用できる。
除外はX素材にすることで回避できるが、雷族のXモンスターは現状ランク2か4しかおらず、その手段を取れるのは【スプライト】か【ライゼオル】ぐらいのもの。
《エレキングコブラ》による大量サーチが見込める【エレキ】、単三型との相性が良い【電池メン】に出張させるのも手だろう。


  • 雷龍放電(サンダー・ドラゴン・ストリーマ)
永続罠
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分の雷族モンスターの効果の発動は無効化されない。
(2):1ターンに1度、自分フィールドに「サンダー・ドラゴン」モンスターが召喚・特殊召喚された場合、フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
デッキから雷族モンスター1体を除外し、対象のカードを破壊する。

雷族の効果発動の無効化を防ぎつつ、デッキの雷族を除外しながら魔法・罠を除去できる。
一見便利に見えるがこのカード自体へのチェーンは防げず、
また後半の除去効果は「召喚・特殊召喚に成功した場合」であるため《激流葬》や各種落とし穴を踏んでしまう可能性も高い。


相性の良いカード

雷族カード及び雷族サポート

初動となる下級モンスターその1。
墓地肥やし効果でデッキから「サンダー・ドラゴン」モンスターを調達し、自身が雷族なので《超雷龍-サンダー・ドラゴン》になれる。
またフィールドに雷族が特殊召喚されれば雷族トークンが特殊召喚されるため素材調達し更なる展開にも繋げられる。

《雷龍融合》でサーチできる壊獣。
高打点モンスターや、苦手とする破壊耐性・効果対象に取れない耐性持ちモンスターを除去できる。
ただし攻撃力は3300とカテゴリ内最高打点の《雷神龍-サンダー・ドラゴン》を越えているため、場合によっては処理に手間取る事も発生する点には注意。

  • エレクトリック・ワーム
「サンダー・ドラゴン」モンスター以外では珍しい手札から捨てて効果を発動する雷族モンスター。
ドラゴン族機械族のメタとして活用でき、《雷龍融合》でのサーチも可能なため相手によってサイドデッキから入れることができる。

  • ネメシス・コリドー
「サンダー・ドラゴン」モンスター以外では珍しい手札で発動する効果持ちの雷族モンスターその2。
しかもその効果が除外されている同名以外のモンスターをデッキに戻すことで自身を特殊召喚する、というかなり緩い条件から《超雷龍-サンダー・ドラゴン》の特殊召喚条件とリリース元の確保を1枚で同時に達成できる
また、星4・風属性なので《百雷のサンダー・ドラゴン》で2体蘇生→《電光千鳥》をX召喚なんてこともできる。

  • 常夏のカミナリサマー
シナジーを意識したかのように登場した雷族2体指定のリンク2のモンスター。
相手ターンに手札を捨てて墓地の雷族を蘇生する効果を持つが、本命は自身が雷族であることで右下左下のリンク先に融合体を展開しつつ最後に自身が《超雷龍-サンダー・ドラゴン》になることで、先攻3体サンダー・ドラゴン融合体なんてこともできる。

除外効果

  • 孤高除獣
初動となるモンスターその2。
手札から雷族を除外することでデッキの「サンダー・ドラゴン」モンスターを除外することができる。
手札から除外したものが除外されて効果が発動する物なら追加でアドを取れる。
自身は雷族ではないため《超雷龍-サンダー・ドラゴン》にはなれないが、戦闘か相手の効果で破壊されれば除外されたモンスターを回収できる。

  • カオスモンスター
光闇が混在したデッキなので発動条件を満たしつつ特殊召喚できる。
また除外したものによっては効果でアドバンテージが取れるため、出すだけでもお得。
出しやすさ、素材にしやすさから《輝白竜 ワイバースター》と《暗黒竜 コラプサーペント》のセット採用も良い。

除外によって効果を発動する事を旨としたカテゴリであるため、「サンダー・ドラゴン」モンスターの除外時効果を能動的に使って行くことができる。

互いの墓地の光or闇属性を除外する事で特殊召喚出来るドラゴン軍団。これにより墓地に眠る「サンダー・ドラゴン」モンスターを除外する事で展開しながら、《雷電龍-サンダー・ドラゴン》《雷獣龍-サンダー・ドラゴン》の効果を起動できる他、相手の場にモンスターが存在する場合効果がフリーチェーンと化す為光闇主体のデッキの墓地利用を妨害する事も出来る。
メインデッキ組は《深淵の獣ルベリオン》以外が闇属性な為《闇の誘惑》とも相性がいい他、《輝白竜 ワイバースター》や《暗黒竜 コラプサーペント》と併せて《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》を出す事も出来る。

  • 封印の黄金櫃
お馴染み除外版《おろかな埋葬》。
召喚権も使わないため初動としては最強クラス。
「サンダー・ドラゴン」モンスターの除外時効果はそのカードを移動するものではないため、待っていれば普通に手札にも加えられる。
「サンダー・ドラゴン」モンスターがカテゴリ化されるまでは無制限だったが警戒されたのか登場後の改定で制限に逆戻りした。

  • 闇の誘惑
《雷電龍-サンダー・ドラゴン》と《雷獣龍-サンダー・ドラゴン》の除外効果を発動させつつ手札交換ができる。
光属性モンスターもそれなりにいるので採用枚数には注意が必要。

お馴染み無差別除外カード。
除外されても困らないどころか自ら利用して行くデッキであるため、一方的に相手に強烈なメタを押し付けることができる。
もっとも、融合サンダー・ドラゴンの破壊耐性のように墓地を使う効果もあるため、
決して自分には影響が無いわけではなく、発動タイミングはよく考える必要はある。
除外が刺さらないデッキは限られており、場合によっては自身も大きな悪影響を受ける事になるため出張型での採用は厳しいか。

その他

お馴染み出張前提融合テーマ。
召喚権は前述の初動要員には必要だが【サンダー・ドラゴン】には必要ないので、アレイスターに召喚権を費やす余裕はある。
《召喚魔術》は手札融合なら召喚獣以外の融合召喚もできるため、フィールド融合は元々しない当テーマと噛み合っており、状況によっては《召喚獣メルカバー》あたりではなく融合サンダー・ドラゴンを出すために使うことができる。
こちらが融合テーマであるため《召喚獣アウゴエイデス》も活躍させやすい。
アレイスターの手札効果を融合サンダー・ドラゴンの強化にも使えることも無視できない。
またアレイスターは闇属性であるため、《闇の誘惑》とも噛み合う。

  • 簡易融合
《雷神龍-サンダー・ドラゴン》の素材となる《雷神の怒り》や、このデッキでは処理に手間取る破壊耐性持ちを除去できる《サウザンド・アイズ・サクリファイス》を特殊召喚できる。
マスターデュエルでは2023年5月から禁止カードであるため、《簡素融合》で代用する事になるだろう。
《サウザンド・アイズ・サクリファイス》の用意はできないが、《雷神の怒り》は変わらず特殊召喚できる。


弱点

サーチを封じるのが得意なカテゴリであるが自身もサーチを多用するため、サーチメタは苦手。
その為、ミラーマッチ先に《超雷龍-サンダー・ドラゴン》を出したもの勝ちの先攻ゲーと化す。
他にも《超雷龍-サンダー・ドラゴン》のコントロールを奪われたりしても大変なことになる。

フィールドから墓地へ送っても効果を発動できるが、除外して効果を発動させることが多いため《王宮の鉄壁》や、《アーティファクト-ロンギヌス》などで手を止められてしまう事がある。
《王宮の鉄壁》や《王家の眠る谷-ネクロバレー》などで除外を封じられてしまう破壊耐性も機能しなくなるため、破壊除去の餌食になってしまう。
また墓地発動に対しても《深淵に潜む者》で止められてしまう。
墓地・除外の両方を止める《ソウルドレイン》を発動されてしまうと死に体になる。

特殊召喚を多用するデッキの宿命とはいえ、《虚無魔人》や《虚無空間》を使われると除去できない限り何もできなくなる。
また上級主体のため《ヴェルズ・オピオン》も非常にマズい。

融合サンダー・ドラゴンは破壊に対しては強く出られるがそれ以外には当然耐性はない。
融合モンスター+闇属性で融合できる《捕食植物ドラゴスタペリア》や闇属性2体で融合できる《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》、「サンダー・ドラゴン」モンスター3体で融合できる《雷神龍-サンダー・ドラゴン》の存在から、無暗に展開すると《超融合》を貰いやすい。
破壊しにくいだけで対象には取り放題なので《無限泡影》などの効果無効にも単独では対処不能であるしバウンスも効いてしまう。
発動されてしまったら回避はできないので常に意識したプレイを心がけつつ展開したい。


【余談】

元祖である《サンダー・ドラゴン》の登場から、ソウル・フュージョンでのカテゴリ化までにかかった時間は18年半
これは、遊戯王OCGの歴史における当時の最長記録である。

この記録は後に『サクリファイス』の20年8ヶ月に更新された。



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最終更新:2025年04月18日 21:41

*1 精霊獣騎カンナホークも雷族の融合モンスターだがカード効果による融合召喚は出来ないため除外。