登録日:2011/05/12 Thu 23:58:32
更新日:2024/12/29 Sun 07:57:25
所要時間:約 6 分で読めます
やっぱ、オレって
決まりすぎだぜー!
地球の闇を切り裂いて、
燦然、シャンゼリオン。
『超光戦士シャンゼリオン』とは、1996年4月3日から12月25日まで
テレビ東京系列で放送された東映制作の特撮テレビドラマである。全39話。
【概要】
「今までにない型破りなヒーローをつくり上げたい」というスタッフの手によって、従来の特撮作品にあった『努力』や『友情』といったものを重んじる正義感溢れる模範的なヒーローとはかけ離れた、
いい加減で女好きで子供の教育に悪そうな優男がヒーローに変身してグダグダになりながらも、なんやかんやで敵を倒していくといったストーリーになっているのが特徴。
脚本は『
鳥人戦隊ジェットマン』でメインライターを務め、後に『
仮面ライダーアギト』や『
仮面ライダー555』『
暴太郎戦隊ドンブラザーズ』などを手掛ける事になる
井上敏樹がほぼ全てを担当。
シリアスな路線とは別に井上氏が得意とするギャグ中心のおちゃらけたストーリーが大半ではあるが、
最終回はこれまでのストーリーとは打って変わって特撮史上前代未聞の展開で幕を閉じており、今でもファンの間では語り草である。
なお、本作は全39話(3クール)となっている(企画書の時点では1年間の予定だったが、短縮された)が、この最終回の内容に関しては以前から考えられていたらしく、短縮の影響によるものではないとのこと。
ライトノベル『
灼眼のシャナ』の著者として知られる高橋弥七郎氏がこの作品のファンらしく、氏の書いた作品には本作が元ネタの小ネタが一部挟まれている。
また、『
セクシーコマンドー外伝すごいよ!!マサルさん』や『ピューと吹く!ジャガー』で知られる漫画家のうすた京介氏も、単行本の余白埋め「96年にハマったものリスト」で名前を挙げ、タイトルをパロった事がある(『マグロじゃねえ!3』)。
【ストーリー】
闇次元界より現れて人知れず人間の生体エネルギー『ラーム』を吸う種族『ダークザイド』。
その脅威を察知した宗方猛率いる組織サイドックはダークザイドに対抗するためクリスタルパワーの開発に成功。
しかし、超いい加減でだらしない探偵・涼村暁は事件を追う途中偶然輸送中のクリスタルパワーを浴び超光戦士シャンゼリオンに『燦然!』する能力を手に入れてしまう。
こうして暁はシャンゼリオンとなり、ダークザイドと戦って……くれようとはせず、自分勝手で気ままに適当にその力を使おうとする。
今ここに、超テキトー人間と彼に振り回される者達による熾烈でゆるーい戦いが始まったのである。
【登場人物】
演:萩野崇
自称「何代も続く名門
探偵事務所の所長」。
しかし、その実いい加減で適当で女好きでだらしない上に生活能力ゼロ、しかも借金が
1000万とんで2円というとてもヒーローとは言えないようなダメ男。
シャンゼリオンになってもダークザイドとは闘おうとはせず、自分の
欲望に忠実に生きようとしている。
だが悪人
というわけでもなく彼なりの正義感はきちんと持ち合わせており、子供や女性(特に美人)を傷つけるような者は許せないようである。
女好きで仕事中でもよくナンパをしており、それが原因で酷い目に遭う事もしばしば(ヤンデレストーカーダークザイドに愛されたり)。
本人曰く
「俺に惚れてる女の数は全世界が保有する核弾頭の数より多い」とのことで、あるエピソードではその一端を明らかにした。
誰かさんみたいにイライラしてない。
因みに、撮影当時の逸話としては番組内容から視聴者層が高かったのか、街を歩いてたら女子高生に「合コンしたいんだよね〜」と話しかけられた
当時の中の人の性格が暁そのもので、例の如く敏樹が自宅で料理を振るうのに招かれたらガチの彼女(勿論、予告もなければ番組にも無関係)を連れてきた。
挙げ句には、主演の癖に番組の打ち上げに来なかった……などがある。
●橘朱美
演:林美恵
涼村探偵事務所の初代秘書。
生活能力ゼロの暁を公私共に世話していたが、第14話で
幼稚園の先生になる夢を持ち、事務所を辞めてしまう。
しかし退場後も度々登場しており、
最終回でも暁と共に第1話と同じ活躍をした。
彼女がいなくなった後、オープニングで暁は犬と戯れる事に……
中の人は学生で、出席日数が足りなくなりそうだったらしい。
●桐原るい(綾乃小路麗華)
演:松井友香 / 声:柳瀬なつみ(麗華)、松本さち(第34・35話代役)
涼村探偵事務所の二代目秘書。
綾小路財閥の令嬢で常識や経済観念がなく、柱にぶつかっただけでビルを爆破、
テニスの審判を金で買収、人の男を寝取る……などといった非常識な事ばかりしていた。
第36話で物凄く唐突に退場した。
彼女がいなくなった後、オープニングで暁は(ry
退場理由は演じた松井氏が移動中に事故にあい、左脚と左腕を骨折したため(その後1年のリハビリを経て芸能界に復帰し、『王様のブランチ』などに出演。現在は引退している)。
放映当時は降板理由は公表されず、書籍『シャンゼリオンバイブル』での本人インタビューにおいて初めて明かされ、るいを演じきれなかった事への複雑な心境を告白されている。
●速水克彦/ザ・ブレイダー
演:相澤一成
S.A.I.D.O.Cのメンバー。
本来シャンゼリオンになるはずだった男。
涙もろく、直情的で思い込みの激しい熱血漢だが、騙されやすく(特に暁から)、そのせいで暴走する事も。
また好青年ぶりから意外とモテているのだが、本人があまりにも鈍いため、自分ではモテないと思っている。
終盤にて、宗方が持ち込んだ闇の種を全部美味しくいただいてしまった結果、ザ・ブレイダーへの変身能力を獲得した。
ちなみにその方法は梅干しを食べる事。また、速水本人にザ・ブレイダーとしての記憶は残らない。
クラブスートのカテゴリーKではないので、カナリアを連れてはいない。
放送短縮が決定した後にデザインされ、登場回数は5回と少ない。
闇の種に含有されていたダークグレタミン酸が、梅干しに含まれる塩分と結合して速水克彦の血液の中を駆け巡る。
そして血液の中で練られていたチヌ第一物質が速水克彦の脂肪分によって分解され、タイロミンとデジタミンに分化。
タイロミンは速水克彦の脳細胞に浸透してその人格を変え、デジタミンは細胞内の蛋白質に反応してグルタノンとデターミントを生成する。
一方デターミントはリンパ液に結合して、カチルダ酸とノバ粘液とサルマドンとマグールドドータミンを作り出す。
この際ノバ粘液は体温によって分解され、消滅するが、その残滓がカチルダ酸に結びついて核カチルダ酸に変化するのだ。
そして、カチルダ酸とサルマドンによって生成されたカッサノ蛋白質により、速水克彦はザ・ブレイダーであった記憶をなくすのである。
だが、最終話における「もうひとつの世界」では自分の意思で力を制御し、変身しても意識を失わず、梅干を食べずにポーズを取るだけで変身可能。
そのため、現実世界では不可能だったシャンゼリオンとの同時変身が最初で最後に実現した。
●宗方猛
演:市山登(現・市山貴章)
S.A.I.D.O.Cの創設者。
シャンゼリオンの装備や超光騎士などを開発した人物。
家屋敷を抵当に入れてクリスタルステーションを造り上げるなど尽力するが、資金難による余裕不足からちょいちょい毒を吐く。
パイプを愛するナイスミドルだが、女子大生の水着を舐めまわすように見たり、暁のガールフレンドにアタックをかけるなどなかなか侮れない。
バッカサ語も堪能。
かつては
ギルドの首領にして
ジャンパーソンに2話で滅ぼされた。
●南エリ
演:東風平千香
S.A.I.D.O.Cの紅一点。
男勝りで勝ち気な性格で、アホなメンバーの中では比較的良識人。
アップルパイが大好物。
プライドの高さからか今まで恋愛をした事がなかったが、物語後半で黒岩省吾/暗黒騎士ガウザーと恋に落ちてしまう。
しかし嫉妬に身を焦がす女の宿命に耐えられなくなってしまい、最終的には……
最終回における「もうひとつの世界」では衝撃の正体が明らかにされる。
【超光騎士】
シャンゼリオンの戦いを支援するために宗方が設計・開発した3体のサポート用
ロボット。
高い戦闘機能を持ち、ビークルへの変形機構を持つ。
普段はクリスタルステーションで格納されているが、シャンゼリオンの呼び出しで発進する。
合体して、
移動砲台シャイニングバスターにもなる。
基本的に空気気味だが、暁が都知事選に出馬した際、片棒を担がされた。
本作の撮影はビデオ撮影だが、超光騎士だけはフィルム撮影のため、彼らが現れるシーンだけ映像のギャップが激しいのは内緒だ。
●陸震輝/リクシンキ
CV:中村大樹
超高速戦闘
バイクに変形する赤いサポート
ロボット。
後部のブースターを使って最大100mのジャンプが可能。
頭部のスーパーコンピューターで敵の能力や動きを分析出来る。
●空裂輝/クウレツキ
CV:田原アルノ
ロケットモードに変型し、シャンゼリオンと合体して空を飛ぶ青いサポート
ロボット。
ロケットモードでの武装は前部のエアインテークからエネルギーを噴射するバックファイヤー。
ロボットモードでは敵を麻痺させるパラライズビームなどを両腕から発射する。
●砲陣輝/ホウジンキ
射撃戦の得意な黄色いサポート
ロボット。
右腕に装備したパワーシザースによるシザースシュートが得意技。
闇次元界より現れるモンスター。
詳しくは項目を参照。
【アイテム】
- CGペン:S.A.I.D.O.C組の護身用ペン型装備。
- シャンバイザー:変身アイテム。変身時にどこからか出現し頭に装着されるが、変身開始前に落としてしまった事が一回だけあり…
- シャイニングブレード:主要武器。…だがやっぱりものの弾みで落とした際、速水から咄嗟に渡されたのが…
- ガンレイザー
- シャイニングクロー
【立体化】
放映開始から25周年の節目に千値練よりアクションフィギュアの発売が決定。
クリアパーツとダイキャストをふんだんに用いて、劇中そのままの透明感と重量感を再現。
さらに付属パーツにはもちろんサバも完備。なんでも企画段階でシャイニングブレードなどの武器を差し置いて真っ先につける事が決まったとか。
【余談】
本作と同時期(1996年4月~9月)のテレビ東京では、他にも制作:東宝・スポンサー:カプコンな特撮番組『七星闘神ガイファード』を放送。
『ガイファード』の方は「悪の組織に改造された主人公」等「ヒーローものらしい」ストーリーラインだったが、そっちはそっちで「主人公が徒手格闘だけで戦い変身アイテムや専用ビーグルも持たないため、玩具が少ない」という異色性があった。
追記・修正…それは、Wiki篭り達が知識とユーモアを結集させ、項目を編集する現象である!
- 最終回がわからなかった。どっちが夢でどっちが現実なんだろう? -- 名無しさん (2013-11-18 10:30:25)
- 制作者の解釈も本編が夢だけど基本的にパラレルみたいな感じでおk -- 名無しさん (2013-11-18 20:30:02)
- 主題歌だけシリアス -- 名無しさん (2013-11-18 20:47:31)
- 最終回の世界は実は暁の前世で今の世界は生まれ変わった世界なんてのはどうだろう? -- 名無しさん (2013-11-30 23:27:57)
- 「シャンゼリオンバイブル」で井上のダンナが「絶望の世界の方がラストに来たんだから、あっちの世界の方が現実だ」と言い切っちゃったからなぁ。 -- 名無しさん (2013-11-30 23:33:22)
- ↑でも唐突に出てきた世界が現実で今までの世界が夢ってのはあんまりだから個人的には両方現実とか今までの暁たちの世界は滅んだ世界の暁達の生まれ変わりとかそうゆうのがいいな、まあたしかに黒岩の最後をみせた後それがなかったように話をはじめることで夢と思うわせるのは上手いと思うけどさ -- 名無しさん (2013-12-07 21:53:31)
- 個人的には、あれが黒岩の最期の走馬灯かなとも解釈してみたり。思い人は味方。絶望の中で立ち向かう屈強なライバル。打ち切られなかったらどうなったんだろ…… -- 名無しさん (2014-02-24 20:28:57)
- 主人公が明るかった分暗い世界は虚構と思いたいんだけど。 -- 名無しさん (2014-02-24 21:19:54)
- ライバルは子供達の反乱で銃殺、最終回は半バッドエンド状態、いやはやすごい番組だ -- 名無しさん (2014-06-29 20:34:12)
- しかも最終回はクリスマスイブ放送。なんつープレゼントだ。 -- 名無しさん (2014-06-29 21:19:07)
- こんな面白い特撮もあったのか。東映特撮と言ったら「スーパー戦隊」「仮面ライダー」「メタルヒーロー」の、三大柱しか知らなかった…。 -- 名無しさん (2014-11-18 09:13:39)
- フィクションじゃお馴染みの入れ替わり回で本来シャンゼリオンになるべきだった速水はシャンゼリオンに向いていないのを描くのが良かった -- 名無しさん (2015-04-22 14:41:01)
- そういえば続編構想ができててシャンゼリオンの強化形態?ガイアポロンってのがあるんだっけか、デザイン画はあるってうわさ -- 名無しさん (2015-04-22 14:59:04)
- 続編ではなく2人目の戦士として出る予定だった。 -- 名無しさん (2015-04-22 15:11:59)
- 子供の頃はシャンゼリオンをスケルトンボディ(内部から機械が見える)と勘違いしてた。 -- 名無しさん (2015-04-22 19:47:48)
- ↑4 「シャンゼリオンは暁じゃないと!」と考えたらやっぱ平成ライダーの元祖だな(スタッフからしてそうだけど) -- 名無しさん (2015-07-30 13:34:14)
- あの暁が凶悪犯の浅倉としてライダーに出演した時の衝撃 そして浅倉のキャラもすっかり馴染んだ後CMで昔のまんまの暁でナレーションをしてくれた感動 萩野さんすごいわw -- 名無しさん (2015-11-19 14:09:10)
- 井上はあのオチに対して「夢は楽しいもんだ」っていったらしいけど要はそういうことだよね… -- 名無しさん (2017-10-01 20:27:48)
- すごかがのシャンゼリオンは勝ったんですよ!でなんか涙が出た。 -- 名無しさん (2018-03-10 17:53:06)
- ↑エンディングの浜辺に佇むシャンゼリオンはあの戦いに勝った後なんじゃないかって想像してる。微笑みの旅立ちの歌詞も合わせるとより一層。 -- 名無しさん (2019-11-09 21:31:26)
- 最終回は世にも~の「食べ過ぎた男」みたいなもんか。 -- 名無しさん (2021-10-01 22:34:20)
- 千値練よりアクションフィギュアが発売決定。サバもついてるぞ! -- 名無しさん (2021-12-13 20:46:51)
- ある意味ドンブラザーズの原点、時代が後なだけあってドンブラザーズの方が勢力図の多さなどカオス度は濃くてシャンゼリオンはまだ分かりやすい構図とも感じるが -- 名無しさん (2023-02-20 08:42:11)
- 俺嫌だよ、あんな好き勝手やっといて夢だったなんて -- 名無しさん (2023-05-24 00:21:20)
- Wikipediaから丸写しの箇所を削除・修正しました。 -- 名無しさん (2023-11-29 19:23:02)
最終更新:2024年12月29日 07:57