クイーン・ゼノビア

登録日:2013/11/26 Tue 22:46:27
更新日:2024/04/05 Fri 19:53:18
所要時間:約 4 分で読めます





クイーン・ゼノビアとは『バイオハザードリベレーションズ』に登場する船舶。

注意!この記事にはバイオハザード リベレーションズのネタバレが含まれています!



◆概要

この作品の主要な舞台となる(元)豪華客船。
どうやら行方不明となったクリスたちはここにいるらしいが…?

どういうわけだか未知のクリーチャーの巣窟と化しており、しかも研究施設などのような客船らしからぬ設備もあったりと、ただのゴーストシップではないことがうかがえる。


船舶データ
総トン数:148,000トン
全長: 335.8m
全副: 52.3 m
全高: 93.97 m
出力:電動ディーゼル推進
乗客:2200名
乗務員:647名
排水量:90,000トン

(作中ファイル『"クイーン・ゼノビア"とその歴史』より引用)


◆歴史

1978年に建造された豪華客船。
かつては20世紀の客船の中でも“大西洋の美女王”と称されるほどの人気を博したという。
一時は航空路線の発展とそれに伴う遠洋航海客船の低迷により廃船になりかけるものの、80年代後半に姉妹船とともにパラグアス・ライン社に買収され事なきを得る。

買収の際に動力を蒸気タービンからディーゼル電気推進に換装、船倉やキャビンの増設などの大掛かりな改装が行われ、当時最新鋭の設備を誇るクルーズ豪華客船に。

改装後は世界一周や南米一周航海などを何度も行い、1995年頃はアフリカ各国を周遊する航路に就航し、乗客たちを楽しませていたという。

しかし、2003年に経営不振からパラグアス・ライン社が倒産。
それに伴いついに廃船となってしまった。

それ以降の記録はなく、2005年になぜ忽然と地中海にゴーストシップと化して現れたのかは謎に包まれている。


◆施設等

客船黄金時代だった1930年代を思わせるクラシックな内装をしており、ゴーストシップと化した今でもかつての面影が残っている。
ちなみにその内装はジョージ・トレヴァー(バイオ1の洋館の設計者)が失踪前に遺した設計デザイン案をもとにしており、ジルは「どこかで見たような…」と漏らしている。

・ホール
クイーン・ゼノビアのメインホール。大時計が存在。
ここからプロムナードや展望台、食堂やカジノなどに行ける。
内装は豪華絢爛なものであり、パーカーは「さすが金持ち船だ、ちょっとしたオペラハウスみたいだぜ」と感想を述べている。

ここのBGMである「Hall」はなかなかの良曲だと思う。

・カジノ
スロットマシンやトランプ台などの置かれたスペース。
VIPルームからは船倉に行くことができる。
ちなみにある事情からジルはここでスロットをプレイすることに。

・食堂
文字通り食堂。そんなに広くない。
どういうわけだかテーブルの上には料理らしきものが置かれたままになっている。
客室に軟禁されていたジルたちはここを経由して初めてホールに足を踏み入れることになる。

・プロムナード
かつてはレストランやバーなどが並んでいた区域。
ここで最初にあの有名なメーデーさんことスキャグデッドと戦うことに。

・ブリッジ
本部と通信をするためにジルたちが向かうものの、すでに通信設備は破壊されている。
レイモンドと最初に会うのもここ。

・非常用通信室
ここのカギを手に入れるため、ジルたちはプロムナードに行くことに。

・ソラリウム
大きなプールがあるが、なんかが繁殖している上、水は汚染されており、先に進むためには浄化設備を起動する必要がある。

・展望台
クイーン・ゼノビアの展望台。
あいにく作中でここに来る時間帯は夜なので、絶景は楽しめない。
かつてはここにくる乗客に軽食やドリンクを提供していたのであろう屋台がいくつか残っている。
ここでドラギナッツォと戦う。

・客室
何者かに眠らされたジルたちが監禁された場所。
ちなみにジルが既視感を覚えたのもここ。

なお、パーカーとジルはそれぞれ別室に監禁されていた。
一応男女を同室に押し込む、なんてことはさしものヴェルトロもしなかったらしい。

・船倉

・船底区画
動力室などが存在する、いわばこの船の心臓部。
中には浸水している区画なども存在。
これ絶対沈みかかってるよね

・研究施設
クイーン・ゼノビアの奥底に存在する研究施設。
ここでT-Abyssの研究が行われていたようだ。
さすがにこんなモノが最初から作られていたとは考えづらく、おそらく廃船決定からテラグリジア・パニックまでの間の期間に人知れず作られたと思われる。


•デッキ
沈みゆくクイーンゼノビアから脱出する時や途中の移動で通過する。
客船のくせに可燃物のドラム缶が散乱しており非常に危険...
さらに脱出時の通過では救命ボートが落下してくるという欠陥仕様。
そもそもジルたちが到着した時には救命ボートが数隻なかった。
救命ボートで誰かが脱出した...ウィルスに感染した乗客が救命ボートで地中海を彷徨っている...まさかね
あとさ。どうしても脱出したいなら救命ボート使えばよくね(カプコン「ゲームとしてつまらないので却下」)


•ヘリポート
お馴染みカプコン製ヘリの待機場所である。
位置は船首。大型の豪華客船では大体船上構造物の上にある気がするが...まぁ船首に置くこともあったのだろう(細かいところは突っ込んではいけない定期)
今作でもカプコン製のヘリはしっかり消される。
流石に学んだのか2機体制で来てくれるカプコン製作陣。



◆その他

歴史の項で述べた通り、この船には2隻の姉妹船が存在。

・クイーン・セミラミス
クイーン・ゼノビアと同じように地中海を漂流していた。
内装・設備はクイーン・ゼノビアとうり二つ。
この船もクリーチャーの巣窟と化している。

作中ではジルたちを助けに来たクリスたちが誤ってこの船に降り立ってしまった。

・クイーン・ディード
この船は漂流はしておらず、2004年のテラグリジア・パニック時にテラグリジアとともに沈んでいる。
終盤、ジルとクリスはここへ来ることに。

沈没して1年近く経つものの、内部はまだ空気が残っている区画があり、そこでラスボスのアビス完全体と戦闘することに。
ちなみにFBC隊員のまだ新しい遺体があったりするなど、なんらかのFBCによる工作が行われようとしたが失敗したことが窺える。


◆余談

本作のオリジナル船であるクイーン・ゼノビアであるが、実は「Queen Zenobia」という名の船舶は実際にある。
ただし「Queen Zenobia」は豪華客船ではなく、リベリア船籍のLPGタンカー。所有者はドイツの会社らしい。そして地味に建造したのは日本佐賀県)の造船所だったりする。
ちなみに大きさは全長×幅は156.03m × 25mであり、だいたいこのクイーン・ゼノビアの半分くらい。
建造は2002年であり、2014年8月現在でも現役である。

PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD』では、ステージの一つとして登場。
時系列がクリア後のため、すでに沈没したはずだが再び現れている。
実はシャドルーの兵器工場となっており、トールオークス教会から転移して来た一行は二手に分かれて調査を行う。

第10話では甲板でベガや東風、V-デュラルと戦闘になり、手漕ぎのボートでやって来たアキラと影丸、ベガを追って空中INから現れたイングリッドが仲間になる。

続く第11話ではメインホールで潜入捜査をしていたアクセルが仲間になり、ベガが一行を始末するために仕掛けた「ラクシン爆弾」を解除しながらブレイク、バレッタ、追跡者と戦う。


■蛇足

実のところ、客船としての設定などは見る人が見れば結構ムチャクチャだったりする。
あえて重箱の隅を突っつくとすると
  • 1978年製の客船としては異様に大きい。実在する客船で当時最大級だったフランス号(1962年就役・全長315m・70,200総トン)やクイーン・エリザベスⅡ世号(1967年就役・全長293.5m・70,327総トン)よりも大きく、総トン数に至っては約2倍である。
  • 航空機の登場による大西洋客船航路の衰退が始まったのは1950年代のことであり、ジェット機の就役もありクイーン・ゼノビアが就役した1978年には遠洋定期航路客船は消滅。大西洋航路船は軒並みクルーズへと転身していた。
もっともこの手の設定考証ミスはバイオハザードではよくあることだったりするのだが*1

またクルーズ客船への転身と機関換装、キャビン増設のくだりなどはおそらくクイーン・エリザベスⅡ世号を参考にしているようだ。





追記・修正は沈みゆくクイーン・ゼノビアから脱出してからお願いします。

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最終更新:2024年04月05日 19:53

*1 3のラクーンシティの路面電車などもムチャクチャである