ヴァイスリッター

登録日:2014/01/25 Sun 04:25:26
更新日:2025/02/27 Thu 20:13:56
所要時間:約 5 分で読めます




射撃はおまかせ!

んふふ~、どこを狙ってほしい?


ヴァイスリッターとは、『スーパーロボット大戦』に登場するバンプレストオリジナル機体。
メカニックデザインは齋藤和衛。




概要

分類:試作型パーソナルトルーパー
形式番号:PTX-002-00C(COMPACT2)、PTX-007-03C
全高:21.7m
重量:60.3t
動力:プラズマ・ジェネレーター
空中浮揚機関:テスラ・ドライブ
開発者:マリオン・ラドム
主なパイロット:エクセレン・ブロウニング


「亜音速で飛行することによって敵の攻撃をことごとく回避し、その長距離兵器を駆使して超々距離から敵中枢に打撃を与える」という基本コンセプトを元にゲシュペンストを改造した砲撃戦特化機。同じく開発されたアルトアイゼンとのセット運用を前提としている。


名前はドイツ語で『白い騎士』。白を基調として各所に青を用いた、その名に違わぬ優美なシルエットを持つ機体である。

設計・開発者はマリオン・ラドム博士。
ゲシュペンストMK-Ⅱの3号機(タイプT)を改造した機体である。
標準で飛行能力を持つアーマード・モジュール:リオンシリーズに対抗するために反重力飛行ユニット『テスラ・ドライブ』を組み込み、結果ヴァイスリッターはパーソナル・トルーパーとしては初の『人型のままでの飛行能力』を獲得。
機体各所に仕込んだ小型バーニア、テスラドライブ、その機体コンセプトに合わせるように改良された機体OSにより、パーソナル・トルーパーとしては群を抜く運動性を誇る。
アルトが『弾丸のように突っ込んでいく』速さならば、ヴァイスは『蝶のように舞い、蜂のように刺す』といった緩急と小回りの良さを持った速さである。


超高速通り魔をかます特攻野郎アルトアイゼンの弱点を埋めるように、武装は実弾とビームの撃ち分けが可能なオクスタン・ランチャーをメインに、スプリットミサイルや左腕の3連ビームキャノンといった射撃戦重視のセッティングがなされている。格闘武装は一部作品を除き、一切装備していない。

ちなみにアンチ不思議技術のマリオン博士は、当時まだ深い解析が行われておらず信頼性が確立されていなかったテスラドライブの搭載を渋っていたようで、当初はバーニアをいっぱいくっつけて無理矢理飛ばそうとしていたらしい。だからリーゼはあんなバーニアまみれなのか。


◇欠点

“あの”アルトアイゼンの開発者であるマリオン博士が関わっているということで、この機体にも致命的な短所が存在する。
というのもこの機体、コンセプト通りの運動性を持たせるためにあろうことか装甲を削っており、騎士の鎧にも見える純白の装甲板は全て空力整調用のエアロカウル
つまり直撃はもちろん、ちょっとした被弾でも命取りになりかねない、とんでもない“紙装甲”である。
楽天家で多少のことなら気にしないエクセレンでも流石に見逃せなかったらしく、この脆弱性を心配していたが、

エク姉『…もし、被弾したら』
マ博士『あたらなければどうという事はありません よけなさい

とあっさり押し切られた。

確かに並みの機体では追うのが難しいほどの速力と機動力を持ち、超長距離からの砲撃を仕掛けてくるヴァイス相手に直撃を喰らわせることのできる機体は滅多に存在しないとはいえ、いくらなんでも割り切りすぎである。
ゲーム的には流石に割り切れないので、紙装甲と言ってもほどほど丈夫な紙ではあるし、特殊能力ビームコート(ビーム属性武器のダメージを一定値減らす)も付くことが多い。

…その割にはOVAでバルトールに何発攻撃貰っても無傷だったという謎過ぎる分厚さを披露したのだが、リーゼが軽快に空を飛ぶ作品なので気にしたら負け。

もう一つの問題は上記の紙装甲から得た機動性で飛び回りながら超長距離射撃をどうやって敵に当てるんだという事。
相方の影に隠れてはいるが結構な問題である上、普通に当てるエクセレンもどこかおかしい。
そんな問題ばかりの機体だが他のパイロットも乗り換え可能。だが後継機のラインは実質エクセレン専用機になった。

他にも長砲身のオクスタン・ランチャーの取り回しの悪さや、高機動故の操縦性の悪化など、やはり特化型には切っても切り離せないデメリットが存在している。


武装

  • スプリットミサイル
背中に装備された多弾頭ミサイル。牽制用の武器。OGシリーズではGBA版OG1のみ換装武器だったが、それ以降は固定になった。
漫画『Record of ATX』では基本的に装備されていない。
また、ジ・インスペクター編では片側をスラッシュ・リッパーに変更して装備したこともある。

  • 3連ビームキャノン
左腕に装着された3つの砲門から放つ、牽制用のビーム。

  • プラズマカッター
格闘用武器。
OGシリーズでは、GBA版OG1でしか装備していない。

  • オクスタン・ランチャー
ヴァイスリッターの機体全長とほぼ同じ長さの銃。
ビーム砲と実弾砲を一門ずつ、一つの砲身に束ねた長砲身のランチャー。*1

ランチャーの上段から実弾を発射する『Bモード』、下段からビームを発射する『Eモード』の2つのモードが使用可能な複合武器。

『Bモード』は特殊徹甲弾を飛ばす。
エクセレンが「あんま飛ばないけど、威力はあるわよぉ!」と言う通り、やや射程が劣るが破壊力に特化したモード。

『Eモード』はランチャーをヴァイスリッターのジェネレーターに直結させて放つビーム。
エクセレンが「かなり飛ぶわよ?Eモードの方は!」と言う通り、超長距離の砲撃に特化したモード。

なお、OGs以降演出が一瞬になったが、GBA版OG2まではエクセレンの癖なのか事あるごとにクルクルと回されていた。
IMPACTやOG2ではBモードを撃ってる途中で明らかに意味もなくクルクル回し、OG1のEモードに至っては前方にオクスタンランチャーを投げ飛ばしたのをキャッチして撃つという曲芸じみた演出がある。


必殺技

  • オクスタン・ランチャーW
『Eモード』と『Bモード』を同時使用する。
回転飛行で敵に高速接近しながらBモードで乱射してその破壊力で敵を弾き飛ばし、その後至近距離からのEモードのビーム砲撃で吹き飛ばす。
なお、一部作品ではスプリットミサイル、ビームキャノン、Bモード、Eモードの順番で射撃を叩き込むというパターンなのでヴァイス版の『切り札』と言える。

  • ランページ・ゴースト
ゲシュペンスト(幽霊)の改修機であるアルトアイゼンとの連携攻撃。射撃と格闘の二重地獄。
敵を挟むように動いたり、お互いの弾幕の中を突っ切って突撃するなど、少しのミスで誤射を発生させてしまいそうな危険なコンビネーションであるが、二人とも完全マニュアル操作でやってのけているとのこと。これが愛か。


関連機体

ライン・ヴァイスリッター

突如出現した謎の生命体“アインスト”によって強化改良を施された機体。
外見・中身ともに元のヴァイスリッターとは違うものに変異しており、蝙蝠羽のようになったテスラドライブ・スラスターや全体的に生物的な鋭さを帯びた装甲、機体各所に埋め込まれた深紅の水晶体により、禍々しさを感じさせるシルエットに仕上がっている。

機動性を中心に強化されたため、その速さは他の追随を許さないレベルに達しており、全力機動時にはあまりの速さに残像が残るというインチキくさい現象が起こる。なお、かなり強力なGキャンセラーが搭載されているのか、搭乗者に多大な負荷をかけるアルトとは違い、エクセレンに強大な負担がかかっているという描写はない。

ヴァイスリッター・アーベント

無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガに登場する3m級のパーソナルトルーパー
通常時は赤いが、出力が上がると塗装が剥がれて青くなる。
正体はエンドレスフロンティアのフォルドミッドヘイムに流れ着いたネバーランドの艦首にあったゲシュペンストMk-Ⅳのデータを元に、現地の技術でダウンサイジングしてコピーしたもの。

ビルトファルケン

ビルトビルガーの相方の砲撃戦闘向けPT。
OGシリーズではATX計画にてヴァイスリッターのコンセプトを継承して製造された機体。
エクセレン曰く「ヴァイスちゃんの腹違いの妹」*2


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最終更新:2025年02月27日 20:13

*1 オクスタンとは、ランス(馬上槍)とスピア(歩兵槍)を折衷した形状にして双方の状況で使えるようにした槍のこと。

*2 ヴァイスリッターのコンセプトを受け継いでいるが、設計者が異なるのに加え、ゲシュペンスト系のGⅡフレームではなくヒュッケバイン系のHフレームを使用しているため。