アルトアイゼン・リーゼ

登録日:2014/01/12 (日) 18:29:46
更新日:2023/11/27 Mon 17:42:41
所要時間:約 6 分で読めます






ただ、撃ち貫くのみ……!



アルトアイゼン・リーゼとは、『スーパーロボット大戦』に登場するバンプレストオリジナル機体。メカニックデザインは齋藤和衛。


◇概要

分類:試作改造型パーソナルトルーパー
形式番号:PTX-003C-SP1(戦時下での特別形式番号)
全長:23.8 m
重量:99.7 t
機体バランサー:テスラ・ドライブ
基本OS:TC-OS
開発者:マリオン・ラドムニナ・パープルトン
メインパイロット兼改造プラン立案:キョウスケ・ナンブ

概要

キョウスケ・ナンブの愛機アルトアイゼンの強化改修機体。
初出はCOMPACT2第3部、およびリメイク版のIMPACT
キョウスケが、ライン・ヴァイスリッターに対して力負けしないようにと改修案を作成した。
ヴァイスリッターの予備パーツを使用して装甲とスタビライザーを追加し、
リーゼタイプのステーク(初期に作られた欠陥品)を流用している。
図面を引いたのはキョウスケで、それをニナ・パープルトンアナハイムスタッフが徹夜作業の上で完成させた。

続いての登場はORIGINAL GENERATION2、およびそのリメイク版のORIGINAL GENERATIONS
こちらでは、キョウスケの強化案を元に、マリオン・ラドム博士が設計・開発を行っている、
OG2とOGSでは微妙に内容が違うが、現行のOGシリーズはOGSを正史としているようなので、以下、OGS設定を記述する。

元々頭がおかしい凄まじい突貫力を持つアルトアイゼンであったが、戦闘が進むにつれて強力な特機に当たり負けすることが多くなり、ついには力不足を証明するかの如くソウルゲインに四肢をもがれるレベルの大破に追い込まれてしまった。
そのため、予定されていた改造プランにパイロットから挙げられたプランも含めて修理・改修が行われ建造された。
『絶対的火力による正面突破』というアルトアイゼン元来の長所をさらに伸ばす形でキョウスケ直々に提案した改造プランとは簡潔に言うならば……





武器を大型化すれば強い

ブースターを増加すれば速い

装甲を厚くすれば硬い




…という、素人でも鼻で笑ってしまうような単純なものであった。
当然、設計が本職のマリオン博士は「まるっきり子供の発想で他の開発者が見たら鼻で笑われる」とキツイ言葉を浴びせた。
しかしキョウスケはわかっていたのだ。自分がプランを提出したのはその辺の科学者ではなくあのマリオン・ラドム博士であることを。
女心に響いたこの改造プランをマリオン博士は「いいでしょう」と検討してみることに。
そして元のコンセプトにはきっちり応えた上で遥かに上を行く性能の機体に仕上げてみせたのだ。
……あれ?

マ「やるならば徹底的に、でしてよ

人選は期待した通り…否、期待以上に大当たりだったらしい。
まさしくマ改造である。
(なお、OG2ではあくまで「キョウスケ案を一部を変更した」に留まっている。結論はだいたい同じだが)

兄弟機であるヴァイスリッターから予備パーツを拝借し、背部テールブースターとして増設することで重くなった機体をかっ飛ばすための機動力を確保。
各部関節や装甲も見直され頑強さに磨きをかけ、ビームコートが付いてたのもあるかもしれないが、ジ・インスペクターではハウリングランチャーEモードの直撃を喰らっても無傷というとんでもない事になった。
結果、『クズ鉄』は新たな力を手に入れ、『古の鉄巨人(リーゼ)』へと生まれ変わることになる。


欠点

しかし、元々欠点も多かったアルトアイゼンをここまで極端な強化を行ったらまともな機体となる訳がなかった。
マリオン博士曰く「大型化するのならばギリギリ限界まで大型化しなければ意味がない」の言葉通り大型化したため機体バランスはもはや悪化を通り越して最悪の一言。
クレイモアを増量したことによって作戦行動中に機体がひっくり返ってもおかしくないほど肩部に重心が集中。
さらに右腕のバンカーも大型化したことで左右のバランスもズレ、急遽リオンシリーズなどでお馴染みの反重力飛行ユニットである『テスラ・ドライブ』にバランサーをさせることで強引かつ奇跡的に二脚型兵器として必要最低限の機体バランスを保っているという始末。
これでも尚ギリギリなのか飛行ユニットが付いたのに飛べない。ただ超高速で這っていくだけである。*1

アルトアイゼンの時点で『ちょっとアクセルを踏んだら一瞬で敵機の目の前に移動した』という機動力なのに、それを強化したものだから武装の扱いにくさも相まって繊細に繊細を重ねた操縦を強いられる羽目になり、キョウスケ以外の人類にはとてもじゃないが扱えない代物になってしまっている。

というか普通のパイロットは、改造前のアルトのシミュレーターによる訓練でも耐えきれずに体調を崩す。
まあ、ゲーム的には他パイロットでも乗り換えは可能。おいおい…
ちなみにそのシミュレーターだが、キョウスケ本人は「Gが軽すぎて実機では参考にもならない」と言っている。慣れたのか…

このため同じようなコンセプトのビルトビルガーを駆るアラドですらキョウスケの提案したプランの時点で「イチバチどころじゃない、イチキューかイチジューだ…!」と評し、完成品はアクセルからは「急場しのぎの改造機」と酷評された。
機体の説明を受けた際に同席していたタスクとレオナはドン引きしている。
タスクからは乗るのはキョウスケなのだからちょっと言ってやった方がいいと言われたキョウスケ本人はただ一言「素晴らしい」と大変満足していた。
さらに「こんなビルガーとは別の意味で出たトコ勝負の機体で大丈夫なんスか?」と心配されても「それくらいでなければシャドウミラーにもアインストにも勝てん」と博士に感謝している。
賭け事が大好きでさらに分の悪い賭けが嫌いじゃないむしろ大好きキョウスケなら当然の反応なのかもしれない。

タスク(最強かつ最凶のコラボやわ~)

ゲームでの活躍


初登場の『COMPACT2 第3部』では、純粋なアルトアイゼンの強化型であり癖の強い性能をそのまま引き継いだ形となっている。パーツスロット3でV-UPユニットも活かせるので強いことは強いが、強化前と同じで援護で輝くタイプだった。

リメイクの『IMPACT』になると全体的な性能が向上。アヴァランチ・クレイモアは射程と弾数が強化され、必殺技のエリアル・クレイモアも追加され、改造段階も強化前より伸びており、パーツスロットは3のまま。相方のヴァイスリッター*2との高威力な合体攻撃も可能になるなど、従来の援護役だけでなく攻撃の起点としても活躍できるようになった。

『OG2』および『OGS』では、機体は固い、運動性も高くそれなりに回避するようになり、武装も威力と射程が向上。
フル改造ボーナスは強化前と同じ強力な全武装の地形対応Sに、相方の今回はライン・ヴァイスリッターとの高威力の合体攻撃も完備しているという揃いっぷりである。
基本的にキョウスケにアタッカーとBセーブ覚えさせて合体攻撃用にバンカーを改造し、ネオ・チャクラムシューターを装備して突っ込ませれば撃墜数の山を築けるほど。
EX-HARDモードでは攻略する際は重要になってくるのでぜひとも強化しておきたい。
続々とくる敵勢力の機体に対し性能不足が露呈してたアルトアイゼンの鬱憤を晴らすがごとく主人公機として大活躍した。

しかし、続編の『第2次OG』では機体全体のバランスが見直されて性能を落されてしまうことに。
機体性能はPTでは固い程度*3で運動性もそこそこに。
武装面も軒並み威力を落とされてしまい、強力だったフル改造ボーナスは格闘系攻撃力+200に変更してしまう。*4
移動力も落とされてパイロットのキョウスケは加速は忘れしまう始末…。なお本作では「加速」「突撃」「直撃」同時にかかる「強襲」という実にアルト向きな精神コマンドが登場したものの覚えなかった…。「強襲」用機動兵器開発プロジェクトのATXチームの戦闘部隊のリーダーなのに…。
以前のような使い方は出来なくなってしまった…

しかし、
今作の主人公機の一機であり妹分で言えるフリッケライガイストとの相性は抜群で合体攻撃も追加されてた。
パイロットのアリエイルがキョウスケが忘れてしまった加速もあり組ませると安定して活躍することができる。
キョウスケ自身もマキシマムブレイクを発動させる「統率」を持っているので、上手く合体攻撃を連結させることができたならば作品屈指のダメージをたたき出すことも可能。
単体の攻撃力もアビリティでもカバーできるので、運用方法は変わったけども本作でも十分活躍させることはできるような性能に変わったと言える。


武装

武装はバランスの関係等でアルトアイゼンには積めなかった、もしくは元来あったものの強化型を採用。

5連チェーンガン


おれとアルト向きの距離だ…!

左腕の『3連マシンキャノン』の強化版。
砲身を増やして火力を増している。
使用感は3連マシンキャノンと変わらず。

プラズマホーン


ブースト!あとはぶつけるのみ…!

頭部に付いている溶断式の角『ヒートホーン』の強化版。
刃渡りを延長し、高熱ではなく電撃を帯びさせて敵機を切り裂く形式になっている。
こちらもヒートホーンと使用感は変わらず。
一旦空に上がってから自由落下でこの武装を当てていくリーゼの姿は正気の沙汰ではないが…。


リボルビング・バンカー


前より大口径だ、威力は受けて確かめろ!

アルトの象徴ともいえる右腕の杭打ち機『リボルビング・ステーク』の強化版。
アルトに搭載するにはデカすぎて機体バランスを著しく損なうという理由から採用が見送られたために倉庫で埃をかぶっていたステークの試作型。

ステークと使用感は変わらないが、シリーズによってはバリア貫通のオマケ付き。
また、以前はステーク同様に1発撃ち込むだけだったが、近年のOGシリーズでは1回で6発全弾撃ち込んでから排莢→予備弾薬装填という流れになっている。

なお、第2次OGでは機体全体が軒並み武装威力を落とされてしまった煽りを受け、かつて自分が装備していた妹分のフリッケライ・ガイストのリボルビング・ステークとの威力の差は「100」。
上記のセリフの事を考えると何とも釈然としない事態になってしまった…。


アヴァランチ・クレイモア


一発一発がチタン製の特注品だ…受け取れ!

チタン製ベアリング弾をバラ撒く両肩部の『スクエア・クレイモア』の強化版。
ただのチタン製散弾から火薬仕込みのチタン合金散弾をバラ撒くようになった。
さらに、アルト時代よりも増量されており、射程も伸びている。
ゲーム内の性能でもスクエア時代から弾数が増えており、通常でも使いやすくなった。
高威力でALL属性を持ってることもあり、反撃戦法においても重要になってくる。
さらにOGMDではカスタムボーナスでダブルアタック属性を付与できる上にキョウスケのエースボーナスが「カウンター発生時、最終与ダメージ+20%」に変更されたため、反撃戦法がより強力に。

スプリットミサイル


そんなの装備してたっけ?と思わるかもしれないが、IMPACTのエリアル・クレイモアで使っている。この時以来行方不明なのでOGのリーゼも装備しているかは不明。


必殺技

エリアル・クレイモア


これで抜けない装甲は無いぞ…全弾持っていけ!

アルトアイゼンの『切り札』と同じく、自身の持つ武装全てを叩き込…んだ事は実は一度もなく、IMPACTでは5連チェーンガンとバンカーを使わず、OG以降はスプリットミサイルを使っていない。
作品毎に演出や武器使用順は異なるものの、『敵を延々空中にふっ飛ばし、落下してきたところにクレイモアを叩きこんでさらに落とす』という流れは共通。
名前の通りクレイモアがメインの必殺技で、第2次OG以前は〆がクレイモアだったのだが、第2次OG以降はクレイモアは最初に使い、〆をバンカーに譲ることに…。
キョウスケが独自に行った連携技である『切り札』を機体のCOMにパターンアタックとして登録したものなのか、乗換可能な作品では他キャラも特に支障なくコンビネーションを成立させている。皆さん身体の方は……
なお、技の名義変更は不評らしく、それをネタにしたようなセリフがある。


ランページ・ゴースト


こちらの手の内は読ません、パターンを変える…!

兄弟機であるヴァイスリッター、ライン・ヴァイスリッターとの合体技。
二機ともゲシュペンスト幽霊)の改造機であるため、『暴れまわる幽霊』と名付けられた。
二機が敵機を挟み打ちにして持ちうる武器を叩き込みながらキャッチボールし、最後はヴァイスリッターのランチャーとリーゼのバンカー(もしくはクレイモア)で締める。
作品によってはリーゼが持ち前の装甲に物をいわせヴァイスのぶっ放したランチャーに敵機ごと突撃して締め、という無茶苦茶なものまである。
被弾前提の機体とはいえ無茶しすぎです。
これらは決まったモーションではなくて、二人がその都度全てをアドリブで行動しているという驚異的なことやってのけているのである


初登場したIMPACTではノーマル版ヴァイスとの組み合わせでのみ使用可能。
その上、ラインは単体超火力の真・ゲッターとの二択になっているため、ランページを使えないラインを選ぶと自軍全体の火力が落ちてしまう。
そのためか、ラインの選択は縛りプレイと言われることも。

30ではIMPACT世界から飛ばされてきたはずだが、シレっとラインとのランページが可能。
…えーっと、こっちに来てからぶっつけでアレを繰り出したってことです?


E.D.N.(エターナリィ・ダーニング・ネイルズ)


おれ達の爪は…鋭いぞ!

フリッケライ・ガイストとの合体技。
両機の戦術が似ていることに着目した、マリオン博士いわく『押して押して押しまくる』前進制圧のごり押し攻撃。
両機の射撃武器を牽制として撃ち込み、ひるんだ隙にリーゼが突撃。バンカーで空中へと殴り飛ばしてガイストがさらに追撃のステークとマシンキャノンを浴びせ、上昇したリーゼが角で切り上げ、トドメとばかりにガイストがダメ押しのステーク。
最後に落下していく敵機にクレイモアとフォースレイを撃って締める。
そこらの機体なら多分打ち上げの過程で粉々になっている。
『第2次OG』では前述のランページ・ゴーストより使い勝手が良かったため、「エクセレン・旦那・寝取られた」と揶揄されている。

なお続編の『ムーン・デュエラーズ』では性能が若干抑えられ、使い勝手の良さは据え置きだが、総合的な威力はランページ・ゴーストに一歩譲る形となった。



(追記修正を)やるならば徹底的に、でしてよ


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最終更新:2023年11月27日 17:42

*1 強化パーツ版を装備しても飛べない…なんて事にはさすがにならないので、ゲーム的な事情を抜きに考えると、機体側のテスラ・ドライブだけでは出力が足りないという事なのかもしれない。

*2 ただしライン・ヴァイスリッターの方を獲得したら合体攻撃はできない

*3 但しHP改造効率は特機並みで改造するだけでかなりしぶとくなる

*4 もっとも格闘系の換装兵器にも修正が乗るので悪い事ばかりではないが