ゴブリンのその場しのぎ

登録日:2014/02/12 Wed 17:04:45
更新日:2023/12/05 Tue 17:48:19
所要時間:約 6 分で読めます






ゴブリンのその場しのぎ」は遊戯王OCGのカードの1枚。
『SHADOW OF INFINITY』にて収録された。

このブースターパックではあの三幻魔シンクロ召喚のダメージをE・HEROとともにもろにくらった記憶破壊者、他にもデビルドーザーを始め、黄泉ガエル、終焉の王デミス、継承の印など第一線で活躍したカードが収録されていた。

さて、なかなか良カードを産出しているこのSOIに収録された『ゴブリンのその場しのぎ』

このカードの効果がこちらである。


カウンター罠
500ライフポイントを払う。
魔法カードの発動を無効にし、そのカードを持ち主の手札に戻す。


ふむ、実にシンプルな効果。
類似カードに罠カードバージョンの『誤作動』もあるが、こちらは魔法カードを手札に戻す。

……あれ? 手札?


気付いた方も大勢いらっしゃるかと思われるが、
魔法カードの発動を無効にしたとしてもこのカードはそのカードを手札に戻してしまうのだ。

魔法カード……その基本性質は以下の通りである。

1.1ターンに何枚でも何度でも発動できる。
2.手札から発動する場合は必ず魔法&罠カードゾーンに一旦置き、一連の効果処理が終わった後に墓地へ送る。
3.速攻魔法以外は自分のターンでのみの発動となるが、自分でタイミングを計って発動できる。
4.速攻魔法以外は伏せたターンに発動することができる。(逆に言えば速攻魔法は伏せるとそのターン発動できない)

つまり無効にしたところで手札に戻る以上、再びそのカードを使用されライフを無駄に500削るだけ。
まさに『その場しのぎ』のカード。しのぎ切れていないが。

ちなみにカウンター罠であるためダメージステップでも使用できるが、ダメージステップでも複数のチェーンを積むことができる
つまり、相手ターンであるならばダメージステップ中に例えば『収縮』をカウンターして手札に戻したとしても、
ダメージ計算に入る前に改めてその『収縮』を手札から発動しなおされてしまうだけなのである。

スペルスピード3なので無効化に更なる『収縮』などをチェーンされる事はないが、二回目のチェーンブロックを作られるだけである。
どこぞのオネストさんのような『ダメージ計算時はチェーンブロックは一度だけ』なんて特別ルールはない。
そのオネストさんもマスタールール3でダメージ計算時に発動できなくなったが。


よって普通にデッキに採用するのであればこのカードよりマジック・ジャマーやマジック・ドレインのほうが汎用性が高い。


一応、ミラフォみたいなカード以外に全く役に立たない誤作動(アニメのようなコンボはこちらは可能だが)と比べると彼はまだ使える方ではある


さきほどの魔法カードの基本性質では説明していなかったが、強い効果を持つカードにはそれなりのコストや誓約がある。
誓約効果に関してはカードの発動を無効にしてしまうこのカードには関係はないが、コストのほうは別である。


例えば「非常食」とか、「最終戦争」、「魔法石の採掘」、「大逆転クイズ」、「トレード・イン」、「左腕の代償」、「強欲で貪欲な壺」などの
重いコストを持つカードに対して使えばかなりのアドバンテージを取ることも一応できる。
まぁ、こっちも500払って今回は文字通り時間稼ぎしているだけなのだが。それでもこのカードの存在意義は保てる。


他にもセットされていた速攻魔法を自分のターンで止めたりする分には若干価値はある。1ターンのテンポアドしか稼げないが一応有効。
また誓約効果についてはあまり関係ないと上述しているが、「○○は1ターンに一度しか使用できない。*1」魔法カードに対して発動する場合は話は別で、こちらも1ターンのテンポアドが稼げる。
また、「強欲で金満な壺」などのような発動タイミングがそのターン中に1度しか訪れないカードに対してこのカードを発動した場合も同様にテンポアドを稼ぐことが可能。

また、RUM-七皇の剣の場合は手札に戻すだけなので裏側表示になり使用を完全に封じることができる。
このカード唯一のその場しのぎでは無い例である。


結論としてはやはり使い難いカードであることは否定できない。
使おうと思えば使えるが、手札一枚で無効にできるマジック・ジャマーやハンデスが狙えるマジック・ドレインのほうがやはり使いやすいだろう・・・・・・と思っていたら2020年、「RISE OF THE DUELIST」にてこんなカードが登場してしまった。

《ブリザード》
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):相手フィールドの表側表示の魔法カード1枚を対象として発動できる。
このターン、そのカード及びそのカードと元々のカード名が同じ魔法カードがフィールドで発動する効果は無効化される。
このターン中に対象のカードが相手の墓地へ送られる場合、墓地へは行かず相手の手札に戻る。


ここまで読んで来られた諸君ならばもうお気付きだろう、この《ブリザード》を使えば《ゴブリンのその場しのぎ》でできる事の大半がよりやりやすくコストもない、しかもターン中は同名カードの効果無効化まで付与されるため、どちらのターンで発動しようと本当の意味での一時(1ターン)しのぎが可能となるのだ。
速攻魔法故何かをチェーンされやすい、という懸念こそあるがその程度がデメリットとなるかどうかは誤差であり、時代が違うから仕方がないとはいえほぼ上位互換カードと呼んで差支えないだろう。


一応、こちらにもエクスチェンジや《魔導契約の扉》で相手に渡した魔法カードであれば、このカードを使って自分の手札に戻すというコンボは存在する。
だがそもそも闇雲に渡した魔法カードを相手が警戒なしに使うとも思えないし、手札コストなどに使われればそれまでであるが。

仮に使われたら「姑息な手を…」とでも言ってあげよう。


追記・修正お願いします。





カズマァ! なぜこんなカードがデッキに入ってる!!?



















実はこのカードアニメに一度だけ登場したことがある。

同類の『誤作動』は二度も登場し、コンボに使われているので出ること自体は不思議ではない。


Q.ではいつ出ましたか?
A.遊戯王ZEXAL


Q.誰が使用していましたか?
A.九十九遊馬
Q.ゑ?


もう一度言おう。このカードをアニメでデッキに入れていたデュエリストは……



遊戯王ZEXALの主人公 九十九遊馬である



Q.な、何話で確認できますか?
A.遊戯王ZEXALの第一話と第二話です。




そう……実はこの『ゴブリンのその場しのぎ』のカード。
遊戯王ZEXALの記念すべき第一話と第二話でちゃっかり遊馬の手札に入っていたのである。
ちなみにこのデッキ、遊馬の父親である一馬の組んだものである


仕込みマシンガンや自業自得はまぁ、分かる。


一馬さん……何故にこのカードを採用していたのでしょうか




なお、皆さん知っての通り、このカードは結局手札で腐って一度も使われませんでしたとさ。


俺の手札の中で一番強いモンスターは……『追記・修正』!!





走り続けようぜ! みんな! 人生という名のライディングデュエルを!














実はこのカードとある特殊ルールデュエルでは思った以上の働きを見せることができる。



それこそ遊戯王5D'sに登場したライディングデュエルである!



このデュエルに関しては項目を参照していただきたいが、
スピードワールドというオリジナルフィールド魔法とSp(スピードスペル)というオリジナル魔法カードが存在する。

「スピードを魔法に変えて」の宣伝文句通り、こいつらにはスピードカウンターというカウンターが存在する。
このカウンターターンごとに自動でたまっていき、それらを駆使してSpなどをプレイしていくのが
ライディングデュエルの面白さの一つである。(棒)

さてここで重要なのがスピードカウンターの存在。
弱いSpにはないが、強いSpに関しては発動のために自分用のスピードカウンターを取り除く必要がある


そう……発動時のコストに生命線と言えるスピードカウンターを消費してしまうのである。
そしてそのスピードカウンターを別の手段で増やすことは非常に困難である。

つまりそのSpに対してゴブリンのその場しのぎを使用すれば……このカードは、無敵ッ!!

ライフ500なんておつりがくるレベルでのアドバンテージを保証できるのだ!


現実のOCGではライディングデュエルはできないが、5D'sのWCSでは全作品でライディングデュエルができるので
皆もこのカードで相手プレイヤーの度肝を抜いてやろうぜ!!!





















現実:ライディングデュエルでもまともな活躍は見込めない。
   ライディングデュエルにおいて初心者はSp自体の採用を敬遠するのでロクに発動機会が無い。
   では上級者はどうかというと厳選されたSpを活用してくるのでこちらであれば刺さる…わけもなく、
   罠対策の「王宮のお触れ」「トラップ・スタン」で他の罠諸共封じられたり、増えたSpcを頼りにゴリ押し連発で突破されるのがオチである。
   更に言うとアニメ版のSpはコストを払うものがほとんどないので実質スピードワールド2くらいしか対象がない。





俺たちは、そんな未来は認めない! だから、今こそ、世界に追記・修正の光を見せる!


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最終更新:2023年12月05日 17:48

*1 「○○は1ターンに1度しか発動できない。」の場合は名称指定の有無に関係なく、再使用できてしまう。