成金ゴブリン(遊戯王)

登録日:2018/03/15(木) 17:10:09
更新日:2024/05/01 Wed 15:16:25
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成金ゴブリンとは、遊戯王OCG遊戯王ラッシュデュエルに登場する魔法カードである。


【概要】

『Magic Ruler -魔法の支配者-』で登場したカード。

通常魔法
(1):自分はデッキから1枚ドローする。その後、相手は1000LP回復する。

効果はシンプルで、自分はドロー、相手はライフを回復するというもの。

自分は1枚の手札交換で相手のライフが回復するのでは割に合わない……というのはシンプルなビートダウンデッキの話。
キーカードを素早く引きたい特殊勝利やロックデッキでは、条件も準備もいらないこのカードはドロー加速として優秀な働きをしてくれる。
とはいえ、アドバンテージで見るなら1枚の手札を使って1枚ドローしても、ほとんど何も変わっておらず、相手のライフが回復しただけに過ぎない。
採用するとすれば、ドローや魔法カードの発動に意味のあるデッキか、相手のライフの回復を逆用できるデッキがメイン。

例えば、永続罠「シモッチによる副作用」を用いて回復をバーンに反転させて戦う【シモッチバーン】では、火力兼ドローソースとなる。
他、相手のライフが多ければ多いほど攻撃力が上昇する「E・HERO エアー・ネオス」、
ライフ差を参照する「九十九スラッシュ」「No.35 ラベノス・タランチュラ」「活路への希望」などでも回復のリスクをメリットに変換できる。

ライフ差が発動条件で互いのライフを後から3000にする「ライフチェンジャー」(現在諸事情で禁止カード)や、
互いのライフを入れ替えるため相手の回復が問題にならない「大逆転クイズ」などで、悪用されることも。

エクゾディア】や【終焉のカウントダウン】といった特殊勝利を目指すデッキや【デッキ破壊】なら相手のライフを削ることを考えなくて良いため、ほぼノーリスクで採用できる。
「活路への希望」を採用する等、デッキ構成によっては相手を回復することが逆にメリットにもなり得る。

手札を減らさずに魔法カードを発動できるという性質から、魔力カウンターを使用するデッキでも投入される。
王立魔法図書館などと合わせればドロー枚数が上がり、エクゾディアパーツを揃えたり、マジックテンペスターでのバーンなどに使用される。

もしくは、少しでもキーカードを引く確率を上げたいデッキの場合、このカードを入れることでデッキの枚数を圧縮する目的で採用することもあった。
現在では強欲で貪欲な壺などもあるため、戦術等の違いや所持カードに合わせて使い分けるといいだろう。

日本では一時、エクゾディアを規制するためか制限カードだった時期があるが、「苦渋の選択」の禁止化に伴いこちらは解除されている。
逆に海外では【マジエク帝】*1の規制のためか、16年に制限カードに指定されている。


総じて、ドローソースとしては極めて有能な部類だが、総ダメージが8000強に収まるタイプのビートダウンデッキとは相性が悪い。
「キーカードを一刻も早く引きたい」というコンボデッキにおいて輝くタイプのカードだと言える。
ちなみにビート系のデッキでこのカードを使う場合、コンボを決めてオーバーキルを叩き込み、1ターンで削りきるワン・ショット・キル型に採用されることが多い。


遊戯王ラッシュデュエルにて

レジェンドカード(デッキに1枚しか入れられない)として登場。
殴り合い主体のラッシュデュエルでは1000回復させるデメリットが案外痛いが、発動条件なしのノーコスト1枚圧縮自体は弱くない。
しかし、レジェンドカードの枠を争うには「強欲な壺」や「死者蘇生」など他のレジェンドカードと比べて弱い印象を受ける。
特に単体では「強欲な壺」の劣化でしかない。
しかし、「成銀ゴブリン」や「ナリキング・レックス」などのサポートが登場しているため、そこで差別化を図る必要がある。


バックストーリー~ゴブリンの栄枯盛衰~

さて、このカード自体は極めてシンプルな効果であり、ゆえに使い方もシンプル。
じゃあ何でこの項目を立てたんですか、と言われればずばり、イラストに描かれているゴブリンの辿ったストーリーが本題である。

ぶっちゃけ上の説明はカード項目として最低限成立させるためです。

このゴブリンのストーリー、実はこのカードの登場から未だに続いており、しかも中にはアニメ・漫画オリジナルのカードまで存在している。
イラストおよびマスターガイドの解説をもとに、その歴史を追っていくことにしよう。


  • 成金ゴブリン
このカード。
跪く貧乏人に金を恵んでいる。この頃が絶頂期だった。

通常罠
自分フィールド上に「首領・ザルーグ」「黒蠍-罠はずしのクリフ」「黒蠍-逃げ足のチック」「黒蠍-強力のゴーグ」「黒蠍-棘のミーネ」が表側表示で存在する時に発動する事ができる。
これらのカードは発動ターンのみ相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる。
その場合、相手プレイヤーに与える戦闘ダメージはそれぞれ400ポイントになる。
ちょっと昔の話。黒蠍団に金品を盗まれたことがあるらしい。

  • 報復の隠し歯
速攻魔法
自分が戦闘でダメージを受ける時に発動できる。 自分フィールド上に存在するセットされたカードと守備モンスターを全て破壊する。
この効果で破壊したモンスターの守備力が攻撃モンスターの攻撃力より高い場合、 自分が受けるダメージを0にして、その攻撃モンスターの効果を無効にして破壊する。
漫画ZEXALでシャークさんが使ったカード。
どうもどっかで恨みをもらったらしく、《インプ》に刺されそうになっている。ちなみにこのカードが使われたシーンが、一部で話題の「孤高なる鮫の流儀だ!」である。

  • バブル・クラッシュ
通常罠
手札・フィールド上のカードの合計が6枚以上あるプレイヤーは、
その合計が5枚になるようにカードを墓地へ送る。
転落の始まり。景気が一気に悪化して貧乏になってしまった。

  • 大暴落
通常罠
相手の手札が8枚以上ある時に発動する事ができる。
相手は手札を全てデッキに加えてシャッフルした後、カードを2枚ドローする。
泣きっ面に蜂とはまさにこの事。小豆や大豆や小麦粉の相場が暴落し、自社株が紙切れに。
おーまいがー。

  • セカンド・チャンス
永続魔法
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか適用できない。
(1):自分がコイントスを行う効果を適用する際に、コイントスを最初からやり直す事ができる。
アニメだとなぜだかやたら批判される永続魔法。
かつての自分と立場が逆転、金持ちから恵んでもらう身に。

  • 壺盗み
速攻魔法
「強欲な壺」発動時に発動する事ができる。
「強欲な壺」の効果を無効にし、自分はデッキからカードを1枚ドローする。
ピンポイント過ぎるメタカードの一角。
困窮した生活から脱しようと、強欲な壺を盗んだ模様。
さらに……。

  • 盗人ゴブリン
通常魔法
相手ライフに500ポイントダメージを与え、自分は500ライフポイント回復する。
「物資調達員」から強欲な瓶を窃盗。
犯罪者に落ちぶれてしまった。

  • 強欲ゴブリン
効果モンスター
星4/地属性/悪魔族/攻1000/守1800
このカードが表側表示で自分フィールド上に存在する限り、お互いは「手札のカードを捨てる事によって発動する効果」を発動できない。
壺と瓶を抱えて逃走中か? 何にしても、彼の未来は暗い。

  • 検問
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手の手札を全て確認し、その中にモンスターカードがあった場合、その攻撃を無効にする。
その後、自分は相手の手札からモンスター1体を選んで捨てる。
ずうずうしいことに「物資調達員」の荷車に隠れて王宮のある街へ忍び込もうとしている。
「強引な番兵」が検問をやっているが、後のカードを見るに潜入自体は成功した模様。

  • 闇霊術-「欲」
通常罠
自分フィールド上の闇属性モンスター1体をリリースして発動できる。
相手は手札から魔法カード1枚を見せてこのカードの効果を無効にできる。
見せなかった場合、自分はデッキからカードを2枚ドローする。
王都に忍びこんだ後「闇霊使いダルク」を拉致したらしく、強欲な壺の力をその霊術で引き出させ、
再び金持ちになろうとしている*2
しかし、霊使いを甘く見たばっかりに……。

  • パニック・シャッフル
通常罠
自分フィールド上のモンスターエクシーズ1体が相手のカードの効果の対象になった時に発動できる。フィールド上に攻撃表示で存在する全てのモンスターの表示形式を守備表示にする。 お互いのプレイヤーはこのターンのエンドフェイズ時までモンスターの表示形式を変更できない。
その後、お互いのプレイヤーは墓地の魔法・罠カードを全て持ち主のデッキに戻す。
アニメZEXALでIVさんが使ったカード。
どうやらダルクが霊術で反撃を喰らわせたらしく、強欲な壺に吸い込まれそうになっている。結局ここからは助かったようだが、騒ぎになったようだ。

  • 罰則金
通常罠
自分は手札を2枚選んで捨てる。
強欲な壺を盗んだ店の店主に見つかり、罰則金を払わされることになってしまった。
しかも壺は壊れてしまっている。

  • キャッシュバック
カウンター罠
相手がライフポイントを払って発動した効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にし、
そのカードを持ち主のデッキに戻す。
文無しのゴブリンにそんなもんが払えるはずもなく、なけなしのガラクタを差し出したところキレた店主に殴り飛ばされてしまった。しかも巻き添えで強欲な瓶まで壊れている。

  • 王宮の牢獄
永続罠
このカードがフィールド上に存在する限り、お互いのプレイヤーは墓地のモンスターを特殊召喚できない。
で、王宮にとっ捕まってしまった。
ちなみに隣の牢屋に捕まっているのは「大革命」の皆様。

  • 闇の量産工場
通常魔法
(1):自分の墓地の通常モンスター2体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。

  • 闇の増産工場
永続罠
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の手札・フィールドのモンスター1体を墓地へ送って発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。
逮捕されてさすがに懲りたのか、もけもけの生産工場でマジメに労働を始めた模様。
と思ったら……。

  • 盗み見ゴブリン
通常魔法
相手はデッキの上からカードを3枚めくる。
自分はその中から1枚を選択して相手のデッキの1番下に戻し、
残りのカードを好きな順番で相手のデッキの上に戻す。
工場の金庫に保管されている強欲な壺をチラ見。未練は断ちきれていないようで。

  • ゴブリンのやりくり上手
通常罠
自分の墓地に存在する「ゴブリンのやりくり上手」の枚数+1枚を自分のデッキからドローし、自分の手札を1枚選択してデッキの一番下に戻す。
相変わらずの貧乏生活だが、「死の演算盤」を用いて「魔力倹約術」を実行しつつ頑張っているようだ。
ちなみにこのカード自体は「非常食」と合わせた使い方が有名。いわゆる「やりくりターボ」。

カウンター罠
500ライフポイントを払う。
魔法カードの発動を無効にし、そのカードを持ち主の手札に戻す。
ご存知その場すらしのげない残念カード。詳しくは項目にて。
どうにかやりくりしているものの、やはり生活は苦しいようで、自転車操業状態。
セカンド・チャンスで恵んでもらってた金持ちに強欲な壺を売りに来ている。……おい、その壺どっから持ってきた?

  • 差し戻し
通常罠
相手が墓地のカードを手札に加えた時に発動できる。
相手は手札に加えたそのカード1枚をデッキに戻す。
返品されてしまった模様。世の中甘くない。

  • おねだりゴブリン
効果モンスター
星4/地属性/悪魔族/攻1000/守2000
(1):このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動する。
相手は手札を1枚このカードのコントローラーに渡してこの効果を無効にできる。
渡さなかった場合、自分はデッキから「ゴブリン」カード1枚を手札に加える。
もはや落ちるところまで堕ちてしまったのか、物乞い状態に。持っているのは「強欲で謙虚な壺」だが、ちっとはマシになったのだろうか……?

  • 一点買い
通常魔法
このカード以外の手札が3枚以上存在し、その中にモンスターカードが存在しない場合に、手札を全て表側表示でゲームから除外して発動できる。
デッキからモンスター1体を手札に加える。このターン、自分は手札に加えた同名モンスター以外のモンスターを召喚・特殊召喚できない。
見世物ではどうにもならねえと思ったのか、別のゴブリンに強欲で謙虚な壺を売りつけようとしている。
が、どうも不良品だったようだ。

  • 無償交換(リコール)
カウンター罠
(1):相手がモンスターの効果を発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。相手はデッキから1枚ドローする。
取っ手が取れてしまったため、店主に文句を言って強欲で貪欲な壺と交換してもらおうとしている。

  • キャッチ・コピー
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):相手の効果によって、相手がドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加えた場合に発動できる。
自分はデッキからカード1枚を選び、お互いに確認して手札に加える。このターン、自分はこの効果で手札に加えたカード及びその同名カードの効果の発動ができない。
交換してもらった強欲で貪欲な壺を「2枚ドローできる最強カードですよ」と、強欲な壺と偽って売りつけようとしている模様。
だが、交換してもらった店主がその詐欺行為の一部始終を呆れた表情で見ている事に気付いてない様だ。

  • 臨時収入(エクストラバック)
永続罠
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分のエクストラデッキにカードが加わる度に、このカードに魔力カウンターを1つ置く(最大3つまで)。
(2):魔力カウンターが3つ置かれているこのカードを墓地へ送って発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。
強欲な壺を売ってまとまった金を得た模様。……量産工場から盗んできたようだ。

  • 土地ころがし
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分または相手のフィールドゾーンの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
その後、この効果で除外したカードを除外されたプレイヤーから見て相手のフィールドゾーンに表側表示で置く。
その後、置いたカードとは元々のカード名が異なるフィールド魔法カード1枚を
置かれたプレイヤーの墓地から選んでこの効果でカードを除外されたプレイヤーのフィールドゾーンに表側表示で置く事ができる。
まとまったお金で土地と家を購入した模様。カード名から察するに転売で更に儲けようとしたと思われる。
しかし、商談相手のゴブリンに騙されて買い手が付かない土地を買わされてしまったらしく、「除草獣」が我が物顔で寝ている。

通常魔法
(1):自分のデッキの枚数が相手よりも多い場合に発動できる。
デッキの枚数が相手と同じになるように、自分のデッキの上からカードを墓地へ送る。
手入れもままならず「ウィード」が蔓延った庭に、隣の家が放した「除草獣」が乗り込んで来たようだ。

  • ポリノシス
カウンター罠
自分フィールド上の植物族モンスター1体をリリースして発動できる。
魔法・罠カードの発動、モンスターの召喚・特殊召喚のどれか1つを無効にし破壊する。
その煽りを食ってか、花粉症にかかってしまった模様。

  • やぶ蛇
通常罠
(1):セットされているこのカードが相手の効果でフィールドから離れ、墓地へ送られた場合または除外された場合に発動できる。
デッキ・EXデッキからモンスター1体を特殊召喚する。
今度は自分でせっせと草刈り。ところが、その草むらの中にはまたもキラー・スネークが……。


  • 見世物ゴブリン
永続魔法
自分のエンドフェイズ毎に、自分のデッキの一番下のカードをお互いに確認し、
そのカードを自分のデッキの一番上に置くか、裏側表示でゲームから除外する。
そいつを捕まえ、今度は見世物で儲けようとする……が、さっぱり人気が出なかったようだ。
なんせ蛇遣いを気取ったつもりがキラー・スネークに襲われてるし。

  • バーバリアンの呪術
通常罠
自分フィールドに「バーバリアン」モンスターが存在し、相手フィールドにモンスターが2体以上存在する場合に発動できる。
その内1体のコントロールを得る。
ARC-Vで暗国寺が使ったカード。
一体何があったのか、バーバリアンのシャーマンに呪いをかけられ操り人形に。
もうダメだなこりゃ。

落ちぶれゴブリンの明日はどっちだ。


アニメにて

アニメ5D'sの「ジャックvsガロメ」戦にてガロメが使用。
先攻1ターン目に発動して「無限ローン」をドローし、ジャックのライフを1000回復した。
この時、ジャックのもとに金が降ってくる、という何ともガロメらしい演出があった(元々イラストが「貧乏人に金を恵むゴブリン」なのである意味イラスト通り)。
これによって「ヘル・トレーダー」「地獄徴収官トイチ」「無限ローン」を揃え、4000ポイントのダメージを叩き込んでいる。
しかし、最終的には回復させた1000ポイントの分を残したことでガロメは敗北している。
高利貸しのガロメのイメージに沿ったカードであり、相手のライフ回復を利用できるコンボで追い詰める、と戦術こそ間違ってはいなかったのだが、
これでライフを残させることで「総ダメージが初期ライフをわずかに超えるタイプとは相性が悪い」点をうまく描いている。


追記・修正はゴブリンの行く末を考えながらお願いします。

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最終更新:2024年05月01日 15:16

*1 墓地に魔法カードをため込み、墓地の魔法カードの数だけバーンダメージが増えるマジカル・エクスプロージョンでライフを削りきるデッキ。帝モンスターによるビートダウンに切り替え可能なので対応力が高い

*2 ダルクよりもこちらの方がカード化が先なので、イラストにはダルクはいない