カローン(パワーレンジャーシリーズ)

登録日:2014/05/13 (火) 01:30:14
更新日:2023/08/25 Fri 02:16:13
所要時間:約 5 分で読めます





カローンとは、日本の『スーパー戦隊シリーズ』を海外用にリメイクした『パワーレンジャーシリーズ』の登場人物。
当初は日本のシリーズには登場しないオリジナルの敵キャラ・アストロネマとして登場した。

演者:メロディ・パーキンス
吹替:折笠愛

日本語吹替担当の折笠女史は後に『獣電戦隊キョウリュウジャー』のラッキューロの声を担当することになる。


主に『パワーレンジャー・イン・スペース』と『パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー』にレギュラー出演している。
レッドスペースレンジャーことアンドロス(メガレッド)の妹。
パワーレンジャーシリーズの女性キャラの中でも特に数奇な運命を辿っているキャラで、海外ファンからの知名度も高い。


○経歴

・パワーレンジャー・インスペース


幼いころにダーコンダ(ギレール)に誘拐されて、兄であるアンドロスと生き別れになってしまう。
その後、一人で泣いていた所を見つけたエクリプター(ユガンデ)に「家族はパワーレンジャーに殺された」と教えられて、
悪のプリンセス「アストロネマ」として実子同然に育てられた。
悪の皇帝「ダークスペクター」の呼びかけに答え、歴代シリーズの全悪役が集結して結成された軍団の中でも、
悪の女王候補としてダークスペクターから非常に重宝されていた。
故に、リタ・レパルサ(魔女バンドーラ)などの歴代悪役を差し置いて、「前作(ターボ)で囚われた彼らのゾードンを救出しようとするパワーレンジャーの抹殺」を命じられる。
(歴代の悪の組織のなかでは珍しく打倒パワーレンジャーが主な目的で、地球侵略は最終決戦を除き「レンジャー抹殺のついでにやる」程度の行動しかしていない。
これは、ダークスペクターの一味がその気になれば地球を簡単に征服できるほどの洒落にならない大規模な勢力であったため、
そもそも侵略にさほど価値を見出していなかった。)
そして、パワーレンジャーが家族の敵と刷り込まれた彼女は、そのパワーレンジャーのリーダー格であるアンドロスが実の兄とも知らず、
彼らを幾度となく追い詰める。


悪の女王候補だけあって非常に優秀であり、高い戦闘力を持つだけでなく、
スパイとして潜入したアンドロスにいち早く気付くなど、洞察力も優れている。
しかし、優秀だが卑劣漢で信用性に欠けるダーコンダの能力を買って周りの反対を押し切り手元に置いたり、
パワーレンジャー側のシルバーレンジャー/ゼイン(メガシルバー)にときめいて、周りに何も言わず一人で彼に近づくなど独断専行の傾向がある。
もっとも、兄のアンドロスが度々一人で行動する一匹狼な性格であることを考えると、
この性格は血筋によるものなのだろう。


中盤で、アンドロスとお揃いのロケットペンダントを所持していたことから、
アンドロスは彼女こそが妹のカローンであることに気付く。
一方、アストロネマはその事実を受け入れることができなかったが、
アンドロスが兄のペンダントを持っていたことから徐々に事実に目を向けるようになり、
ついにはダークスペクターを裏切って、パワーレンジャーのゾードンの救出を支援するようになる。


しかし、ダークスペクターとダーコンダの策略で捕らえられてしまい、
彼女側についたエクリプター共々洗脳を受け、「完璧な悪」として再びアンドロス達と対峙することになる。
しかし、彼女は「完全な悪」として洗脳されてしまったが故に、
「ダークスペクターを謀殺してその座を乗っ取り自分が全宇宙の支配者になる」というトチ狂った野望を抱くようになる。

完全悪として洗脳されてから最終回でアンドロスとの一騎討ちで絶命するまでの外見は原作のシボレナに近いが、キャラポジションはDr.ヒネラーに相当する。
また、ダークスペクターは邪電王ジャビウスⅠ世相当のポジションとなり、その末路も(直接の死因は異なるものの)概ね原作に近い。

そして戦えば戦うほどダークスペクターの力を消費するサイコレンジャー(邪電戦隊ネジレンジャー)を利用して少しずつダークスペクターを弱体化させ、
ダークスペクターの全宇宙制圧作戦に乗じて反乱を起こそうとしたダーコンダがダークスペクターと共倒れになったのに乗じて、
自分が宇宙の支配者として君臨することを宣言し、他の歴代悪役達を服従させる。
そして、ゾードの説得にも耳を傾けず、「パワーレンジャーが名乗り出なければ地球を破壊する」と宣言する。

だが、この危機の中でパワーレンジャーを信じるバルク達が
口をそろえて「俺達がパワーレンジャーだ!!」と名乗り出たことで、目論見が外れてしまう。
やむを得ずその場にいた全員を殺そうとするが、そこに本物のパワーレンジャーが現れ、「パワーレンジャー&地球人VS悪の軍団」の全面対決へと発展した。


そんな中、アンドロスはアストロネマの説得のため単身で敵の基地に向かうが、
そこでゾードンから「既に全宇宙が征服され、悪の軍団の戦力相手に逆転するのは不可能であり、
自分のエネルギーチューブを破壊して正義のエネルギーを宇宙中に放出するしか手は無い」と告げられる。
だが、この手段はゾードンの死を意味するため、アンドロスは躊躇する。


そこにアストロネマが現れ、宇宙征服を阻止させまいと、アンドロスの決死の説得にも耳を貸さずアンドロスを追い詰める。
しかし、とどめを刺そうと放った光弾をとっさにアンドロスが剣で弾いた結果、その光弾がアストロネマに直撃してしまい、
打ち所が悪くアストロネマは絶命してしまう。


あまりの事態に愕然とするアンドロスの前に、エクリプターが駆け付け、主君であり義理の娘でもあったアストロネマを殺害した
アンドロスに怒りのまま襲いかかる。激戦を繰り広げるアンドロスは、「宇宙を救うことがパワーレンジャーの使命」と
説得するゾードンの願いを受け入れエネルギーチューブを破壊し、彼の命と引き換えに宇宙の悪の軍団を浄化・消滅させた。



かろうじて勝利したパワーレンジャーだが、アストロネマ、つまりカローンの死にアンドロスは悲しみに暮れる。
だが、アンドロスの涙が彼女に触れた途端、カローンは悪の洗脳から解き放たれた状態で蘇生する。
この原因は、ゾードンの正義のエネルギーが原因とも、アンドロスの涙が奇跡を起こしたとも言われるなどいくつかの説がある。
こうして、兄妹は長い時を後てようやく本当の意味で再会することができたのである。





・パワーレンジャーロスト・ギャラクシー

前作で正義の側についたカローンだが、自分が悪の勢力にいた記憶は残っているため、その事実が彼女の心に重く圧し掛かっていた。
そんな中、パワーレンジャーのピンクレンジャー/ケンドリックス(ギンガピンク)が殺害され、彼女のギャラクシーサーベル(星獣剣)が
悪の連中専門のオークションにかけられていることを知ったカローンは「アストロネマ」のコネを利用して
オークションに潜り込み、ギャラクシーサーベルを奪還。パワーレンジャーの元に届けようとする。
そして、サーベルを奪おうとするトラキーナ&ビラマックスと戦闘に入り、
あわや殺されかかるが、ケンドリックスの霊魂に救われ、彼女からモーファーを授けられ2代目ピンクレンジャーとなる。
その変身コードは「ゴー・ギャラクティック!!」

この交代劇はケンドリックス役のバレリー・ヴァーノンが病気が発覚し降板せざるを得なくなったための措置である。



続く戦いでパワーを奪われ変身できなくなったレッドレンジャー/レオ(ギンガレッド)に、
自分が悪の時代に封印した「怒りの戦士」の力を利用してパワーを取り戻すことを提案する。
そして、封印の場所に向かったカローンの前に、突如過去の自分である「アストロネマ」の幻影が現れる。
レオを人質に取るアストロネマに、カローンは武器を捨ててレオを放すよう頼んだ。
それを見たアストロネマは消滅し、カローンは本当に正義の存在になったことを認められる。
そしてかつて自分が封印した怒りの戦士の石像に謝罪したことで彼から許され、レオのパワーを取り戻すことに成功する。
こうして彼女は自分の過去と決別、レオもまた「怒りの戦士」の力たるレッド・アーマードパワーレンジャーを得ることができた。

その後もパワーレンジャーとして戦い続け、最後の戦いが終わった後、
サーベルの奇跡でケンドリックスが蘇った後は彼女にパワーを返却した。



○概要

上記のように「悪の幹部→改心→悪の首領→パワーレンジャー」という歴代シリーズのなかでも稀な経歴の持ち主。
悪の勢力に属した者が味方になるのは、戦隊シリーズでもよくあることだが、
悪の首領になったレンジャーは日本の戦隊シリーズも含めると、カローンとアバレキラーくらいであろう。
この存在感のため、根強い人気を持つが、ロストギャラクシー最終回でケンドリックスにパワーを渡したため、
次回作のゲスト回にも登場せず、今後のシリーズへの登場の見込みは無い。

































…と思われていたが!!
パワーレンジャーシリーズ20周年記念作品「パワーレンジャー・スーパーメガフォース」において、
ゲスト出演予定で発表されたキャストのなかに彼女を演じた「メロディ・パーキンス」の名前が確認されたため、海外の多くのファンを驚かせた。
そして、最終章において満を持して登場した。キャラが多すぎるためさほど出番は多くなかったが、
ディレクターズカット盤?で、ロスト・ギャラクシーピンクレンジャーとして戦う前に、
一瞬だけだがアストロネマの顔が重なる新規映像が追加されていた。



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最終更新:2023年08月25日 02:16