パワーレンジャーシリーズ

登録日:2011/06/29 Wed 01:25:04
更新日:2025/04/25 Fri 19:25:08
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『パワーレンジャー』とは、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』以降のスーパー戦隊シリーズアメリカでローカライズした作品である。


【概要】

単純なリメイク・吹き替えとは異なり、「スーパー戦隊シリーズの映像とスーツを流用して、アメリカで制作されたローカライズ作品」で作品によっては全体的なストーリー・作風が全く異なる場合があるが逆に殆ど一致している場合もある。

韓国や中国でも同名の番組があるが、それは日本のスーパー戦隊を『パワーレンジャー』のタイトルで放送しているだけで内容は全く異なる。

当初は3クール 全40話で終了する予定だったが社会現象となった。
その人気はかの『ミュータント・タートルズ』ともタメを張れる程。

五星戦隊ダイレンジャー』など、『ジュウレンジャー』以降の戦隊はローカライズされていない作品があるが、中には一度 遡る形で制作され、一部の戦士や敵キャラが他作品ベースの作品に登場する場合がある。
……非公認戦隊?するわけない。

パワーレンジャーが本格的にシリーズ化してからも本家のスーパー戦隊は特に『パワーレンジャー』を意識して制作しているわけではなく、
東映の鈴木武幸プロデューサーは「日本から提示した物を向こう(アメリカの制作スタッフ)が気に入らないなら同じ戦隊をベースにしてもらって、2年続けても構わない」とコメントしている。


【シーズン制】

海外ドラマの例に漏れず、シーズン制である。

『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』から『パワーレンジャー・イン・スペース』までは日本での4クール 1年の“戦隊の代替わり”は装備品の変更などに充てられていると解釈され、後述の通り、同一人物が別カラーの戦士になるなど日本では考えられない手法が採られている。

シーズン制は『パワーレンジャー・サムライ』で再び導入され、同作以降の各作品は2クールの2シーズンをインターバルを挟みつつ、2年掛けて展開する形式が取られている。


【作風】

アメリカの子供向け番組という事で、日本より厳しい表現の規制が取られている。
例えば凶悪犯とはいえ数秒の判決で死刑にされていた特捜戦隊デカレンジャー』は敵を倒しても死なず、警察に身柄を引き取られるという形になっている。
打撃音は基本的に金属音や電子音に変更されている他、実弾武器はビームに変更されている。

しかし、火薬の量はアメリカの方が圧倒的に多い。
あの『科学戦隊ダイナマン』が話にならないレベルで爆発する

人種差別と見られるのを避けるために人種と男女のメンバー配分は出来る限り均等にされている。
初期は日本では男性が変身するイエローは『パワーレンジャー』では女性が変身している。後年の作品では男性の黄色戦士もいる。

『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』は大獣神が宗教的な問題で神様から巨大ロボットに変更された影響で、日本では言葉を話していた生命体は戦闘メカとなっている事が多く、ロボットに合体する戦闘メカはこの傾向が特に強いがシリーズが長期化して、アメリカのファンに受け入れられて来たのか、近年では自我を持った生命体キャラの出番は増えている。

日本では定番の変身後の口上は歌舞伎の下地がないアメリカ側のスタッフからは「そんな事を叫んでる間に(モンスターから)攻撃されるのではないか?」と理解されず、初期はただ「ハッ!」などの掛け声を上げてから「パワーレンジャー!!」と叫ぶだけだった。

その後は徐々に名乗るようになるが名前やキャッチフレーズを言うだけの簡素なパターンや重要な回でのみ名乗るパターンが多く、日本版のような長い口上はあまり使われていない。

初期はドラマ パート以外の映像は日本の流用だったが規制への対応や現場スタッフの技術向上から、現在では一部の戦闘シーンと巨大戦以外は現地での撮影が増えている。
旧サバン体制期と『パワーレンジャー・S.P.D.』はオリジナルの巨大化戦も新規撮影されている物がある。


【玩具展開】

スーパー戦隊シリーズは合体ロボットとなりきり玩具が主力商品だが、アメリカではヒーローのフィギュアが伝統的に人気で、パワーレンジャーシリーズも日本とは比較にならないレベルのアクションフィギュアが発売されている。
玩具オリジナルの武器、オリジナルの強化形態、やたらマッチョな造型、その他諸々である。

フィギュア人気の背景もあり、レッドはシリーズ途中からバトライザーと呼ばれる日本にはない強化形態が劇中で登場するようになった。

バンダイアメリカ時代は玩具のデザイン、造形は基本的に日本のデザイナーが手掛けていた。

1993年から2018年まではバンダイアメリカ、2019年から2023年まではハズブロが関連玩具を販売した。2025年からはプレイメイツトイズが玩具展開を手掛ける予定。


【権利関係】

当初はサバン・エンターテイメントが制作していたが同社がディズニーの傘下になってからはディズニー制作に移行。
アメリカのディズニーランドのパレードでは「ディズニーキャラとダース・ヴェイダーストームトルーパーに混ざって、パワーレンジャーの面々が練り歩いて子供達と握手する」という日本人からすれば奇怪な光景が見られた。

シリーズの人気低迷に伴い、ディズニーはパワーレンジャーの版権を競売に掛けて、サバン・エンターテインメント改めサバン・ブランドが買い取った。

2018年、『トランスフォーマー』『マイリトルポニー』などで有名なハズブロがブランドを丸ごと買収。
玩具メーカーはバンダイアメリカからハズブロへ移行した。

ディズニー時代と違い、サバン氏は番組制作にコンサルタントとして参加している。

日本の動画サブスクリプション配信は現在、東映特撮ファンクラブのみで視聴の難易度はやや高い。
映画版は他の動画サブスク サービスでも配信されている。


【あらすじ(初代)】

ある日、宇宙飛行士が月に封じられていた銀河の魔女リタ・レパルサとその手下たちの封印を解いてしまう。
リタと手下たちは地球征服に乗り出す。

それを察知した善の支配者 ゾードンとサポートロボのアルファ5はアメリカのエンジェルグローブ高校に通う 5人の若者を選び出して、パワーレンジャーとした。

パワーレンジャーは地球の平和の為にリタ一味と日夜戦うのだ!


【シリーズ一覧】

◇テレビシリーズ

マイティ・モーフィン・パワーレンジャー

ベースは『恐竜戦隊ジュウレンジャー』と『忍者戦隊カクレンジャー』。『五星戦隊ダイレンジャー』の要素が一部 取り入れられた。

内容はあらすじの通り。
守護獣と不思議仙人バーザに当たる立場をゾードンが担っている為、守護獣たちは戦闘メカの「ゾード」となっている。

グリーンレンジャーとレッドレンジャーは兄弟ではなく、グリーンは絶命せず力を失い、戦線を一時離脱するに留まった。
カイに相当するキャラは登場しない等、悲劇的な要素は排されて、よりエンターテイメント・教育色を強めた形となった。

第2シーズンからはブルーレンジャーのビリー、ピンクレンジャーのキンバリー、グリーンレンジャーのトミー以外のメンバーが変更された。
トミーはグリーンレンジャーの力を失い、戦線から一時離脱していたが、ホワイトレンジャーの力を新たに手に入れ、パワーレンジャーの2代目リーダーとなる。

敵側はシリーズ初のオリジナル ヴィラン ロード・ゼッドが登場。第1シーズンでは日本の映像を流用していたリタは現地の女優が新たに起用された。

『ダイレンジャー』からはキバレンジャー気伝獣 大連王、ウォンタイガー、ダイムゲン、ゴーマ怪人、大神龍が登場。
ダイレンジャーのスーツは使用されなかった。

これは日本側のスタッフが「翌年はダイレンジャーで行きましょう!」と提案するも、アメリカ側が「なんで人気あるのに変えるの?!」と反応した為である。
アメリカではスパイダーマンバットマンのように同じスーツのヒーローが何年も活躍している為、当時は日本のように1年で変える意味が理解できなかったと思われる。

気伝獣はダイノメガゾードの強化形態 サンダーメガゾードとなった。
ホワイトレンジャーVS悪のグリーンレンジャーの夢の対決が劇中で展開された。

第3シーズンは忍者パワーを手に入れたパワーレンジャーが忍者(らしき)スーツからジュウレンジャーとキバレンジャーの姿に2段変身する。
地続きの世界観故にキングブラキオンの玩具にスーパー無敵将軍の玩具を乗っけた強化形態が出現するなど、カオスな部分も目立つ。

第3シーズン 第136話でキンバリーは自身の夢を叶える為に留学する事を決断して、ピンクレンジャーの力をキャサリンに与え、彼女を後継者とした。

日本では第2シーズンの100話までを放送。
「日米のタイムラグを減らして、新しい作品を放送したい」という意向から、第2シーズンの第101話〜第112話、第3シーズンの第113話〜第155話と『パワーレンジャー・ジオ』は放送されなかった。


○マイティ・モーフィン ・エイリアンレンジャー
ベースは『忍者戦隊カクレンジャー』。

『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』の第3シーズン 第146話~第155話は敵の策略によって、パワーレンジャーは子供の姿となる展開となった(ブルーレンジャー / ビリーは無茶をして、自力で大人に戻った)。

ゾードンは水の惑星 アクェイターから、エイリアンレンジャーを地球に招聘した。
エイリアンレンジャーはパワーレンジャーの替わりにモンスターと戦う。

番組タイトルは一時的に変更され、オープニングテーマの歌詞「ゴーゴーパワーレンジャー」の部分が「ゴーゴーエイリアンレンジャー」に変更された。

エイリアンレンジャーのスーツはカクレンジャーのスーツを流用。

エイリアンレンジャーはその後『パワーレンジャー・ジオ』『パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー』に登場。
アクェイターレッドレンジャーは『FOREVER RED』に登場した。


パワーレンジャー・ジオ

ベースは『超力戦隊オーレンジャー』。
本作から『パワーレンジャー・RPM』までは日本より1年遅れの制作となった。

試練を潜り抜け、子供の姿から元に戻ったパワーレンジャーたちがジオレンジャー(オーレンジャー)に強化され、新たな悪の組織 マシンエンパイア(マシン帝国バラノイア)と戦う。
リタたちはしぶとく生き残り、邪魔なマシンエンパイアを潰すべく、ジオレンジャーに協力した。

本作からは日本のスーパー戦隊と同様にスーツを変更するようになった。
初のスーツ変更で、玩具のカタログでは「今まで覚えたことは忘れろ」のキャッチコピーが掲載された。
第2話までは誰が何色に変身するのかをオープニングに映さないなど、それまでとは違う作品になる事が強調された。

ブルーレンジャーのビリーは無茶をして、子供から大人に戻った反動で老化した為にメンバーから脱退。新兵器開発などのサポート キャラとなる。
ホワイトレンジャーのトミーがジオレンジャーV(オーレッド)となり、2代目レッドレンジャーのロッキーがジオレンジャーII(オーブルー)となった。
中盤ではパワーレンジャーの初代リーダー ジェイソンが2代目ゴールドレンジャーとして戦線に復帰した。


パワーレンジャー・ターボ

ベースは『激走戦隊カーレンジャー』。
ターボレンジャーとも呼ばれるが高速戦隊の方の彼らとは無関係。

前作ではジオレンジャーIIに変身したロッキーは怪我の為に(撮影中にロッキー役の俳優が大怪我をした)戦線を離脱。
史上最年少メンバーの小学生 ジャスティンがブルーターボレンジャーとなる。

今作から日本語吹き替え版が再び制作された。

本編が始まる前に導入を兼ねて、劇場版が制作された。この映画で死んだはずの人物が本編で当たり前のように登場しているが気にするな。詳しくは後述。

本作は今までに増して、登場人物がコミカルな行動を取る為に違和感を覚える視聴者が多かったとの事。
まあベースがベースだから仕方ないね。

ジャスティン以外の旧来のメンバーはエンジェルグローブ高校を卒業。社会人として就職したが中盤では社会人生活とレンジャーの活動の両立の困難さを指摘されて、メンバーを脱退。
シリーズ初の黒人男性リーダー TJ / レッドターボレンジャーに率いられた新メンバー カルロス / グリーンターボレンジャー、アシュレイ / イエローターボレンジャー、キャシー / ピンクターボレンジャーが新たに加入した。

これまで司令官を担っていたゾードンはサポートロボのアルファ5と共に故郷に帰り、シリーズ初の女性司令官 ディミトリアに交代した。

シリーズのマンネリ化、原典譲りのギャグ描写への不評とアメリカの子供たちのジャスティンへの支持の低さ。
自動車がモチーフのロボ玩具ということから『トランスフォーマー』に売り上げで押されてしまうなどの様々な理由で人気が次第に低迷した為、次作でシリーズの打ち切りが決定する。

全ての戦力が破壊される、ゾードンは敵に捕らわれるという歴代パワーレンジャー初の完全な敗北で最終回を迎えた。


パワーレンジャー・イン・スペース

ベースは『電磁戦隊メガレンジャー』。

前作のジャスティン / ブルーターボレンジャーがメンバーから脱退。
地球とは別の惑星出身のアンドロスがレッドイン・スペースレンジャーとして登場。メンバーに加入した。
前作のレッドターボレンジャー / TJはブルーイン・スペースレンジャーとなった。

本作は敗北したパワーレンジャーがリベンジを果たすべく、宇宙へ旅立ち、歴代の悪が終結した陣営と大決戦を展開する。
『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』から本作まで続いて来た作品世界の完結編と言える。

低迷した人気は本作で回復して、『パワーレンジャー・ターボ』での打ち切り宣言は撤回された。

『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』からはアダムとエイリアンレンジャー、『パワーレンジャー・ジオ』からはゴールドレンジャー、『パワーレンジャー・ターボ』からはジャスティン、ファントムレンジャー(VRVマスター)、ブルー・センチュリオン(シグナルマン・ポリス・コバーン)がゲスト出演。

前作のヴィランであるディバトックスが準レギュラーとして登場するなど、所謂「お祭り作品」としての側面もある。

『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』第3シーズンと『パワーレンジャー・ジオ』の日本語吹き替え版は制作されていない為、ゴールドレンジャーとエイリアンレンジャーの活躍が観られるのは日本では本作のみである。

本作からはシリーズ オリジナルの強化アーマー バトライザーが登場した。
ニンジャタートルズと共闘を果たしている。


パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー

ベースは『星獣戦隊ギンガマン』。
ベース作品の監督を務めた田﨑竜太氏がスタッフとして参加。

本作からはメンバー全員が毎年変更され、物語は世界観が同じのオリジナル ストーリーとなった。
前回から少し時間が経過しており、現在より少し未来の世界という設定である。

原典から引き継がれたファンタジー要素に加えてSF色が強くなり、レンジャーと2つの敵組織による三つ巴の戦いが展開されるなど、意欲的な要素が多数盛り込まれた。

中盤ではピンクギャラクシーレンジャー役の俳優が白血病の治療の為に降板。ピンクに変身するケンドリクスが死んでしまう。
ケンドリクスはシリーズ初の殉職者となった(最終的には復活した)。

前作の悪の組織の女性幹部 アストロ・ネマ=カローンが2代目ピンクギャラクシーレンジャーとなる。


パワーレンジャー・ライトスピードレスキュー

ベースは『救急戦隊ゴーゴーファイブ』。
『ロスト・ギャラクシー』と同じく、田﨑竜太監督がスタッフとして参加。

原典ではメンバー全員が兄弟だったが、本作は人種の統一ができないという理由から限定的なメンバーを除いて、兄弟の設定は無くなった。

シリーズ初のオリジナル追加戦士 タイタニアムレンジャーが登場した。

本作で日本語吹き替え版の制作が一旦終了した。


パワーレンジャー・タイムフォース


『タイムレンジャー』がアメリカの制作スタッフに人気を得た事でドラマ性を重視して、問題視され始めた「アクションシーンとストーリーの不一致」の解消の為に設定やストーリーの多くが原典と一致しているが、
難解なSF設定の多くが子供にも分かり易いようにアレンジされている他、細かい部分では大胆なアレンジがなされている。

敵組織ドン・ドルネロに当たるオリジナルキャラクター ランシックは『コマンドー』で野郎オブクラッシャーベネットを演じたヴァーノン・ウェルズが起用された。

シナリオ面では好評だったが玩具の売上が振るわなかった原典とは異なり、本作はストーリーが高い評価を得た上に玩具の売り上げは高く、
後の作品にレッドタイムフォースレンジャーが客演したり、後述の『パワーレンジャー・ハイパーフォース』は本作と繋がりを持っていたりとシリーズ内での扱いは良い。


パワーレンジャー・ワイルドフォース

ベースは『百獣戦隊ガオレンジャー』。

ディズニー体制での初の作品だが、制作体制はサバンのそれを踏襲している。

日本とは違い、人気はあまり高くなかったがオリジナルでは叶わなかったタイムフォースレンジャー(タイムレンジャー)との共演回がある。
シリーズ10周年記念イベントの『フォーエバーレッド』(歴代レッドレンジャー大集合)は好評だった。

ディズニーによる買収の関係でサバン社内が慌ただしかった影響で制作が遅れ、新しいシナリオを作る余裕がなかった事から本作の内容は細かい設定を除いて、ほぼ一致している。
現地の役者で『ガオレンジャー』のシーンを撮り直しただけの場面が多い。

フォーエバーレッドの悪の怪人はビートルボーグ(『ビーファイターシリーズ』)のスーツが流用された。


パワーレンジャー・ニンジャストーム

ベースは『忍風戦隊ハリケンジャー』。

これまでのパワーレンジャーシリーズとの繋がりを完全に断ち切ってしまった為、玩具の売り上げと視聴率は歴代で最悪となってしまった。

パワーレンジャーシリーズの迷走時期と日本を題材にした作品が被ってしまった為、日本をモチーフにした作品 = 売れないというジンクスが生まれてしまった(このジンクスは後に破られた)。

原典のシュリケンジャーは正体不明のレンジャーだったが、本作では変身する人物がいる。

前作まではアメリカで撮影を行っていたが本作からはロケ地が物価が安く、法規制が緩いニュージーランドに変更され、大自然の景観を生かした新撮カットが増えた。

本作からはメンバーの性別が原典の準拠となった。


パワーレンジャー・ダイノサンダー

ベースは『爆竜戦隊アバレンジャー』。

前回繋がりを断ち切って低迷した人気を回復すべく、モチーフが初代と同じく恐竜だった事を活かし、
『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』から『パワーレンジャー・ターボ』前半までの人気キャラクター トミーがダイノサンダーレンジャーの司令官 ブラックダイノサンダーレンジャーとして勇敢な若者をスカウト。戦線に復帰した。

中盤からは敵対していた人物が追加戦士として参戦し……と古参ファンにとって嬉しい展開を連発。
これにより、パワーレンジャーの人気に再び火が付いた。

中盤ではトミー役の俳優が一身上の都合で故郷に帰らねばならなくなり、撮影に参加できなくなった影響で、その間はダイノサンダーレンジャーの面々がテレビで『爆竜戦隊アバレンジャー』を視聴するという番外編を放送した。

原典では終盤まで敵役だったアバレキラー(本作のホワイトダイノサンダーレンジャー/トレント)は本作では敵から受けていた洗脳から解き放たれ、本家より早い段階で仲間になる展開に変更された。
これに合わせて、後半ではホワイトダイノサンダーレンジャーから悪の心の化身として分離した偽ホワイトダイノサンダーレンジャーが悪事を働くという形になっている。

原典のアバレキラーでは存在しなかった変身バンクは本作では用意され、氷山を背景に突風を纏って変身するという、ときめく描写となっている。

基本的に女性メンバーに割り当てられる事が多いホワイトレンジャーを名乗る男性メンバーは原典(『秘密戦隊ゴレンジャー』から『鳥人戦隊ジェットマン』までの作品も含む)とパワーレンジャーシリーズを含めると本作のトレントと『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』第2シーズン、第3シーズン、映画版のトミーの2人しか存在しない。


パワーレンジャー・S.P.D.

ベースは『特捜戦隊デカレンジャー』。

チームがB - スクワッドとA - スクワッドの2種類が存在しており、主人公たちが所属するのはB - スクワッドである。
A - スクワッドのスーツは『電磁戦隊メガレンジャー』のスーツの流用(まあ、Aは序盤でいなくなるけどね。)。

本作で使用されたバトライザーは後に日本のVシネマ『魔法戦隊マジレンジャーVSデカレンジャー』に逆輸入された。

2011年のスーパー戦隊35作品を記念して、本作の日本語吹き替え版が制作された。
6人の戦士とドギー・クルーガーはデカレンジャーのレギュラー出演者が吹き替えを行い、オープニング ナレーションは白鳥スワンを演じた石野真子が担当した。

パワーレンジャーシリーズでは、最も未来の時系列のストーリーである。


パワーレンジャー・ミスティックフォース

ベースは『魔法戦隊マジレンジャー』。
日本では時々「マジックフォース」と間違えられる。

流用映像ではあるが、初代ヴィランの魔女リタ・レパルサが正義の心に目覚めたミスティックマザーとして登場するなど、古参ファンに取って嬉しい演出がなされた。
本作は曽我町子氏の最後の映像作品となった。

日本では『パワーレンジャー・S.P.D.』に続いて、日本語吹き替え版を制作。オープニング ナレーションはマジレッド/小津魁役の橋本淳氏が担当した。


パワーレンジャー・オペレーション・オーバードライブ

ベースは『轟轟戦隊ボウケンジャー』。

原典では無邪気だった大剣人ズバーンは威厳ある守護者として描かれ、レッドオーバードライブレンジャーと合体する事が出来る。

巨大ロボの最強形態に付けられる名称「ウルトラゾード」は『パワーレンジャー・ジオ』以来、約11年間 途絶えていたが本作で復活した。
設定上ではアルティメットダイボウケンや2年後の『パワーレンジャー・RPM』で登場するエンジンオーG12が究極大獣神(『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』のウルトラゾード)と同格となっている。

本作はシリーズ15周年を記念して、歴代パワーレンジャーの選抜メンバーが特別出演。歴代2位の視聴率を記録した。

玩具の売り上げはディズニー時代では最高の業績を記録したが本作からはバンダイアメリカの独自開発となったメガゾードの玩具に関しては厳しい意見が散見される。


パワーレンジャー・ジャングルフューリー

ベースは『獣拳戦隊ゲキレンジャー』。

原典とは異なり、変身アイテムはグローブではなく、サングラスで主人公達が働く職場はスポーツ会社ではなく、ピザ屋となっている。

七拳聖はスーツの輸送の都合で基本的に人間の姿となっている。

先述通り、あまり名乗らない傾向にあるパワーレンジャーシリーズでは珍しく、日本さながらの長い口上とオリジナル ポーズによる名乗りが積極的に盛り込まれている。

本作オリジナル戦士のスピリット・レンジャーが登場した。


パワーレンジャー・R.P.M.

ベースは『炎神戦隊ゴーオンジャー』。
原典とは異なり、コミカルな部分は殆ど無い

ストーリーは「自我を持ったコンピューターウイルスの反乱で滅亡の淵に追いやられた人類がドームシティに立て篭もり、レンジャーを中心に抵抗を続けている」という重過ぎる作風で放送コードの関係上、レンジャーの殉職すら殆ど無い本作では極めて異例の一般人の死亡シーンが存在する。

アメリカの子供には受けなかったがハイターゲットからの評価は高く、『ウルトラマンネクサス』のような作風となっている。

ディズニー制作のパワーレンジャーシリーズは本作で終了。
翌年は『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』のデジタル リマスター版を放送した。

マッドマックス』を思わせる荒廃した世界観故に版権がサバンに戻るに当たって、従来のパワーレンジャーシリーズとは異なる異世界が舞台となった。


パワーレンジャー・サムライ

ベースは『侍戦隊シンケンジャー』。

2011年、パワーレンジャーシリーズを制作していたハイム・サバンがディズニーから権利を買い戻し、傘下から独立して制作された。

製作総指揮のジョナサン・ヅァクワーが原典のメインライター 小林靖子氏を気に入っていたことから、内容は『シンケンジャー』と殆ど同じだが、サムライレンジャーたちの主従関係はオミットされた。
人種と男女のメンバー配分を出来る限り均等にしている都合上、特定のメンバーを主君にする訳にはいかなかったのだろう。

日下部彦馬に当たる人物*1は爺やではなく、サムライレンジャーの指導者となった。

メガゾードはコックピットのデザインが一新され、その内部限定でオリジナルのスーツが製作された。

デッカー(不破十臓)は、『ワイルドフォース』のレッドワイルドフォースレンジャーを演じた俳優が演じている。
パワーレンジャーシリーズのレギュラー出演者がゲスト出演する事はあるが、別の役で出演するのは本作が初めてである。

日本では『パワーレンジャー・オペレーション・オーバードライブ』から『パワーレンジャー・RPM』までの作品は未放映となり、2013年に第1シーズンを、第2シーズンの『パワーレンジャー・スーパーサムライ』日本語吹き替え版を2014年に放送した。
スペシャル 4話分と『パワーレンジャー・RPM』との共闘エピソードは放送されず、DVDには未収録となっている。

先述の通り、本作以降は2シーズン制となり、ゾードン編以来の続編『パワーレンジャー・スーパーサムライ』が制作された。
その関係で日本とのタイムラグは2~3年離れている。


パワーレンジャー・メガフォース

ベースは『天装戦隊ゴセイジャー』だが、レジェンド大戦が扱われるなど『海賊戦隊ゴーカイジャー』の要素が加わっている。
これは「『ゴセイジャー』のカードの要素がアメリカでは連動要素がない」「『ゴーカイジャー』は過去のレジェンドの関係上、日本版から使える映像が限られてしまう」などの事情があった。

宗教観の違いにより、天使設定が危ぶまれたが、元々外見から天使っぽい要素が希薄だったためか高校生への設定変更程度で済んだ。

『ゴーカイジャー』の設定は本作の第2シーズン『パワーレンジャー・スーパーメガフォース』で展開。
ゴセイジャーの姿からゴーカイジャーの姿に逆ゴーカイチェンジもとい強化変身する。

歴代パワーレンジャーの本人出演やチョイ役ではあるが『ジュウレンジャー』以前の戦隊とダイレンジャーの登場なども盛り込まれ、注目されたが評価は低い。
商業的には失敗だったのか、シリーズ黎明期からのメンバーであるジョナサン・ヅァクワーは本作を最後に製作総指揮を降ろされている。

CSの東映チャンネルで放送されたが日本語吹き替え版は制作されず、字幕スーパー版の放送となり、ソフト化はされていない。

『パワーレンジャー・SPD』から再開した日本語吹き替え版プロジェクトは本作を以て終了した。


パワーレンジャー・ダイノチャージ

2015年、サバンプロダクションが『パワーレンジャー・スーパーメガフォース』の後番組として制作。
当時のアメリカでは競合番組が多く、子供からの人気が高い恐竜モチーフが求められた。

特命戦隊ゴーバスターズ』を飛ばして、『獣電戦隊キョウリュウジャー』がベースとなっている。

パワーレンジャーシリーズ 放送20周年記念後の1作目という時期に『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』と同じ恐竜のモチーフが扱われる形式となる為、ビジネス的には大きなチャンスであり、
その点ではタイミング的に『ゴーバスターズ』より適しているのは一目瞭然。現実は非情である。

デーボス軍に相当するキャラの他に『パワーレンジャー・オペレーション・オーバードライブ』以来、久々となる完全新規の敵キャラ スレッジが登場する他、
最初の話数を2話 1エピソード方式で丁寧に進めるなど『パワーレンジャー・サムライ』『パワーレンジャー・メガフォース』と異なり、『パワーレンジャー・ロストギャラクシー』以降の作品とディズニー版の作品に近い作風となっている。

一方で、第2シーズンの『パワーレンジャー・スーパーダイノチャージ』では飛ばされた『ゴーバスターズ』のエンターを明らかに意識したと思われる顔出しの悪役 ヘキルが登場。
原典では劇場版限定だった悪役をレギュラーのキャラとして登場させるなど、大胆なアレンジは健在である。

『パワーレンジャー・RPM』と同じく、本作も他の作品とは別世界の設定となっている。


パワーレンジャー・ニンジャスティール

2017年1月から放送。
「自動車大国のアメリカで電車は子供に取って日常のものではなく、ポピュラーなモチーフではない*2」という理由で『烈車戦隊トッキュウジャー』を飛ばして、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』がベースとなっている。

「本作からネット放送に移る」「久々に1シーズン 全32話の制作形態に戻る」という噂が本放送前に流れたが制作スタッフは正式に否定した。

メガゾードのコックピットは完全に別物さすがにアメリカで神輿は無理があったかで、変身アイテムは忍者一番刀からカラクリヘンゲンに変更されている。
人間サイズの喋るシノビマルが登場するが巨大化はしない。

原典とは異なり、悪の組織は戦国時代の生き残りが結成された集団ではなく、宇宙からの侵略者である。
十六夜九衛門の性別は男性から女性に変更された。

前作で他作品キャラの流用だったヘキルが好評だった為か、サバンが開き直ったように他作品のキャラの流用が多めに見られる。
第1話の敵は妖怪ではなく、何故か『ボウケンジャー』のクエスター
『トッキュウジャー』のネロ男爵は頭部を差し替えられ、レギュラーのキャラとして登場した。


パワーレンジャー・ビーストモーファーズ

『パワーレンジャー・スーパーニンジャスティール』の後番組。
ベースは『パワーレンジャー・ダイノチャージ』を優先して一度は飛ばされた『特命戦隊ゴーバスターズ』。

『スーパーニンジャスティール』を以て、バンダイアメリカとの玩具販売契約は終了。
権利をサバンから買収したハズブロが制作、玩具販売を展開した。

今までも何度か言及されてきた超空間「モーフィングリッド」を本格的に物語の核に据えた他、原典になかったコレクション アイテムの導入。
久々となるオリジナル強化形態など、マンネリ打破の意欲的な要素を取り入れた。

原典の『獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ 恐竜大決戦 さらば永遠の友よ』を彷彿とさせるレジェンド回を放送した。


パワーレンジャー・ダイノフューリー

『パワーレンジャー・ビーストモーファーズ』に続く、ハズブロ制作 パワーレンジャーシリーズの2作目。
動物戦隊ジュウオウジャー』『宇宙戦隊キュウレンジャー』『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の3作品を飛ばして『騎士竜戦隊リュウソウジャー』がベースとなる。

『ゴーバスターズ』が変則的な形でローカライズされた事で、米国ファンの前評判では「『ジュウオウジャー』はモチーフが前作と被るから、『キュウレンジャー』か『ルパパト』だろう」の意見が多く、発表された際はファンに衝撃をもたらした。
そして、やっぱり候補に上がらない『トッキュウジャー』は泣いていい((悪の組織のレギュラーキャラ ヴォイドクイーンのスーツは『トッキュウジャー』に登場したノア夫人のスーツを使用している。)

とはいえ、近場の作品故に前作と異なり、スーツの新造は最小限で恐竜モチーフの為、客観的に無難な選考ではあった。

ロード・ゼットが復活するという、古参ファン衝撃の展開もある。


パワーレンジャー・コズミックフューリー

『パワーレンジャー・ダイノフューリー』の続編。
『リュウソウジャー』より前の作品である『宇宙戦隊キュウレンジャー』をベースとしているが、スーツはリュウソウジャーのそれを下敷きにしたオリジナル デザインとなった。

メガゾードはキュウレンジャーのキュウレンオーを流用している一方で、本作オリジナルの追加戦士 コズミックフューリー・オレンジレンジャーが登場。
過去作の戦士やコミックが初出のダイノチャージ・ダークレンジャー(デスリュウジャー)が登場した。

ストーリーは大幅に異なるがレンジャーの一人が洗脳されるなど、『キュウレンジャー』を意識した工夫が要所で見られた。

一部報道で「『パワーレンジャー・ダイノフューリー』を最後に東映との提携が打ち切られ、完全なオリジナル体制に移行する」という不穏な噂が流れた。
制作総指揮のサイモン・ベネットは東映との提携打ち切りは否定した。
将来的に完全オリジナル体制に移行することは遠回しに認めたが「それにはハズブロが資金を出すことが必要だ」と発言した。

ハズブロのCEOが代わり、パワーレンジャーシリーズは優先事項ではなくなった為、本作の製作費を出資したがらなかった。
企画は白紙となったと思われたがNetflixが作品の製作費を出資した為、無事に制作され、全10話を配信した。

本作で30年続いた形式のパワーレンジャーシリーズは終了した。



スピンオフシリーズ

○バーチャル戦士トゥルーパーズ

メタルヒーローシリーズをベースとしたスピンオフ ドラマの第1作。
原題は『VR Troopers』。

当初は『超人機メタルダー』のリメイクとなる予定だったが玩具メーカーのケナーからチームヒーロー路線を要望された為、『メタルダー』と『時空戦士スピルバン』の共作となった。

パワーレンジャーのスーツを改造したオリジナルの軽装形態 VRダブルバトルモードが劇中で登場した。

現在ではその混沌とした構成がネタにされるが玩具の売上は割と良かったようで『宇宙刑事シャイダー』の設定を加えて、シーズン2を制作した。

日本ではWOWOWで第1話から第5話を放映した。

○マスクド・ライダー

ベースは『仮面ライダーBLACK RX』。

「アメリカでは改造人間設定は理解を得づらい」という判断から主人公は宇宙人となった他、作風もホームコメディ要素が強く、後の平成仮面ライダーシリーズを彷彿とさせる要素がある。
ライダーのスーツアクターは大野剣友会出身のミチ・ヤマト氏が務めた。

放送前は『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』第3シーズン 第1話〜第3話にマスクド・ライダーがゲスト出演するなど精力的なプロモーションを展開した。
この為、本作の初回視聴率は同年のアメリカの子供番組で最高視聴率を記録したが、その後は低迷。
ハードアクションに路線変更するが上手く行かず、1シーズンで終了した。


○ビッグ・バッド・ビートルボーグ

ベースは『ビーファイターシリーズ』。

『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』は社会現象クラスの人気を博した一方、子供向け特撮テレビドラマというジャンルに馴染みの薄かった欧米では「子供を暴力的にする」という批判が強かった。
本作はこれを受けて、アメコミを題材としたアクションコメディとなっており、『カクレンジャー』よろしくアメコミ風の擬音演出が用いられた。

原典を知る日本の特撮ファンからはしばしば困惑される事があるが、当時の『パワーレンジャー』を凌ぐ程の大ヒットを記録。
第2シーズンの『ビートルボーグ・メタリクス』を制作、同作も商業的に成功した。現在でも根強いファンは多い。

原典では発売中止となった邪甲神 クワガタイタンの玩具はアメリカでは発売された。日本では玩具マニアの間で知られている。

第3シーズンの制作を予定していたが原典のビーファイターシリーズが『ビーファイターカブト』で終了した事で流用映像のストックが切れた為、番組制作が継続できずに打ち切りとなった。

後にUPNキッズで再放送された際はオリジナル玩具シリーズ『ビートルボーグ・フォース』の販売を展開した。


◇テレビシリーズ以外の作品

○パワーレンジャー映画版

ハリウッド版の『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』。
パワーレンジャーシリーズでは流用映像が一切使用されていない。
ニンジャパワーを新たに手に入れたパワーレンジャーが復活した悪の帝王 アイバン・ウーズと戦う。

当時の最新技術だったCGを盛り込んだ映画だが、ファンからの評価は低い。

時系列的には第3シーズン途中のストーリーだが、厳密には第2シーズンから分岐したパラレルワールドでキャスティングはテレビシリーズとは一部異なる。
スーツは映画用に新造され、いかにもフィギュア化を意識したような造型に加え、謎のギミックが追加されている。

吹き替え版がVHSビデオソフトしかないテレビ版と異なり、こちらはDVDやオンライン配信版が存在する為、視聴が最も容易である。
主題歌を担当したのはエリック・マーティンである。


○パワーレンジャー・ターボ・映画版・誕生!ターボパワー

『パワーレンジャー・ジオ』と『パワーレンジャー・ターボ』を繋ぐ作品。

ターボゾード(レンジャービークル)の劇用車はカー・カスタマイザーのジョージ・ハリスが制作を担当した他、ターボメガゾードの合体シーンは特撮研究所が新たに制作している。

初代レッドレンジャーのジェイソンと初代ピンクレンジャーのキンバリーがゲスト出演。
監督・脚本のシュキ・レヴィによれば、当初は初代ならジェイソン、ザック、ビリー、トリニー、キンバリーの5名が再登場することを検討していたが「ザック役のウォルター・ジョーンズが映画俳優組合に加盟済みだった為、ノン・ユニオン作品であるパワーレンジャーに出演することが出来ない」という事情から全員の出演は実現しなかったとのこと。
仮に実現していた場合、トリニー役のサイ・トラングは生前最後のパワーレンジャー出演作品となっていたことになる。

日本では『パワーレンジャー・ジオ』の日本語吹き替え版は制作されていない為、事前情報を仕入れておかないと(特にジェイソン、キンバリーの離脱やターニャの加入等)繋ぎがよく分からず、違和感を覚えやすい作品となっている。

こちらもパワーレンジャー映画版同様、DVDやオンライン配信でテレビシリーズより手軽に視聴する事が可能だが、日本語吹き替え版では一部のシーンがカットされている。


パワーレンジャー(2017年映画)

サバン・ブランズと『ソウ』シリーズや『トワイライト・サーガ』、『ハンガー・ゲーム』シリーズで有名なライオンズゲートが共同で制作した『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』のリメイク版。
日本の『仮面ライダー THE FIRST』『ULTRAMAN』のようなリアル寄りなハイターゲット向けの作品となっている。

『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』『マイティ・ソー』のアシュリー・ミラーとザック・ステンツが脚本を務める。
当初は2016年7月に公開予定と発表されたが延期を重ね、2017年3月に公開。

レッドレンジャーを演じたのは新人のデイカー・モンゴメリー。パワーレンジャーのコスチュームは原典の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の意匠を残しつつ、アメコミ風にアレンジされている。

曽我氏が演じたバンドーラに相当するキャラである魔女リタ・レパルサを演じたのは『ハンガー・ゲーム』『スパイダーマン2』に出演したエリザベス・バンクスで、こちらの外見は完全に現代風となっている。


パワーレンジャー・ハイパーフォース

シリーズ25周年記念作品。

Twichとサバンのコラボ作品で特撮ドラマではなく、同名TRPGを生放送でプレイするという内容。『タイムフォース』のスピンオフという扱いであり、タイムフォースのシルバーレンジャーが新戦士として登場した。

スーツのデザインは初代をベースにしたオリジナルで女性ブラックが登場した。

企画が企画だけにメンバーの平均年齢は高めで、どことなくナードっぽい雰囲気が漂ってる。
要するに非公認戦隊ポジション


パワーレンジャー・Once&Always

『コズミックフューリー』と並行して30周年記念作品として、Netflixで放送された作品。

ロボとして復活した魔女リタ・レパルサに立ち向かうべく、パワーレンジャーが再び戦うという内容となっているがサバンからライセンスが離れた為、過去の軋轢を気にせずともよくなった初代ブルーレンジャー / ビリーと初代ブラックレンジャー / ザックを演じた俳優が久々に出演した一方で、初代レッドレンジャー / ジェイソンと初代ピンクレンジャー / キンバリーは演じた俳優がオファーを辞退した為、2代目レッドレンジャー / ロッキーと2代目ピンクレンジャー / キャサリンを演じた俳優が起用された。

初代イエローレンジャー / トリニーを演じたサイ・トラングが交通事故で既に他界した為、劇中ではトリニーの死亡が明かされるというハードな内容となっており、同時にトリニーの娘 ミアが作劇的に重要なポジションとして登場している他、巨大戦のCGでの新規撮影もある。


シールド戦隊トリガージャー

TCG『デュエル・マスターズ』とのコラボカードとして誕生したパワーレンジャー。

DMは無許可のパロディをすることが多いので勘違いされがちだが、パロディではなく、ちゃんとしたハスブロ公認コラボである
カードの一発ネタのパワーレンジャーだが、公式の公認という事情もあり、本項目で記載する。

カード名は《「破壊の赤! スクラッパーレッド!」「知識の青! ブレインブルー!」「魅惑の緑! トラップグリーン!」「閃光の黄色! スパークイエロー!」「強欲の紫! ハンドパープル!」「ブレイクあるところに我らあり! シールド戦隊トリガージャー!!」》である…長すぎるだろ!?

パワーレンジャーとのコラボという形だが、戦隊という名前だったり、名乗り台詞が『百獣戦隊ガオレンジャー』のパロディだったりと、完全に本家のノリ。

スーツのデザイン(というかカードイラスト)は丸山類が担当。
DMの5文明のマークの意匠など、DMの文明をパワーレンジャーに上手く落とし込んでいる。

○リュウレンジャー/チュンリーレンジャー

「…え?五星戦隊はパワレン化してないんでしょ?」と思った、そこのあなた。確かにその通りである。
が、こちらはなんとアメリカのモバイル ゲーム『パワーレンジャー: レガシーウォーズ』に登場するオリジナルの戦士。

しかも変身するのは格闘ゲームの金字塔『ストリートファイター』シリーズのリュウチュンリーという夢のコラボ。
変身時にはジュウレンジャーのダイノバックラーを構えて変身するという初代パワレンのオマージュが加わっている。
後に2021年に発売されたコンシューマー機向けの格闘ゲゲーム『Power Rangers: Battle for the Grid』にも登場。
こちらではリュウは「 クリムゾン・ホーク・レンジャー 」とチュンリーは「 ブルー・フェニックス・レンジャー 」に名前が変更されている。



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最終更新:2025年04月25日 19:25

*1 ちょっとしたファンサービスということなのか、名前は「ジイ」である。

*2 『パワーレンジャー・ライトスピードレスキュー』に登場した スーパートレインメガゾード(グランドライナー)の玩具が深刻な売上不振を記録した前歴がある。