戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wage

登録日:2014/06/21 Sat 11:18:46
更新日:2024/11/11 Mon 13:37:47
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禍汰奇(かたき)とはマジック:ザ・ギャザリングで神河に存在する神である。
武器と甲冑の融合したような姿をしていて、腕の代わりに刀が、脚の代わりに矢が生えており、
また甲冑の背後や内部からも無数の武器がその姿を覗かせている。
初めこそ優しく弱々しい見た目らしいが、退散させ損ねる度に大きくなるという戦争の復讐、応報の化身である。
その祝福は武器や鎧を守る為、鍛冶師や侍が祈りを捧げる神でもある。



戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wage (1)(白)
伝説のクリーチャー — スピリット
すべてのアーティファクトは「あなたのアップキープの開始時に、あなたが(1)を支払わないかぎりこのアーティファクトを生け贄に捧げる。」を持つ。
2/1


  • 前置き
かつて、にはいつも「解呪」という呪文があった。
2マナでエンチャントかアーティファクトを破壊出来る白の代表的な呪文の一枚で、
白はエンチャントとアーティファクトの両方に対処するのが得意なことを表していた。
しかしオンスロートでに同じコストで同じ効果を持つ「帰化」という呪文が登場したのと同時に、
「エンチャントの対処は得意だけどアーティファクトはそこまで得意でもない」という感じに色の役割が変更された。
これ以降、解呪が基本セットに再録されることもなくなった。


この変化は次のミラディンブロックで大きく響くこととなった。
ミラディンブロックはアーティファクトがメインテーマのブロックであり、
アーティファクトを詰め込んだ親和デッキがトップメタに躍り出た。
恐るべき展開力と殴る以外の搦め手も持ったこのデッキは、高速デッキの代表格である白ウィニーですら環境から消し去り、
アーティファクトへの対処が得意なや緑がメタデッキとして抵抗するような環境となった。


…が、水面下では白ウィニーの強化が着々と続いていた。
ミラディンブロックから登場した装備品というシステムは「火と氷の剣」「梅澤の十手」をもたらした。
神河ブロックでは「今田家の猟犬、勇丸」、「薄青幕の侍」といった優秀な兵士が現れた。
土地を縛り、コントロールデッキを抑える「塵を飲み込むもの、放粉痢」も手に入れた。
あとは、親和デッキに対処する一枚を待つだけとなっていた―――。


  • 解説
前置きが長くなったが、禍汰奇の解説に入りたい。
2マナでパワー2というウィニーの基準を満たすボディと、その対アーティファクト能力が目を引く。
前述の親和デッキはマナをほぼアーティファクト土地という特殊地形、
またはマナを生み出すアーティファクトに依存しているため、禍汰奇の能力が強烈に刺さる。
それらマナソースのアーティファクト自体の維持にマナがかかるためアーティファクトクリーチャーや装備品は墓地に落ち、
逆にマナソースを捨ててそれ以外のアーティファクトを維持しても、次のターンには残りのアーティファクトも維持出来なくなる。
親和にとってはまさに天敵である。


かくして白ウィニーは、禍汰奇を旗印に復権を遂げる―――














ことはなかった。
いや、白ウィニーは確かに盛り返したのだが、「禍汰奇を旗印に」という部分が実現しなかった。
禍汰奇が収録されたのは神河ブロック三つ目のエキスパッション「神河救済」だが、
その約四ヶ月前に親和のパーツが悉く禁止カードとなり、親和(カモ)がスタンダードから退場してしまったのだ。
そのため、当時禍汰奇を見たプレイヤーは「今更かよ!」と言わざるを得なかった。
禍汰奇の方も「おい、デュエル(殲滅)させろよ」と言ったかもしれない。っぽいし。 画像
争うまでもなく親和が退場したので白ウィニー的には楽に再興出来てよかったような……いややっぱよくないな、うん。


残念ながらスタンダードでは活躍することがなかったが、
エクステンデット、エターナル、モダンといった環境では白ウィニーなどのサイドボードに居場所を確保した。
油断する親和デッキに強烈な一撃を叩き込んでやろうと、その刃を研いで出番を待っている。

弱点はタフネスの細さと、伝説のクリーチャーなので2枚同時に並べられないことだろう。
レジェンドルールにより手札で腐るのは困り者だが、親和側も真っ先に狙ってくるので2枚目の出番も充分にあり得る。
タフネスが細い点は除去されるのを見越して多めに積むか、相手のアップキープまでなんとか守ってやろう。


  • 余談
なお、公式から 壁紙 サイドストーリー が配信されるという地味な優遇を受けている。
気になった人はリンク先を見て欲しい。
「マジックのストーリーはよく分かんねーよ!」という人でも、とりあえず
「神河には人などが住む現し世と神の住む隠り世が存在し、人は神を崇めて共存してきたが、神が突然牙を剥いてきた」
という事だけを押さえておけば大丈夫である。





「我が復讐は否まれたり。」

「なれば、次なる追記・修正をするは汝なり。」


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最終更新:2024年11月11日 13:37