レアリティ(TCG)

登録日:2014/11/17 Mon 10:02:19
更新日:2025/04/27 Sun 08:00:28
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攻撃力は上級レベル。まぼろしの超レアカードだ!




ここでは、トレーディングカードゲームにおけるカードの希少度について解説する。


レアリティとは

レアリティとはTCGのカードの希少価値の分類のこと。
基本的にTCGのカードには何らかのレアリティが設定されている。

もともとTCGというものは、コレクションカードから発展した文化なので、
「レアリティが高い(希少価値が高い)=強い」という「傾向」が残されている。
ゲームの公平性という点ではマイナスだが、コレクションカードの側面を持つ以上仕方がない。
強いレアカードを引くからこそ、喜びも生まれるのである。

ただし、勘違いしてはいけないのは「レアリティが高い=強い」というのはあくまで傾向で合って「絶対ではない」ことである。

レアリティが高いにも関わらず弱いカード「カスレア」はそれなりに存在する。
デュエル・マスターズではむしろ「スーパーレアの方が弱い」と呼ばれた時代すらある。
また、単純に強いというより特殊な能力を持つという理由でレアにされることもある。
これは、初心者に使いづらいカードが回りにくくするという観点で行われている。

他方で「レアリティが高い=強い」というように意図的に設定しているTCGもあるとかないとか。
またゲーム序盤で使うカードは強くても高いレアリティに設定することは少ない。
なぜならそういう「基本カード」はむしろ流通しないと困るからである。


バリエーションとしてのレアリティ

基本的には希少価値の分類として設定されるのがレアリティなのだが、
ゲームによっては、同じカードでもいくつかのレアリティを複数設定されることもある。
そのため、TCGによっては、元々ノーマルだったカードがスーパーレア「仕様」にされることも。

中でも遊戯王OCGは顕著で、パックに入った光りものを構築済みデッキではノーマルで収録というのはザラ。
ある時期以降はウルトラレア仕様のカードは必ずアルティメットレア仕様にもなるようになり、ウルトラレア仕様のカードがスーパーレア仕様より手に入りやすいことすらある。
またデュエマやバトスピなど低年齢層向けのTCGでは、
視覚的にわかりやすくするため、構築済みデッキ全部がレアカードと同じフォイル仕様にされることもある。

多くのTCGでそれぞれ呼び方を変えているが、基本的に
  • ノーマル/コモン
  • アンコモン
  • レア
あたりは多くのTCGで採用されている。また上記とは別に「パラレル」「シークレット」が設定されることも。
パラレルは仕様違い、シークレットはパックに表記されないレアリティである。



各TCGにおけるレアリティ事情

Magic: The Gathering

詳細はレアリティ(MtG)を参照

最古参のMTGにおいてレアリティは長い間、「コモン」「アンコモン」「レア」の3つというシンプルなものだった。
15枚入りのブースターには必ず11枚のコモン、3枚のアンコモン、1枚のレアが入っている割と親切な使用・・・とみせかけて最初期では各レアリティごとに一定の確率で基本土地に入れ替わっている。いざパックを開けたら基本土地ばっかだったなんて話も結構ある。アルファでレアの島を引いたという笑い話は有名。
最近はブースターの中に基本土地が一枚入っていて、ある意味基本土地は別のレアリティとなりつつある。
一部チェックリストカードに化けたり基本じゃない土地が入ってたりすることがあるエキスパンションもある。
その後、誕生から15年たった『アラーラの断片』で新しいレアリティ「神話レア」が登場し4段階になった。封入率はブースター8パックにつき1枚(レアの枠を置き換えて出現する)だったが、『ゼンディカーの夜明け』から7.4パックにつき1枚となった。

遊戯王OCG

詳細はレアリティ(遊戯王OCG)を参照

遊戯王OCGでも基本的に「希少価値の分類」として設定されている。
通常エキスパンションやノーマルレアの話題では、希少度という意味でレアリティを語る場面も存在する。
基本は上からHolographic/Secret/Ultimate/Ultra/Super/Rare/Normalの順。

だが、レアリティの数が多いため、「フォイルの仕様」を意味していることも多い。
同じカードでも複数のレアリティを設定されることが多く、レアリティの数も多いので上下の関係が分かりにくいためである。

ちなみに遊戯王原作は作中でレアリティに言及することが多く、
いくつかのカードは初期のフレーバーテキストにレアカードであることが示されていることもあった。
だが、その割にカードとしての仕様はノーマルだったりという現象が発生したため、珍しく後にフレーバーテキストがエラッタされる事態に。

また原作ではカードに表記された星の数がレアリティを表している設定だったが、これは後にモンスターのレベルの表現とされ、コレクション性ではなくゲーム性に関わる要素となった。

デュエル・マスターズ


現在の体系は「コモン」<「アンコモン」<「レア」<「ベリーレア」<「スーパーレア」<「レジェンドカード」などの主要キャラ専用レアリティ、の六段階。
ただし主要キャラが使うカードを行き渡りやすくする思惑から、格に反して専用レアリティの方が封入率は高い。

他、いわゆるパラレル仕様として
「カティノカード」→「ヒーローズ・カード」→「ヴィジュアルカード」→「MODE→CHANGE」→「Dramatic Card」と変遷している。
そのほか「シークレット」仕様も存在する。

ポケモンカード

初期からレアリティが存在するがレアリティの区別に名前がなく、
マークの形と白抜きか塗りつぶしかで判別させるという非常にコレクター泣かせな仕様。

おまけに子供向けカードゲームとは思えない封入率の差と、
低レアリティのカードでもやたらキラキラ光っていることもあり、シャークトレードが横行したことも。

BWからはさすがに他のTCGで持ちいられる名称を採用するようになり珍しさの概念が理解しやすくなった。
これによりシャークトレードも減る…といいなあ。
しかし、値段が安くなったとはいえ、封入率が「C3・U2」「C2・U2・R(SR)1」となっており、前者はほぼハズレパックになってしまうこともある。

WIXOSS

白デッキ(ルリグ・アーツ)と黒デッキ(シグニ・スペル)で別々にレアリティを設定している。
黒はコモン・レア・スーパーレア・シークレット、白はルリグコモン、ルリグレア、シークレット、そして公式リスト非記載の「???」とそれぞれ4つずつ。
このほかコモン、レア、LCにはパラレル加工も存在する。強力なコモンのパラレルは下手なルリグレアより高価だったりする。

シークレットは高いレアリティのカードの仕様違いになっていることが多く、コレクション以上の意味合いはあまりない。
とくに白のシークレットは大抵アニメにおける担当声優のサイン入りであり、ぶっちゃけそっちの意味で人気があるといえる。

公式リスト非記載の「???」にいたってはレベル0ルリグ(ゲーム自体に必要だがゲームで役割を持たないカード)なのでもはや自己満足やコレクション用カードの域。
しかも、数カートンに入っているかどうかというほどの希少さであり、1枚数万円以上は固く、作中屈指の人気ルリグピルルクたんに至っては10万円を超えていた事も。
当たったセレクターの君は大事にしてやろう。ろくなことしそうにない腹黒パツキンは日記の栞にでもしてしまおう。

バトルスピリッツ


C(コモン)UC(アンコモン)R(レア)M(マスターレア)X(エックスレア)XX(ダブルエックスレア)の6段階(XXレアは7年目から登場)
8期からはアンコモンが廃止され、全5段階となる。
また、パックによってはパラレルレアやシークレットレアなども収録されており、どのような形になるかはそのパックごとにコロコロ変わる。

カードファイト!!ヴァンガード

C(コモン)、R(レア)、RR(ダブルレア)、RRR(トリプルレア)の四段階。
「ヴァンガードG」以降には、トリプルレア以上のレアリティ、GR(ジェネレーションレア)が新設された。
他にもSP(スペシャルレア)、LR(レギオンレア)と言う区分もあるが、これは特殊なレアリティなので実質4~5段階である。
アニメに「ウルトラレア」というアイドルユニットが登場するが、ヴァンガードにウルトラレアは存在しない。

かつては事実上必須カードである「守護者」(センチネル、完全ガード)がほとんどRRであり、
しかもトライアルデッキに収録されていなかった点がしばしば批判された。
このため、トライアルデッキにサプライを付けた「はじめようセット」が「実ははじめられないセット」と揶揄されていた。
この問題にメスが入ったのは実に3年後である。

フューチャーカード バディファイト

並、上、レア、ガチレア、超ガチレア、究極レア、バディレアの七段階。
なんか寿司屋みたいなワードだが、公式用語である。

公式サイトでは「レアリティが高いカードはもちろん強い!!」と開き直っている。
もっともこれにはカードデザイナーの意向も強いと見られる。
バディレアは特殊な立ち位置で、次回のパックのカードが先行収録されている。
その都合上折角引き当ててもバニラ同然だったり、そもそもデッキが組めなかったりといった事がザラにある。

このレアリティはアニメの世界でも適用されており、
アニメではパックからバディレアを引き当てないとカードファイターとして認められない(設定)という謎のシビアさ がある。

Z/X

詳細はレアリティ(Z/X)を参照

通常のブースターから出るレアリティは、C(コモン)、UC(アンコモン)、R(レア)、SR(スーパーレア)、の4段階。
上位レアリティとして、Z/XR(ゼクスレア)、IGR(アイゴッドレア)、CVR(キャラクターボイスレア)、UR(ウルトラレア)が稀に封入されている。

DCGの場合

デジタルコンテンツ内のカードプールで戦うDCGにおいても、当然レアリティは存在する。
名称こそゲームごとに違うが、大体は基本体系の4~5段階に分けられている。
最高レアリティのカードには、デジタルらしく使用した際に特殊な演出が入るのも醍醐味となっている。
また、DCGではカード自体のレアリティとは別に、イラストにアニメーションが入る特別なカードが一定の確率で入手する場合もある。
お気に入りの切り札に愛着を持たせるのも良し、大抵は砕いたら通常カード以上の生成ポイントが入手できるため資産にするも良しの当たりカードと思って良い。

実在のTCGを模したDCGにおいては紙版での基本体系となるレアリティで組み分けされていることが多い。
しかし全てのカードが初出レアリティと統一されているわけではなく、中には紙版では低レアリティながら高性能な庶民の味方なカードがDCG版では露骨に高レアリティにされる…と言うパターンもしばしばある。

ハースストーン


\レ~アァ~/

\エ~ピック!/

\ウゥゥ~レ~ジェンド!/

\ゴールデン レ~ア~!/

\ゴ↑ールデン エ↑~ピックゥ!/

\ヒャァァァ!!ゴールデン レ~ジェ~ン!!/

コモン<レア<エピック<レジェンドの計4段階。アニメーション入りカードの呼称は「ゴールデンカード」。
DCGらしくパックを剥く際にも酒場の親父こそハースストーンがコモン以外のレアリティをナレーションし、特にゴールデンエピックとゴールデンレジェンドでのテンションの高さは必聴。
また、レジェンドレアの最低保証も存在し、パックにレジェンドが出ない限りレジェンドの排出率が上がっていき、40パック目が天井となっている。
さらにデッキにレジェンドは同名1枚しか入れられないルールにより、既に持っているレジェンドはパックから排出されない親切設計。
この仕様のおかげでたとえ使わないカスレアが出たとしても、その収録パックを剥く限りは弾避けの役には立てる。
カード使用時にはエピック以下にはない特殊な演出とBGMが発生し、効果も他と無いようなトンチキな唯一性の高いものが多い。

Shadowverse


\スッ/

\スッ/

\ポンッ/

\スッ/

\ポォーン/

\ポンッ/

\スッ/

\カァァァァァァァァン!!/

ブロンズ<シルバー<ゴールド<レジェンドの計4段階。アニメーション入りカードの呼称は「プレミアムカード」。
排出時の演出も一目で最高レアと分かる派手なものとなっている。
任意のカードをプレミアム化する「プレミアムオーブ」なるアイテムも存在する。
また、シャドバでは特に最高レアリティの天井・デッキ制限は存在しないが、他にカードを入手する手段が豊富なため何なら他DCGより最高レアを作りやすい状況になりやすい。
ハース同様カード使用時の演出も凝られており、ゴールドレア以下では見られない美麗な演出が多々ある。
ちなみに、毎拡張パックで実装される人気投票上位キャラのリーダースキンが同梱されている「リーダースキン付きカード」なるものも存在し、レジェンドレアより排出率が低く実質的な最高レアとも言える。
そちらはオリジナルのレアリティによってはゴールドレア以下のレアリティ(プライズの『ダークジェネラル・エクセラ』、ゴールドの『万華の鳳凰』等)で実装されることもあるが、排出時の演出はきちんとレジェンド相当。

TCAGの場合

アーケードのカードでもレアリティが設定され、上位レアリティはでにくいが大型でデッキの中心になるようなカードが多い。
だが、対人戦を主とするTCAGにおいて、「相手より先に手に入れること=より上位に行ける」ため、
正直少し慣れてきたらさっさとデッキをシングルで揃えてしまったほうが良かったりする。

例えばLord of Vermilionを例に取るとC、UC、ST、SR、URとなる。STは「ストレンジャー」のことで、コラボカード限定のレアリティ。
この場合、STを除いてC、UCは序盤のカード、SR、URは終盤の締めに使うカードになっている。

Cでも筐体で手に入れる場合最低200円であることを考えると使えないカードにはしにくいのだろう。

もちろんタイトルによってレアリティ分けは異なるし、ゲームの内容によっては「小型ゆえの強さ」をウリにした最高レアが存在する場合も多々見られる。

余談

よくTCGプレイヤーで「このレアリティはこれだけ封入されている」などという会話があるが、
これはプレイヤーが統計を取っているだけで、間違っている情報もあるので注意が必要。
基本的にはメーカーが公式に発表することはない。
TCGという遊びは訴訟大国アメリカ発祥なので理解はできなくはない。

優良なカードを相場の釣り合わないカードと交換する不当なトレードをシャークトレードと呼ぶ。*1
モラル的に問題がある行為であり、絶対にやってはいけない。
また、価値を偽ってトレードした場合、詐欺罪に問われる可能性もある。
もし、トレードを行う際は必ず相場を調べてから行うようにし、相場を調べられない場合はトレードを行わない方が無難。
ただし「どうしてもこのカードがほしい!」という人が、価値が不釣り合いなことを承知でトレードをする場合もある。
この場合は、シャークトレードには含まれない。



追記・修正は全レアリティカードをコンプリートした方がお願いします。

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最終更新:2025年04月27日 08:00

*1 高利貸しや悪徳金融を俗にSharkと呼ぶことから。つまり不当なトレードはそれらに匹敵するほど毛嫌いされているということである