ユートム

登録日:2014/12/12 Fri 17:36:02
更新日:2024/10/20 Sun 08:05:04
所要時間:約 3 分で読めます




ユートムとは、『ウルトラセブン』第17話「地底GO!GO!GO!」に登場したロボット
身長:2.8メートル
体重:2トン


概要

地底1000メートルに位置する謎の地底都市を警備する二足歩行のロボット達。
右手の光線銃・マグマガンと左手の球状のハンマーを武器とし、胴体はウルトラガンも通用しないかなりの頑強さを持つが、弱点の頭を狙えば簡単に倒すことができる。
胸には個体ごとに違うマークがあり、身分が高いほど複雑なマークになっている。電子音で喋る事が可能。

原因不明の落盤事故で地底に取り残された薩摩次郎青年を救出にやってきたウルトラ警備隊に襲い掛かる。
うち1体は、捕らえたダンを隊員服ごとウルトラアイを抜き取った上で装置で焼き殺そうとしたが、ウルトラセブンに変身されて脱出され、
ウルトラガンでも倒せる程度の相手なのにわざわざワイドショットで倒された。


ちなみにこの地底都市はユートム以外にも、侵入者の逃げ場をなくすシャッターや、マグマライザーのレーザーでも破壊できない壁に守られている。
しかし住民は登場せず、この都市を作った者の正体は全く不明。
最後は都市丸ごとウルトラ警備隊のUS爆弾によって爆破された。



関連キャラクター

◆薩摩次郎

演:森次晃嗣

仲間を助けるためなら、自らの命も投げ出すこともできる勇気を持った炭鉱夫の青年。
セブンが初めて地球で出会った人間で、仲間を助けるために自分のザイルを切って崖に転落したその勇気に感動したセブンは、
200メートル下の崖下に転落寸前のところで次郎青年を助けた後、地球上で活動するために彼の魂と姿をモデルにした人間に変身し、「モロボシ・ダン」を名乗り始めたという。
なお、次郎本人も周囲の人間も彼がセブンに助けられたことは知らないため、200メートルも転落しながら掠り傷だけで帰ってきたとして奇跡の生還を果たした次郎青年は周囲から「ミラクルマン」とあだ名されている。

ペットにハツカネズミの「チュウ吉」を飼っており、チュウ吉を助けるために地底に取り残されてしまったが無事に救出された。
この際も(実際はセブンに助けられたのだが)「やっぱりお前はミラクルマンだ」と周囲からは言われた。
(このミラクルマンとはセブンのOPに存在する歌詞であるが、最初から次郎のことを想定して作られたのかは不明)

本編ではチュウ吉を助ける場面がなく、彼を演じた森次氏も、
「それにしても、ハツカネズミのチュウ吉を助けるために生き埋めになったのに、結果的にチュウ吉は見捨てられてしまった。どうなったのだろうか?」
と疑問に思っていたようだが、脚本では、
シーン43 地下・切羽
壁面を突き破ってセブンが入ってくる。
次郎、倒れている。
チュウ吉が死んでいる。
セブン、次郎を抱き起こす。
セブン「まだ大丈夫だ」
セブン、次郎を抱きかかえる。
セブン、チュウ吉の籠も持つ。
とあるため、残念ながら助からなかったと思われる。


その他媒体におけるユートム

早川書房の『S-Fマガジン』にて掲載され、後に『ウルトラ怪獣アンソロジー 多々良島ふたたび』に収録された藤崎慎吾の小説『変身障害』は、
ユートムの登場した『セブン』第17話の後日談とも言える内容となっており、映像作品から時を経た21世紀を舞台にユートムに似た巨大ロボと薩摩次郎、そしてチュウ吉が登場している。
なお、同小説はセブンが21世紀の現代においても地球に留まっているかのような描写が成されているため、厳密には本編とはパラレルの関係に位置すると思われる。

GBAのゲーム作品『ウルトラ警備隊モンスターアタック』では、ユートムは『ウルトラマン』に登場する地底人が開発したという設定になっており、
テレスドンと共に地上侵略用兵器として使用された。


余談

ユートムの名前は「ユートピア」からであるが、劇中で名前が呼ばれることはなく後付けである。
デザイン担当は成田亨。実際の着ぐるみとのデザインの相違も大してなく、成田は『成田亨画集』にて「ごく普通のロボットです」とのみコメントしている。
着ぐるみは、高山良策とは別に円谷プロの造形スタッフが制作したもの。撮影の際に胸のプレートを差し替えて、都合3種類の模様の機体が登場した。

『語れ!ウルトラ怪獣』の山村哲夫のインタビューでは「自分が演じる予定だったユートムの初期デザインは『ウルトラQ』のM1号のロボット化」だったとのこと。

『ウルトラセブン』放送当時のコミカライズにはキングジョーと称しているが「無数の部品が合体して誕生する巨大ユートム」が登場する。
また放送当時の児童誌グラビアでは「ユ」を「コ」と見間違えたのか、「こうとむ」名義で登場しているものもある(平仮名なのは幼年誌向けのため)。
うるとらせぶん」が用意した巨大磁石によって「きんぐじょう」「ぼうくせいじん」共々フラフラと引き寄せられる役割。

ウルトラ怪獣シリーズで1983~2000年までソフビ化された。

ウルトラマンジード』では主人公の朝倉リク達が拠点とする「星雲荘」の管理AI・レムが、球体の小型偵察機「ユートム」を用いている。
戦闘は出来ないが、偵察以外にもリクの血液を採取したり、ウルトラマンジードと怪獣達の戦闘を映像として記録したりと結構多機能である。
ちなみに、同作におけるスカルゴモラによる犠牲者リストの中に「薩摩次郎」の名前があったりする。この世界の彼はミラクルマンではなかったのか……




追記・修正は、ネズミの寿命に違和感を持ってからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ウルトラセブン
  • ユートム
  • ウルトラ怪獣
  • ロボット
  • 地底
  • 地底都市
  • 薩摩次郎
  • 地底GO!GO!GO!
  • 光線銃
  • ハンマー
  • 重量級
  • 戦闘員
  • 雑魚
  • 無人兵器
  • ロボット怪獣
  • 悪役
最終更新:2024年10月20日 08:05