ゼロ(ロックマンエグゼ)

登録日:2015/03/08 Sun 00:45:17
更新日:2025/08/08 Fri 20:31:16
所要時間:約 9 分で読めます






オレの名はゼロ
のろわれた ウイルス…



この項目はゲームキューブ版『ロックマンエグゼ トランスミッション』に登場するゼロについて説明する。




Dr.ワイリーが作り出したドリームウイルスを打ち倒し、WWWの事件を解決した熱斗ロックマンは平和な日々を過ごしていた。
しかし、ある時期から、ナビがオペレーターの命令を無視して暴走するという事件が各地で起こり始める。

事件を解決してゆく最中、とあるウイルスが原因という情報が入ってきた。
その名は「ゼロウイルス」
ゼロウイルスは何物かの配下のナビであるスターマンがワクチンだと偽って、様々なナビに配られていたのだ。

そして、スターマンを倒し、ゼロウイルスの巣窟と思われる「ゼロアカウント」に突入したロックマンが目撃したのは…





−自我を持ち、言葉を話すウイルスであった−




概要


CV:宇垣秀成(アニメ版ロックマンエグゼのボンバーマンと同じ声優)

この作品におけるゼロの正体は、つまるところ司令塔にあたるゼロウイルスである。
元々はドリームウイルス同様にワイリーが開発していたが、故あって凍結されていたのを、WWWの残党である「教授」によって封印を解かれる。
最初は発生・拡散させたゼロウイルスを耳目(じもく)として情報を伝達・蓄積し、ドリームウイルスを復活させるための情報を集めるだけが役割だった。
しかしいつの頃からか、膨大な情報を蓄積し続けた結果自我が芽生え、やがてウイルスでありながら心を持つ存在へと進化した。

傍目にはネットナビにしか見えないが、ナビマークはない。代わりにゼロを示す固有マークとして、数字の0もしくはアルファベットのZを意匠化したのようなマークがライフゲージに表示されている。
顔の部分がドリームウイルスのような無機質なものになっており、背丈はロックマンの二倍ほどある。
それ以外は、『ロックマンXシリーズ』のゼロに近いと言えばわかりやすいだろう。

残念ながらエグゼシリーズではカーネルやアイリス、本家ではゼロと同じワイリー製であるフォルテとも特に絡んだりはしない。

心を得た結果、自身が存在するだけで害悪を撒き散らすことに苦悶していた。
その一方で、ロックマンや熱斗の活躍は以前から情報収集しており、「お前達は電脳世界を平和にするため戦ってきた戦士だ」と、二人の絆に興味を示していた。
ロックマンは戦わずに和解できるかと主張していたが、ウイルスである自分とネットナビは相容れないと結論づけたゼロは戦いを挑んでくる。


ゼロアカウント

ゼロウイルスの拠点と呼べるエリア。背景が赤いフレームで構成された、全体的に不気味さの漂う殺風景なデザイン。
ステージギミックこそベルトコンベアと針だけのシンプルなものだが、各属性オーラを展開しているメガリア系が連続出現するため、ボス部屋までのチップ温存は難しい。

インターネットのグローバルエリア3からアクセス可能だが、入り口までの経路は3枚の扉で閉ざされている。開けるにはリンクPコードX・Y・Zの3種類が必要。
スターマンは時たま出入りしていたようだが、存在しているだけでゼロウイルスを発生させ続ける体質のためか、それともゼロウイルスの耳目さえあれば事足りるからか、ゼロ自身は外に出た事はなかった。
元ネタはロックマンX5の「零空間」。


戦闘でのゼロ


バトル中はロックマンXシリーズでのダッシュの体勢をとりながらロックマンに近づいて行き、間合いに入ると攻撃をするというものである。
しかし、移動中は常時シールドを張っており、攻撃中でないとダメージはおろか、カウンター攻撃を食らってしまう。


使用技


ゼットセイバー

ゼロお馴染みの横→切り上げ→切り下ろしの三段切りである。
声はヒッフッハ!ではなくセイハットウ!である。


デンジンセイバー

電気を纏ったゼットセイバーでジャンプ切り上げ攻撃。ただし技自体は無属性
元ネタはロックマンX5でのゼロの技「電刃」


ミカヅキセイバー

デンジンセイバーでのジャンプ後、回転しながらゼットセイバーを振り回す技。
元ネタはX5でのゼロの技「三日月斬」


ファントムゼロ

無敵状態で画面端にダッシュしたあと、全画面範囲の斬撃を二発放つ。
中断不可能のゼロの必殺技、威力が300もあり、回避ができないのでインビジブルでやり過ごすしかない。
回避系・防御系のいずれのチップもなければ、苦肉の策として、ゼロ本体にぶつかって斬撃を食らわないようにすれば、直撃するよりかはダメージ軽減できる。
元ネタはX5の零空間3で、敵として登場する覚醒ゼロが放つ即死技「幻夢零」




戦闘後

スペックいじょうのちから…
そうか…これが WWWをたおした おそるべきちから
きずな…ゆうじょうのちからと いうもの なのだろうか?
ゆうじょう… かんじたことのない きもちだが
りかいできないこともない…

熱斗くん… ぼく ゼロのきもちが なんだかわかる気がする…
ああ こいつ、べつに悪いヤツってわけじゃねーよな…

撃破すると、チップ「ゼットセイバー」*1を落とす。
戦闘後もゼロはウイルスである自分をデリートするように懇願するが、この時、インターネットに落ちている「なぞのソース*2」を持っていれば、ゼロがナビとして生まれ変わる事ができ、ウイルスを撒き散らす力をなくすことができる。
それによって科学省の監視の下ではあるが、ゼロは人間とネットナビとの共存が可能になった。

この時、なぞのソースがなければゼロはデリートされてしまうので注意しよう。


ゼロウイルス騒動もこれにて一件落着…とはいかなかった。
突然そこへ割り込んできた、「ドリームウイルスを復活させた」という謎の男・教授の通信。
その場ではどうすることもできず、熱斗達は一旦プラグアウトする。

一度は倒したとは言え、ドリームウイルスの強大さはよく知っている。
あの時はsaito.batがあればこそ勝てたのではないか?今もう一度戦って、果たして勝てるのか?
悩んでいた所にデカオから激を飛ばされ、ドリームウイルスと再び戦う決意を固めた熱斗とロックマン。
そんな折、仲間達からのメールに混じって、一通の差出人不明のメールを受信する。

さしだし人ふめい
件名:ちからをかそう

光主任の 手により
いまや オレは ウイルスではなく
ナビとして うまれかわった

おまえたちには かんしゃしている
・・・このような時に どう
いえば良いのだろうか・・・?

だが・・・オレを めざめさせ
りようしていた男『教授』の
やぼうは まだついえていない

光熱斗、ロックマンよ
おまえが あの男と たたかう
つもりならば・・・

オレの力を かそう!
オレのふるう ゼットセイバーが
おまえの 力となるだろう!

熱斗は
ナビチップ「ゼロ」
を ゲットした!

誰からのメールかは一目瞭然だろう。
このメールを読んでいる間も*3、本作OP曲としても使われている『ロックマンのテーマ〜風を突き抜けて〜』のインストゥルメンタル版がBGMとして流れており、一段と熱く盛り上げてくれている。

ちなみにゼロのナビチップは、このメールに添付された1枚しか手に入らない。*4
更に、イベント分岐によってゼロを助けずデリートしてしまっていれば、当然ながらこのメールは送られてくる事もない。
つまりゼロ戦前に「なぞのソース」を入手していなければ、必然的にライブラリも永遠に埋まらないままになってしまう。
最終決戦後にも若干の違いがあるが、こうして"ゼロを助けるためのアイテムを収集したかどうか"によって分岐するのは、ロックマンX2のオマージュと言えるかもしれない。

ちなみにこのゼロのナビチップを使った、強力なプログラムアドバンス「ゼロカウンター」が発動できる。
「ハイガード」→「ゼットセイバー」→「ゼロ」
使用するとロックマンがシールドを構え、そのシールド展開中に攻撃を防ぐと発動するカウンター技。
成功するとゼロが出現し、前方広範囲に連続攻撃を叩き込む。攻撃力は300。
発動条件の都合上、敵が攻撃してきたタイミング以外では発動することができない。気を付けよう。


その後、ウラインターネットでのドリームウイルスRとの最終決戦の決着が着いた後、逃亡しようとした教授の居所を突き止め、無事オフィシャルによって捕縛することができた。
ゼロはナビに生まれ変わった事でウイルスを撒き散らす力は失ったが、既に教授のコンピュータが感染したゼロウイルスを認識する能力は残っていたのである。

そして、自分を無害にしてくれた光博士、救いだしてくれた光熱斗とロックマンに感謝の言葉を伝え、ネットワークの海に去っていった。



アニメ版


『ロックマンエグゼ BEAST+』にも登場。
CV:渋谷茂

原作と同じくワイリーを崇拝する「教授」によって作られたウイルス。
しかし、ゼロウイルスそのものが獣化ウイルスから作られた、という設定に変更されている。
戦闘能力はウイルスとは思えないほど高く、不意打ちとはいえCFロックマンに大ダメージを与えるほど。
ブルースにも劣らないゼットセイバーの剣術だけでなく、インビジブルを無効化する光線を放つこともできる。
またゼロウイルスをばら撒いてウイルスなどに感染させることが可能。

当初は超電脳獣の復活をもくろむ教授の命令通りに、各所の電力を奪ったり、データを採取したりと、各地を飛び回っていた。
しかしクロスフュージョンして戦う熱斗・ロックマンや炎山・ブルースの姿を見ているうちに、自分を道具扱いする教授との関係に疑問を持ち始め、教授のアジトでは遂に「お前の操り人形ではない、自分の意思で動く」と豪語し教授から離反。

その後暫く行方を眩ませていたが、インターネットシティに再出現した際にひょんなことからガッツマンに手を握られ、感情を揺さぶられる。
自分の手を初めて握ってくれたガッツマンの欲しいものを与えるべくエネルギーセンターを襲撃するが、そこでロックマンと対峙。
その中でガッツマンを目撃することで再び心を揺さぶられ、ロックマンとも和解することができた。

が、その直後に教授が自分を裏切ったゼロと計画を妨害した熱斗に復讐するため、ゼロを上回る戦闘マシーンウイルス・ゼロワンをネット警察に送り込んでくる。
ゼロワンとの戦いの中で、ピンチに陥ったロックマンを助けてほしいというガッツマンの懇願の下、元々ウイルスにはプログラムされていなかった「助ける」という驚くべき行動に出た。
ようやく本当の仲間となることが出来たように思えたのだが、「所詮ウイルスはウイルス」と、教授は彼らの友情を侮辱する。
これに対して激しい怒りを覚えたガッツマンやファルザービーストの連携攻撃を受け、致命傷を負ったゼロワンは、教授の命令でサイバーワールドごとネット警察を自爆で吹き飛ばそうとする。

これを見たゼロはガッツマンたちを救うため、自分のゼロウイルスの実体化能力を使いゼロワンと共に現実世界に実体化、ゼロワンを掴んだまま教授の飛行船に突っ込み、その身を自らデリートしてしまう。

ゼロはデリートされたものの、その魂は熱斗、ロックマンたちにしっかりと刻まれている。



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最終更新:2025年08月08日 20:31

*1 ロックマンエグゼ4からは、ロックマンゼロシリーズのゼロが使うゼットセイバー(三角形の緑の刃&白く平べったいグリップ)を模したチップが「Zセイバー」という名前で登場する。テキストも「でんせつの あかい レプリロイドの 3だんぎりソード」で、こちらとは区別されている。

*2 ワイリーが残した「ゼロの設計図」

*3 正確にはこのメール含めて3通を受信する直前の場面からだが

*4 倒したナビが追加される公園のネットバトルシミュレーターにも追加されない。あくまでもナビではない「ウイルスとしてのゼロの戦闘データ」しか記録されていないからだろうか?