混沌の獅子デスライガー

登録日:2015/07/25 Sat 19:22:02
更新日:2025/03/09 Sun 23:59:39
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「最初の悪魔」が一柱は、かつて、悪魔神とともに、戦場におもむいた。

その姿は、まさに混沌を体現したかのように禍々しくも神々しかった。



混沌の獅子デスライガー》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
DM-01 第1弾にて初収録。レアリティはスーパーレア。他にもDM-18「ベスト・チャレンジャー」、DMX-19「スーパーレア100%パック」などでも再録された。
最初期のSRカードにしては珍しく、再録の機会には恵まれている方。

記念すべきDM-01にて、スーパーレアとして収録された猛獣型のデーモン・コマンド。
その迫力あるイラストや、幾度かの再録によってそこそこの知名度を誇るクリーチャーでもある。


スペック

混沌の獅子デスライガー SR 闇文明 (7)
クリーチャー:デーモン・コマンド 9000
W・ブレイカー

DM初期に見られたシンプルな高レアクリーチャーで、そこそこ高いパワーとW・ブレイカー以外に何の能力もない。
これは準バニラ系ファッティという奴である。

パワー自体は悪くないものの、最初期の方から使われることは少なかった。
カードの種類自体が揃っていなかった基本セット時期では多少は見かけられることもあった。
しかし、初期の時点で既に他文明に上位互換がいるクリーチャーだったのである。
という訳で、同じ弾に収録されたこのカードを見て欲しい。

光輪の精霊シャウナ SR 光文明 (7)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 9500
W・ブレイカー

初期の闇文明のライバル、光文明のスーパーレアのカードである《光輪の精霊シャウナ》。
デスライガーは同じコストであるのにパワーで少し負けてしまっているのが分かる。
つまり、デスライガーは文明や種族を抜きに見る単純なスペックではいきなり下位互換的な立場になっている。
これは、初期の光文明の設定だった『他文明よりパワーが僅かに勝る』という設定の影響であると見られる。
こんな感じで、デスライガーは登場当時からどこか微妙な雰囲気が漂っていた。

そして、パワーインフレの波によって、7コストには強力なカードが大量に存在する現在では全く使われていない。
当然かもしれないが、デスライガーの上位互換的なスペックを持つ闇文明のカードも生まれている。
それに、現在のDMにおいて準バニラというカードは、バニラ以上に逆境に置かれている事情もあり、今後も使われることは無いだろう。

ただ、現在見てもイラストの迫力などはかなり素晴らしい物がある。
観賞用としては価値は高いと思われるので、一枚くらいは手元に確保しておいても良いかもしれない。
DMX-19での再録などもあり、入手自体もそこまで困難では無い。


再録

基本セット闘魂編時期のカードが再録されたDM-18で一回目の再録を果たした。
DM-18版のイラストでは《ロケットダイブ・ワイバーン》を踏みつけている姿が描かれている。
確かにパワーでは余裕で上回っているが、ロケットダイブ・ワイバーンはクリーチャーに攻撃されないはずなのだが…。
まぁ、背景ストーリーとゲーム上のスペックは必ずしも一致はしないしね?

なお、DM-18の再録時でもデスライガーは案の定ハズレア扱いである。
まぁ、同じくDM-18で再録された《クリスタル・パラディン》とかと比べてしまうと、見劣りするのは必然か。

そして、その再録時から長い時を経た2015年のこと……

収録カードが全てスーパーレアだというDMX-19の発売が予告された。
このパックは、DMX-12同様に収録内容は全て隠されているとされていた。
デュエリスト達はその情報を楽しみにしながらコロコロコミックを購入し、ページを開いた……

その時、一部のデュエリストは気が付いてしまった。

何故かコロコロのページにデスライガーのイラストが見えるのだ。
最近の小学生デュエリストは、『今度出る新しいクリーチャーかな?』と思った子もいたかもしれない。

しかし、このイラストを見た多くのデュエリストは恐怖を覚えて震えていた。
どう見てもDMX-19のハズレア枠として用意されていることが、示唆された形となったからである……。
案の定、DMX-19版にて再録されることとなったのだった。

旧枠時代以降再録されず、新枠での登場が望まれる多くのスーパーレアを差し置いての登場となった。
当然ながら、現在の環境では使い道が存在しないので、当たってしまったら大ハズレである。

だが、古くからDMを続けてきた古参デュエリストは少し懐かしい気分になったことだろう。
DMX-19はフォイルパターンが多いので、デスライガーも様々なフォイルで楽しめる。
テキストの長い空白を生かしたフレーバーテキストも味わい深く、一見の価値はある。

ちなみに、このデスライガーの再録によって快挙が果たされた。

同じDM-01の闇文明のスーパーレアである《暗黒の騎士ザガーン》も、DMX-12で再録されている。
実はこの時、ザガーンもさり気なく新枠での登場を果たしている。

つまり、DM-01の闇文明SRは二枚とも、エピソード1以降の新枠での再録を果たしたのだった。


関連カード

滅城の獣王ベルヘル・デ・ディオス R 闇文明 (6)
クリーチャー:デーモン・コマンド 6000
このクリーチャーが攻撃する時、自分のクリーチャーを1体破壊してもよい。そうした場合、カードを2枚まで引く。
W・ブレイカー

アタックトリガーで自分のクリーチャーを犠牲にしてドローを行う悪魔。

実は、イラストを見ると下半身の猛獣がデスライガーそっくりなのが分かる。
それもそのはず、実はこのクリーチャーは何らかのクリーチャーがデスライガーと合体した姿なのだ。
合体した結果、コストの低下と準バニラ脱出を果たしたのだ。やったね!
自慢のパワーは低下しているが、合体した人型のクリーチャーの方のパワーが低かったんだろう。多分。

ちなみにイラストレーター曰く『右下にキャラの絵が乗るレイアウトなので、単品で見るとなんか間が悪い……。

猛虎ライガー・ブレード SR 闇文明 (7)
クリーチャー:デーモン・コマンド/ハンター 7000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト3以下の、サイキック以外のクリーチャーをすべて破壊する。その後、コスト9以下のサイキック・クリーチャーをすべて破壊する。
W・ブレイカー

アンチサイキック・クリーチャー的な全体除去を持つクリーチャー。

青い髪を持つ獅子という姿など、全体的にデスライガーを意識したイラストに見える。
実際のところは、『ZOIDS』のブレードライガーが元ネタなのだろうが。

渾沌の獅子デスゲレロ C 闇文明 (5)
クリーチャー:デーモン・コマンド 5000

新章で登場したデスライガーのパロディカード。
しかし、新章以降の多数の旧種族関係のパロディカードの例に漏れず、低レアリティのハズレ枠のバニラ。
しかし、一応バニラ故にバニラサポートが受けれるという点ではパロディ元よりも恵まれている。だから何だという感じでもあるが。

光獅接続 シャウライガー UC 闇文明 (6)
クリーチャー:ディスペクター/デーモン・コマンド/エンジェル・コマンド 6000
EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
このクリーチャーが出た時、相手は自身の手札を1枚選んで捨てる。

光輪の精霊シャウナ》とディスペクターとして合体してしまったデスライガー。闇単色な辺りはデスライガーの要素が強いらしい。
何故か元ネタよりもパワーがかなり下がっているが、EXライフとcipによる軽いハンデス効果を持つ。
能力は6マナのクリーチャーとしては貧弱なので環境的には使えるレベルではないが、闇のエンジェル・コマンドであることを活かしたいか。

能力よりも話題となったのはカードイラストでもあり、「デスライガーの口をシャウナがそのまま貫通して繋がっている」という色々と不安になる姿をしている。

混沌の獅子デスライガー UC 闇文明 (7)
クリーチャー:デーモン・コマンド 9000
W・ブレイカー
カオス・チャージャー UC 闇文明 (3)
呪文
自分の山札の上から4枚を見る。その中から、デーモン・コマンドを2枚まで、表向きにしてから手札に加える。残りを好きな順序で山札の下に置く。
チャージャー(この呪文を唱えた後、墓地に置くかわりにマナゾーンに置く。)
とうとうチャージャー付きツインパクトがデモコマにも配られた。
墓地こそ増やせない物のマナブーストしつつ《エナジー・ライト》と同等のアドバンテージを稼げるのは闇単色カードとしてはやはり破格の代物。
残りのカードはデッキボトム送りにしてしまうのも《悪夢神バロム・ナイトメア》のサポートとして非常に優秀。
《支配の精霊ペルフェクト/ギャラクシー・チャージャー》が登場した後なのにクリーチャー側が準バニラのままなのは公式も流石にやり過ぎたとか後悔していたのだろうか

魔誕の獅子デスライガー SR 自然文明 (10)
クリーチャー:デーモン・コマンド 11000
W・ブレイカー
自分のクリーチャーすべてに「マッハファイター」を与える。
W・ヨビニオン(このクリーチャーが召喚によって出た時、自分の山札の上から、これよりコストが小さいクリーチャーが2体出るまで表向きにしてもよい。そのクリーチャーを出す。残りをシャッフルし、山札の下に置く)
DM24-RP4にて他の初期のデモコマと同様、文明違いでリメイクされたデスライガー。
専用能力「W・ヨビニオン」によって、出すだけで確定で2体はクリーチャーを踏み倒す事が出来る…が、ヨビニオンという能力の都合、下手に確定で狙ったクリーチャーを出せるようデッキを吟味するという行いが難しい為、扱いはかなり難しい。
踏み倒そうにもヨビニオンの共通点である召喚時にしか効果を使えない点が痛い。
それでもMFで後続と共に相手の盤面を制圧すると言った最低限の仕事は出来るのが救いか。

デュエル・マスターズ プレイス

プレイヤーが必ず入手可能なBASICデッキのカードとして登場。
スペック的に変更点はないが、スーパーレアだった本家から実質的なレアリティ降格となった。
ちなみに、ある意味ライバルの《光輪の精霊シャウナ》も全く同じ扱いを受けている。

初期の環境で見ればパワーも高かったので使うユーザーもいるが、後々に使われなくなっていくカードの一種。
ただし、マナカーブ的に《悪魔神バロム》に繋がりやすいという点はある。
そのため、高レア故に入手難易度が高い《憤怒の猛将ダイダロス》を持っていないユーザーには、パワーが高い進化元として起用される場合もあった。


背景ストーリー

アニメの解説によると全長は15メートルで体重は57トンもあるらしい。

背景ストーリーで何をしていたのか具体的には不明だが、初弾という登場時期的には最初期にフィオナの森に侵略者として送り込まれたデーモン・コマンドの一匹だと考えられる。
DMX-19のフレーバーテキストを背景ストーリーに反映するならば、闇文明では古い時代から悪魔神の部下として戦っていた存在だと思われる。
『劇場版デュエル・マスターズ 炎のキズナXX』の1シーンを意識した《レッツ!鳥鍋パーティー》のイラストにも登場しており、覚醒編時期でも生きていた可能性がある。

DMD-34に収録された《フェアリー・トラップ》のイラストにも登場したが、こちらでは残念ながら捕まってしまっている。
スノーフェアリーが描かれたイラストで罠になっている姿は、デーモン・コマンドとしては正直悲しさすら感じる。
と言っても、カードが出た時期を考えると背景ストーリーでは何だかんだで長く頑張っていたらしい*1

王来篇では《光獅接続 シャウライガー》の存在から察するに、ディスペクター(の黒幕)に肉体を悪用された模様。



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まさにアニヲタの集いを体現したかのように禍々しくも神々しかった。

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最終更新:2025年03月09日 23:59

*1 ただし、《フェアリー・トラップ》の収録されたDMD-34は革命ファイナルの構築済みデッキであり、革命ファイナルの世界観的には捕まっているデスライガーは基本セットにおけるデスライガーとはパラレル的存在の可能性もある。まあそこまで深く考えてはいないと思われるが…。