ホオリンガ(ウルトラ怪獣)

登録日:2015/09/27 Sun 20:38:13
更新日:2023/06/20 Tue 13:12:22
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坂根村に衰弱した怪獣ホオリンガが出現した!

村の人たちは「敵意のないホオリンガを村おこしの目玉にする」なんて騒いでいるけど...

とにかく、弱ってる怪獣を放ってはおけない


ホオリンガ治療作戦の開始だ!


次回、ウルトラマンX!


怪獣は動かない







ホオリンガは、ウルトラシリーズに登場する怪獣の1体。
別名は不動怪獣

【概要】

山のように大きな殻を背負った怪獣。巨大で頑丈そうな脚や飛び出た目などどこか動物のような外見だが、実は移動が出来る植物の怪獣であり、光合成を行ったり植物ホルモンを自ら放出する事もできる。ただし体色は緑色ではなく青色
体の左右には多数の根が触手のように伸びており、自由に動かす事ができる他、地面に潜り込ませて遠くに出現させる事も可能。自らの意志をそこから伝える事ができるような描写もあるが、どこまで知性を持つかは不明。
口に当たる部分が黄色い花になっているのも特徴。

普段は大人しく被害を及ぼす事もないため、Xioも保護下においてモニタリングを行うと言う処置を取っていた。また現れた坂根村でも人気者になり、怪獣を利用した村おこしまで行い始めるほどであった。
しかしその中で怪獣が栄養失調になっており、生命力が低下していると言う事実が発覚。それを知った村からの要請も受け、Xioは治療弾で栄養を与えようとしたのだが、そのせいで大変な事態が起きてしまう。

なお、ホオリンガの名前は坂根村の方言で日本古来の神様ホオリ様」の事。

着ぐるみは『ULTRASEVEN X』に登場したベジネラの改造に、『ウルトラマンメビウス』に登場したソリチュランの花を付けたもの。
ウルトラマンダイナ』に登場したダランビアを改造する案もあったようだ。


【活躍】

登場:ウルトラマンX「怪獣は動かない」(第10話)
身長:42m
体重:10万3千t
本編開始の一ヶ月前、山が並ぶ緑豊かな村・坂根村に突如現れたホオリンガだが、暴れまわる事無く休耕地で立ち止まってしまい、そのまま眠りに就いてしまった。被害を及ぼさない怪獣という事でXioは村と協議して保護下に置く事になったのだが、その間にホオリンガは大人気となり、様々なグッズが販売されたり観光の目玉になったりとすっかり村の名物になっていた。
特に村長たちは名前を「サカネッシー」「ヤマゴン」のどちらにするかで大揉めしたり、芸を教え込もうと考えたりと凄まじい気合の入れようであり、怪獣との共存を望む大地も押され気味なほど。

だが、そんな中でホオリンガが栄養失調になり弱っていることが発覚し、村長からの要請を受けてXioはラボチームのバックアップと共にホオリンガに治療弾を「注射」する『怪獣治療作戦』に乗り出す事となった。
ところが、それを1人の少女が止めようとした。村長の孫娘のである。


お注射だめ!ホオリンガは、病気なんかじゃない!


彼女の必死の訴え、そしてまだ決まってもいない怪獣の名前を『ホオリンガ』と呼んだ事に気づいた大地は作戦中止を訴えたが時既に遅く、治療弾がホオリンガに打ち込まれてしまった。
その結果、栄養状態は無事回復した――

――いや、それどころか栄養値の上昇が止まらず、凄まじい勢いで活性化。その結果ホオリンガは暴走を始め、多数の根を伸ばして村を破壊し始めてしまったのである。

暴れるホオリンガを止めるための処置が考案される中、花の言葉が気になった大地が調査した結果、ホオリンガが自ら大量の植物ホルモンを村の地面に流し込み、周囲の土壌を活性化させていたことが判明した。

これを受け、ラボチームは調査を続行する事になった一方、村への被害を最小限に抑えるためアスナ、ハヤト、ワタルはホオリンガに解毒剤を投与する作戦に出ることにした。
ただ、解毒剤の効果が現れるまで2日はかかってしまうため、村はずれにある原っぱにホオリンガを誘導する事に決定。
「観光客が集まりにくい」と言う理由から反発していた村長も、ホオリンガの根によって村の施設や自分の銅像まで破壊されると言う事態になった事で受け入れる決意を固めた。

その頃、大地は花の面倒を見る女性・千鶴から、ホオリンガの名前の由来、そして花の身の上を聞いた。
実はホオリンガに纏わる伝説は既に村の人たちから忘れられていたが、花の父親は昔話を研究する学者であり、そこから何か話を聞いたかもしれない、と言うのだ。
そして、地面から伸びるホオリンガの根を優しく撫でる花に出会った大地は、彼女に促されるように根に触れ、無理に栄養を与えてしまった事を謝った。

そんな中、Xioによるホオリンガの誘導作戦が開始。
しかし何故かホオリンガはその場から動こうとせず、たくさんの根を張って踏ん張り続けていた。
その様子を見た花は、大地をお父さんとの秘密の場所へと連れて行った。そこにあったのは、遥か昔に描かれたホオリンガの絵と、そこに記されていた不思議な文章であった。


『ホオリンガはこの村に来て、山となる』


だがその時、Xioに引っ張られ続けたホオリンガに大変な事が起きた。
無理やり移動させられようとしたせいで目を赤くして激怒し、山のような殻から途轍もない量の花粉をばら撒き始めたのだ。
その量は強烈なアレルギー反応を人々に起こすばかりか、Xioのメカからの視界を奪うほどであり、このままでは村に人が住めなくなる可能性すら出てきてしまった。

無尽蔵に花粉を撒き散らすホオリンガには、止めようとする花の必死の訴えも効かない。
事態を受けた大地はウルトラマンエックスとユナイトする決意を固めた。
ただしスパークドールズにするのではなく、ホオリンガの怒りを鎮め、体に打ち込まれた治療弾を取り除く事が目的である。


まずは村への花粉被害を抑える!


巨大なバリヤー空間「Xバリヤードーム」を形成し、ホオリンガの花粉の拡散を抑えたエックス。大量の花粉やどこまでも伸びる根からの攻撃に苦戦するも、電撃で怯ませた隙に沈静化光線「ピュリファイウェーブ」を発射。治療弾も取り除かれ、ようやくホオリンガは落ち着きを取り戻した。

そして、黄金のに包まれながらホオリンガは動きを止め、緑豊かな小さな山へと姿を変えた。
そう、昔描かれたあの絵の通り、ホオリンガは坂根村に現れ、そこで動きを止め、やがて「」となる怪獣だった。そしてその不思議な行動は、ホオリンガの『おとうさん』や『ひいひいおじいちゃん』、そのまた昔からずっと続く、自然の営みなのである。


ホオリンガ、綺麗だね……


村の名物を無くしてしまった村長もショックは見せず、優しそうな笑みで花の父親が海外から戻ってくる事を告げていた。
坂根村は、これからもずっとホオリンガと共に生き続ける村なのかもしれない。


【余談】

  • ホオリンガの名前の由来となった「ホオリ様」は『ホオリノミコト』の事。「山幸彦」と言えば分かる人も多いかもしれない。

  • サカネッシー ヤマゴン ホオリンガを使った村おこしでは観光客向けに酒や煎餅など様々なグッズが販売されていたが、それに混じってホオリンガを基にした萌え擬人化キャラ・さかね怪獣いろはが描かれたシャツやタオル、ライトノベルなども販売されている。
    外見は黄色いスカートを履いた茶髪の幼女風デザインになっており、青い根は背中の飾りとしてアレンジされている。ウルトラ怪獣擬人化計画とは無関係の個人発注されたオリジナルとのこと。
    なお、劇中で花は山になったかつてのホオリンガたちを『おとうさん』や『おじいちゃん』と呼んでいるが、実際の性別はどうなのかは不明。この擬人化ホオリンガが男の娘なのかどうかも不明

  • 本編ではスパークドールズは登場しなかったが、ラストの「大地の怪獣ラボ」ではしっかり登場している。
    サイバーカードでは根がやたらメカニックな触手になっている。

  • 小学館のウルトラマンX超全集には「怪獣いろは・サイバーカード風カード」が付録として付属。
    サイバーカード風と書かれているが、ロードするときちんとサイバーホオリンガをロードできる。
    (残念ながらいろはをロードはできない)




追記・修正は山になってからお願いします。

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最終更新:2023年06月20日 13:12