Legend of the golden witch(うみねこ)

登録日:2015/12/10 (木) 02:04:32
更新日:2020/02/12 Wed 12:07:59
所要時間:約 12 分で読めます




推理は可能か、不可能か―――



概要

Legend of the golden witchとは07th Expansionによる同人ゲーム、うみねこのく頃にのEpisode1(第一章)のタイトル。
2007年8月17日のコミックマーケット72で販売された。

EP1は体験版と称して07th Expansionのホームページにて丸々ダウンロードが可能なので気になる人はプレイしてみよう。



あらすじ


1986年10月4日。
伊豆諸島に浮かぶ孤島六軒島にある大富豪・右代宮家の邸宅にて、年に一度の親族会議を行うべく、今一度親族たちが集まっていた。
島に集まったのは、当主・親・子供・使用人他合わせて18人。
その中の、当主次男の息子・戦人は、実家から疎遠して以来6年ぶりの帰宅であった。
歳の近い従兄弟たちと久しぶりの再会を喜ぶ戦人。

親族会議の目的は、当主の遺産相続の話し合い。
様々な事情で金銭に困っていた親たちの会話は、エゴのぶつかり合いとなってしまう。
さらに、親族の間では、当主が密かに島のどこかに隠した10tの黄金の存在が囁かれており、その在り処を示したと思われる碑文の謎でもちきりだった。
碑文は、島に代々伝わるという黄金の魔女「ベアトリーチェ」の伝説になぞらえており、
その文面には何やら曰くありげなものが漂っていた。

そしてその日の晩、次女の娘真里亞が、「ベアトリーチェ」なる人物からの手紙を預かるという事件が起こる。
手紙には「碑文の謎を解き、黄金の在り処を特定した人間に、
右代宮家の全てを与える」というとんでもない内容が記されていた。
予想外の手紙に騒乱する大人たちと、その様子に呆れる子供たち。
話し合いは収拾もつかないまま、人々はそれぞれの事情を抱えたまま、一日目の夜が過ぎようとしていた。

だが次の朝、事態は急転する。
薔薇庭園の倉庫のシャッターに描かれた「魔方陣」。
そしてその中に閉じ込められた、「顔のない六人の生贄」。
それは碑文の一説をそのまま再現したかのようであった。
真里亞は吹聴する。「ベアトリーチェの生贄に捧げられた」と……。

残る12人の中に疑心暗鬼の空気が流れる中、次々と起こる現実には不可解な現象。
密室からの当主の失踪、完全な密室での殺人、黄金に輝く蝶……。

果たして、これは本当に「ニンゲン」の犯人の仕業なのか?
それとも、本当に魔法を用いる「魔女」ベアトリーチェが“い”るのか……。

戦人は必死に殺人事件の謎を解こうとするが、次々と現れる謎、そして思考の袋小路。
やがて第十の晩を迎えた時、物語は衝撃の結末へ……。


登場人物


本作の主人公。本エピソードでは基本的に彼の視点で話が進む。
当主次男・留弗夫の息子で本家序列第8位。
明るく家族想いなおっぱいマスター。
父の再婚に反発し母方の実家で暮らしていたが、祖父母の死で再び右代宮家に戻ってきた。
次々と起こる殺人事件に「チェス盤思考」を持って冷静に対処しようとするが、その思考を遥かに超える不可解さに狼狽していく。

当主次女・楼座の娘で本家序列第9位。
普段は年の割に幼い言動で周囲を振り回す無邪気な性格だが、
その一方でオカルトや魔術に傾倒しており異様なまでの知識量を持つ。
魔女「ベアトリーチェ」の存在を盲信しており、一連の事件を魔女の犯行と吹聴し、まるで人間離れした狂気を剥きだしにしていく。
本編におけるトラウマ要員で、特に漫画版の顔芸は必見。

当主長男・蔵臼の娘で本家序列第6位。
男勝りで活発な性格だが、その分周囲への気立てもいい。
嘉音のことが密かに気になるようだ。

当主長女・絵羽の息子で本家序列第7位。
誠実で気配り上手なメガネ。
想い人の紗音に求婚した翌日、大きな悲劇に見舞われてしまう。

右代宮家当主。
オカルトや魔術に異様なまでに傾倒しており自身を偉大な魔術師と自称している。
かつて黄金の魔女「ベアトリーチェ」を召喚し彼女から黄金を授かったと噂されており、今もなおそのベアトリーチェに固執している。
第一の晩の殺人の直後、密室状態だった彼の書斎から忽然と行方をくらます。

  • 右代宮蔵臼
当主長男で、本家序列第2位。次期当主でもある。
事業の失敗続きで、金蔵の資産を横領していると兄妹の間で噂されており、彼らから手付金を要求されているが、
本人はそんなつもりは微塵も思っていない。

蔵臼の妻で、本家序列第10位。
プライド高く自他ともに厳しい性格だが、配偶者という序列の低い立場ゆえに針のむしろに置かれている。
しかし、金蔵から「お前の心には片翼の鷲が刻まれている」という言葉を受け取り心を持ちなおす。
親たちの中では最後まで生き残り、右代宮家の最後の代表として子供達を殺人者から守ろうとライフルを手に奮闘するが…。

当主長女で、本家序列第3位。
高飛車で嫌味っぽい性格で、右代宮家の当主の座と資産には貪欲。特に夏妃には辛く当たっている。
金蔵の失踪について、自分が書斎のドアに仕掛けたレシートの封印を根拠に、失踪には直前に会っていた夏妃が関わっていると疑う。

  • 右代宮秀吉
絵羽の夫で、本家序列第11位。
気前のいい関西弁のおっちゃんで、周囲の宥め役。
会社の株を買い占められており、金銭に困っているのは同じ。

当主次男で、本家序列第4位。
軽薄で自信過剰な性格をしており、息子の戦人からは半ば軽蔑されている。
詐欺まがいの商法でアメリカでの訴訟金に苦しんでいる。
一日目の夜に戦人に「多分今夜殺される」という言葉を残しており…。

留弗夫の後妻で、本家序列第12位。
夫とは対照的に聡明で冷静沈着な性格。
戦人からは年の離れたお姉さんのような感覚で慕われている。

当主次女で、本家序列第5位。
普段はおっとりした癒し系の常識人だが、娘の真里亞が奇行を起こすとヒステリーを起こし暴力を振るう。
元夫の借金の連帯保証に苦しんでいる。

本家の使用人のメイドさん。でかいおっぱい。
孤児院「福音の家」で育った孤児であり、「紗音」は仮の名前。
年が近いこともあって子供達とは友達のような付き合いである。
譲治と恋仲にあり、一日目の夜に求婚されるが…。

本家の使用人の少年。
紗音とは双子のような関係で、彼女を慕っているが、彼女とは対照的に「僕たちは家具」と自称し主人たちに心を開かない。
ベアトリーチェの存在を肯定するが、内心その存在を否定したいようだ。

  • 呂ノ上源次
本家使用人頭のおじいさん。
冷静な態度で常に主人たちをもてなす態度を崩さない。
金蔵とは昔ながらの顔なじみらしく、彼の過去を理解しているようだ。

  • 熊沢チヨ
本家使用人のおばあちゃん。
普段は穏やかで冗談好きな性格であり、子供たちを和ませている。
ベアトリーチェの伝説に詳しく、その存在に怯えている。

本家使用人。ボディガードのような大きな体格の持ち主。
元ホテルのシェフで、料理が上手いと評判。
ちょっとお調子者な節がある。

  • 南條輝正
金蔵の主治医。
余命幾許もない金蔵の様態を案じている。

本エピソードでは絵羽と霧江の会話に名前が出るのみ。
留弗夫と霧江の娘で、お腹の調子が悪くなったため、親族会議には不参加。

六軒島、並びに右代宮家に代々伝わる「黄金の魔女」。
過去、金蔵が召喚し黄金を授けたという。
また、過去夜の屋敷を徘徊し様々な悪戯を仕掛けることで使用人の間では噂になっていた。
後に、源次が金蔵の過去の愛人と明かし、金蔵は亡くなった彼女を復活させるための儀式を行おうとしていたという。
そして、「右代宮家の全てを頂戴する」という手紙から始まり、不可解な殺人事件の影にその存在が見え始める…。



事件概要


  • 第一の晩
5日の朝、薔薇庭園の倉庫のシャッターに生贄の魔方陣が描かれてあった。
嘉音が鍵(一つしかない)でシャッターを開けると、内部で蔵臼、留弗夫、霧江、楼座、郷田、紗音の死体が発見された。
蔵臼は顔左半分、紗音は顔右半分を潰され、残り4人は顔を全壊にされていた。
現場を封鎖後、シャッターの鍵は夏妃が保持。
なお、蔵臼たちの死体はシャッターのすぐそばにあったが、
紗音の死体は物陰に隠れており、確認したのは秀吉と源次のみである。

  • 第二の晩
口論の末、屋敷内の客室で絵羽夫妻は鍵とチェーンをかけて休むことに。
夕食の時間となり嘉音と源次が夫妻を呼びに行くが応答はなく、
マスターキーで扉を開けたところチェーンがかかっており、人の気配がなかった。
源次は南條と夏妃を呼びに行き、嘉音は番線カッターを取りに物置へ。
熊沢と合流し、客室に戻った所、扉には扉の解法を意味する魔方陣が描かれていた。
チェーンを切断し中を拝見したところ、絵羽はベッドの上で「アスモデウスの杭」で眉間を貫かれ死亡し、
秀吉はバスルームで「ベルゼブブの杭」で眉間を貫かれ死亡していた。

  • 第四の晩
第一の晩の死体発見直後、金蔵がドアが封印された書斎から失踪。
第二の晩の死体発見直後、ボイラー室から悪臭が漂い、焼却炉の中を確認したところ、黒焦げの死体を発見。
足の多指症の特徴から、金蔵の死体と断定される。
死体の頭蓋には「マモンの杭」が刺さっていた。

  • 第五の晩
前述の悪臭の原因を探るべく、嘉音がボイラー室に入った所、黄金の蝶による人影を発見。
鉈を手に立ち向かおうとしたところ、乱反射した「サタンの杭」に胸を刺され重傷を負う。
蝶は高笑いと共に消え、戦人たちが乗り込んだ時には嘉音以外に生きた人間はいなかった。
ボイラー室には中庭に続くドアがあり、そこから逃げた可能性あり。
嘉音は南條の手当を受けるが、治療の甲斐なく死亡した。

  • 第六~八の晩
鍵が一つしかない金蔵の書斎に籠城することにした生存者たち。
しかし、そこに突然、ベアトリーチェからの手紙が出現する。
これによって、ベアトリーチェの存在を肯定する源次、熊沢、南條、真里亞を疑った夏妃によって4人は書斎から追放。
その後、書斎宛に内線電話がかかり、真里亞の歌声だけが聞こえてきた。
異変を察知した4人は客間へと急ぐが、客間は内側から鍵がかかっていた。
強引に蹴破ると、中では源次、熊沢、南條の三人が顔をえぐられ死亡しており、真里亞は壁に向かって歌い続けていた。
源次は腹を「ルシファーの杭」で、南條は膝を「ベルフェゴールの杭」で、熊沢は足を「レヴィアタンの杭」でえぐられていた。
真里亞曰く、ベアトリーチェは蝶になって扉の間をすり抜け、三人を生贄に選び自分は歌を歌うよう言われて何も聞こえなかったという。

  • 第九の晩
前述の現場に置かれていた手紙を読み、子供達を閉じ込めた上で広間へとやって来た夏妃。
手紙は一対一の決闘の申し出だったらしく、そこで待ち構えていた「ベアトリーチェ」と決闘することになる。
ドアを蹴破って子供たちが駆け付けた頃には、一発の銃声と共に夏妃が額を撃たれ死亡しているのが発見された。
ライフルは煙が出ており、状況から自殺と判断されたが…。

  • 第十の晩
真里亞の称賛の声と共に駆け出した先にいた、黄金の魔女ベアトリーチェ。
24時の鐘が鳴り、魔女の高笑いと共に時間切れ。
子供たちは行方不明となった。



CS版


PSP版とPS3版に収録されている。


漫画版


月刊ガンガンパワードに連載されていたが、途中から雑誌の休刊に伴い月刊ガンガンJOKERに移籍した。
全4巻で、作画は夏海ケイ。
濃密な作画と顔芸が特徴。特に真里亞の顔は夢に出るレベル。


アニメ版

第1話~第5話で描かれた。
細かい描写はちょくちょく端折られている。


小説版

講談社BOXで発売。







勝者は、黄金の魔女、ベアトリーチェ。
18人の誰も、碑文の謎を解けず、時間切れのため。
18人は全員死亡。
うみねこのなく頃に、生き残れた者はなし。




























お、お前……誰だ……。



……良い。……久しぶりに愉快な人間に出会えたものよ。






  • ベアトリーチェ
本編終了後の「お茶会」に突如登場した「黄金と無限の魔女」。
高飛車で傍若無人、かつ尊大なウシチチ美女。
お茶会で魔女犯人説を必死に否定する戦人の前に現れ、あたかも自分が魔法で犯行を行ったかのように振る舞い、
しかも自身の家具「煉獄の七杭」を用いてチェーンの隙間から密室殺人を実演してみせ、おまけに一度死んで生き返った朱志香たちを「再び」殺してみせる。

激昂する戦人は彼女に「お前の存在を否定してやる」と宣戦布告し、ベアトリーチェは高笑いをもってその布告に応じる…。


さあ右代宮戦人とやら、我が魔法の数々を“人間とトリック”で説明してみせるがいいッ!
“人間”の力を見せてもらおうではないかッ!!!




「裏お茶会」で登場した、「奇跡の魔女」。
「可能性がゼロでない限り」必ず成就させる力を持つ。
ベアトリーチェの用意したゲームを退屈しのぎに観戦しに「カケラ」を訪れたという。
ベアトを「いかなる結果でも期待を裏切らず必ず満足する結果を出す」ことから「自分とは最悪の相性」と評価し、彼女を恐れている。
かつて大魔女「ラムダデルタ」を退けた過去を持っているらしい。
戦人(あるいはプレイヤー)にこっそり助言を与えるが、同時に「私を退屈させないでね」と釘を刺す。
「私は世界で一番残酷な魔女」という警告と、邪悪な微笑みとともに……。






















以下、判明している謎のネタバレ(漫画版を基にした)


これを読んだあなた。
どうか追記、修正してください。
それだけが私の望みです。

右代宮真里亞


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