登録日:2009/06/03(水) 01:51:01
更新日:2025/03/18 Tue 16:12:24
所要時間:約 4 分で読めます
通称:トラップマスター、すじ子
必殺技:トラップ、突き飛ばし
得物:トラップ
早くに両親を亡くしており、同じく孤児の
古手梨花と神社近くの防災倉庫の居住区に同居している。
北条家としての実家もあるようだが、何故かそこにはあまり足を運んでいない。
「をーほっほっほ!」「~ですわ」などの旧いお嬢様めいた口癖を持つが、性格は子供っぽく挑発に乗せられてはすぐ泣く。
しかし、涙を利用して
れなぱんを発動させる策士である。
トラップをしかけるのが趣味で教室にしかける他愛もない(?)イタズラレベルから、状況と即席の材料を掛け合わせたトラップ、
裏山にたくさんしかけたプロ級の本格レベルのトラップまでありとあらゆるトラップを使いこなす。
祭囃し編での裏山攻防戦の勝利の半分以上は彼女の功績と言っても過言ではない。
おかげで裏山は彼女による案内無しではまともに歩けない魔境と化している。(彼女本人でさえ迂闊に道を外れられず、夜中歩き回りたがらない程)
話が進むにつれ
指パッチンでタライを落としたりと召喚術めいている。だがギャグ調の場合は稀によく自爆する。
小手先の上手さを生かしピッキングもこなしたりする。
圭一以外のメンバーには及ばないものの人並みに料理を作ることができ、得意料理は
野菜炒め。
ミートボールを始めとする肉料理が大好物だが、
カボチャを始めとする野菜は苦手。
兄と同じくブロッコリーとカリフラワーの区別がつかない。
部活での
ゲームスタイルは悪くない運動神経に得意のトラップを織り交ぜて有利に進めるタイプ。
ただし今一歩のところで詰めが甘かったり知略が足りなかったりで失敗しやすい。
運動能力は年齢としては高い方で、クラスメイトの男子と野球に精を出したりもしている。
体つきも年齢としては発育が良いそうな。梨花ちゃま涙拭けよ。
圭一とは互いに意地をはり合うケンカ友達の間柄だが、祟殺し編ではデレを見せる。
祟殺し編は全編通して非常にハードではあるが、同時に彼女の真骨頂でもある。
「にーにー」と呼ぶほど懐いていた兄、
悟史がいたが、4年目の綿流し祭の後、沙都子の誕生日に家出しており現在は行方不明。
彼女はひぐらしきっての不幸な境遇を背負っている。
裕福とはいえない経済状況だった上母親が再婚ばかりして見知らぬ男性を「父」と呼ばされ続けていた経緯があり、何度も苗字が変わっていた。
悟史は多少のストレスを抱きつつも臨機応変に振舞っていた為それほどでもなかったが、まだ年幼い彼女にそれを求めるのは極めて酷な話であった。やがて再婚相手の男性に強い敵愾心を抱くようになり、すぐ分かる嘘をついたりシャレにならない罠を仕掛けたり拒絶し続けては義父の怒りを買って離婚の遠因になり…を繰り返し、最後の義父に至っては児童相談所に嘘の虐待SOSまで出している。
義父も義父で最後の北条の義父以外は彼女をひっぱたいたり罵詈雑言を叩きつけたり、好き嫌いを無理やり矯正するため椅子に縛り付ける、ベランダに閉め出すなどの虐待を行っていたため大概であるが。
それ故恋愛に関しては幼いながらも極めて忌避的な感情を抱いており、「(再婚などして子供を困らせたくないので)結婚はしない」と断言している。
そういう意味でも、兄の悟史だけが彼女の拠り所だったのである。
最後の北条の義父になってからダム戦争が起こり、よりによって両親がダム誘致派の筆頭になり公の場でダム反対の筆頭である園崎お魎に喧嘩を売った為お魎本人の怒りまで買い一家まるごとスケーブゴートにされ、ダム戦争が終わった現在でも村八分に近い扱いを受けている。
一応両親の死によってケジメがついたとされているが、園崎家の方で北条家を許す・しがらみを解消する旨の宣言をしていないせいで今でもそれは続いている。
現在では沙都子個人を嫌っている者はおらず、寧ろ同情している者も少なからずいるのだが、園崎家の目とオヤシロさまの祟りを怖れて踏み絵的に冷遇しているのが現状である。
村人同士も互いにまだ北条家を嫌っていると誤解し合っている状態なので、村人個人から綻びが生まれる事もない。
おかげで村の商店街に買い物などに出かけると露骨な無視や遠まわしな嫌がらせなどに遭いそのたびに心を痛めている。特に雛見沢の愛されキャラである梨花と一緒に出かけようものなら、完全に差別レベルな待遇の差も加わるので余計にひどいことになる。
(とはいえ商品自体は他の者と同じ価格で購入出来ており、特売品なども狙えていることなどから、詐欺や恫喝などは流石にされていないと思われる。)
雛見沢で彼女とまともに会話する大人は学校関係者か入江診療所の面々くらいである。
2年目(昭和55年)の綿流し祭の日に家族の親睦を深める為、野球クラブの行事に参加していた悟史を除いた家族全員で白川公園に赴くむ両親が崖から転落してしまい義父は死亡、母親は行方不明になり叔父叔母…
鉄平と玉枝夫婦に引き取られた。
両親は転落死ししたことになっているが実際は再婚を繰り返す母親が連れてきた慣れない義父にストレスを貯め、最終的に雛見沢症候群を発症させた沙都子が突き飛ばしたためと見られている。
両親を信じられずにいた沙都子だったが、ある日出掛けた先で両親の会話を盗み聞きしたことで、二人は自分のことを本気で大切に思っていたことを知る。
両親を信じ、和解しようと駆け寄った沙都子だったが……
柵が壊れ、両親は転落。沙都子だけは助けようと咄嗟に突き飛ばしたため、沙都子だけは助かったのである。
ただし澪尽し編に限ったことではないのだが、それまで言及されていた設定と大いに異なるものが多い上に(代表的な所で母は沙都子を養父は鉄平を強烈にしたような人と言及されている)、
この時点での沙都子はL5になっていたとされること、それ以前に両親を完全に拒絶し殺害まで考えていた状態を鑑みると、この盗み聞いた会話でさえ自分を殺す為の筋書きを考えているのではなどと曲解する方が自然。
にも拘わらずあっさりこの会話だけで疑心暗鬼を解く…というのは他の高レベルの症状を起こしたキャラのケースと照らし合わせるとあまりに都合が良過ぎる。それも元々仲間達との様な信頼関係もないので尚更。これが共通の正式設定であるのかは不明。
その後警察から事情聴取を受けその途中で錯乱して入江診療所に入院し、検査の結果L5である事が判明、昨年のバラバラ殺人の主犯以来の生きた雛見沢症候群末期の検体としてノリノリな
鷹野に解剖されかけたが、それを拒んだ入江が開発した治療薬によりL3まで回復。
末期症状を起こしながら生還し、更にはL3まで回復し一応の日常生活を取り戻した数少ない発症者になった。
しかしあくまで小康状態でしかなく、日に二度(体調によっては三度)の治療薬の注射と週末の診察を強いられている。
特に注射は
一度でも忘れると、どんなに平穏でも即座に末期症状をぶり返してしまう
為、梨花が毎日しつこいくらいに釘を刺している。
しかし、叔父の
鉄平が帰還すると実家に連れ戻されて暴力を振るわれ、ほぼ軟禁状態で家事をやらされることによる過度のストレスによってほぼ確実に再発する。
また、通院できなくなることや、上記環境により注射も忘れがちになることもそれに拍車をかけている。
治療については自身が病気だと知らされないまま
「入江の論文作成の協力」とだけ伝えられており、報酬として毎月推定10~20万円の生活費が支給されているので生活には困っていない。同居している梨花も相応の額を支給されてる可能性があり、だとしたら村の中では割とリッチな生活という事になる。
そしてその叔父夫婦はただでさえ夫婦仲が冷え切っている中、自分たちはダム計画に賛成した訳でもなく何の恩恵も貰っていないのに兄夫婦がダム推進派の筆頭だったという理由だけで肩身の狭い想いをさせられ、そんな兄夫婦がいきなり両方死んでその子供たちを押し付けられた…という最悪な形であったため、兄夫婦が遺していたらしい財産目当てに北条家の実家に押しかけ兄妹に対し冷たく当たった。
挙句沙都子は叔父夫婦にも敵愾心を向けた為特に叔母から虐待を受け、見かねた
魅音らが働きかけ児童相談所に通報し一時は収まるも叔母は目立たないより陰湿な形での虐待に切り替え、廃人寸前にまで追いやられてしまった。魅音が沙都子絡みで相談所への通報に消極的なのはこのためである。
更に、悟史もそんな彼女と叔母との仲裁を強いられた事で莫大なストレスを受けており、昭和57年の綿流し祭の晩に叔母が殺され鉄平は祟りに恐れをなして興宮の愛人の元に完全に逃げ込み(祭の数週間前から既に居ついてたようだが)、悟史は後日に失踪してしまう、
悟史が失踪した晩に自らの過ちを認め、二度と兄の負担になっていた自分に戻らないよう頑張る努力家に成長している。
流石に普段はその態度を表には出していないが決して忘れてはおらず、糾弾されたり逆境の場では反論することなく覚悟を見せている。
4年目の事件で叔母が亡くなり叔父も興宮に雲隠れし事実上孤児になった彼女の引き取り手は誰も居なかったが、唯一梨花が自分との同居を勧めた為梨花と2人暮らしになった。
ただし、
祟殺し編や
皆殺し編において見せたように、
鉄平が帰宅してしまうと上記の過去から一人で我慢して介助を頑なに拒んでしまうという結果にも繋がっており、それが保護したくともできない原因になっている。
加えて鉄平から「もし自分を裏切ったら悟史の部屋に入って通帳を探す(=滅茶苦茶に荒らす)」と脅迫までされており、絶対に他人を入れない聖域を守る為に殊更外部の介助を拒む。
鉄平の横暴と瞬く間に取り返しがつかないことになっていく沙都子を見かねて誰かが凶行に走ってしまう(皆殺し編では圭一達が成長していたので未遂に終わる)要因にもなっている。
凶行に走りこそしなかったものの、全員が手をこまねいていた結果、沙都子の心が完全に崩壊してしまった世界もあった模様。
祟殺し編で圭一に
「親にのんびり養われてるあなたと違って、わたくしは叔父を養わなければいけない」
と訴えているが、推定小学生の姪にこんな台詞を言わせる鉄平は少しは恥を知ろうか。当人はドヤ顔で召使いの如く酷使するのだろうが。
皆殺し編でもひとり耐え続けて説得に難航したが、最終的には梨花から「今の沙都子は(泣き叫んでるか縮こまってるかの違いで)結局は悟史の助けを待っているに過ぎない」「本当の意味で立ち向かうとはどういう事なのか、かつての悟史の姿を思い出せ」という言葉を受け、努力することと単に我慢することは違うことだということを知り、勇気を振り絞って相談所に助けを求め、事態打開に繋がった。
密かに圭一から「ミスひぐらし」の称号も贈られている。
以上のように、
北条沙都子は雛見沢という舞台や惨劇の裏側を理解する上では非常に重要なキャラである。
(ヒロインの中では物語の核心部分に位置する梨花に次ぐと思われる)
それでいて担当編もあるのだが……、
物語全体から見れば全体的に影が薄いという難点もある。
そういう立ち位置になってしまった要因は色々考えられるが、
他のヒロイン達が(いい意味でも悪い意味でも)いざという時は積極的に動いて事を動かすタイプなのに対して、
沙都子は助けが来るまで耐え忍ぶ、事前にトラップを仕掛けるなど「待ち」あるいは「受け身」の姿勢になりやすいのが一番大きいと思われる。
ある意味、ひぐらし一の守られ系ヒロインかもしれない……。
沙都子以外だと魅音が一番そっち寄りの時点で何かおかしい
竜騎士07も彼女を上手くピックアップできなかったのは心残りに思っていたとか。
お嬢様じみた口調もこの境遇に伴って作ったと思われ、義父と上手くいっている賽殺し編の世界では素の女性口調で喋っている。
一方で図太さはそのままに本編のような思慮深さや健気さの欠片もない、ひたすら生意気な人物になっているが…。
本編でも悟史が失踪するまで大なり小なりこんな感じだったと思われ、これでは義父や叔母の怒りを買うのも無理はない…。
入江先生に狙われており(
メイド的な意味で)、メイド服を着ると危険度が増す。
この度、雛見沢の平和を護る
魔法少女に就任した模様。
何気にヌード経験者。原作版は色々な意味で見えちゃいかんモノを見せながら圭一と追いかけっこしたりしているが場面が場面なので全然喜べない。
加えてアニメや漫画、CS版といった商業版では規制のため鉄壁
バスタオルを装置してたり律儀に着替えた後だったりするのでもっと喜べない。
放送前は旧作のリメイクと思わせておいて実際は完全新作だった『ひぐらしのなく頃に業』において、
とりわけ沙都子は不自然な行動や旧作との大きな差異をいくつも見せていた。
- 鬼騙し編、綿騙し編においていずれも誰かと相打ちに見える形で死んでいる
- 綿騙し編終盤で梨花が失踪したのに反応がやたらと素っ気ない
- 祟騙し編で鉄平から虐待を受けている筈なのに所謂レイプ目になっていない(祟殺し編では媒体問わず目から光が失われていた。)。
- 祟騙し編で圭一に頭を撫でられて発狂する場面で、発狂するタイミングが祟殺し編のそれとは若干異なる
- 祟騙し編終盤のシャワーシーンで鉄平から受けた筈の虐待による痣が見当たらない
- 記憶力が悪い事を度々示唆されているのに、綿騙し編の神経衰弱では完封勝ちしていた
- 祟殺しでは策を講じて野球試合に勝ったが、祟騙しでは沙都子のホームランが決め手になった
- 祟騙し編冒頭の圭一のボヤ騒ぎ手前の失敗料理に対して、まるでどんな状況になっているのかを事前に把握していたかのように予め消火器を持ち込んでる
- 猫騙し編赤坂発症時、燃える家を表情が見えない後ろ姿で見上げている
- 雛見沢症候群になっている割に首の傷が浅い
- 発症したときの台詞が梨花を説得しているような意味深なシーン
- 全体的にこれまでの作品以上に涙もろい一方で、妙に大人びた言い回しが多い
- 公式HPのインタビューで担当声優がこぼした「ただ…まさか…」という含みのある発言
などから、「沙都子も梨花と同様に昭和58年をループしていて、今回の一連の惨劇に関わってるのではないか?」という説が比較的早い段階で囁かれていた。
実は海外のインタビュー記事で「祭囃し編の5年後に梨花と沙都子の身に起きた出来事がひぐらし業のきっかけ」と、竜騎士07が上記の説の裏付けになり得る内容を話していたりする。
そして、猫騙し編終盤で半ば偶然に近い形で『異なる世界の記憶がなければあり得ない行動』を取ってしまい、
その決定的な隙を見逃さなかった梨花に問い詰められた結果、おもむろに拳銃を取り出し……
該当場面の最速放送直後にこれまで伏せられていた新EDテーマのジャケットが公開されたが、
そこには今までに見せたことのない黒い笑みを浮かべる沙都子がいた。
うみねこのなく頃にに登場する絶対の魔女・ラムダデルタは名前と外見とCVから
鷹野三四の幼少期の『田無美代子』が見た目のモデルになっているのはよく知られているが、その一方で沙都子を彷彿とする要素も少なからずあったりする。
- 目の色
- カボチャ要素
- 全体的な言動
- 古手梨花(≒フレデリカ・ベルンカステル)への執着
- 1度だけ「をーっほっほっほ」と沙都子と同じ笑い方をした
- EP8で彼女が出したケーキの切り分けクイズに対してベルンカステルに「あんたがひっかかった問題じゃない」と突っ込まれているが、実は鬼隠し編で圭一が沙都子に出したひっかけ問題にそっくり。
なお、卒の最終回において「北へ行くなら私は南へ」「東へ行くなら私は西へ」「また何かのなく頃に」といううみねこに登場するベルンカステルとラムダデルダの台詞をそれぞれ梨花と沙都子が発言するシーンが登場。これにより、梨花≒ベルンカステル、沙都子≒ラムダデルダと、梨花と沙都子がこれらの魔女と何かしら関係があることは半ば確定になってしまった。
を~っほっほっほ!アニヲタ風情は逃げ帰って、涙でこの記事を追記・修正するのがお似合いでございますことよ!
最終更新:2025年03月18日 16:12