前原圭一

登録日:2009/05/27(水) 05:01:57
更新日:2023/08/05 Sat 12:12:08
所要時間:約 5 分で読めます




前原圭一(まえばらけいいち)とは、ゲーム・アニメ『ひぐらしのなく頃に』の登場人物。
本作品における主人公。




通称:口先の魔術師、K、K1
必殺技:固有結界
得物:悟史のバット


昭和58年5月に雛見沢に引っ越してきたばかりの少年。中学2年生。


性格は直情的な熱血漢。
反面、デリカシーがなく無神経だったり女心に鈍感。

成績優秀で頭脳明晰。
それ故学校では皆の先生役のようなポジションになっている(雛見沢の学校はクラス混在な都合上授業のスピードが町の学校に比べて格段に落ちる為、上級生である魅音も含めて勉強が全く追いついていない)。
反面、腕っぷしは今ひとつでキモヲタにも勝てないほどひ弱だったが、
解に入ってからは不良を撃退したり、鉈を装備したレナとほぼ互角の戦いを繰り広げるなど武闘派になりつつある。
解の前でも色々とやらかしてはいるので、田舎っ子には負けているだけで最低限以上の力と相応の体力を兼ね備えていることは確か。
一応東京に居た頃はバッティングセンターの常連だったらしい。
沙都子が絡むと最強のロリコンと化す。
特にOVA版アウトブレイクではレナと共に沙都子を生け贄にしようとしたライフルで武装した村人達を悟史バット一本と人間離れした挙動で虐殺してみせるという覚醒赤坂や葛西、小此木といった卓越した実力者も真っ青な武闘派ぷりを見せた。

そこらの女の子よりもきめ細かく綺麗な肌をしている(魅音談)らしく罰ゲームなどで着る女装が似合ってたりする。

超がつくほどの口達者で、その話術で多くの人(特に同性)を自分のペースに巻き込む力を持っており、梨花曰く「口先の魔術師」。
特にセールス方面での話術に長けており、いくつかの編では祭のインチキ露店を繁盛させたり村の新入りでありながら祭りのオークションの司会を任されたりしている。
皆殺し編ではその力を最大限に使い雛見沢住民を一つにまとめあげ、園崎天皇(明王)にして鬼婆こと園崎お魎まで動かし、雛見沢の風潮そのものを覆してみせた。

反面咄嗟の機転が鈍く、特に嘘をつくのが苦手。余裕が無い突発的な状況では、アドリブがきかず苦しい嘘になりやすい(特に時報後)。
焦った時には「クールになれ」と己に言い聞かせて精神統一を行うが、事態を収拾するどころか余計ひどくなってしまうためイニシャルをとって「KOOL」と揶揄されている。
実際こういう時に下手に考え込むと隠蔽や独善的な方向に走ってしまいがちなので、むしろ直感のまま熱くなった方が効果的なことが多い。
なお、このセリフは他のキャラも使うことがある(詩音やレナや鷹野や雲雀13など)。

部活でのゲームスタイルは経験不足と読みの甘さを口先でカバーするタイプ。
時折神がかり的な強運と煩悩で勝つこともあるが、大抵は最後に罰が当たって盛大に自爆する。
他には萌え知識やヲタ知識を矢継ぎ早にまくし立て戦意を喪失させ、場合によっては実力行使を加える固有結界と呼ばれる必殺技を持つ。
明確に登場したのは目明し編だが、鬼隠し編の時点でその片鱗が見られる。
昼壊し編では恋にひた走るかぁいいモードのレナをも足止めさせる口撃を見せる。しかし味方まで聞き入ってしまい誰も先に行く者がいなかったので意味がなかった。
なお、バイオやメタルギアやDOA、グラディウス(昭和60年)やダライアス(昭和61年)東方Project(平成9年)など昭和58年はおろか昭和にさえ存在しないオーバーツなキーワードがたくさんあるが、気にしてはいけない。
ただし流石に(原作でもぼかしているとはいえ)権利的にアウト過ぎる為、CS版などでは悉く改変されてしまっている。原作以外でこれらを限りなく忠実に聞けるのはドラマCD版のみである。

こうした怒涛の語りを、アニメやドラマCD、コンシュマーゲーム等で保志氏が恐ろしい滑舌で演じて見せた。流石声のプロである。
特にドラマCDではCS版のような区切りもなくあの長台詞を言いきっていると思われている為猶更である。
またアニメ版祟殺し編では風呂でのぼせあがっていた沙都子を見つけた時に、ふすまを蹴り倒しながら叫んだ「ウッディ!」がネタにされている。
この言葉に意味はなく「うおおおお!」のようなかけ声なのだが、某10円かってくらいにハッキリそう言ってる。どこをどう指示(アドリブ)したらこうなるのか不明。
某おもちゃの映画の主人公とは関係ない…はず。
なおドラマCD版などではちゃんと「うおおおお!」である。

女心に鈍感ではあるもののその容姿や性格から幅広く好意を持たれており、
本編中、かつ部活メンバーだけでも3人には恋愛感情を抱かれており、女こまし編では祟りの影響で性格が一変していたのもあるが雰囲気と言葉で部活メンバーを魅了していた。
特に園崎家の女の気質と合致しているのか、皆殺し編では茜にガッツリ気に入られ、煌では自分を庇った詩音にも好意を持たれたり(他のいくつかの編でも気になっている様なそぶりがちらほらある)、君恋し編ではお魎に惚れられたりもしている。

ちなみに「暇潰し編」クリア後の「お疲れ様会」において「悪の暗黒四天王」が結成されてから‪
入江京介(イリー)、富竹ジロウ(トミー)、大石蔵人(クラウド)と‪萌えを求道する同士・魂の兄弟ソウルブラザーとして交流があり、
罰恋し編に羞晒し編‬と言った短編やひぐらしデイブレイクではよくこの設定が使われていたりする。
‪その活動は表立ってはいないもの、雛見沢村内やエンジェルモート等において、その萌えの追求の為の活動をしてる様子。 ‬
なおソウルブラザーとして呼び合う際の圭一の呼ばれ方は「K」。 ‬


苦手なことは料理。
家庭科も真面目に学んでいなかった為基本的なことすら理解しておらずレシピ本を見ても全く理解できず、野菜炒めを作ろうとした時には家を焼きかけ、罪滅し編ではサラダ油はサラダにかけるものと思い込んでいた。
ただし、両親とデイキャンプに行くことが多いため、飯炊きだけは得意。しかし飯盒炊きオンリーで、炊飯器は扱い自体知らなかった。
祟殺し編では練習の結果、炊飯器の扱いと味噌汁を作るくらいは出来るようになった。



都会から越して来たことや、(広義では)画家の父親がアトリエ&将来的に自宅で個展を開く前提で大きな家を建てたことから、雛見沢の住民から前原家は「前原屋敷」と呼ばれ大金持ちのように見られているが、居住区自体はそれほど広くはないらしい。
それでもそこそこ広い自室を持っているあたり(アニメ版では部屋に固定電話まで置いてある)、十分上等である。
だが金銭面では厳しいようで、圭一本人は小遣いの1000円を必死にやりくりしている。


以下ネタバレ




















かつては類い希な秀才*1で、それ故に天狗になり他人を見下す傲慢な性格になっていき、
両親からの過剰な期待、受験戦争や塾通い…など、都会に付き物な勉強のストレス*2から歪んでしまい、それを両親などに打ち明ける事も出来ないまま、やがて物陰からモデルガンで人(自分より幼い女児)を撃つという陰惨極まりない凶行でストレス発散をするようになった。
そんなある日、女の子(CSでは女性)の目に怪我をさせてから罪の意識が芽生え、それに耐えかね自首。暫くは完全にふさぎ込んでしまっていたが父親のすすめで雛見沢に逃げるように引っ越してきた過去を持つ。
やってしまった過去は消せないが、この時の深い後悔により性格面は真っ当になった。そして雛見沢分校を見学し自由な校風に魅力を感じ「ここで今度こそなりたかった自分になる為」に心機一転、雛見沢での第二の学校生活を始める事となる。
なお、両親の方もこの事件を通して圭一への接し方・育て方などに関して責任を感じているため、家族仲は悪くなっていない。

東京では友人関係に恵まれていなかったようで、何か隠すような雰囲気があったり他者からの介入があったりしたとは言え、
鬼隠し編などで「仲間に隠し事は無しだ」「隠し事があるヤツは仲間じゃない」と友人たちのプライベートに深入りしようとしたり、不用意な介入をしようとして魅音やレナに諭されるなど、所々コミュニケーションが歪な所がある。
この「仲間に隠し事は無し」という論理は、罪滅し編で見事なブーメランの如く彼に突き刺さる事となる。


雛見沢の悪習をはねのける新たな風として各所から期待されているが、寧ろ最初は彼自身が惨劇の原因となることが多い。

鬼隠し編では雛見沢症候群を発症し、人間不信のあまり周りに暴言を吐いたり、
レナや魅音を撲殺するなど自己中心的かつ短絡極まりない凶行に走り、
祟殺し編では沙都子の救済を理由に身勝手な殺人を正当化し、周囲の人間を殺す事ばかり考える殺人鬼の如き人物に豹変してしまった。
ただし、鬼隠し編の様なケース(圭一が東京に戻り、症候群を発症)はレアケースであるらしく、奇跡的な不運が積み重なって起きたものである。

だが罪滅し編よりかつての記憶を継承することで仲間との絆が何より大切な事を学び、惨劇に立ち向かう強い意志を手に入れる。
そして皆殺し編では持ち前の発想力と口先でいくつもの奇策を編み出し、今迄悪手になってばかりだった熱血ぶりをリーダーシップとして正しく発揮する。
それは部活メンバーのみならず多くの人間を惹きつけ(「ルールX」による惨劇の完全阻止)、最終的には雛見沢に根付く悪習(「ルールZ」)を吹き飛ばす「新たな風」になるまでに至る。
お魎を説き伏せたのも皆殺し編であり、園崎家の意向により話に尾びれこそ付いたが*3 ひとつの村をまとめ上げ、園崎天皇と渡り合った男として雛見沢は勿論、興宮界隈にもその名を轟かせる武勇伝を築き上げた。
もし皆殺し編でハッピーエンドを迎えていたら、将来どれほどの傑物になっていただろうか…。今後、地方行政に要注意人物として一家丸ごとマークされそうだが。

祭囃し編とは別に描かれた最終章澪尽し編では親戚の葬式で東京に戻った際、
怪我を負わせた女性とその両親たちの謝罪に行き、
帰り際に女性から怪我を負わせたモデルガンの玉を託され二度と、馬鹿な事を考えず、自分の周りの人たちのことを守って、傷つけない人間でい続けることを誓っている。
断片的ではあるものの罪滅しと同じく記憶を継承しており、誰よりも早く梨花に協力し、惨劇の未来に立ち向かい奮闘する。

「クールになれ」と自分に言い聞かせていた圭一が決意により誰よりも強く、落ち着いた心を持っていた澪尽し編はあらゆる末路を辿った前原圭一の集大成とも言えるかもしれない。

ちなみに、極めて低確率(100年の間に1、2回程度の確率)で圭一の父親が雛見沢で梨花や羽入と出会わなかったせいか、圭一が転校してこなかった世界もあったらしい。*4
梨花はその世界を『鉄平が雛見沢に帰ってくる世界よりも最悪の世界だった』と語っている。



ソシャゲ「ひぐらしのなく頃に命」では第4章より参戦。
黒幕の手によって村八分に遭い雛見沢を追い出され、興宮へと引っ越している。鬼隠し編の記憶を持っており、(黒幕に操られたとはいえ)自身を追い込んだレナや魅音たちのことを仲間として信じている。
本編主人公として、命主人公である公由一穂たちに協力する。また一穂は幼い頃に興宮のおもちゃ屋で部活を楽しむ圭一に憧れていて……?
第7章では窮地に陥る一穂たちの前に詩音と共に駆けつけ、合流。ツクヤミと化した魅音、レナと対峙する。


この俺、前原圭一は住みなれた雛見沢を離れ、
画家の親父が選んだここアニヲタWikiで新しい追記・修正に営んでいる…

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最終更新:2023年08月05日 12:12

*1 計算式や画一的な問題文から読み解くタイプの出題には弱いが、「自分の身近な事象に関わる形での出題」に対して異様なまでの理解力を見せる。当初は成績が振るわず親に連れられて訪れた塾でそれを見出されてから成績が上がるようになった。

*2 勉強のコツを掴んだ当初は楽しくなっていたのだが、元々は褒められたい下心でやってたに過ぎず、周囲の期待度ばかり上がって褒められなくなってからは苦痛でしかなかったと述懐している。

*3 実際は激昂してお魎に掴みかかりかけただけだったが、そこからお魎と日本刀での剣劇を繰り広げた末彼女の首を掴んで無理やり頷かせた…と極限まで誇張されて広められた。

*4 モデルガンの事件自体起きなかった賽殺し編とはまた別と思われる。