Nier Replicant

登録日:2010/06/15(火) 00:12:10
更新日:2019/12/10 Tue 13:58:13
所要時間:約 5 分で読めます










一人の為に、全てを滅す





NieR Replicantとは、開発キャビア、販売スクウェアエニックスの王道RPGである。
開発があの鬱ゲーを開発したキャビアだったため、いろんな意味で期待をされていた。

また、本作はPS3とXBOX360の両方で販売されており、
・タイトル(PS3:Replicant/XBOX360:Gestalt)
・主人公の年齢(PS3:少年→青年/XBOX360:壮年)
・ヨナと主人公の関係(PS3:兄妹/XBOX360:父娘)
・声が日本語か英語(PS3:日本語/XBOX360:英語)

このような違いがある。
細かいところではムービー中の口の動き(リップシンク)はきちんと話す言語に合わせて調整されているほか、英語音声ではピー音がなく、カイネの罵詈雑言をそのまま聞くことができる(字幕上は伏字)。
他にはOPムービーがまったくの別物だとか、PS3ではPS3標準のデータ管理画面を使用するが360はセーブ用の画面が用意されているなどの違いもある。

もっとも、ストーリーの大筋には違いはない。一応、Replicantが開発が想定していた基本仕様で、Gestaltは海外向けということでムキムキのオッサンにしたもの。
海外では『NIER』のタイトルで両ハードともに内容はGestaltのものが販売された。よって『Nier Replicant』はPS3版の日本国内版しか存在しない。
しかし「日本のRPGにこういうの求めてないんで・・・レプリカント欲しいわ」と一部では不満の声があがったとか。
そういう事情があり、書籍やドラマCDなどの媒体ではReplicantを基準として作られている。
が、決してGestaltが黒歴史だとかダメだとかいうわけではない。オッサンと英語音声に抵抗がなければ是非こちらも味わってみてほしい次第。

因みにDODのEエンディング後の世界という設定になっている。知らなくても問題はないが、知っていると少しニヤリとできるかも。
公式ではDODシリーズとして扱われている。

またHDMIケーブルの使用を前提としているのか、通常のケーブルだと文字が非常に読みづらいことになる。

続編が決定した。開発は「ベヨネッタ」のプラチナゲームズ、キャラクターデザインは「ブレイブリーデフォルト」「新生FF14」の吉田明彦が担当する。



プロローグ
2053年、夏。東京。
崩壊したスーパーマーケットに妹と2人、身を隠していた少年がいた。
日に日に弱っていく妹。
襲いかかってくる怪物。
妹を守るために戦うが、力及ばず倒されてしまう。

「僕が…ヨナを…守るんだ…」
愛する妹を守るため、力を求めて一冊の本に触れる。

それは不気味な本。禍々しい装飾を施された「黒の書」。

少年は黒の書からもたらされた力を武器に、怪物を薙ぎ倒し、愛する妹の元に戻る。
しかし妹の咳は止まらず、体には謎の紋様が浮かび上がる。
その紋様は妹の体全体に現れ、まるで彼女を縛りつけているように見えた。

「助けてください、誰か!」
今日も東京は、塩の雪が降っていた。



それから1432年後…






登場人物
ニーア
CV:少年期 岡本信彦/青年期 遊佐浩二
本作の主人公。
幼い頃に両親を失い、それから唯一の肉親である妹を溺愛している。
また誰にでも優しく(ただしマモノは例外)、物事を素直に受け止めるために周囲の人物によく信頼されている。

ヨナ
CV:野中藍
ニーアの妹で、唯一の肉親。
幼い頃から体が悪く、日中でも室内で過ごすことが殆ど。
しかしながら兄を大切にしている気持ちが高く、その健気さから周囲の人物を惹き付ける魅力を持っている。
不治の死病、黒紋病に感染してしまう。そしてレプリカントでいえば少年期の最後に魔王に攫われてしまう。

白の書
CV:ピーター
封印されていた古の書物。
記憶が失われているが、高い魔力を持ち人語を解する。
だがおとぼけな一面も持ち、ただの堅物な本ではないようである。

カイネ
CV:田中敦子
両性具有であり、また大食らいで品のない人物。
女性を強調すべく服装は下着のみで身体の半分はマモノに侵されている。
口を開けば罵倒の嵐で、規制音(ピー音)が流れるほど。
ちなみにこのピー音、収録時にはちゃんと言っているため、収録現場に居合わせた人は田中敦子さんの放送禁止用語連発を聞けたのである。羨ましい。

実験兵器7号
CV:?
全身骸骨という醜い身体の代わりに強大な魔力を持つ実験兵器。中身はニーア大好きなゲイのショタ(ただし1300歳以上)。お嫁さんになる気満々という真性である。
そのコミカルな外見から本作のマスコット的な存在となっている。本作一の萌えキャラ。
異常に生命力が強く、首だけになっても死なない。そこら辺の素材で体を作れ、最終的には腕が4本に増え、目からビームを出せるようになったらしい。

魔王
CV:?
マモノ(この世界の敵)を統べる、マモノ達の王。
突如ニーア達に襲いかかり、ヨナを連れ去ってしまう。
何故かシルエットがニーアに似ている。






概要
発売前は、「どう考えても鬱ゲー」「また横尾ロッカーか」「仲間全員にラスボスフラグが立っている」と、色んな意味で期待しているファン(赤い目)がほとんどだった。
しかし、いざ発売してみると良い意味でファンを裏切り、至って王道のファンタジーRPGであった。

素晴らしいのが王道を王道と感じさせないストーリーとなっており、少し変な部分も交えつつ、それがスパイスとなってプレイヤーを飽きさせない作品となっている。

また、音楽も好評価であり、特に「イニシエノウタ」は発表直後から絶賛されており、サントラは暫く品薄が続いたほどである。
さらにアレンジアルバムとドラマCDも発売された。


難点は周回プレイを前提としており何度も同じボスと戦うことだが、2週目以降は物語の途中から始まり、1週目では語られなかったイベントが追加されている。
1週目ではわからなかったことが色々とわかるようになっているため………さて、このゲームを作ったのはキャビアです。後はもうわかりますね。



以下軽くネタバレ(各エンディング)












Aエンディング:ニーアとヨナ
ヨナを助けるため魔王の城に突入したニーア。
仲間の犠牲や裏切りがありながらも魔王を倒し、ヨナと再開する。
「お兄ちゃん、見て!きれい!」
ヨナに袖を引かれ、空を見上げると光に満ちていた。
手を繋ぎ、青空を見上げるニーアとヨナ。
ニーアは無事、愛する妹を助け出すことができたのであった。


Bエンディング:ゲシュタルト
魔王には守るものがいた。
100年、1000年、彼は愛すべき者のために存在していた。
その結末は、愛する者は死に、自分も消滅するといったものだった。
絶望を感じ、消滅する意識の中で死んだ筈の愛する者が声をかけた。
1000年間、彼がずっと望んでいた彼女の声。
その声、その言葉は彼を縛りつけていた全てからの解放を意味していたのかもしれない。

「ずっと一緒にいてくれて…ありがとう」


Cエンディング:最後ノくちづけ
魔王を倒すも、カイネの身体は限界まで来ていた。
マモノに蝕まれ、もはやマモノ化を止めることをできない。

「私を…殺せ」

ニーアはカイネの身体に刃を突き立てた。
苦しみから解放されたカイネはニーアに髪飾りと感謝の言葉を残す。

「ありがとう…」


Dエンディング:最後の代償
カイネが目覚めると傍らには少女の姿がいた。

「あなたが助けてくれた…のよね?」

少女は床に落ちた髪飾りを拾い上げる。
それを手にしてカイネは、初めて自分が泣いていることに気がついた。
なぜかはわからない。記憶を探ってもなにもない。
だが…

「何か大切なモノを…もらった気がするんだ。とても大切な、何かを…」


※以下、設定資料集の情報。
























A〜Dエンディングは全て、バッドエンドである。

ニーアはどのEDにおいても愛する人を救えてはいない。

全存在=全セーブデータを捧げたのにも関わらずだ。







最大のネタバレ













ヨナの黒紋病は治っていない。治せない。全エンド後で、しばらくすれば死ぬことが確定している。


実はニーア達はDODのEエンドのとばっちりで滅びかけた地球の人類が長き時を経て蘇る為に100年周期で作られる『レプリカント』という予備の肉体であり
本当の人類はマモノと呼ばれる存在(撃墜されたアンヘルの体から得た魔法の力で分かたれた魂・ゲシュタルト体)である。
レプリカントの製作にはゲシュタルト体の存在が不可欠であり、さらにゲシュタルト体は放っておくと自我が崩壊し『崩壊体』と呼ばれる存在になる。

そしてゲシュタルトが崩壊体になると対応するレプリカントにも異常が発生する。これが黒紋病である。
崩壊体になった個体が元に戻ることはなく、同じく黒紋病も治らない。そして黒紋病になったレプリカントは必ず死ぬ。

黒紋病を食い止めるにはゲシュタルトが崩壊体になるのを食い止めなければならないのだが、
それが可能なのはオリジナル・ゲシュタルトと呼ばれる存在『魔王』から発せられる魔素を取り込む(ただし崩壊体になったらもう間に合わない)、
もしくはゲシュタルト体の精神活動をコールドスリープなどで強制的に停止させることのみ。
さらに言うと、供給されたとしても絶対に崩壊体にならないわけではない。
ヨナのゲシュタルト体はとっくの昔、つまり2053年に崩壊体になりかけていたが、コールドスリープによって完全な崩壊を食い止めていた。
つまり本編のヨナは崩壊体を基にしたレプリカントなので100%黒紋病になるし、治す事も出来ない。

『助かる』方法はゲシュタルトとレプリカントが融合する事なのだが、その場合レプリカントは乗っ取られる。
オマケに単なる融合ではゲシュタルト体の欠点である「日光を浴びると消滅する」は克服できない。
誘拐されたヨナはゲシュタルト・ヨナと融合することで黒紋病と崩壊体の侵攻を食い止めていたのだが、
レプリカント・ヨナの『兄』への想いを感じ取ったゲシュタルト・ヨナは日光を浴びてニーアと魔王の前で完全に消滅。
ゲシュタルトとの融合も解除されたが、ヨナは再び黒紋病が進行する事に。

そして魔王もニーアの手によって倒されてしまい、さらにゲシュタルト体からレプリカントを作成・管理する2体のアンドロイドも破壊された。
魔素の供給は途絶え全てのゲシュタルト体は崩壊体になり、新たなレプリカントも生まれない上に全員黒紋病で死ぬ。


つまり、ニーアは妹を救うつもりで全人類を滅ぼしたのである。
キャッチコピーの「一人のために、全てを滅ぼせ」の意味はこれ。





ちなみに、魔王の正体は2053年の東京にいたゲシュタルト・ヨナの兄。
ニーアのゲシュタルト体そのものである。





どう転んでもバッドエンドです。本当に、本当にありがとうございました

なお、Eエンド(設定資料集に乗っているSS)では、他に似たような区画があることが語られているので、魔王が彼だけではない可能性がある。
尤も、そうだとしても問題が出た区画は丸ごと閉鎖されるようなので、物語の舞台となった区画の人類は間違いなく全滅である。


さらに、ゲシュタルト体はパッと見ると異形であるが、崩壊体以外は精神面はまとも。後編に登場するボスのマモノも基本的にニーアに敵意があるわけではない。
ボスマモノの方々「俺達は平和に暮らしたいだけだし、あんたらレプリカント体に何かしたい訳じゃないんだから来ないでくれ!
本気で彼らの主張はこれだけである。にも拘らず、彼らのテリトリーに踏み込んで荒らしまくったのはニーアたちレプリカントの方。
1周目で「死ね、この化け物ども!」とか思いながら惨殺したプレイヤーは、2周目以降で心底後悔する羽目になる。




ちなみに、例によって投げっぱなしの謎がいくつかある。
  • 神話の森にある巨大樹:近くの住民に死に至る夢を見せていた。しかも、後に別件で中にある魂と思しきものが破壊されると周辺住民は巨大樹への敬意を突如失った。
  • エミールがいた洋館:随所に見られるホラー演出。また、1000年間存在していたというのにそうは見えない。
  • 何者かによって奪取されたアンヘルの体:設定資料集の年表にて。盗んだのが誰なのか不明。
  • レッドアイの存在:設定資料集の年表にて。魔素汚染によって人外化した人間を統率できるという、謎の存在。世界を滅ぼすという神との契約に前向きらしい。
  • 天使の卵らしき物体の描写:設定資料集の年表にて。近くのレプリカントの死体が、レッドアイ化して復活したらしい。
当時は意味不明なものが多いが、DOD3関連の設定などと合わせるともしかしたら意味が通るかもしれない。

また、ニーアの世界は現実世界寄りでDODの世界は異世界と思いきや、実はDODの世界もかつて起きた災厄がなければ現実と同じ歴史を辿っていたことが判明。
しかも、その災厄というのもニーアの世界で過去に起きたとある出来事に由来するものであった疑いが出ている。

なお、続編が出るらしい。果たして今度はどんな絶望なのだろうか。












Eエンディング:失ワレタ世界
真実。計画。失敗。破壊。本来の姿。世界。人形。管理。機械。崩壊。終了。管理。恐怖。
月の涙に抱かれた、彼。


あの日、何か大事なものと引き換えに愚かな人間たちの計画が阻止され、やがて滅びることが決まった世界。
少しだけ育ったカイネが、音信不通になった村の安否を確かめるべく向かった神話の森は、機械と融合した不気味な領域に成り果てていた。
この区画の管理者だという少年に言わせるとこの区画は失敗で、本来は他の区画の人間が戻ってくるまで凍結するのだが、自分の存在意義がわからないのでいっそ消してしまうつもりなのだという。
少しだけ形の変わったエミールと共に少年へ立ち向かうカイネは、少年の中枢である大樹の根本、白い光の中へと飛び込んでいく。
そこは現実と魔法の曖昧になった領域で、そして――――……








こやつを頼んだぞ、下着女―――









追記・修正なんか勝手にしてろ、この○☆□◇野郎。

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