秘密書類やきすて銃

登録日:2017/03/28 Tue 19:37:47
更新日:2025/03/25 Tue 16:58:16
所要時間:約 7 分で読めます





秘密書類やきすて銃とは、ドラえもんのひみつ道具の一つである。
初登場回はてんとう虫コミックス第28巻収録の『大ピンチ!スネ夫の答案』*1
そのツッコミどころの多さから局所的な人気を誇っている。

【概要】

「秘密書類焼き捨て銃」「秘密書類焼きすて銃」などと表記されることも。
作中ではスパイに奪われた秘密書類を遠距離から焼却処分するための光線銃と紹介されている。
最近はデジタル化も進んでいるのに紙媒体を想定しているであろう「焼き捨てる」という効果だけでどうにかなるのか?などと案ずるなかれ。
この道具は火力がそれはもうとんでもないことになっており、恐らくは秘密書類を奪ったスパイもろとも焼き捨てる道具なのである。
やはりと言うかなんというか、微妙なひみつ道具の項目でもばっちり紹介されている。
そしてなぜ子守ロボットに過ぎないドラえもんがこのように用途が限定的かつ物騒な道具を所持しているのかという点についてはファンの間でよくネタにされている。

なお、わさドラ版ではデジタル化が進んだためか一度「秘密情報焼き捨て銃」に名前が変更されたことがあるが、何故か公式サイトでは元の名前で掲載されているほか、その後の登場時には元の名前に戻っている。
パソコンやサーバー諸共焼き捨てるつもりなのだろうか。


【『大ピンチ!スネ夫の答案』における活躍】

テストが返却されたある日、スネ夫が自分たちと同じようにテストで低得点を取った」と考えるのび太ジャイアン
「ついついジャイアンたちに同意してしまったが、実は100点を獲得していたので2人に自慢したい」スネ夫。
点数を言い出せなくなってしまったスネ夫は「テストを隠した上でのび太とジャイアンに敢えて見つけさせる」ことで自慢するという策を実行するのであった。

そのスネ夫の策に引っかかったのび太・ジャイアンはスネ夫が自分たちより低得点であると確信。
点数をからかうためにドラえもんからペーパーレーダーや暗号解読機といった道具を借りて捜索を試みるも中々上手くいかない。

最終的に事情を察したドラえもんから「かわいそうに。スネ夫が必死になって隠してる秘密を暴くなんて、それでも友達か!!」と説教された2人は我が身を恥じるのだった。

一方その頃、帰宅したスネ夫はテストが手元にないためにママから低得点を疑われる事態となっており、結局ママをテストの隠し場所まで連れて行くことになる。
しかし、その場面を目撃したのび太・ジャイアン・ドラえもんは「スネ夫がママに低得点のテストの場所を白状させられた」のだと誤解してしまう。

この緊急事態にドラえもんが取り出したのが秘密書類やきすて銃である。
照準を合わせたドラえもんが引き金を引いた次の瞬間、テストの隠し場所が大爆発!

骨川親子が爆発に巻き込まれて吹き飛ぶ中、見事に仕事を終えた漢の後ろ姿を見せるドラえもんの横で、
のび太とジャイアンは手を合わせ勝利を喜ぶのであった。流石は畜生青狸である。

ばんざい、スネ夫の秘密は永久に守られた。


【アニメにおける登場回】

◇大山版『テストはやっぱりこわい』

1983年3月4日に初放送。

ほぼ原作通りの流れだが、ドラえもんの説教がより具体的なものになっており、
「きっとスネ夫の得点は0点だ。そんな得点を隠したいという気持ちは君たちならよく分かっているはずなのに!」
と得点にまで言及したものになっている。そしてしれっとのび太とジャイアンをdisるのはまさに毒舌青狸である

そしてラストでは、もちろん秘密書類やきすて銃が登場。
見事にテストを(骨川親子ごと)吹き飛ばしたドラえもんが、
夕日に照らされながら歓喜に沸くのび太やジャイアンと共に嬉し涙を流すシーンで締めくくられる。

のび太、俺たち友達だもんな!
うん、うん!

美しい友情だなぁ……。

なお、こちらのアニメ版でも最後までドラえもんもスネ夫のテストの真の得点を知る事なく終わっている。 


◇わさドラ版『大ピンチ!スネ夫の答案』(1回目)

2007年2月2日に初放送。
こちらもほぼ原作通りの流れだが、わさドラ特有のやたらオーバーな演出がよりシュールな空気を増幅させている。

「ペーパーレーダーでママの料理のメモを探す⇒無事見つかったが10点のテストがばれて怒られる」というママに疑われるスネ夫と対照になるのび太や
やたら詳細に描写されるジャイアンとのび太から褒められまくられるスネ夫の妄想*2など原作にないシーンもあるものの、
最後にはやっぱりドラえもんの「秘密情報焼き捨て銃」が火を噴き、スネ夫の秘密は永遠に守られたのであった。

友情バンザーイ!バンザーイ!


◇わさドラ版『大ピンチ!スネ夫の答案』(2回目)

2017年7月に行われたリニューアルに合わせた歴代の名作・迷作のアニメ化および再アニメ化の一環として、2018年2月2日にまさかの再アニメ化。

先生に怒られるシーンやスネ夫の話をママが信じないシーンなどが若干原作と異なる流れになっている、
「暗号解読機」をドラえもんに借りるシーンではのび太に加えジャイアンも同行している、
のび太&ジャイアンの低得点コンビのおバカぶりの強調*3
前回のアニメ化に引き続きやたら詳細な描写のジャイアンとのび太から褒められまくられるスネ夫の妄想、
ジャイアンとのび太側の「スネ夫の0点を慰めつつからかう」下心の妄想*4
涙ながらに怒るドラえもんの説教の理由がより分かりやすくなっている*5
など原作や前回のアニメ化とほぼ同じの流れになっている中で様々なアレンジが施されているが
ラストは今回もまたドラえもんの「秘密書類焼き捨て銃」が火を噴き、スネ夫の秘密は永遠に守られたのであった。

やったー!これでスネ夫の秘密は永久に守られたんだ!

友情ばんざーい!!


◇わさドラ版『消せ!イ・レーザーポインター』

わさドラのアニオリ回まさかの登場
ママのことをおにババと表現した作文が先生からまさかの大好評を受けてしまい、
感動のあまりそれを直接ママに渡しに来るという嫌がらせを受ける事態になったのび太がドラえもんに泣きついたことで登場。
だが、のび太が先生に褒められた作文を焼却処分することについて難色を示したため、
読まれたくない部分だけ消すことができる「イ・レーザーポインター」をドラえもんが取り出すという流れになっている。
ぶっちゃけるとチョイ役だが、登場したこと自体が衝撃である。
おまけにわざわざ公式のあらすじ紹介に「秘密書類焼き捨て銃」の字が躍っているあたり、スタッフの間でもこの道具のニッチな人気は周知の事実なのかもしれない。


【関連ひみつ道具】

〇ペーパーレーダー
『大ピンチ!スネ夫の答案』において、スネ夫の答案を探すために最初に使用された道具。
重要書類が辺りに散らばってしまった時に使う、紙を探知してくれるひみつ道具。
ただし「探知」するだけであり、本体を背中に背負い、手にレーダーを持ち自力で探索する形となる。
またあまりに精度が良すぎるせいか、広告やちり紙など関係ない「紙」まで探知してしまう。
秘密書類やきすて銃と同じく、なぜ子守ロボットに過ぎないドラえもんがこんな道具を所持しているのかは謎である。

〇暗号解読機
『大ピンチ!スネ夫の答案』において、スネ夫がテストの隠し場所について記した暗号を解読するために登場。
22世紀のFBIが開発したという手持ち型の暗号解読マシーン。
暗号が書かれた書類を上から挿入すると、どんな暗号でもあっという間に解読してしまう。
わさドラ版ではのび太がどさくさ紛れにテストの回答も解読してもらおうとしたが、「暗号」ではないので解読は不可能らしい。
開発元がFBIと明言されているため、子守ロボットに過ぎないドラえもんが所持している理由がある意味秘密書類やきすて銃以上に謎である。

〇イ・レーザーポインター
前述の通り、『消せ!イ・レーザーポインター』において秘密書類やきすて銃に代わってドラえもんが出した道具。
照射される光線を当てることで文字などを見えなくすることができる銃型のひみつ道具。
服についた汚れを見えなくする、文字の一部だけ消す*6
鏡で反射させた光線でも効果を発揮できるなど応用が利く部分も大きい。
しかし、あくまで見えなくしているだけで実際には消えておらず赤い光を当てることで再び見えるようになってしまうため、
書類そのものをスパイごと焼却処分できる秘密書類やきすて銃に比べて秘匿性は大きく劣る。



ばんざい、スネ夫の追記・修正は永遠に守られた。

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最終更新:2025年03月25日 16:58

*1 初出の小学三年生1982年9月号掲載時は『テストはやっぱりこわい?』。

*2 のび太「こんなに頭良いなんて知らなかったよ~♪」ジャイアン「スネ夫大先生~♪」スネ夫「まあ、それほどの事はあるけどね~♪」というもの。

*3 ジャイアン「それであれ、「熟語」ってどういう意味なんだ?」のび太「塾に行かないと分からないんだよ~。」などとのたまっている。

*4 のび太「いや~スネ夫君、0点くらい大したことないって!」ジャイアン「そーそー、0点なんてよくあることだぜ!俺は15点だけど~♪」のび太「僕10点~♪」といった流れ。

*5 ドラえもん「誰にだって隠しておきたいことぐらい1つや2つあるだろう!もし、その秘密を知ってしまったら、そっと胸の内にしまっておいてやる……!それが本当の友達!本当の友情!そうじゃないのかぁぁぁ!!」ジャイアン「確かに……!ドラえもん!俺、間違ってたぜ!」のび太「僕らはスネ夫になんて酷いことをしようとしていたんだ……!」と演出も含めて矢鱈熱いシーンになっており、シュール度も増している。

*6 「ピザ」の「゜」のみ消して「ヒザ」にするなど