登録日:2017/08/06 Sun 23:51:37
更新日:2025/03/08 Sat 23:28:14
所要時間:約 24 分で読めます
今作は
アメリカを飛び出し、世界各地の街でストリートレースを行うワールドグランプリを舞台に、
マックィーンがレースで奮闘する裏で進行する陰謀に、偶然
スパイと間違えられたメーターが立ち向かっていく物語が同時進行する。
そのため、マックィーンがほとんどサブキャラに回り、メーターが主人公といってもいいほどの活躍を見せており、
前作のカーレースに賭ける青春ドラマとしてのストーリーとは一変し、完全にスパイアクション活劇ものとなっている。
ファンの中では、本作は「続編ではなく
スピンオフとして見るべき」との声もある。
こうした前作からのあまりの路線変更が災いしたのか、全世界興行収入は前作から大幅にダウン。批評家からの評判も芳しくないものだった。
ストーリー
ピストン・カップを4年連続優勝し、今やアメリカ一のレーサーとなったライトニング・マックィーン。
拠点であるラジエーター・スプリングスでは最早、彼はなくてはならない存在であり、特に親友のメーターは会う度にはしゃいでいた。
そんな中、世界各国の代表レースカーが出場するワールドグランプリの優勝候補フランチェスコに、
ワイドショーでマックィーン相手に挑発されたメーターは電話で応戦、それがきっかけでマックィーンはワールドグランプリへの出場が決定する。
初の世界大会にマックィーンが緊張する中、ラジエーター・スプリングスのピットクルーたちは最初の大会である日本、東京へと向かう。
だが、その華やかなレースの裏側では、ある陰謀が密かに進行していた。それを止めるため、イギリスのMI6の諜報員たちが密かに潜入する。
そして、その証拠を掴んだアメリカの諜報員は、開会式の最中に敵に追い詰められある車にその証拠を託す。
それはたまたまトイレに入ったメーターだった。
大事なレースでドジをやらかしマックィーンにも呆れられ、自信をなくしかけた彼は、半ば強引にスパイの世界に引きずり込まれてしまい…?
登場人物(車?)
※CVは原語版/日本語版
≪ラジエーター・スプリングス≫
◆ライトニング・マックィーン
CV:オーウェン・ウィルソン/土田大
カーナンバー:95/アメリカ代表
ルーキー時代だった前作を経て、今作時点でピストン・カップ4連覇という正真正銘の大スターとなったアメリカ最速のレーシングカー。
前作とは打って変わって、経験を積み精神的にも成長して信頼できる仲間も得た。
ラジエーター・スプリングスを拠点に変え、オフの度に寄っては心を落ち着かせている。
親友となったメーターとはいつも仲良しだったが、今回彼のおかげでワールドグランプリに出場することとなる。
そしてメーターのあまりの破天荒ぷりに恥をかき、一時は彼をキツい言葉で突き放してしまうも、彼がスパイ活動で失踪し心を痛めてしまう。
元々ストックカーということでヘッドライトを付けていなかったが、ワールドグランプリ参戦にあたって装備。そのほかリアウィングや細かな塗装などのマイナーチェンジを行っている。
各国の代表車たちとのスペック比較としては、最高速度ではF1マシンやプロトタイプカーにやや劣り上から4番目と意外に控えめ。しかし彼らが最高速度と引き換えにダートを苦手とするのに対しマックィーンはドック・ハドソンに師事していたためダートでも強いというオールラウンダーさを強みとしている。
◆メーター
CV:ラリー・ザ・ケーブルガイ/山口智充
今作の実質主人公。ラジエーター・スプリングスのムードメーカーにしてマックィーンの大親友。
常日頃からマックィーンを喜ばせるために一生懸命やったり気ままに振る舞うのだが、世界の舞台ではどうにも空回ってしまい、当のマックイーンからも見放され落ち込む。
しかし、成り行きでアメリカのスパイから証拠写真を託され、さらに偶然と勘違いが重なってイギリスのスパイたちからスパイ本人と間違われたことで、世界を股にかけスパイ活動に身を投じる。
ジャンク屋で部品集めをしていた知識が生きたり、とっさの機転や悪運の強さで次々とピンチを切り抜けるのだが…?
◆サリー・カレラ
CV:ボニー・ハント/戸田恵子
マックィーンの恋人。
忙しい合間を縫って会いに来てくれる恋人との時間を楽しみにする一方、勝負に向かう彼を温かく見送る素敵な女性。
◆ルイジ
CV:トニー・シャルーブ/パンチェッタ・ジローラモ
◆グイド
CV:グイド・クアローニ
タイヤ店の店主と店員、そしてメインピットクルーのイタリア車コンビ。
イタリア大会では宿泊費を浮かせるために彼らの実家の村に泊まった。
いつも仲良しの二人だが、喧嘩することも多かったようだ。
◆フィルモア
CV:ロイド・シーア/八奈見乗児
オーガニックオイルマニアのヒッピー。ワールドグランプリにも燃料担当として帯同する。
不祥事が続くアリノールに太鼓判を推してマックイーンに継続させたが…?
◆サージ
CV:ポール・ドゥーレイ/麦人
退役軍人の軍用ジープ。分析官やエンジニアとしてワールドグランプリに帯同しており、たいていフィルモアと一緒にいる。
今作ラストでは元軍人のコネで凄い人脈を持っていると判明。そして同時に、裏で地味ながら起死回生の一手を打っていたことがしれっと語られる。
◆シェリフ
CV:マイケル・ワリス/池田勝
◆ラモーン
CV:チーチ・マリン/桶浦勉
◆フロー
CV:ジェニファー・ルイス/片岡富枝
◆リジー
CV:キャスリーン・ヘルモンド/森ひろ子
◆レッド
ラジエーター・スプリングスの愉快な住民たち。
今回はお留守番なので出番は少なめだが、ロンドン戦では応援に駆け付けた。
◆マック
CV:ジョン・ラッツェンバーガー/立木文彦
マックィーン専属のトランスポーター。今作は世界が舞台なため、出番は少なめ。
◆ドック・ハドソン
ピストン・カップ伝説のレーサーにして町医者、そしてマックイーンの恩師。ワールドグランプリにダート区間がある関係で「最高のダートレーサーの一人」として実況・解説から言及される。
前作と今作の間に死去しており、今作では写真出演のみ。彼のかつての住居は記念館になっていた。
メタ的なことを言うと、中の人を務めていたポール・ニューマンが2007年に引退、及びその翌年に逝去してしまったため、収録が物理的に不可能となってしまった影響である。
彼は後に次回作『
クロスロード』にて、アーカイブオーディオ(『1』当時に収録された音声の流用)という形で再出演する。
≪スパイ関係者≫
◆フィン・マックミサイル
英国MI6所属のエリート諜報員。
何事にも冷静沈着、的確な判断と高い戦闘力で危機を切り抜ける紳士的なベテランスパイ。
ボディのあらゆるところに隠し武器や道具を仕込んでおり、これらを駆使して活動を行う本作の戦闘担当。
何を思ったのかどう見ても似合わないメーターをスパイと誤解し、彼を作戦に引き込み戦力として重宝するようになる。
彼の道化ぶりを演技と思い込んでいたのだが…。
イギリスのスパイ、隠し武器だらけのクルマということで、そのモデルは言わずもがなボンドカー。
シリーズで最も有名かつ人気であるアストンマーティン・DB5の意匠が強いが、他にも同年代の様々なスポーツカーを参考にしていると考えられる。
◆ホリー・シフトウェル
MI6東京支部に所属する技術担当のスパイ。スポーツカーらしい滑らかなボディが特徴。
当初はフィンを待ち合わせに引き合わせるだけの役目だったが、状況の混乱により作戦に本格参入。
スパイとして素人のメーターを遠隔指示やスパイ道具を使って教育し、憧れの対象に。
元々技術担当であるため、スパイガジェットもバリバリ戦闘をこなすフィンと比べると隠密重視で目立たないラインナップ。
しかし、ホイールに隠し持っているテーザー銃は終盤で存在感を放つことになる。
◆ロッド・レッドライン
CV:ブルース・キャンベル/大川透
アメリカの諜報員。
黒幕に関する重大な情報を入手しMI6に引き渡す手筈だったが敵に嗅ぎつかれ、偶然引き渡し場所のトイレに居合わせたメーターに画像ファイルを託す。
そして……
モデルは2006年式ダッジ・チャレンジャー。
フロントガラスの真下にディスプレイが装備されており、燃料メーターやオドメーターが表示されている。
地味にカーズ三部作で唯一の機構の持ち主である。
◆リーランド・ターボ
CV:ジェイソン・アイザックス/根本泰彦
イギリスの諜報員で、フィン・マックミサイルとは訓練時代からの仲。
映画冒頭で潜入先からフィンにビデオメッセージと座標を送り、彼が海底油田に赴くきっかけを作る。
中央の広場で怪しげな集会が行われる中、配置についたフィンが彼に無線を送るも、帰って来るのは雑音のみ。
そして集会の中でフィンが目の当たりにしたのは、キューブ状のスクラップにされた盟友だった……
黒い表現がちらほらある『カーズ2』の中でも断トツでエゲつない描写であり、シリーズ内で初めて「殺された」ことが暗示された登場人物。これが映画開始5分で飛んでくる。
なおその後、映画と連動して展開されたLEGOカーズシリーズにおいて「2×2ブロック+フラットパーツ+目のシール」という構成で「リーランド・ターボ」として収録されてしまう壮絶な死体蹴りを食らった。
◆シドレー
CV:ジェイソン・アイザックス/滝知史
フィンの協力者であるスパイジェット。
最新のハイテク機器とスパイ道具を搭載し、フィンたちのスパイ活動を移動面からサポートする。
劇中では、東京脱出を目指すフィンとメーターの前に羽田空港で初登場。
どうにか二人を収容するとそのまま飛び立ち、フィンの指示でパリへと向かった。
モデルは1995年式ガルフストリームV。
≪ワールドグランプリ≫
◆マイルズ・アクセルロッド
CV:エディ・イザード/落合弘治
石油会社の社長で、クリーンな次世代エネルギーの必然性を訴えるために自らを電気自動車に改造した。
ワールドグランプリを自社の新製品の次世代燃料「アリノール」の宣伝のために投資し、出場車たちに提供する。
だが、暗躍していた謎の組織によりアリノールが原因の事故が多発し、欠陥燃料によって窮地に追い込まれてしまう。
◆フランチェスコ・ベルヌーイ
CV:ジョン・タトゥーロ/宗矢樹頼
ゼッケン:1/イタリア代表
イタリア国旗のカラーに彩られた、大会最速にして優勝候補のF1マシン。ポルト・コルサは彼の出身であり庭。
自信家でビッグマウスだが相応の実力も併せ持っており、マックィーンをライバル視している。
ことある事にマックィーンを挑発し、何かと問題を起こすメーターをも馬鹿にする。マックィーンを焚き付け、今回のグランプリへの参戦を促したのも彼。
ところがアリノールによる大惨事をマックィーンと共に目撃し、それをきっかけに良きライバルとしてお互いを認め合っていく。
F1マシンなだけあり、最高速や加速に秀でる。一方でダート路面はてんでダメだが、一度アスファルトに戻ってしまえば圧倒的なパワーで追い上げが可能。東京戦におけるダート明けの追い上げは、トンネルに反響するエンジン音も相まって迫力満点。
ワールドグランプリではライト装着が義務づけられているのか、フロントウィングのフラップの間に申し訳程度のLEDライトが装着されている。
モデルは映画が製作されていた2008年から2009年にかけてのF1マシンと思われる。
名前の由来はフォーミュラカーと切っても切れない流体力学用語であるベルヌーイの定理と、それに名を残す数学者ダニエル・ベルヌーイ。
◆ジェフ・ゴルベット
CV:ジェフ・ゴードン(本人)/若林秀俊
ゼッケン:24/アメリカ代表
マックイーンと同じアメリカ代表であり顔馴染み。黄色い車体に星条旗をあしらったデザインをしている。
劇中では東京のパーティーでハミルトンとともにマックイーンを歓迎し、メーターの奇行を目撃した。
3レースすべてに出走。次回作『クロスロード』にもちょっとだけ出演している。
モデルは2009年式シボレー・コルベットC6.R。ツーリングカーのベストセラーで、現実のレースでもよく見かけることができた。
中の人はNASCARにおける大スター、ジェフ・ゴードンご本人であり、ゼッケン番号はNASCARにおける本人の車番が元ネタ。
名前の「ゴルベッド」もモデル車(コルベット)と中の人の本名(ゴードン)とを掛け合わせたものである。
なお放送言語・地域によっては、東京でのパーティーシーンにおいてジェフがその地域に合わせた配役に入れ替わっている。
例えばブラジル版ではカルラ・ヴェローゾが、フランス版ではラウール・サルールがジェフの位置にいるほか、中国版やオーストラリア版などではオリキャラが配置され、スペイン版ではフェルナンド・アロンソが本人役で登場しているなど、地域によって細かな違いがある。日本語版でシュウ・トドロキがいないのはなんでなんですかね…
◆ルイス・ハミルトン
CV:ルイス・ハミルトン(本人)/岡田貴之
ゼッケン:2/イギリス・グレナダ代表
ワールドグランンプリの出場車であり、マックイーンとは顔馴染み。
東京のパーティーシーンでジェフとともにマックイーンを迎え、メーターの奇行を目撃した。
英国生まれだが先祖がグレナダ系の移民であるため、出場車で唯一国旗をふたつ掲げている。
中の人はF1における大スター、ルイス・ハミルトンご本人であり、グレナダのくだりも本人の実話。
キャラデザも彼の希望で、ユニオンジャック基調だった初期案からシックな現行カラーに変更されたという。
ボディのモデルはマクラーレン・MP4-12Cで、これは制作当時、彼がマクラーレンF1所属だったため。
しかも中の人がかつてテスト走行した当時のモデルをそのまま参照したという徹底ぶりである。
なお、『クロスロード』にて同じくご本人演じる「ハミルトン」という音声アシスタントが登場するが、今のところ関係の有無は明言されていない。
ワールドグランンプリ出場車。元は量産型のセダンだったが、アマチュア時代に続けていた「黒い森」での走り込みが評価され、レース用に改造を受けてプロの世界に飛び込んだ。
「シュネル」はドイツ語で「速い」という意味であり、名前と合わせて"Mach schnell"で「急げ!(hurry up!)」となる。
車両のモデルはメルセデス・ベンツAMG Cクラス(W204)のDTM仕様であり、同名の市販車を改造してレースカーとなった経歴が一致する。なお、上述した各国語版オリキャラはアロンソを除く全員がシュネルの色違いである。
英語版・日本語版ともに喋らないが、ドイツ語版では当時のF1チャンピオンだったセバスチャン・ベッテルが声を当てており、「セバスチャン・シュネル」を名乗って東京のパーティーでマックイーンを出迎える。
なお、ロンドン戦を前に彼が選択した燃料は、前作でキングのスポンサーとしてお馴染みの「ダイナコ」である。
◆ミゲル・カミーノ
ゼッケン:5/スペイン代表
ボンネットに国章を掲げたスペイン代表のツーリングカー。
地元で有名な闘牛もとい「ブルドーザー追い」に参戦し、そのスピードと才能で注目を集めてあっという間にスターダムにのし上がった。
名前の由来はシボレー・エルカミーノだと思われる。一方、ボディに関しては、全体的なシルエットは2008年式ダッジ・ヴァイパーSRT-10 ACRに似ているものの、ヘッドライトはフェラーリ・458や日産・GT-R(R35)にも似ており、はっきりしたモデルは不明。
◆ラウール・サルール
CV:ローレント・ラーチャー(フランス語版)
ゼッケン:6/フランス代表
車体のトリコロールが眩しい、フランス代表のラリーカー。
史上初の9連勝を果たした世界最高のラリー選手として知られ、サーカス団所属という経歴とジムカーナの経験から特に連続カーブやダートコースなどでは無類の強さを誇る。一方でアルファルトでは強みが出せず、後退することもしばしば。
実際、東京戦ではスタート直後は先頭だったものの、直後のカットで抜かれるとずるずる転落。しかしダートセクションに入ると一気にマックイーンに次ぐ2番手につけアスファルトに戻ると一気に最下位…という怒涛の浮き沈みを繰り返している。運営もダート区間あるってだけで呼んだろ
フランス版ではジェフの代打としてパーティーでマックイーンを出迎える。
車体の主なモデルはシトロエン・C4の2006年WRC仕様であり、なおかつスポイラーにはスバル・インプレッサ2008年WRC仕様の意匠が見えるなど、様々なラリーカーをモデルにしていると思われる。
CGが精巧すぎて制作中にシトロエンから苦情が来たエピソードは、ピクサーの技術の高さと職人気質をよく表していると言えよう。
◆シュウ・トドロキ
ゼッケン:7/日本代表
車体に描かれた日の丸と龍、そして「日本」の文字が誇らしげなプロトタイプカー。
浅間山のふもとで育ち、若くして鈴鹿サーキットのチャンピオンに上り詰めた後、世界の舞台に飛び出した。
無口で礼儀正しく、それでいて内に秘めた闘争心の強さなど、キャラ造形はいかにもエスニックな日本人といった具合。
映画公式のキャラクター紹介ビデオでも、まずバックして車高を下げる「お辞儀」を挟んでからターンテーブルに乗っている。
プロトタイプカーらしく、フランチェスコほどではないものの直線スピードと加速が売り。
母国開催となった開幕戦・東京ではマシンパワーを活かして常に上位につけており、最後まで表彰台を争った。
第二戦・ポルトコルサではワールドグランプリ最大の惨事を作るきっかけとなり、悲しいことにそれがシュウ最大の見せ場である。
車体は2006年式プジョー・908 HDi FAPをモデルにしていると思われ、細かな意匠にはBMWやトヨタのグループCカーの影響もみられる。いわゆる「ル・マン24時間レース」に参戦しているような種類のレースカーである。
実は、ピットレーンの名前表記が最初から最後までずっと「Todoroki」ではなく「Todokori」と誤表記されている。
◆カルラ・ヴェローゾ
CV:クラウディア・レイテ(ブラジル版)
ゼッケン:8/ブラジル代表
ブラジル代表のプロトタイプカー。出場車唯一の女性レーサー。
ブラジルの自然を思わせる青と緑のボディに、女性らしくスパンコールが散りばめられている。
リオ・デ・ジャネイロ出身で、カーニバルとレース場がふるさと。
地元インテルラゴス・サーキットでコースレコードを叩き出し、その才能を見込まれて耐久レースの世界に乗り込んだ。
女性だと侮ることなかれ、彼女は出場車の中でもフランチェスコに次ぐ速さを持つプロトタイプカーであるため、普通にしっかりと強い。
実際、東京戦ではダート区間を除けば常に表彰台圏内から外れることなく、同じカテゴリのシュウと最後まで表彰台を争っていた。
車両のモデルと思われるのは2009年式ローラ-アストンマーティン・B09/60で、次いで2006年式アウディ・R10 TDIの意匠も見られる。
ブラジル版ではジェフの代打としてパーティーでマックイーンを出迎える。
◆ナイジェル・ギアスリー
ゼッケン:9/イギリス代表
深緑のブリティッシュ・グリーンに包まれたイギリス代表レーサー。
先祖代々の伝統である山岳地帯のヒルクライムレースに参加していたが、サーキットに活路を見出すと大活躍。
かのニュルとル・マンでの連続表彰台を含む功績によって、ワールドグランプリに招待された。
イギリス出身ということで、ハミルトンとともに英国王室のホイーリアム王子にこっそり応援されている。
車体のモデルは2008年式アストンマーティン・DBR9。
名前の由来はイギリス最速の蒸気機関車「フライング・スコッツマン」の設計師として知られるエンジニア、ナイジェル・グレズリーと思われる。
◆リップ・クラッチゴンスキー
ゼッケン:10/ニューリアエンディア代表
最近になって植民地から独立した東欧の小国、ニューリアエンディアから参戦のオープンホイールカー。
国際的に無名である祖国の名を広めようと予選会に参戦し、ワールドグランプリ本戦まで勝ち上がった。
もちろんそんな国は存在せず、国名も「リアエンド」のもじり。本作で唯一の架空国家出身車である。
4輪すべてがフェンダーに覆われたオープンホイールらしからぬ車体をしており、フォーミュラEのようになっている。
車体デザイン自体は、2007年のインディカーに参戦したダラーラIR-05をベースにしたピクサーオリジナル。また、フェンダーで覆われたホイールにはハルムF1の影響も色濃く見られる。
なお、架空国家というどうとでも料理できる設定や「Rip Clutchgoneski」→「R.I.P. Clutch gone sky」という縁起でもない内容にこじつけで読めなくもない名前から、一部ファンの間では「彼は初期段階のプロットでは死ぬはずだったのでは?」などという噂がまことしやかに囁かれている。
◆ダレル・カートリップ
CV:ダレル・ワートリップ/福澤朗
◆ブレント・マスタングバーガー
CV:ブレント・マスバーガー/中村秀利
◆デヴィッド・ホブスキャップ
CV:デヴィッド・ホブス/森田順平
ワールドグランプリの解説者たち。カートリップは前作から続投、下二人は今作からの登場である。
それぞれ名前は本国版の中の人のもじり。
ブレントのモデルは64年式フォード・マスタング、デヴィッドのモデルは63年式ジャガー・Eタイプ。
ブレント・マスタングバーガーはスピンオフ作品の『プレーンズ』で実況として登場している。
【各国語版ジェフの代打】
ここでは、ジェフ・ゴルベットの代打で東京のパーティーに参加している各国語版オリキャラを一気に紹介していく。
スペイン版にのみ登場。
ミゲル・カミーノと同じ車体に、アロンソ本人のヘルメットを再現したカラーリングが施されている。
◆フロスティ・ウィンターバンパー
CV:マーク・ウィンターボトム
オーストラリア版にのみ出演。オーストラリアの地図と国旗が塗装されている。
声優を務めるウィンターボトムは、豪州スーパーカー選手権でキャリア通算39勝と611出走を挙げた鉄人レーサー。
映画公開はちょうどキャリアの絶頂期にあたり、2015年には自身初の選手権優勝を成し遂げた。
◆ロン・ジー(龙哥)
CV:不明
中国版にのみ登場。
龍を模した塗装と、赤地に黄色い星というベトナム中華人民共和国の国旗を模したカラーリングをしている。
実は全世界共通でエンドロールにて存在が示唆されており、「China」と書かれた赤いボンネットが彼のものである。
◆メモ・ロハスJr
CV:メモ・ロハスJr(本人)
メキシコ版にのみ登場。
中央の紋章が無いが、メキシコの国旗を模しているカラーリングをしている。
本人役で声優を務めるメモ・ロハスJrは、デイトナ24時間レースで3度の総合優勝を飾り、メキシコ人として初めてアメリカ国内のビッグレースを制したとされる地元の大スターである。
◆フラッシュ・ニルソン
CV:ヤン・ニルソン
スウェーデン版にのみ登場。
スウェーデンの国章である「3つの王冠」とスウェーデン国旗を模したカラーリングをまとっている。
声優を務めるヤン・ニルソンはスウェーデン・ツーリングカー選手権に開催初年度から参戦しており、地元メーカーであるボルボを背負って初代チャンピオンに輝いた経歴を持つトップドライバーである。
◆ヴィタリー・ペトロフ
CV:ヴィタリー・ペトロフ(本人)
ロシア版にのみ登場。
ロシアの国章である「双頭の鷲」とロシア国旗を模したカラーリングをまとっている。
本人役で声優を務めるヴィタリー・ペトロフはロシア人初のF1ドライバーであり、ロシア人で初めてF1の表彰台に上った人物として知られる。
本人はロシア版限定だが、実はエンドロールで全世界版に出演を果たしている。もちろん日本語版にもいる。
エンドロールがロシアに差し掛かった際に表示されるポストカードで、雪道をドヤ顔で走っているレーシングカーが彼である。
≪敵組織≫
◆プロフェッサー・ザンダップ
CV:トーマス・クレッチマン/青山穣
本作のディズニー・ヴィランズ。
国際指名手配されていたマッドサイエンティスト。
アリノールの欠陥をつき、その評判を落とさせるために燃料を自動発火させる電磁波照射機を開発する。
「ペッパー・ファミリー」と手を組み、グランプリを陰謀の渦に巻き込んでゆく。
モデルは1957年式ツェンダップ・ヤヌス。
顔が付いている部分が実車ではドアになっていて、背後にもドアがあるという摩訶不思議な「前後対称」設計。
座席と座席の間にエンジンを置くミッドシップ式を採用したが、車体やエンジンが軽すぎたことで「人がどこに、どれだけ乗るかによってハンドルの効きが変わる」という欠陥車になってしまった。
◆グレム
CV:ジョー・マンテーニャ/花輪英司
ザンダップ教授の取り巻き。オレンジ色のほう。
ファミリー構成員として同型車の色違いモブが無数に出てくるが、そこそこ出番と台詞がある点で区別がつく。
映画全体を通してフィン・マックミサイル一派と壮絶な追いかけっこを繰り広げ、やがてその矛先はメーター、さらにマックイーンにまで向いていく。
ミサイルやマシンガンなどを内蔵し、ザンダップ教授から直々に命令を受けているなど、組織内での地位はそこそこ高いことがうかがえる。
モデルとなったのは1974年式AMC・グレムリン。
出来る限りコストカットしつつコンパクトカー部門でライバル社に先んじようと製造されたクルマで、そのコンパクトさはアメ車とは思えないほど。
抜群の経済性は経営難に喘ぐ会社の屋台骨を支え、登場から13年にわたって製造・販売が続けられた。
しかし、切り詰めるあまり外観がとてもダサく仕上がってしまい、さらに小さい車体に重いエンジンを載せたり、後部サスペンションの不具合があったりと根本的な問題が偏在。
そこにオイルショックと経営悪化による粗製乱造が重なったことで「欠陥車」の烙印を押されてしまった。
◆エーサー
CV:ピーター・ジェイコブソン/津久井教生
ザンダップ教授の取り巻き。緑色のほう。
グレム同様に色違いモブが大量に登場するが、やっぱり出番と台詞の量で区別できる。
グレムとコンビで登場することが多いが、理詰めで動くグレムに対してちょっぴり激情家な面がある。
映画内では機関銃やバーナーなど銃火器を取り扱うことが多く、その点で組織内から信頼を勝ち得ているようだ。
実は『クロスロード』にほんの少しだけ出演している。
モデルとなったのは1975年式AMC・ペーサー。
車体やガラスに曲線を取り入れた斬新なデザインで、ロータリーエンジンが搭載されるなどAMCの命運を賭けたクルマとして世に出る予定だった。
しかし、オイルショックによってロータリーエンジンの計画がおじゃんになり、さらに会社の経営悪化と重なったことで品質が目に見えて低下。
斬新だった曲面ガラスも重量増加→燃費悪化のコンボを招き、経営再建のための車種整理で'80年に廃盤となった。
なお、グレムリン、ペーサーに限らず、彼らが生まれた1970年代は「アメ車の品質が最悪だった時代」とも称されるほどの暗黒期。
走行中にパーツが落下する激ヤバ欠陥を抱えるシボレー・ベガや、「フォード・ピント事件」で悪名高いフォード・ピントもこの世代である。
◆トニー・トライフル
CV:ロイド・シェアー/日本語版不明
ファミリーに付き従う、見るからに軍艦チックな船舶。普段は石油施設に吊られている。
作中の描写から、石油施設周辺の警備やファミリーの護衛、輸送などを担当していると思われる。
機関砲やミサイル、魚雷、電磁石などの強力な武装を数多く有しており、これらを活用して敵を追い詰めたり、逆に利用されたり。
その特徴的な船体から、モデルはアメリカ海軍のインディペンデンス級沿海域戦闘艦と思われる。
同級は就役当初から幅広く数多く問題を抱え、一時は姉妹の4分の3が緊急メンテで動けなくなるなど「失敗作」とされており、それを踏まえたファミリー入りの可能性がある。
◆ビッグボス
「ペッパー・ファミリー」のボス。
素顔は不明で、会合でボンネットを開けたエンジンを映像越しで見せており、ボイスチェンジャーで会話する。
グランプリでの事故でアリノールの評判を落とし、ガソリンの売上を上げることを画策する。
登場する舞台
アメリカ国内で完結していた前作とは打って変わって、世界を飛び回るため国際色豊かに。
東京では日本車が大半で、ポルト・コルサではイタ車が多いなど、国に合わせて細かいところまで作り込んである。クルマ好きにはニヤッとできるだろう。
なお、三都市のサーキットはすべての出場車にとって公平になるよう考慮して設計されているようで、
F1カーやプロトタイプカー有利の長い直線、GTカー有利の細かくテクニカルなカーブ、ラリーカー有利のダートセクションがすべてのコースに含まれている。
また、東京でのレース中にシュウ・トドロキのクルーチーフ(マッハ・マツオ)が「10周目にタイヤをソフトに交換…」と発言していることから、周回数が最低でも10周以上はあり、かつタイヤにはソフトタイヤと最低もうひとつの種類が存在していることが分かる。
なお、初期段階ではフランスでの耐久レースとドイツでのラリーレースが含まれる予定だったが、この計画は制作段階でお蔵入りとなっている。
また、東京でのレースも1周目はカット無しのフル尺のものが当初は用意されており、本編ではかなり尺が削減されているほか、他の国のレースシーンの音声も元はこのフルverからの流用だったりする。
フランスの耐久レースとドイツのラリーレースの絵コンテ、および東京レースのフルverは円盤やディズニー+などに付属する特典映像で見ることができる。
◆日本・東京
最先端の電子技術と伝統文化が融合した、ネオン煌めく東洋一の大都会。
開幕戦の舞台であり、開会式パーティーもここで開かれた。
多少怪しい所(看板、鳥居のあるハイウェイ、能と歌舞伎が融合したような舞台)はあるものの、大体現実の
日本と同じ。
サーキットは東京の中心部に作られ、歌舞伎座や首都高、皇居のダートセクションや虹色に光るレインボーブリッジなど、東京の名所を数多く通過する。
また、三戦で唯一、夜間に開催される。
◆フランス・パリ
歴史と文化が華やぐ芸術の都。
エッフェル塔や凱旋門、ルーブル美術館などお馴染みの建造物も登場するが、特にスポットが当たるのは蚤の市。
現実世界では古物商や美術商がひしめく催しも本作では自動車部品のジャンクマーケットとして描写され、メーターご一行は観光の傍ら、ここで情報屋を探すことになる。
◆イタリア・ポルト・コルサ
第二レースの舞台。地中海沿岸に位置する港町で、本作の舞台で唯一の架空都市。フランチェスコの故郷でもある。
急斜面に美しい住宅街が立ち並び、カジノやヨットハーバーなどリゾート地の趣も感じられる。
カジノリゾート、アップダウンの激しい入り組んだサーキットといった特徴から、主要なモチーフはモナコと思われる。
◆イギリス・ロンドン
最終戦の舞台。
イギリスの首都。
歴史的建造物が多く、サーキットもビック・ベンやバッキンガム宮殿、アドミラルティ・アーチなど観光名所を巡るように設定されている。
女王陛下やバッキンガム宮殿の衛兵といった個性的なキャラクターのほか、ロンドンバスやロンドンタクシー、パブなどのご当地描写も盛りだくさん。
トリビア
- 『トイストーリー3』のロッツォ、『モンスターズインク』のハリーハウゼン、『レミーのおいしいレストラン』のGusteau'sなど、ピクサー関係の小ネタがあちこちに登場。お馴染みのピザプラネットも当然ながらどこかで客演している。
- こちらもお馴染みの「A113」は3回登場。じっくりと探してみよう。
・A113の場所:メーターのナンバープレート、シドレーの尾翼、ビックボスのエンジン写真の番号
君の追記・修正は爆弾だ!
- カーズのライバルの中でフランチェスコは好きなんだよな。マザコンなのに癒された。しかもそれを自慢するのがwww -- 名無しさん (2017-08-07 12:00:23)
- そんなにこれ評価悪いのか・・・確かに前作みたいなの期待してたらがっかりするかもしれんが、普通にこれはこれでアクション物としては面白いとおもうんだがなあ -- 名無しさん (2017-08-12 14:26:29)
- 事前知識がないと前作とのギャップに戸惑う。「メーターのスパイ大作戦」みたいな副題付ければよかったのにね。 -- 名無しさん (2017-08-12 15:54:26)
- 前作でフィルモアが語った『燃料会社の陰謀』が伏線……なのか -- 名無しさん (2018-08-03 19:36:03)
- 当時映画館で観たときは、メーターが主役だしテンポが速くて全然入り込めなかった。今改めて観たらスパイアクションもカッコいいしとても面白かった!ストーリーは確かに続編ではなく番外編向きだから···もったいないねぇ。 -- 名無しさん (2023-07-23 23:32:48)
最終更新:2025年03月08日 23:28