クラシカロイド

登録日:2017/08/07 Mon 00:34:53
更新日:2024/02/17 Sat 10:37:16
所要時間:約 11 分で読めます





クラシカロイドとは、NHK・Eテレ放送のオリジナルアニメーション作品。


監督:藤田陽一(第1期)→馬引圭(第2期)
キャラクター原案:土林誠
キャラクターデザイン:橋本誠一
シリーズ構成:榊一郎、土屋理敬
音楽:浜渦正志
アニメーション制作:サンライズ(第1期)→BNピクチャーズ(第2期)


◇概要
テーマは音楽。作品ジャンルはギャグ。
2015年7月に作品概要、ティザーイラスト等の情報が解禁された。
ベートーヴェンやモーツァルトをはじめ、誰もが知る天才音楽家たちをモデルにした謎の存在クラシカロイドと、彼らが奏でる奇妙な力を持つ音楽ムジークを巡る物語となっている。
が、監督で何となく察することができるがただの音楽アニメではなく、ギャグシーンのあちらこちらにNHKの夕方アニメとは思えないようなぶっ飛んだ描写が入っている。
藤田陽一監督曰く「闇鍋アニメ」。
また、クラシカロイドのキャラ付けは、モデルになった偉人たちの“アレ”なところを元にしているとのこと。
ムジークには、ベートーヴェンたちの名曲クラシックを布袋寅泰浅倉大介つんく♂といった著名人がアレンジした楽曲が使用されていることも大きな特徴。

第1期が2016年10月~2017年3月まで放送され、最終回放送では第2期の制作決定が発表。
第2期は2017年10月~2018年3月まで放送された。
各シーズンそれぞれで全25話構成、トータル全50話となっている。


◇ストーリー
  • 第1期
偉人、天才、だが迷惑
壊せ日常!出せムジーク!!
音楽都市ハママツに住む女子高生音羽歌苗
ある日、彼女が祖母から受け継いだ洋館《音羽館》に、ベートーヴェンモーツァルトを名乗る二人組がやって来た。
ひょんなことから2人は館に入り浸り、彼らと同じクラシカロイドと呼ばれる存在が次々と歌苗の前に現れるようにもなり、彼女の周囲は毎日大騒ぎに。
曲者揃いのクラシカロイドたちだが、彼らには不思議な音楽ムジークを操る力があった。
クラシカロイド、そしてムジークに秘められた謎とは…!?

  • 第2期
運命 vs. 革命
鳴り響けムジーク!!
相変わらず騒がしい日常を送る音羽館に、謎の少年とコビトカバが現れた。
音羽歌苗の弟とそのペットを自称する彼らは、あっと言う間に歌苗の信頼を得て音羽館に居着いてしまう。
しかし、2人の正体はクラシカロイドのワーグナードヴォルザークだった。
新たなクラシカロイドの登場で、音羽館はますます大混乱に。
果たしてワーグナーとドヴォルザークが音羽館を訪れた目的とは…!?


『クラシカロイド』について

元々はアルケー社が開発した「アルケロイド」と呼ばれる存在。
何をどうやっても目覚めなかったが、ある時響吾がバッハの音楽を聞かせたところ1体が起動し、自らをバッハの生まれ変わりだと名乗った。
その後(おそらく同様にクラシック音楽を聞かせることで)バッハ含め8体が覚醒した。

それぞれがモデルとなった人物の曲を操る「ムジーク」という能力を持つ。
発動すると曲が流れ始め、周囲の人間を奇妙な空間に巻き込む。

いわゆる人造人間だが、本人達はいたってお気楽に日々やりたい放題やっている。
開発者の音羽響吾曰く「なんか適当に混ぜたらできちゃった」らしい。


◇登場クラシカロイド
  • ベートーヴェン
CV:杉田智和/ムジークプロデューサー:布袋寅泰
クラシカロイドの八音の一人。音羽館の住人。通称ベト。モデルはドイツの音楽家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
自身がこだわることは周囲への迷惑お構いなしで貫こうとする、短気で頑固で凝り性なド変人。
劇中では餃子に情熱を燃やし、究極の「ギョーザー」を求めて日々バーナーを振り回す。
拘りが関係ないところでは聞き分けはいいほう。
ムジーク発動時の口上はSpielen wir unsere Musik.(さぁ、音楽を奏でよう)

  • モーツァルト
CV:梶裕貴/ムジークプロデューサー:tofubeats
クラシカロイドの八音の一人。音羽館の住人。通称モツ。モデルはオーストリアの音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
子供のように天真爛漫で自由奔放な性格。イタズラと下ネタが大好きで、周囲を困らせることが多いトラブルメーカー。
あらゆる物事で、とにかく自分にとっての楽しいこと・面白いことが起きることを求めている。
普段は前述の通り快活な問題児だが、時折そこからは想像もつかないほど気分が塞いだり真面目になることがある。(例として、第1期の7話や20話)
ムジークもノリの良い爽やかな曲から重くダークな曲まで多彩で、作中でも特に振れ幅の大きいキャラクターと言える。
ムジーク発動時の口上はHör mal, meine Musik.(聞け、私の音楽だ!)

  • ショパン
CV:鳥海浩輔/ムジークプロデューサー:EHAMIC
クラシカロイドの八音の一人。音羽館の住人。モデルはポーランドの音楽家フレデリック・ショパン
神経質かつネガティブな引きこもり。が、インターネット上ではチャットで言いたい放題だったり生放送を行っていたりとテンションが高い。
人間嫌いなため、人間じゃないパッド君やハッシーを信頼する。
「ショパン」の英字表記「Chopin」をもじり、リストには「チョッちゃん」、神楽奏助には「チョピンさん」と呼ばれている。
ムジーク発動時の口上はW nicości tworzę muzykę.(私は虚無に音楽を描き出す)
なお、彼のムジークの歌唱には全てギャラ子を中心にボーカロイドが使用されている。

  • リスト
CV:能登麻美子/ムジークプロデューサー:浅倉大介
クラシカロイドの八音の一人。音羽館の住人。モデルはハンガリーの音楽家フランツ・リスト。実在のリストは男性だが、クラシカロイドでは女性となっている。
全てにおいて“愛”がモットーの博愛主義者。明るくのんびりとした性格だが、「愛」が関わると暴走する。
また、実在のリストに由来して女好きで、音羽歌苗を「子猫ちゃん」と呼び可愛がっている。
音羽館に住むクラシカロイドの中で唯一、マトモに家賃を支払っている。ショパンの家賃も彼女(?)が負担。
ムジーク発動時の口上はMusik ist Liebe, Liebe ist Musik.(音楽は愛、愛は音楽)

  • シューベルト
CV:前野智昭
クラシカロイドの八音の一人。音羽館の住人。モデルはオーストリアの音楽家フランツ・シューベルト
真面目だが融通が利かず、どこかズレている。
家賃を入れる気はあるが、戸籍も何にも無いため働き口が見つからない。
他のクラシカロイドから除け者にされる等、何かと不憫な目に遭うことが多い。
ベートーヴェンのことを「(ベートーヴェン)先輩」と呼び深く敬愛する一方で、モーツァルトには強い敵意を向けている。*2
ムジーク発動時の口上はLasst unsere Musik erklingen!(我々の音楽を鳴らそう!)
一部ムジークに原曲ママが使用され、固定のプロデューサーが就いていない唯一のクラシカロイドでもある。

  • チャイコフスキー
CV:遠藤綾/ムジークプロデューサー:つんく♂
クラシカロイドの八音の一人。モデルはロシアの音楽家ピョートル・チャイコフスキー。実在のチャイコフスキーは男性だが、クラシカロイドでは女性となっている。リストはまだ分かるとして髭のオッサンをロリに変えるのはどういう思惑なんだNHK
バッハの側近であり、彼がプロデューサーを務めるアイドルユニット「クラスキークラスキー」で活動している。
人形のような外見の小柄な美少女だが、なぜか東北弁で喋る。バッハに片思いしており、彼の独特な言葉の意味を理解できる数少ない存在。
女性としての人生を楽しむリストとは対照的に、見た目未成年でウォッカも飲めないために、ヒゲオヤジ(実在のチャイコフスキー)だった頃に戻りたがっている。
ムジーク発動時の口上はПусть музыка принесет всем счастье.(音楽がみんなに幸せをもたらしますように)

  • バダジェフスカ
CV:M・A・O/ムジークプロデューサー:つんく♂
クラシカロイドの八音の一人。モデルはポーランドの音楽家テクラ・バダジェフスカ
チャイコフスキーと共にアイドルユニット「クラスキークラスキー」として活動している。
少し天然で清楚な正統派美少女。チャイコフスキーには振り回されることがしばしば。
神楽奏助に好意を寄せられており、ケータイのメールアドレスを交換する程度には心を許しているものの、バダジェフスカ側は彼にあくまでも塩対応。
実在のバダジェフスカの代表曲が『乙女の祈り』のみであることに由来して「一発屋」がNGワード。また、ムジークも同曲アレンジのものが1曲のみとなっている。
ムジーク発動時の口上はJa gram. Ja modlic sie.(私は奏でる。私は祈る。)

  • バッハ
CV:楠大典/ムジークプロデューサー:つんく♂
クラシカロイドの八音の一人であり、最初に起動したクラシカロイド。モデルはドイツの音楽家ヨハン・セバスティアン・バッハ
八音の中でも頭一つ抜けた力を持つクラシカロイドの親玉的存在で、相応のカリスマ性を備えた寡黙な人物。
チャイコフスキーとバダジェフスカのアイドルユニット「クラスキークラスキー」のプロデューサー、巨大音楽会社「アルケー社」の影の支配者*3という顔も持つ。
普段は「アンダンテ」「メゾピアノ」等の音楽用語を使ってでしか喋らない。
用語の意味から言いたい事を察せる場面もあるにはあるが、完全に意味不明な時も。
しかし第1期の12話や18話で普通の言葉も話せることが判明している。っていうか終盤は当たり前のように日本語を話す。なぜ普段から話さないのか理由は謎。
ムジーク発動時の口上はFüge dich zusammen, meine Melodie!(湧き出よ、我が旋律!)

  • ワーグナー
CV:松岡禎丞/ムジークプロデューサー:蔦谷好位置
第2期から登場したクラシカロイド。モデルはドイツの音楽家リヒャルト・ワーグナー
音羽歌苗の生き別れの弟ワタルを名乗り、音羽館にやってきた少年。
美しい容姿に反して性格は腹黒く強かで、歌苗の前では良い子を装うが、クラシカロイドたちに対しては当たりが強い。
史実の彼らに対する尊敬の反動でもある様子。無理もない。自身の本性をいち早く見抜き、猫被りが通用しないリストだけは苦手。
実はベートーヴェンたちと同じく音羽響吾によって生み出されたが、「ムジークを扱えない」という欠点を理由に八音から外され、存在を忘れられたクラシカロイド。
彼は元々、開発段階でムジーク暴走の兆候が見られ、響吾の判断でムジークを操る能力を無効化されていた。
が、その真相を伝えられないまま周囲の人間から屈辱的な扱いを受けたワーグナーは、八音を越え、自身の名を世に知らしめる革命を企んだ。
第2期・12話でバッハを打ち負かしてアルケー社を乗っ取った後、自身の知名度を上げる目的でアイドルWAGNER(World Amazing Galaxy Never Ending Revolution)として芸能活動も行っていた。
その過去故に、普段は涼しい顔をしているが、「出来損ない」という言葉には過剰反応し、これを言われると子供っぽくキレる。

  • ドヴォルザーク
CV:諏訪部順一/ムジークプロデューサー:千聖
第2期から登場したクラシカロイド。モデルはチェコの音楽家アントニン・ドヴォルザーク
ワーグナーと共に音羽館に現れたコビトカバ。諏訪部順一ボイスのコビトカバ。なにやらせてるんだNHK。
肉体はカバだが魂は人間であり、カバの本能と人の理性の間で揺れている。
食事も人間らしい食事を望んでいるが、見た目カバなので出される食事は生の野菜や果物。
本人も気付けばその辺の草を食んだりハッシーとエサを奪い合ったり、そんな自分を落ち着かせるように日々瞑想にふける。瞑想なのである。断じて昼寝ではない。
また、史実同様鉄道好き。ムジークも鉄道を模したもの。
ワーグナー同様、八音候補から外されてしまったクラシカロイド。ムジークを操る力はあるものの、人語を喋ることができず、外見がコビトカバであることが理由らしい。
引きこもってばかりのショパンを心配し外に出るよう促す一面も見せている。誰に対しても穏やかな性格の常識人(人?)
元々は音羽響吾の意思で「音羽館のペットのコビトカバ」として作られ、その際にドヴォルザークの音楽を聴かせていた為に、クラシカロイド・ドヴォルザークとして誕生したのが彼である。
第2期・14話でムジークを発動した際に人型バージョンが登場。物腰柔らかな老紳士となっていた。
ムジーク発動時は人語を喋れるようになる。



◇その他の主要人物
  • 音羽 歌苗(おとわ かなえ)
CV:小松未可子
女子高生で、ベートーヴェンらが住む音羽館の大家。
真面目で強気でサバサバした性格。祖母が残した音羽館に強い思い入れがある。
個性的すぎるクラシカロイドや神楽奏助に手を焼いている苦労人。しかも男運ゼロ。

  • 神楽 奏助(かぐら そうすけ)
CV:島﨑信長
音羽歌苗の幼馴染みの男子高生。
音羽館の住人ではないが空き部屋の一つを占領し、館に出入りしている。
大物ミュージシャンを志すが、口だけ達者で相応の才能には恵まれていない。「クラスキークラスキー」の大ファン。

  • パッド君
CV:石田彰
神楽奏助が常に持ち歩いている、タブレット型の情報端末。
音羽歌苗たちにクラシックを中心に様々な情報を教えてくれるが、少々厭味ったらしい。
第1期・10話でベートーヴェンらが電脳空間に入り込んだ際には人型で登場。執事風の美青年となっていた。

  • ハッシー
音羽館が飼育しているハシビロコウ。
普段は微動だにしないが、動く時はすごく動く。

  • 音羽 響吾(おとわ きょうご)
CV:大川透→堀内賢雄*4
音羽歌苗の父にして、クラシカロイド八音の生みの親である発明家。
天才的な技術の持ち主だが、私生活はダメ人間。
発明の為に音羽館の財産を食い潰し、歌苗が慎ましやかな生活を送るハメになっている原因でもある。
現在は世界を放浪中。

  • 音羽 日芽歌(おとわ ひめか)
CV:大原さやか
音羽歌苗の母。存在は第1期から明かされていたが、名前・容姿は第2期で初登場。
だらしない夫・響吾に愛想を尽かして出て行ったとされていたが、第2期にて歌苗宛てに突如手紙と「ワタル(ワーグナー)」を送り込んでくる。
性格は天然かつマイペース。ギャンブルに異様に強く大金を当てる一方、あっさりと騙されてその金を手放している。
独特のセンスで書置きを残す。

  • 三弦 亜紀楽(みつる あきら)
CV:藤原夏海
バッハに心酔する女秘書で、クラスキークラスキーのマネージャーも兼任。
かつては音羽響吾の助手を務めていた。語尾に「~っす」をつけることが特徴。
第1期終盤ではバッハの思想を曲解した結果、大騒動を起こしてしまう。

追記修正!出せムジーク!!

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最終更新:2024年02月17日 10:37

*1 ムジークプロデューサーのEHAMIC氏によると、本曲には50体ものボーカロイドを使用しているとのこと

*2 シューベルトは音楽を学んだ際、恩師から「お前の曲はモーツァルトのパクリだ!」と非難されたエピソードが元ネタか

*3 経営陣に自らのムジークで心酔させ、従えている

*4 大川氏の病気療養による休業を受けて堀内氏に変更された